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【伯備線新時代】新型やくも「273系」運行開始! 一番列車に乗車[出雲市→岡山]

 

2024年4月6日(土)

おはようございます。本日は島根県出雲市へとやってきました。

今回は岡山~出雲市駅間を結ぶ特急〔やくも〕の新型車両「273系」が運行を開始するとのことで、営業運転一番列車に乗車していきたいと思います!

記念すべき営業一番列車となるのは、出雲市5時27分発の特急〔やくも4号〕岡山行。4号ということはこの1本前、出雲市駅を4時台に発車する「2号」があるわけですが、そちらはまだ381系での運行ということになります。いきなり全列車を置き換えるのではなく、4~6月にかけて段階的に置き換えていきます。ってか4時台に特急があるの凄い…。

足元には新型車両のイラストが描かれた、乗車位置ステッカーも確認できます。以前から貼られていたものですが、本日よりいよいよ使用開始となります。

出雲市駅構内には朝早くから大変多くの鉄道ファンが集まっています。

そして発車の3分ほど前、いよいよ新型特急273系がホームに姿を現しました!!!

車体は「やくもブロンズ」とよばれる青銅色を基調とし、つやつやに仕上がっています。顔の形は287系とも似ていますが、西日本の特急はいずれも車体色が白っぽい傾向が強いイメージだけに異彩を放っています。

側面の行先表示器はフルカラーへと生まれ変わり、列車名と行先を表示します。最新式になっても従来のヘッドマークで使用されていた書体を継承しているところに、強いこだわりを感じることができます。

273系は4両で1編成となっており、本日この列車は2編成を連結して8両編成で運行されます。2024年3月16日より特急〔やくも〕は自由席を廃止して全車指定席となっており、この列車ももちろん全車指定席での運行です。

今回は普通車へと乗車します。普通車の座席モケットは青色・緑色を基調としており、隣の座席と少し色味が異なっているので客室内全体を見渡すと美しいグラデーションのようになっています。

各座席には背面テーブル・網ポケット・ドリンクホルダー・フックが備わっています。またひじ掛けにはコンセントがあり、フリーWi-Fiも完備。国鉄車両381系と比べると大幅なグレードアップです。

5時27分、列車は定刻通り出雲市駅を発車。この先宍道、松江、安来、米子、伯耆大山根雨、新見、備中高梁、総社、倉敷に停車し岡山へと至ります。

各駅到着前・発車後には車内チャイムとしてメンバーのうち2名が米子出身であるOfficial髭男dismの「Pretender」が流れます。縁結びの地として知られる出雲を発車した特急で「グッバイ、君の運命の人は僕じゃない…」というサビが流れる点はなかなかシュールです(笑)。

発車してまもなく、列車は宍道湖沿いの区間を走ります。これまで幾度となく381系の車内からも眺めてきた景色ではありますが、新型特急の車内から眺めるとまた改めてその美しさに気づかされます。

島根県の県庁所在地である松江を発車し、引き続き山陰本線を進みます。ホーム上では出雲市駅と同様に、この一番列車を一目見ようと多くの鉄道ファンの姿がありました。

出雲市・松江・米子・倉敷・岡山の各駅では、今回の273系運行開始に合わせホーム上の駅名標が雲の形をイメージしたものにリニューアルされました。

6時16分、列車は米子駅に到着。ここでは約7分間の停車時間が設けられています。

ゲゲゲの鬼太郎」の作者である水木しげる氏の出身地である境港への玄関口となる米子駅のホーム上には、様々な妖怪のオブジェや紹介が並びます。

昨年新駅舎が開業し、リニューアルの進む米子駅。「海、山、旅のドラマは米子駅から」という名物のキャッチコピーともついに営業運転で初めて邂逅を果たしました。

米子の次の伯耆大山駅を発車すると、列車はいよいよ伯備線へと入ります。すぐに見えてくるのは、駅名にも入っていた名峰「大山(だいせん)」。その見え方から「伯耆富士」とも呼ばれ、朝日に照らされる絶景は何ともいえぬ美しさがあります。

車内では、運行初日の本日に限り、車掌さんに声をかけると鳥取県と山陰観光連盟が作成した「記念乗車証」をいただけるという告知がありました。残念ながら私が声をかけたタイミングは少し遅かったようで、残部がなくなってしまったとのこと。しかしその代わりに一回り小さいながらもJR西日本の作成した「おもいできっぷ」と呼ばれる記念カードをいただくことができました。

裏面には例のフォントを使用したスタンプが押されています(左は381系「スーパーやくも」編成に乗車した際にいただいたもの)。

客室内には荷物スペースが設けられ、頭上の荷物棚にのせられない大きな荷物等をここに置いておくことができます。

デッキ部分は落ち着いたダークグレーとなっており、外装の煌びやかさとは対照的にスタイリッシュな印象を受けます。歴史を感じる381系のデッキ部分ももちろん良いのですが、273系の洗練された内装はまさに新時代の到来を感じさせます。

デッキと客室を隔てる出入口の頭上には、号車番号と指定・自由の表示があります。2024年3月16日より全ての特急〔やくも〕が全車指定席として運行されていますが、一応車両としては自由席の表示にも対応しているようです。

肝心の乗り心地ですが、やはり381系と比べると格段に良くなっていることは間違いないと思います。もちろん線形が良いとはいえない山間部を走る伯備線ですから揺れはありますが、乗り物酔いの可能性がある方にとっても改善されたと感じることができるのではないでしょうか。

7時29分、新見駅に到着。ホーム上では多くの鉄道ファンに加え、JR西日本の皆様も旗や横断幕で盛大にお出迎えしてくださいました。

なお、273系を使用した下り(岡山→出雲市)の一番列車は岡山9時13分発となるため、全ての駅において現在私の乗車している〔やくも4号〕が273系営業一番列車としてホームに入線します。また各駅間においても、地元の方が興味深く列車の通過を眺めていたり、親子で手を振ってくれたり…と大変大きな注目を浴びていることをひしひしと実感しました。

次第に太陽も高くなってきました。あいにくの曇り空ではありますが、例年よりも遅咲きの桜はまさに伯備線にとっての「春」の到来を優しく迎え入れてくれているような気分です。

方谷駅では、列車行き違いのため運転停車。対向の普通列車は2023年7月に岡山地区で運行を開始した227系「urara」でした。令和時代の「晴れの国」を象徴する行き違いです。

また、その次の備中川面駅では岡山発出雲市行の〔やくも1号〕と行き違い。あちらはまだ381系での運行で、「緑やくも」リバイバル編成での運行でした。方谷駅での行き違いとは対照的に、こちらは「新旧のバトンタッチ」という様相です。

その後も備中高梁、総社と停車。大都会岡山へ近づいていき、次第にホーム上の鉄道ファンの姿も多くなっていきます。また鉄道ファンだけでなく、たまたま居合わせた地元の利用者の方も新型車両に驚きながらこちらへカメラを向けていました。

8時23分、列車は倉敷駅に到着。伯備線はここで終わり、いよいよ最後のひと区間山陽本線となります。

ちょうど入線のタイミングで出雲市行〔やくも3号〕とすれ違いました。あちらは見慣れたカラーの381系です。前面に掲げられた国鉄特急のシンボルもまた勇ましさを感じます。

岡山まではあと10分少々ですが、実は273系の乗り心地の良さを一番実感できるのは線形の良い山陽本線なのかもという気がします。揺れや騒音も少なく、結構なスピードを出して走ります。

岡山到着直前には、四国方面からやってきた特急〔南風2号〕と並走。派手なアンパンマン塗装の編成もまた目を引きます。

8時35分、列車は定刻通り終点の岡山駅に到着。列車はいったん回送線へ引き上げたのち、折り返し9時13分発〔やくも5号〕として下り営業一番列車の運用に入ります。

今後約2ヵ月で全ての〔やくも〕が273系へと置き換えられる予定で、6月14日をもって381系は定期運行を終了する見込みとなっています。381系と273系が混在する時代の変わり目に立ち会うなら今のうち! といったところでしょうか…。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。