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2026年5月3日(日)
大邱市内の散策を経て、東大邱駅に戻ってきました。
次なる目的地は、人口約150万人を擁する主要都市「大田(テジョン)」です。

東大邱駅の発車標、一見するととてつもない高頻度運行のように見えますが、よく見てみると「釜山(Busan)行」と「ソウル(Seoul)行」が混在しています。つまり、上下線をまとめて一つの画面内で案内しているのです。
しかも、高速線経由の列車と在来線経由の列車を区別して表示するわけでもありません。言うなれば新大阪駅の1枚の発車標に「のぞみ東京行」「みずほ鹿児島中央行」「サンダーバード敦賀行」「くろしお新宮行」等がごちゃまぜで表示されているような状態です。

乗車するのは、東大邱11時54分発のITXマウム1006列車 ソウル行です。釜山~ソウル駅間を全区間在来線経由で約5時間かけて結んでおり、東大邱から大田までも約1時間40分を要します。KTX・SRTなら40~50分程度で結べる距離であることを考えるといかに鈍足であるかを感じずにはいられませんが、まあ東京~熱海間を東海道新幹線ではなく踊り子号で移動するようなものと考えればそこまで辛くもないでしょう。

釜山方面より列車が入線。2023年にデビューした「220000系」という新しい車両で、戦隊ヒーローのようなキリッとした顔つきが特徴的です。

発車標には「Delay 0」(=定刻)と表示があったものの、東大邱駅での乗降に時間を要したのか3分ほど遅れて出発。背面テーブルはお決まりの下から上に引き出すスタイルです。隣の人は大きなスーツケースを足元に抱えており狭そうではあったものの、一応それでも何とか足が入るくらいには座席の前後間隔に余裕があります。

東大邱を出て数分で、次の大邱に停車。決して主要駅でないということもないですが、KTX・SRTは当駅に停車しないため、現在は大邱市の玄関口としての機能を東大邱に譲っています。鹿児島駅よりも西鹿児島駅の方が栄えている、みたいなものです。

座席は満員で、デッキにも人が溢れるほどの大混雑。日曜日だからなのか、それとも四六時中こんな様相なのか…いずれにしても今後の輸送力の増強に期待したいところです。
なお前回同様、私は日本にいる時に前もってインターネット上で予約をしており、チケットレスで乗車しています。運賃は15,400ウォン(約1,640円)。日本では考えられないほどリーズナブルです。

西大邱駅を通過するとすぐに高速線と分かれていきます。
東大邱~大田駅間の途中停車駅は大邱、亀尾、金泉です。高速線が山を貫くように直線的に走行するのに対し、在来線は地形に沿ってくねくねと線路が敷かれているのはまさに日本とよく似ています。

昼食は旅気分を味わうべく、列車の中で…ということで、東大邱駅構内の売店で乗車前に購入した「チーズキンパ」(5,500ウォン)。キンパの専門店みたいなところで、いろいろな味のキンパが並んでいたのですが、商品名が全てハングル文字で全く解読できず、ショーケースをGoogleレンズにかけてうまく翻訳できたのが「チーズ」だけだったのでこれにしました(笑)。

チーズと他の具材がよく合い、なかなか絶品。恵方巻並みの太さと長さがありますが、細切りにされており箸で掴んでいただきます。

また食後には、前回ご紹介した大邱名物のあんパン(2,500ウォン)。大きさの比較ができず申し訳ないのですが、日本の一般的なあんパンとは比べ物にならないくらい大きいです。中には粒感の残るあんこがぎっしりと詰まっています。甘すぎず素朴な味わいで、ふわふわのパンとよく合います。

金泉は高速線の一部列車も停車する駅で、駅を出たところでだんだんと高速線の高架が離れていく様子も見えました。

定刻13時36分着予定のところ、4分ほど遅れて大田駅に到着!
当駅からも大変多くの乗車があるようですが、乗車口付近は四方八方から一斉に人が集まり混雑。日本では新幹線でも在来線でも整列乗車が浸透していますが、もしかするとそのような文化は韓国ではあまり浸透していないということなのかもしれません。

大田駅も釜山駅等と同様に、空港のような高い屋根をもつ開放的な構造です。待合用のベンチが無数に並んでいるようですが、人が多すぎて座れるスペースなどほぼ残っていません。

そんな駅構内の一角に、何やら行列を発見。左側に見える階段を降りた先にあるパン屋さん「聖心堂」に続いているようです。なんでも韓国を代表する超有名ベーカリーのようで、そういえば駅構内にいる乗客の多くが「聖心堂」と書かれた紙袋を持って歩いています。食べてみたい気もしますが、この列に並ぶのはなあ…調べてみると本店が駅から少し歩いたところにあるようなので、そっちも見てみることにします。

大田駅の現駅舎は2003年に竣工したものとのことで、背後の高層ビルと調和するスタイリッシュなデザインです。
まだ昼過ぎではありますが、本日は大田市内に宿泊予定なので、これから市内を散策・観光しつつのんびりと過ごしたいと思います。

大田駅のすぐそばから広がるのは「中央市場」。韓国中部最大の市場とも呼ばれ、生鮮食品から乾物、衣料品まで何でも揃う充実ぶりです。

中はとても広く活気があり、日本の商店街のアーケードに近い雰囲気もあります。パッと食べられる美味しそうな屋台グルメなどもありましたが、キンパとあんパンでお腹いっぱいになってしまいあいにくスルー。次に大田に行く時はお腹を目いっぱい空かせて行こうと固く誓いました。

駅の西側を流れる大田川に架かる「木尺橋」は、その奇抜なデザインから大田のランドマークの一つとなっています。
川を渡ると、その先に聖心堂の本店が見えてきました…が…。

お店の前には幾重にも折り返す行列。お店の中も大変混雑していそうで、先ほどの大田駅構内の店舗の比ではない長さです。
まあでも並べばそのうち入れそうだし…せっかく大田まで来たのだから並んでみるか…。
そう思った矢先、ふと後ろを振り返ると…衝撃の光景が広がっていました…。

道路の反対側に、店舗前の何倍もの長蛇の列が広がっていたのです…。
数百人、いや千人以上はいるかもしれません。流石にこの最後尾に並ぶ気にはなれませんでした。というかどこが最後尾かもよく分からず、どこからどのように列が繋がっているかも確認できない様相でしたので、まともに並んだところでお店の中へはいつまでも入れない気がしたためです。

聖心堂は諦め、地下鉄に乗車して移動します。EZLカードの残高が残りわずかだったためチャージをしようと試みましたが、どうやら駅の券売機ではチャージできない様子。係員に尋ねると、コンビニでならチャージできるとのことでしたので、いったん地上へ上がり、近くのセブンイレブンで10,000ウォンをチャージしてきました。

チャージが完了し、改めて駅へ。大田駅の一つ隣、「中央路駅」から乗車し向かうは「儒城温泉」です。

大田市内ではS字を描くように地下鉄が1路線だけ走っており、中央路駅から儒城温泉駅までは約20分の道のりです。日本国内の旅行ではあちこち温泉に行くのが私にとっての楽しみの一つになっていますが、さて海外の温泉はどんなもんなのか…?ということで向かってみます。

車内では多言語表記による案内もなされていますが、日本語については現地の読み方を直接カタカナで表記するストロングスタイル。儒城温泉は「ユソンオンチョン」と読むようですが、それよりもその左側の中国語表記の方が日本人にとっても分かりやすいです。

そんなわけで15時29分頃、儒城温泉駅に到着。駅は普通の地下鉄の駅ですが、さて地上に上がるとどんな光景が広がっているのか…?

普通に都会。交通量多すぎ。
「温泉」とは言っても、周辺はあくまでも市街地。ビジネス街ともなっており、高層ビルもあちこちに見えています。山あいの温泉街とか想像していると、拍子抜けしてしまいます。

幹線道路の交差点にそびえる半円状のアーチは、どうやら儒城温泉の玄関口を示すシンボルとなっている様子。温泉にまつわるキーワードがハングル文字でたくさん書かれています。
余談ですが、このアーチを撮影していると、傍から謎の学生団体的な人が近づいてきました。何を話しかけられたのかは全く分かりませんでしたが、政治か宗教かその類でしょう。ハリボーのグミをスッと渡されそうになりましたが、どう考えても怪しいのでスルーし逃げました(笑)。

儒城温泉に来たら是非とも体験していただきたいのが、無料の足湯です。「温泉路」と呼ばれる幹線道路の中央部分が細長い公園となっており、その公園の園内に設けられています。

かなり広い足湯ですが、多くの地元の方で賑わっていました。観光客らしき装いの人はあまりいなかったように思います。
基本的な楽しみ方はだいたい日本の足湯と同じですが、入る前にまず足を洗う必要があるので注意しましょう。足湯のそばに足を洗う専用の水道があるので、そこを利用します。
お湯の温度は熱すぎずぬるすぎずでちょうどよく、長時間でも入っていられそうです。この日は雨上がりでややじめじめとしていましたが、冬の寒い日などはさらに気持ちよさそうです。
また、足湯から上がったら先ほどの水道の近くに強烈な空気が噴射されるノズルがあるので、それで足を乾かしてから靴下を履きます。足ふき用のタオルを持っていく必要がないということで、よく考えられた造りです。

儒城温泉駅周辺には、立派なホテルもいくつか建ち並んでいます。「温泉旅館」という風貌とは程遠いですが、日帰り入浴のできる温泉ホテルがあるとのことなので、せっかくならば体験してみたいと思います。

こちら「鶏龍スパテル大温泉」。敷地内ではありますがホテルの建物とは別のところにあり、足湯の公園からも歩いてすぐです。

入ってみるとすぐのところにタッチパネル式の券売機があり、ここで入浴券を購入します。ただ全てハングル文字のみで、日本語も英語も一切ありません。Googleレンズを画面に向けて何とか翻訳しながら、何となくの雰囲気で操作。ちなみにこの券売機は現金が使えないようで、クレジットカードにて決済しました(2枚持っていたうちの1枚が読み込めず焦りましたが、2枚目で何とかうまく決済できました)。

入浴料は大人8,800ウォン(約940円)。このレシートのようなチケットをもって券売機の左側奥へと進んでいくと男湯の番台があるので、そこでチケットを渡して鍵と引き換えます。靴箱の番号とロッカーの番号は共通のものを使用します。
海外の温泉文化にもいろいろありますが、ここは日本と同じく裸になって入る大浴場です。構造や仕組みは日本とだいたい似ており、中は少し年季の入った銭湯という雰囲気でした。ただ泉質はアルカリ性ラジウム温泉ということで、浴場全体に独特の温泉の香りが漂います(臭いとかではない)。
日本の多くの温泉施設と異なるポイントとしては、料金にタオルが含まれており、脱衣室内で山積みになっているので自由に取って使える点です。その代わり小さなタオルは浴場内に持ち込まないのが正しいマナーのようなので、前を隠さずに堂々と入ります。
洗い場には固形石鹸のみが置いてあり、シャンプーボトルなどはなさそうでしたので、私は持参したものを持ち込みました。この辺は比較的自由みたいで、まさに銭湯の雰囲気です。
露天風呂はありませんが、サウナが2種類あります。片方が47℃くらい、もう片方は70℃くらいと表示されていました。私は普段日本でもサウナに入ることはほぼないのですが、せっかくなので体験価値として47℃の方に少しだけ入ってみました。初心者の私でもこれなら入っていられそうです。

日曜日の夕方、浴場内は親子連れからお年寄りまで幅広い年代の方で混雑していました。脱衣室にはドライヤーのほか化粧水や乳液などもあり、なかなか充実しています。ただやはり現地の方の利用が多いようで、浴場内も含めハングル文字以外の表記は一切ありませんでした。海外からの観光客はやはり少ないのでしょう。

儒城温泉駅から再び地下鉄に乗り、来た道を少し戻るように政府庁舎駅で下車。乗車時間は6分ほどです。

本日の宿は「東横イン大田政府庁舎前」。釜山に引き続き、こちらもフロントで日本語が通じるので安心です。ただ釜山の時とは異なり、やはり日本人観光客の姿はほぼ見かけませんでした。チェックイン時に少し並びましたが、聞こえてくる言葉は韓国語ばかり。自分の番が回ってきても不安になり「日本語でも…いいですか…?」と尋ねたところ、快く対応してくださいました。感謝。

釜山よりもさらに安く、今回は1泊55,480ウォン。内装は相変わらず日本の東横インとほぼ同じで安心感があります。

荷物を置いてひと段落したら、夕食を食べに街へと繰り出します。
と言っても、ホテルの周りは政府機関に関する高層ビルが立ち並ぶエリアで、東京の霞が関や永田町に近い感覚。お店らしいお店はあまりないので、整然と区画整理された道を南に数百メートルほど歩いていったところ、ちょっとした繁華街へ出ることができました。

ネオンサインの光り輝く一角に、韓国名物「カルグクス」のお店を発見したので、今夜はここでいただきます。いろいろなメニューがありましたが、一番オーソドックスっぽいやつを注文。お値段は6,900ウォンでした。
細い平打ち麺を使った料理で、こちらのお店ではきざみ韓国のりや白菜、しいたけなどが入っていました。スープは鶏だしの風味を感じる優しい味わいで、辛味はありません。とても日本人好みの味かと思います。

各席には注文用のタブレット端末があり、この端末にカードを通すことでクレジット決済まで可能という優れもの。お店の広さ的にも、何だか日本で言うところの松屋のような”現地の方の普段使いの飲食店”という雰囲気でした。一人で食べている方もいらっしゃったので、かなり入りやすいタイプのお店です。

ホテルへの帰り道、セブンイレブンに寄ってお酒とお菓子を購入。「カスビール」は韓国で有名な地ビール(?)のようで、355mL缶で2,500ウォンでした。また「7-SELECT」と書かれたチョコレート菓子はセブンのPB商品的なものでしょうか。まあまあ大きめの袋で、2,000ウォンでした。
またこのタイミングで、ホテルのランドリーを使用。洗濯2,000ウォン、乾燥1,000ウォンでかなり安かったです。洗剤は別途500ウォンで、ランドリー横の自動販売機にて購入可能ですが、その自動販売機が現金不可のようだったので注意。
2026年5月4日(月)

大田で迎えた朝。気温は10℃、快晴です。
ホテル共用部分の窓からは、遠くの方に何やら塔のようなものが見えます。これは1993年に開催された大田国際博覧会(大田エキスポ)の跡地だそうで、川を挟んだ広大な敷地は現在公園として整備されています。体力に余裕があれば滞在中にここも訪れたかったのですが、連日歩きすぎて足に疲労が蓄積しておりあえなく断念。

こちらでも定番の無料朝食をいただきます。2日前に釜山で食べたものと比べるとメニューは大きく異なっており、日本人観光客にとって馴染みの薄い料理が並んでいました。やはり日本人の宿泊は少なく、現地の人の口に合うメニューが中心となっているということなのでしょう。これはこれで美味しかったです。

チェックアウトし、地下鉄で政府庁舎駅から大田駅へと向かいます。
平日の朝とあって、政府庁舎駅周辺では通勤途中の方々とすれ違います。ビジネス街というか官公庁の街というか、やはりそういった雰囲気がとても強いです。

15分ほど乗車して大田駅へ到着。時刻は朝の8時前です。
ここからはソウルへと向かいますが、その前に…! 前日のリベンジを果たさねばなりません。

そう、聖心堂! 駅構内の店舗は朝7時から営業しており、平日の朝のためか行列はゼロ。
店内はかなりの人で混雑していましたが、レジの数も多くスムーズなのでストレスはほぼありません。焼き立てのパンがずらりと並び、目移りしてしまいます…!

いろいろ悩んだ挙句、一番人気の「ソボロパン」を購入。お値段1個たったの1,300ウォン…安すぎる!!
外側はさくさくで中はふんわりとしており、甘い菓子パンです。見た目がメロンパンと似ていますが、それよりは甘さ控えめといったところでしょうか。
ちなみに店舗内ではみなトレーに次々と大量のパンを取って行ったり、人気の詰め合わせボックスを何箱も大人買いしていたりと「爆買い」が当たり前となっている様子。パンってそんなに日持ちするものでもないと思いますが、たくさん買ってどうするのでしょうか…?

そしてこの聖心堂の紙袋。大田駅構内ですれ違う人はみなこれをいくつも持ち歩いています。たった1個しか買っていない私にも無料で紙袋を付けてくれて、ホント有難い限りです。
この後はKTXでいよいよソウルへと向かいますが、その様子はまた次回。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。










































































































































































































































































