わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

【レア】消滅寸前「E2系やまびこ」に乗車。E5系との違いは?[仙台→東京]

 

2024年3月17日(日)

本日は宮城県仙台駅へとやってきました。これから東北新幹線で東京へ向かいます。

2024年現在、東北・北海道新幹線の主力車両といえばE5系です。2010年12月に東北新幹線新青森まで全線開業を果たし、これを追うように2011年3月5日に運行を開始しました。それまでの新幹線にはなかった長い鼻が特徴的で、今や当たり前となった「グランクラス」を初めて導入した形式でもあります。

運行開始直後に東日本大震災が発生し、広い範囲で甚大な被害が発生するも無事乗り越え、そして2016年には北海道新幹線が開業したことで新函館北斗駅まで乗り入れるようになりました。10両の固定編成で年々増備が続けられ、今や東北・北海道新幹線の大半の列車がこの車両での運行となっています。

仙台駅の新幹線ホームへと上がってきました。日曜日の午後とあって、上り(東京方面)は列車本数が比較的多く混雑しています。

この中で今回乗るのは、仙台16時01分発の〔やまびこ216号〕東京行です。仙台~東京駅間の移動なので本来ならば隣のホームから4分早く発車する〔はやぶさ・こまち30号〕を使いたいところなのですが、実は今回はあえてそれを見送った上で後続の〔やまびこ216号〕に乗りたかったのです。

その理由が、こちら。

〔やまびこ216号〕、E5系ではなく何と「E2系」での運行なのです!!!!

「いやいや、何を騒いでいるんだ。E2系くらいいつでも乗れるじゃないか」と思ったそこのアナタ。甘い、甘すぎます。

こちらは、2024年3月16日時点でのE2系定期運用一覧となります。一見すると少なくないように見えるかもしれませんが、裏を返せばこれ以外の全ての列車はE5系・H5系での運用でもあります。また表の中でも、運行日によってはE5系での運用に差し替えられる可能性のある列車もあり、そうなると「毎日必ずE2系が充当されるやまびこ」は1日に上下数本ずつしかないことが分かります。

E2系は1997年に東北新幹線〔やまびこ〕および長野新幹線北陸新幹線)〔あさま〕として運行開始。その後1998年に上越新幹線〔あさひ〕へも投入され、東日本のあちこちで見ることができるようになります。

2002年の八戸開業、ならびに2010年の新青森開業によってE2系はどんどん北へと運用範囲を広げるも、先述の通りE5系の運行開始によって2010年代以降は少しずつその本数や運用範囲が縮小されていくことになります。

2015年の金沢開業に先駆け、2014年には北陸新幹線E7系が運行開始。金沢開業後も少しの間E2系〔あさま〕は残りましたが、2016年に北陸新幹線内での定期運用からは引退となりました。

その後、2023年に上越新幹線からも引退し、上越・北陸は現在全てE7系W7系での運行となっています。E2系の運用は東北新幹線内のみとなってしまいました。

仙台始発東京行で、毎日必ずE2系で運行される列車は今回乗車する〔やまびこ216号〕ただ1本のみ。他の形式との併結は行わず、10両単独編成での運行です。

ホーム上の乗車位置案内では、E2系のイラストが描かれた青いステッカーに「10・16両編成」との記載があります。これはE2系秋田新幹線(こまち)E3系と連結して16両で運行される場合のことを指しているとみられます。なお秋田新幹線でのE3系定期運用は2014年をもって終了しています。

隣のホームには、仙台15時57分発の〔はやぶさ・こまち30号〕東京行が入線。全車指定席の17両編成で、ぐんぐん人が吸い込まれていきます。あれに乗れば約1時間半で東京に着けるのですが、今回はあえて時間のかかる方に乗車していきます。

普通車の座席は5列で、今回は3人掛けの一番窓側を利用していきます。E5系の淡い色のモケットとは対照的に、こちらは濃いめの赤や紫を基調としていて派手さが感じられます。

16時01分、やまびこ216号は定刻通り仙台駅を発車。この先福島、郡山、新白河那須塩原、宇都宮、小山、大宮、上野、終点東京に停車します。つまり「白石蔵王以外の各駅に停車」というわけです。

今回乗車しているのは、一番後ろの10号車です。E5系・H5系の増備により「東北新幹線の10号車はグランクラス」というのが当たり前になってきていますが、当然E2系グランクラスはないため普通車なのです。ちなみに9号車がグリーン車であることはE5系・H5系とE2系で共通しています。

座席周りを見ていきます。背面テーブル・網ポケット・フックといった基本的な設備は整っており、いかにも平成時代のJR東日本の新幹線という感じがします。ただしコンセントは窓側座席にしかついていないため、充電したい場合は窓側を選ぶようにしましょう。

座席上部には読書灯のようなものもついていますが、特段必要に迫られるかと言われると難しいところです。

E5系・H5系とE2系の違いとしてよく挙げられるのが「窓の大きさ」です。

E2系の窓は座席2区画分を1つの大きな窓としており、流れる景色を存分に味わうことができます。E5系・H5系でも外の景色が見えにくいというほどではないのですが、やはり鉄道ファンとしては窓は大きいに越したことはありません。

あっという間に白石蔵王を通過し、まもなく福島へ。左手には建設中の山形新幹線アプローチ線も見えました。

16時22分、福島駅12番線に到着。この列車は当駅で山形新幹線と連結することなく、終点東京まで10両単独で運行されます。そのため本来なら停車時間はわずかのはずなのですが…なぜか発車しません。

横を見てみると…何と14番線にも東京行のやまびこが入線しています。あちらはE5系なので10号車はグランクラスです。

福島駅の新幹線ホームは2面4線で、原則11・12番線が上り(東京方面)、13番線が下り(仙台方面)です。では14番線は何かというと、山形新幹線〔つばさ〕およびそれと併結して運転される〔やまびこ〕が上下列車とも発着する少し特殊なホームになっているのです。

現在14番線に停車しているE5系は〔やまびこ146号〕東京行で、山形方面からやってくる〔つばさ146号〕を待っている状態です。本来ならば福島16時16分発予定なのですが、本日あいにく山形新幹線に遅延が発生しているらしく、その影響でやまびこ146号は福島駅で待機を強いられ、そのとばっちりを喰らってつばさと連結する予定のないこのやまびこ216号も発車できない状態ということのようです。

結局のところ、やまびこ146号は遅れて福島を発車し、これに続行する形で私の乗るやまびこ216号は福島を8分遅れで16時31分頃に発車。非常に短い間隔で2本のやまびこが続行して運転していることになります。なお遠目から見ていただけなので定かではありませんが、やまびこ146号はつばさ146号を待ちきれずに単独で発車していったように見えました。

郡山車両センターを眼下に望みながら、列車は郡山の手前で一時停止。郡山駅はやまびこのほぼ全列車が停車する駅でありながら東京方面のホームは1線しかなく、おそらく先行のやまびこ146号が停車しているのでしょう。

16時46分頃、約9分遅れで郡山駅に到着。福島・郡山からの乗車は多く、仙台出発時点ではガラガラだった車内が徐々に埋まり始めました。3人掛けの真ん中(B席)にも人が来るほどです。

次の新白河駅には定刻よりも約12分遅れ、17時01分頃に到着。仕方のないことですがどんどん遅延が増大していきます。通常この列車の新白河での停車時間はわずかですが、本日に限り〔はやぶさ・こまち32号〕東京行を待避しました。この列車よりも仙台をちょうど30分遅く出発した列車です。

那須塩原駅には約15分遅れて17時14分頃に到着。先ほど新白河で待避したはやぶさ・こまち32号はおそらく本来ここ那須塩原で待避するダイヤなのでしょう(間違っていたらすみません)。那須塩原では本来4分間の停車時間がありますが、今回は新白河で待避を済ませているためすぐの発車です。13分ほど遅れて17時16分頃に発車しました。

LRT開業、E131系デビュー…と、ここ数年話題に事欠かない宇都宮駅には約11分遅れで17時28分頃に到着。少しずつ遅延が回復しつつあります。

宇都宮駅からも乗車があり、車内はいよいよほぼ満席となりました。東京~宇都宮駅間など、関東地方で完結する区間内でも新幹線の需要はしっかりとあることが分かります。

窓の外を見ると、西の空に沈む夕陽がちょうど見えました。

今年デビュー27年にもなる歴史の長いE2系ですが、着実に数を減らしてきており終わりの時が近づいていることを実感します。直近では東北・上越新幹線で活躍していたE4系をそれぞれE2系で置き換えましたが、今度はこのE2系E5系に”置き換えられる”番がやってきました。

小山駅には約9分遅れて17時41分頃に到着。東京まであと少しです。

大宮駅には17時58分頃の到着、ここまで来るともう7分遅れ程度にまで縮まっていました。

隣のホームに停車しているのは大宮17時56分発予定だった〔たにがわ86号〕東京行です。おそらく定刻で大宮に到着したのでしょうが、大宮ではやまびこ216号の後の発車となるため待っていたようです。秒刻みで運用される東京駅のホームの回転を考えると迂闊に列車順序を入れ替えることはできないというところでしょうか。

今回のダイヤ改正では北陸新幹線の金沢~敦賀駅間が開業、また山形新幹線ではE8系がデビューし、新幹線の話題に事欠きません。車内のディスプレイでもその点についてしっかりとPRがなされています。

建物がたくさん見えてきて、いよいよ列車は東京都内へ。いったん地下にもぐり、上野駅に停車します。

そして終点の東京駅に到着。時刻は18時21分、何と5分遅れにまで縮めての到着となりました。

列車は折り返し18時28分発の〔やまびこ155号〕として再び仙台へ向かいますが、発車は遅れる見込みです。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。