みなさんこんにちは! わたかわです。
今回は最長片道切符の旅の10日目の様子をお届けしていきます。
2021年8月12日(木)10日目①
節目となる(?)10日目の朝は長岡駅からスタート。この後の乗り継ぎの関係で朝早くに出発しても時間を持て余してしまうので、朝はコインランドリーで洗濯等もしつつゲストハウスをチェックアウト時刻ギリギリまで滞在していました。
長岡というと個人的には県内で新潟駅に続く第2の都市というイメージですが、今までだと乗り換えで利用するばかりだったのでちゃんと降りるのは初めてでした。上越新幹線もほとんどの列車が停車する主要駅ですが、その割に駅舎が何だかものすごく古いように見えます。最近だと都心部だけでなく地方のターミナル駅でも国鉄時代からの駅舎が取り壊されて真新しいピカピカの駅舎に生まれ変わるという例は多いですが、長岡は今のところそうはなっていないようです。
10日目のこの日は長岡から上越妙高までルートを進めていきます。地図を見てみるとお分かりの通り、長岡→新潟→柏崎→宮内→越後川口→飯山→上越妙高というえげつない遠回りをするルートになっていて、なかなか新潟県を出ることができません。特に長岡と宮内は隣合う駅で、普通なら数分で移動できる距離にありますが、今回は長岡から宮内までも6時間ほどかかる計算になります。本当に頭がおかしくなりそうです(笑)。
そんな過酷な道のりに挑むべく、まずは長岡駅で腹ごしらえをしていくことにします。「日本の食」40品目となるのは、イタリアン(340円)です。イタリアンと言ってもパスタやピザなどではなく、新潟では焼きそばにミートソースをかけたファストフードのことを指します。「みかづき」「フレンド」等複数のチェーン店があるようですが、今回は長岡駅の駅ビルに入っている「フレンド」でいただきました。
ミートソースと焼きそばなんて合うのか…と思うかもしれませんが、これがめちゃくちゃ合うんです。焼きそば自体にも味がついていますが、そこまでしょっぱくなく薄味程度なのでミートソースの良さをかき消すことはありません。あくまでも麺は焼きそばなので、”イタリアン”とは言いながらもフォークではなく箸で食べるのも何だか面白いです。
小腹を満たしたところで、いよいよ最長片道切符の旅10日目のスタートです。まずは長岡12:00発の上越新幹線〔とき315号〕新潟行へと乗車していきます。長岡~新潟駅間は在来線(信越本線)でも繋がっていますが、この区間は昨晩に新津→長岡を利用してしまっているので、ルートの重複が起こらないようにするため新幹線の利用が必須となります。
長岡駅の新幹線改札内には、2020年12月をもってラストランとなった「現美新幹線」の座席が展示されており、自由席扱いだったソファ席の方には実際に座れるようになっていました。もし運行期間であれば最長片道切符の経路に組み込んでも面白かったかもしれませんが、それはお預けとなってしまいました。
新幹線のホームはかなり広々としていることが分かります。発着ホームとしては11番線(下り:新潟方面)と12番線(上り:東京方面)の2本だけですが、その間に通過線があるほか、11番線の脇には線路がさらにもう1本敷けるようにスペースが確保されています。数は少ないものの長岡を通過する新幹線も中にはあるようで、通過線はそのためと思われますが、はて11番線の脇のスペースは…? もしかすると日本海新幹線のためにスペースを予め確保しているのかもしれません。
上越新幹線では現在、E2系(10両編成)、E4系(8or16両編成)、E7系(12両編成)と実に様々な形式の車両が運行されています。そのため足元の乗車位置案内も実にカラフルで、分かりやすいですが鉄道に疎い人は一瞬混乱してしまうかもしれません。E4系は2021年10月をもって引退することが発表されておりますので、こんなに多彩な形式がやってくる光景も今だけです。ちなみに先ほどご紹介した現美新幹線はE3系(6両編成)ですから、昨年まではさらにややこしかったことでしょう。
まもなくすると東京からE7系がゆっくりと入線。前置きが長くなりましたが、いよいよ乗車していきます。
時間を調整して引退間近のE4系に乗ることもできたのですが、それはまたこの後の行程で乗る予定ということで今回はE7系の自由席を利用していきます。
列車は定刻通りに長岡を発車。途中燕三条にも停車しながら、終点の新潟までは所要時間わずか24分間です。
ざっと見た感じですが、長岡からの乗車もかなりあったように見えました。すなわち県内の移動でも新幹線を使う人が少なくないということで、これは新潟県の大きさを実感せずにはいられないところではありますが、いかんせん長岡~新潟駅間は在来線特急がわずか1日5往復しか残っていないのを考えると、短区間であっても移動の主力はやはり新幹線なのでしょう。自由席特急料金1,870円も大学生にとっては痛い出費ですが、例えば小さなお子さんを連れた家族であれば延々在来線で移動する負担を考えると安い出費なのかもしれません。
12:24に列車は定刻通り新潟駅へと到着。やはり新幹線の2駅はあっという間です。
あ新潟駅では、何とE7系の両側のドアが開きました。この列車、ちょうど新潟駅にて12:32に在来線ホームより出発する特急〔いなほ5号〕秋田行への接続列車となっており、新幹線と在来線が対面乗り換え可能な構造となっているため乗り換え用のホームも開くということのようです。先に右側(新幹線専用ホーム)のドアが開き、その後数秒置いて左側(特急乗り換えホーム)のドアが開くという流れでした。
改札口を出て万代口へと向かう途中の通路からは、かつての在来線ホームがあった跡地を見下ろすことができます。2018年に在来線ホームの大部分が高架化され、先ほどご紹介した新幹線と在来線特急の対面乗り換えはそれにより可能となったわけですが、それにしてもかつての在来線ホームを知っている自分としては寂しさもあります。
なくなったのは在来線ホームだけじゃありません。何と万代口の駅舎すらも取り壊されてしまっているのです。現在駅前広場とともに新駅舎の工事が行われており、完成はまだ少し先のようで現在まだ外からその様子を伺うことはできません。これもやはり寂しさはありますが、しかし地元民でもない私が何を言っているんだと言われればそれまでなので、とりあえずお昼ご飯を食べるために猛暑の新潟の街を歩いて万代シティへと向かいます。
「日本の食」41品目はバスセンターのカレー(480円)です。「バスセンター」というのは新潟駅から少し歩いたところにある「新潟交通万代シティバスセンター」のことで、ここの1階にある立ち食いそば屋のカレーが今や新潟の名物グルメとなっているのです。
ご飯の上に満遍なくかかった昔ながらの黄色いルウはとろみがあり、時間がたっても冷めずにアツアツです。中毒性のある味で病みつきになり、汗をこれでもかと流しながらも飽きることなく食べ進められます。普通盛ですがかなりのボリュームがありましたので、量に自信のない方は小盛を注文されることを強くオススメします。
ちなみに一応そばやうどんがメインのお店なのでしょうが、もはやこのバスセンターのカレーが名物になりすぎていて、周りを見てもみな一様にカレーを食べていてそばやうどんを食べている人は一人も見かけませんでした。この手のお店は男性の一人客が多いイメージですが、夏休みということもあってか小さな子どもがいる家族連れやカップルの姿もあったのが意外でした。
駅から少し歩くので新潟の滞在時間が短い時には厳しいですが、また来た際には是非とも食べたい名物グルメです。
さて、それではお腹も満たされたところで今度は新潟駅の在来線ホームへと入場していきます。ここからは越後線で吉田・柏崎方面へと進んでいきます。
4番線で待っていると、14:23発の越後線 吉田行が入線。これに乗ってまずは途中の吉田まで向かいます。新潟駅は越後線⇔白新線・信越本線方面が直通できる構造となっているため、新潟駅を始発・終着とするばかりではなく各方面から直通運転が多数行われています。首都圏と異なり特に路線ごとに車両形式が決まっているわけではなく、基本的にはほとんどの列車が上の画像のようなE129系にて運行されています。今回乗車するこの列車も、白新線の豊栄を始発としてやってきた列車のようです。
列車は定刻通りに新潟を出発。2両編成ということで車内はかなり混雑しており、座る余地はありません。ただしこの手の地方都市の列車というのは往々にしてターミナル駅を出発後に乗客は減る一方なので、市街地を走る間はまだ空かなくても徐々に座れる可能性は出てきます。まぁ今回は座れませんでしたが(笑)。
新潟を出て約1時間、15:18に終点の吉田駅へと到着。この先も引き続き越後線の列車へと乗り換えます。新津駅と同様に、ここでも駅名標が4方向に分岐していてなかなかインパクトがあります。
吉田から乗り換えるのは、15:44発の越後線 柏崎行。何と古き良き国鉄車両115系での運行ではありませんか!!!!! これは歓喜です!!!!
先ほども述べた通り、新潟地区は現在ほとんどの普通列車がE129系(通称”ハムタマゴ”)で運行されているのですが、今回のようにわずかながら115系もまだ運用が残っています。ただし運用は固定ではないそうなので、どの路線でいつ見れるかは運次第。そう遠くないうちに引退してしまう車両でしょうから、貴重なひとときを過ごすべくじっくり乗車していきたいと思います。
車内はボックスシートが基本で、青い色のモケットも今では貴重になりました。ただし肘掛けの形等を見るに、おそらく国鉄時代からの座席をそのまま使っているわけではなくリニューアルなどして少し新しくなっているようです。
越後線は新潟駅から遠ざかれば遠ざかるほど列車の本数が少なくなる路線で、新潟駅からは日中でも3本/時が運行されていますが、そのうち2本は内野どまり。残る1本のみが吉田まで走り、さらにその先柏崎方面へ接続がある列車はかなり限られてきます。吉田~柏崎駅間は1日わずか9往復しか列車の運行がなく、これがこの日の行程を組む上でも特に難儀したポイントでした。特に日中は列車の本数が極めて少なく、吉田15:44発の1本前は12:32発ということでこれでは早すぎる…となり長岡や新潟で足踏みをしていたのです。
列車は定刻通りに吉田を発車。先ほど新潟を出た時とはうって変わってガラガラの車内から、米どころ新潟の田園風景を眺めます。やはり新潟らしい車窓といえばこれでしょう。越後線だけでなく信越本線や上越新幹線などからも眺めることができ、毎日目まぐるしく移動する中でも自分がこの瞬間は新潟にいることを実感させてくれるものです。
小島谷駅では4分ほど停車し、対向列車との行き違いを行いました。ちょうど対向列車も115系だったようで、私が乗車している列車とはまた異なるカラーリングでした。
この115系を始め、多くの国鉄時代の普通列車車両には特急や新幹線のように座席番号が割り振られています。すなわち指定席としても運用できるようにしているわけですが、ボックスならまだしもロングシート部分で指定席というのはなかなか酷なことにも思えてきます。現代ではこうした普通列車車両を指定席列車で充当するケースは稀ですが、私も以前新潟地区で一度だけ全車指定席の115系に乗車しました。その様子は以下のリンクからご覧いただけます。
16:57に終点の柏崎駅へと到着。ここでは鯛茶漬けが名物ということで是非とも食べたかったのですが、ここで時間を使ってしまうと本日中に目的地までたどり着けないので残念ながらすぐに乗り換えていきます。
柏崎からは17:10発の信越本線 長岡行に乗車。決してそこまで列車本数が多い区間ではありませんが、ちょうどタイミングよく列車があって何よりです。この日2度目のハムタマゴとなります。
列車は2両編成、何とか座れたものの車内はかなり混雑していました。
17:49に宮内駅へと到着。この一つ先が終点の長岡ですが、そこまで乗ってしまうと同じ駅に戻ってきてしまうことになるので、ここで降りなければなりません。
それにしても前の日の晩に磐越西線で新潟県へと入ってから、かなりの距離を移動してきていますが未だに新潟県を抜け出せていません。新潟県の大きさを思い知るとともに、最長片道切符のルートの複雑怪奇さも実感せずにはいられません。
この後は飯山線方面へと進むため、上越線の上り列車へと乗り換えていきます。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。