わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

(18)JR東日本の数少ない”快速指定席”を乗り継ぐ大移動【最長片道切符の旅2021】[郡山→長岡]

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19:みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は最長片道切符の旅の9日目、後半の様子をお届けしていきます。

 

2021年8月11日(水)9日目②

磐越東線にて、福島県郡山駅には14:56に到着。これより磐越西線に乗り換え、会津若松・新津方面へと向かっていきます。

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しっかり号数もある

磐越西線には現在、特急の運行こそありませんが、郡山~会津若松駅間では停車駅を絞った快速「あいづ」号が1日3往復運行されています。そしてご存じの方も多いかもしれませんが、この快速あいづ号には何と指定席が連結されているのです。

せっかくなので今回は郡山15:45発の快速〔あいづ3号〕会津若松の指定席を利用していきます。

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何の変哲もないE721系…?

1番線へ向かうと、既に列車は入線していました。見てみると往年の485系特急車両などではなく、南東北でおなじみのE721系普通列車(4両編成)を使用するようです。行先表示器にはしっかり「快速あいづ」と表示されているものの、この列車が本当に指定席を連結した列車なのかと不安になってしまいます。まさかあの硬いボックスシートを指定席として運用しているのか…? と思うかもしれませんが、そうではありません。

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何やら華やかなラッピング(?)が!

 

列車の後方へと歩いていくと…ありました! こちらが指定席の区画です。いつもの緑色の帯に加え、大きく分かりやすい文字で「RESERVED 指定席」と表記がなされています。何と4両編成のうち、一番郡山寄りの車両の半室のみが指定席となっているのです。

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特急顔負けのリクライニングシート

車内へ入るとご覧の通り、特急車両顔負けのリクライニングシートが並びます。自由席の部分とは完全に扉等で仕切られているわけではありませんので、指定券を持っていない人でも通り抜けができるようになっている風でした。指定席は1編成のうちこの区画の14席しかなく、曜日や時間帯によってはかなり争奪戦となりそうな気がします。

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背面テーブルも装備

座席に着いてみるとご覧の通り。背面テーブル、フック、会津の観光パンフレットもあり、ここだけ見るとまさに特急らしさ満点と言えるでしょう。コロナ禍なので推奨はされていませんが、機構上は座席を回転して向い合せにすることももちろん可能です。

ただし、コンセントやWi-Fiの設備はありませんでした。運用開始が2020年春ということで少し期待していましたが、この点は良くも悪くも「普通列車(快速)」なのだというところを実感します。

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どちらも絶品

発車までまだ少し時間があるようなので、ここで郡山にて買ったご当地グルメ2種類をいただきたいと思います。「日本の食」37品目はクリームボックス(200円)、38品目はままどおる(5本入600円)です。

クリームボックスは、食パンの上にたっぷりのミルククリームをのせたデザートパン。ままどおるは昔からの福島の定番土産で、優しい甘みが特徴のお菓子です。どちらもおやつにぴったりの品です。

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まずは連続停車

絶品グルメに舌鼓を打っているうちに、列車は郡山を発車。この先郡山富田喜久田磐梯熱海、猪苗代、磐梯町と停車して終点の会津若松に至ります。「快速あいづ」以外にも磐越西線では全車自由席の快速列車が運行されており、多くの場合はそれら無名の快速列車(?)もおおむね同じ停車パターンのようです(川桁会津若松駅間各駅停車となるものもあり)。

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1号車(概念)

こちらが今回の指定券の券面です。普通列車の普通車指定席ということで基本は530円ですが、オフシーズンの月~木曜には330円で乗れることもあります。またこの辺りの普通列車には各車両に号車番号の割り当てがなく号車札も入っていないため、各駅発車時に車掌さんのアナウンスでも「進行方向いちばん後寄りの車両には指定席がございます」と放送していましたが、便宜上この指定席がある車両は「1号車」として券面に印字されていました。

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若者が7名、ク○ガキが1名

車内を見てみると、14席中7~8席程度が埋まっていて窓側席のみ満席といった様子。さすがはお盆ということだけあり、ニーズは低くないようです。客層はどちらかというと自分と同じくらいの若い世代が多いように見えました。車内では車掌さんによる検札が行われ、指定席と知らずに座っていた人もいたようですが空席がある場合には車内精算にて着席可能としているようでした(指定席なので本来あまり好ましいことではないと思いますが)。

なおこの指定席の区画は編成の最後部車両にありますが、この区画のさらに後方にも少しばかり自由席がありますので、指定券を持たない乗客でも指定席区画の通り抜けは問題ないように見えました。この区画のすぐ前方にはトイレもあり、あえてトイレの近い位置に指定席の区画を設けたのかなという気もします。

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磐梯山を望む

猪苗代駅手前付近から、車窓の右手には磐梯山が見えてきます。これまでにも何度か乗車したことのある路線なのでとりわけ物珍しいわけでもありませんが、やはりリクライニングシートで通れる機会というのはそうそうないのでまた格別です。

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磐梯町で行き違い

磐越西線は単線のため、途中ところどころで列車の行き違いがあります。最後の途中停車駅となる磐梯町でも郡山行の普通列車と行き違いを行いました。本数としては快速あいづ号よりも圧倒的に普通列車の方が多く、時間帯によっては問題なく座れると思いますが、やはり「着席保証」と「快適性」という2つのポイントから選ぶなら快速あいづ号の指定席もアリなのではないかと感じました。

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会津若松に到着!

郡山を出てから1時間5分、16:50に終点の会津若松へと到着です。磐越西線の他に只見線会津鉄道が乗り入れる、福島県会津地方最大のターミナル駅となっています。

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会津に来たらやっぱりこれ

ここではこの先の列車まで1時間半ほどの待ち時間があるので、少し早いですが夕食にしたいと思います。「日本の食」39品目は名物の会津ソースかつ丼です。駅から歩いてすぐの「かついち」さんでいただきました。

ご飯の上にたっぷり盛られたキャベツ、そして大きなソースかつはボリューム満点です。「見たらわかるウマいやつやん」なのは言うまでもありませんが、何とここにお味噌汁、茄子の煮びたし、お新香がついて850円ということですから驚きの安さです。

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ちょっと暇w

 

食後は列車の発車まで少し時間があったので、土産物屋さんなどを見て時間を潰します。会津若松に来るのは今回でもう3~4回目くらいですが、いつも鶴ヶ城などじっくり観光する時間はなく、ほとんど乗り換えかせいぜい駅周辺で食事を取るくらいしかできないので、またじっくり観光もしてみたいなと思うところです。

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新津方面最終列車

さて、それでは時間も近づいてきたので再びホームへと入ることにします。続いて乗車するのは、会津若松18:34発の磐越西線 新津行です。この列車、何と会津若松から新津まで当日中に抜けられる最後の列車(終電)となっています。夕方6時半で既に終電とは…何とも恐ろしいものです。この後も途中の野沢どまりの列車や喜多方どまりの列車が数本ありますが、特に津川~野沢駅間の列車本数が極めて少ないためこのようになっています。

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何と3両編成

車両はJR東日本の最新気動車GV-E400系ですが、何と3両も繋いで運行されます。ちょうど夕方の帰宅時間帯にあたり、高校生などの需要が高いことも想定してのことかと思いますが、実際そこまでの混雑にはなりませんでした(増結のおかげといえばそうかもしれません)。

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だんだん暗く…

列車は定刻で会津若松を発車。あくまでも種別は「普通」ですが、途中の喜多方までは通過駅があり、堂島、及川、姥堂会津豊川には停車しません。この4駅はどちらかと言えば停車列車よりも通過列車の方が多い印象ですので、もし行かれる際は停車駅によく注意しましょう。

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喜多方から先は非電化

喜多方から先は各駅に停車していきます。郡山を出てからここまでは電化区間でしたが、この先はずっと非電化区間となっています。最近巷では会津若松喜多方駅間の電化設備を撤去し非電化路線とする計画も取りざたされていますが、今後どうなるのかは気になるところです。

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野沢で数分間停車

徐々に日も沈み始め、最初のうちはそこそこ乗っていた高校生も数駅で降りていき車内はどんどん空いていきました。国鉄気動車というのももちろん良いですが、闇夜に映えるギラギラの最新気動車も悪くないような気がします。

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ようやく新津

会津若松を出てから2時間半、20:59にようやく終点の新津へと到着。4方向に線路が分岐する重要なターミナル駅で、新津鉄道資料館もあり「鉄道のまち」として知られます。

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かつての「急行きたぐに」の役割も兼ねる

 

もう辺りも真っ暗ですので、普通ならばここ新津でこの日の移動を切り上げたいところですが、新津駅周辺にはあまり宿泊施設がないというのもありますので、まだまだ移動していきます。この日最後に乗車するのは、新津21:14発の快速〔信越直江津です。

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快速信越は全車指定席

快速信越は、2021年春に運行を開始したまだ新しい列車です。いわゆる新潟地区の着席通勤需要を取り込む列車として、直江津新潟駅間で1日1往復限定で運行されています。かつては「おはよう信越」(朝の新潟行)と「らくらくトレイン信越」(夜の直江津行)として運行されており、らくらくトレイン信越については指定席ではなく乗車定員制での運行でしたが、列車名が統合され今年から上下列車とも全車指定席になりました。

この列車、かつて大阪~新潟駅間で運行されていた夜行急行「きたぐに」号の役割を補完する列車でもあり、急行きたぐにを主に新潟県内のみの短区間で着席通勤列車として利用していた人が一定数いたことを踏まえ、それまで長岡~新潟駅間のみだった着席通勤列車の運行区間を2012年に直江津まで延伸したという経緯があるようです。

定刻通り列車が入線。指定券は前もって買ってあるので、さっそく乗り込んでいきます。

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E653系の乗り得列車

車両は主に特急しらゆき号で使われるE653系。4両編成で、グリーン車はありません。ただ普通車指定席なので、18きっぷでも別途指定券を購入すれば乗車可能です。ライナー列車的なやつですが平日だけでなく土休日も含め毎日運行されているので、朝晩に新潟地区を快適に移動したい場合は積極的に検討してみていただきたい列車です。

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1車両10人くらい

列車は定刻で新津を発車。途中長岡までの停車駅は、矢代田、加茂、東三条、三条、見附です。特急しらゆきよりも若干停車駅は多いものの、この辺りの需要を着実に拾う意図があるものと思います。

車内は1車両に10人程度で、首都圏で湘南ライナーの混雑を毎日目にしていた頃と比較するとやはりガラガラという印象は否めません。混み具合だけ見れば「自由席にしてもいいんじゃないの?」などと思ってしまうかもしれませんが、逆に言えばそもそも「特急用車両に指定席券530円(時期によっては330円)のみで確実に座ることができる列車」と考えればだいぶリーズナブルに思えてきます。

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チケットホルダーに入れておこう

遡ること約6年半前、北陸新幹線開業前を思い返すと、新潟~金沢駅間を結ぶ特急〔北越〕や一部自由席も連結し上越地方~新潟を結んだ快速〔くびき野〕がこの新潟地区を席巻していました。どれも国鉄特急車両485系での運行ということで鉄道ファンからも人気が高かったようですが、残念ながらこの時代に私は一度も新潟地区を自分の足で訪れることは一度も叶わず、気づけばどれも廃止されてしまっていました。

E653系もとてもカッコいいですし、とても快適な車両であることは間違いありませんが「今あるものが永遠に続くわけではない」というのは何においても言えることだと思います。鉄道ファンの間でとりわけ人気が高いというわけでもないこのE653系に、今敢えて時間を合わせて乗るという鉄道ファンはそう多くないと思いますが、このように「ありふれた今だからこそ乗っておきたい」という気持ちを大切にしておきたいと思います。

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ようやく移動おわり

22:00に列車は長岡駅へと到着。9日目の移動はここまでとします。

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新しめのゲストハウス

この日の宿は、長岡駅から歩いてすぐの「ゲストハウス長岡街宿」。1泊2,000円で泊まれたのでなかなか悪くないところでした。お盆にもかかわらずガラッガラでほとんど空きだったようですが大丈夫ですかね…やはりコロナの影響というのもあるのでしょうか。

 

というわけで今回はここまで。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。