わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

【裏技】東京ゆき最終列車に乗り遅れても何とかなる? 知られざる対処方法

 

2023年8月14日(月)

本日は、岩手県にある東北新幹線いわて沼宮内駅に来ています。

駅の場所や詳細については前回の記事でご紹介しておりますので、併せてご覧ください。

※今回の記事には一部フィクション(演技)を含みます。あしからずご了承ください。

watakawa.hatenablog.com

時刻は19時を過ぎ、すっかり辺りは真っ暗に。

これから本日中に東京へ帰ろうと思います。

新幹線改札口にある空席状況を見ると、本日の新幹線上り方面は残り2本。19時32分の東京行が首都圏方面への最終列車で、次の21時33分発は仙台止まりとなっています。

最繁忙期というだけあって、東京までの空席状況は普通車・グリーン車グランクラスともに「×」の表示。仙台まではまだ比較的余裕があることから、仙台~東京間の需要が極めて大きいことを再認識できます。

ホームに上がり待っていると、まもなく列車が入線してきました。こちらが19時32分発の〔はやぶさ46号〕東京行です。本日このホームから大宮・上野・東京へと向かう最後の列車となります。絶対に乗り遅れるわけにはいきません。

いやー、それにしてもE5系って相変わらずカッコいいですよね。デビューから10年余りが経過していますが、そのスタイリッシュさは全く色あせることはありません。その圧倒的な美しさを目の前に、思わずうっとりしてしまいます…。

…なんて呑気にE5系に見とれていると…?

あれ、あれ…!?!?!?

目の前で、東京行最終列車のドアが閉まっているではありませんか!!!!

そう、私がほんの数十秒うっとりしている間に発車時刻となり、〔はやぶさ46号〕はドアを閉めて発車してしまったのです。

動き出した新幹線を制止させることなどできるわけもなく、東京行の最終列車は無残にもホームを出て行ってしまいました。

あぁ…明日も早朝から東京で予定があるというのに…何としても本日中に東京へ帰らなければならなかったのに…。

列車が発車したばかりで誰もいないホーム上には、残るこのホームからの最後の列車となる仙台行の〔はやぶさ96号〕の文字が。当然ながらこれに乗っても東京まで帰ることはできません。

また仮にこれに乗って仙台駅まで移動して、そこから仙台を夜遅くに出発する夜行バスがあれば明朝には東京に着けるかもしれません。しかし本日はお盆のUターンラッシュがピークを迎えていますから、そう都合よく夜行バスに空席があるとも思えませんし、何より私は”本日中”に東京まで帰りたいのです。

しかし…19時32分発の東京行が発車した後でも、実は当日中に東京まで帰る方法があるのです!

もし万が一いわて沼宮内駅で19時32分発の東京行新幹線を逃してしまった際は、その足ですぐIGRのホームへ移動しましょう。

IGRいわて銀河鉄道は、2002年の東北新幹線八戸開業時に行われた並行在来線の経営分離に伴い誕生した第三セクター鉄道です。現在は旧JR東北本線のうち盛岡~青森駅間が経営分離されており、このうち岩手県区間にあたる盛岡~目時駅間がIGRとなっています。

乗車するのは、いわて沼宮内19時37分発の普通 盛岡行。〔はやぶさ46号〕がいわて沼宮内を発車した5分後に同駅在来線ホームから発車します。余談ですが今回は偶然にも「北海道・北東北の縄文遺産群」ラッピング車両での運用でした。

列車は定刻通りにいわて沼宮内駅を発車。車内はロングシートで、窓の外は真っ暗です。

今回は盛岡まで、950円のきっぷを購入しました。車内には整理券発券機もありますので、乗車時に整理券を取り、下車時に精算も可能かと思います。

JR東北本線というだけあり、線形は非常に良く、ローカル線というよりは幹線らしい快調な走りを見せます。とはいえ相手は陸上最強の公共交通機関・新幹線です。何をどうやってもいわて沼宮内駅で見送った新幹線をこの普通列車が追い越せるはずなどありません。さてどうすれば…。

そんなことを考えつつ、列車は盛岡へ向け南下。はじめのうちはガラガラだった車内ですが、途中駅から少しずつ乗客が増え始めました。北上川と並走しながら、列車は盛岡市街へと入っていきます。

30分ほど乗車し、20時11分に終点の盛岡駅へと到着。JRのホームからは少し離れたIGR単独の頭端式ホームに到着します。

ちなみにもちろんですが、先ほどいわて沼宮内駅で見送ったはやぶさ46号〕東京行は既に盛岡駅を発車済みです。19時44分に到着し、秋田からの〔こまち46号〕を後方に連結して19時50分に発車してしまっています。

「ならばもう仕方ない、今夜は盛岡で宿を探すか…」。

しかし諦めきれない私は、一応念のため新幹線ホームを見に行ってみることにします。

すると…!

何ということでしょう!

東京行の新幹線がまだあと3本もあるではありませんか!!

しかもとてもタイミングがよく〔はやぶさ・こまち66号〕にちょうど乗ることができそうです。急いで改札内へと入り、ホームへ上がります。

11番線ホームへ上がると、早くも〔はやぶさ66号〕が停車中。向かいには20時29分発の〔やまびこ74号〕の姿もあります。どちらも東京行です。

後方へ目をやると、ちょうど秋田からやってきた〔こまち66号〕がゆっくりと入線。ここでスピーディーに連結作業を行い、盛岡~東京駅間は堂々17両編成での運行となります。

私は無事に〔はやぶさ66号〕へと乗り込み、列車は定刻通り20時22分盛岡駅を発車。

繰り返しになりますが、いわて沼宮内駅で東京行の最終列車を見送ったはずなのにその後に発車する「東京行」の新幹線に乗ることができてしまいました。これはいったいどういう仕組みなのでしょうか。

いわて沼宮内駅からの東京行最終列車は、先ほど何度も現地にて確認した通り19時32分発の〔はやぶさ46号〕でした。しかしこの列車の後も、新函館北斗新青森方面からやってきていわて沼宮内通過する東京行の新幹線が存在します。それらは次の盛岡駅で全て必ず停車するため、実は同じ東北新幹線の「はやぶさ停車駅」でありながら「当日中に東京へ行ける最後の列車」の指す対象が全く異なるのです。

いわて沼宮内盛岡駅間はIGR普通列車でも30分程度で、いわて沼宮内と比べ盛岡は停車する新幹線の本数が圧倒的に多くなっています。そのため仮にいわて沼宮内から新幹線に乗り遅れても、盛岡まで普通列車で移動することで選択肢が広がる可能性があります。これは最終列車のみならず、日中も同様です。

また盛岡以北では〔やまびこ〕の運行がないため、〔やまびこ74号〕東京行の姿をいわて沼宮内駅で見ることができないのもこのからくりに関わっています。盛岡駅の時点では〔やまびこ74号〕が先に発車しますが、途中で待避を行う都合上仙台・大宮・上野・東京へは〔はやぶさ48号〕が先に到着します。〔はやぶさ48号〕は盛岡~仙台駅間ノンストップのため、新花巻以南においては〔やまびこ74号〕が東京行最終列車としての役割を果たすことになるのです。

なお、今回乗車している盛岡20時22分発の〔はやぶさ66号〕は臨時列車のため、毎日運行があるわけではありません。その場合〔やまびこ74号〕もしくは〔はやぶさ48号〕まで待つ必要がありますが、いずれの場合も今回私が利用したいわて沼宮内19時37分発のIGR普通列車を乗り過ごすと盛岡駅での接続が間に合いませんので、それには必ず間に合わせるようにしてください。

22時40分、列車は無事定刻通りに終点の東京駅へ到着。満員の車内から大勢のお客さんが降りていきます。

まだ首都圏近郊なら各方面へ最終列車が残っている時間帯ですので、盛岡駅であきらめなくて本当に良かったと思いました。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。