わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

【速報】盛岡から東京まで各駅に停車する新幹線が登場しました!

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2022年3月13日(日)

春のダイヤ改正翌日。今回は岩手県盛岡駅へとやってきました。

ダイヤ改正により登場した、ある珍しい特徴をもった新幹線についてご紹介します。

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一番上段に表示されている、盛岡7:27発の東北新幹線〔やまびこ52号〕東京行。一見するとごくごく普通のやまびこ号に見えますが、発車標の停車駅の欄をよーく見てみてください。

ちょっと駅多くないですか?

そう、何とこのやまびこ52号は盛岡から東京までの全ての新幹線駅に停車するのです。

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東北新幹線のやまびこ号は主に東京~仙台駅間で走るものと東京~盛岡駅で走るものの2種類があります。列車により多少停車駅は異なるものの、よくあるパターンとしては東京~仙台駅間で上野、大宮、宇都宮、郡山、福島に停車するもの。盛岡発着の列車の場合は仙台~盛岡駅間の各駅に停車します。

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しかし今回ご紹介するやまびこ52号は小山、那須塩原新白河白石蔵王も含めた全ての新幹線駅に停車します。もちろん以前からこれらの駅に停車するやまびこ号は若干数存在していましたが、例えば「那須塩原には停車するが白石蔵王は通過」のように必ずどこかで通過駅があり、「東京~盛岡駅間で一つ残らず全駅停車」というのはまだ1本もありませんでした。

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そこで今回は、このやまびこ52号に盛岡から東京まで全区間で乗車していこうと思います。10両編成のE5系ですが、盛岡を出発する時点で普通車指定席はガラガラです。

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余談ですが、今回使用された編成では普通車も全ての座席にコンセントが備わっているタイプのものでした。E5系では窓際1つずつしかコンセントのない編成が多いため、これはアタリの運用です。東京までの長時間の乗車もこれならば乗り切れそうです。

発車標や車両の行先表示器ではどこを見てもご丁寧に全ての停車駅がずらずらと書かれていましたが、発車時の放送では「終点東京まで各駅にとまりまーす」という案内が聞かれました。例えば東海道新幹線なら、例外なく各駅に停車するこだま号が1日に何本も運行されていますから「停車駅:各駅」のような案内表示も見られますが、今回盛岡駅でそのような表示はありませんでした。f:id:watakawa:20220313153153j:plain

定刻通り7:27に盛岡駅を発車。駅周辺のマンションや建物群を横目に、一路東京を目指します。

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今回は、前もってえきねっとの新幹線eチケットで購入し乗車。トクだ値35%OFFとなり、運賃+特急券込みで9,280円でした。えきねっとで新幹線を検索する際、速い乗り継ぎばかりが候補に出てきてしまいますが、表示されたものをいったん選択し、次の画面で列車を変更するとこの列車を選ぶことができます(あまりにも所要時間が長すぎるので最初の検索結果では出てきません)。

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7:38 新花巻駅到着

釜石線との接続駅です。

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7:46 北上駅到着

ここでは5分間停車します。

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発車標を見ると「列車が通過します」の文字。ホームに面する線路にはやまびこ52号が停車しているので、実際に新幹線が通過するのはその隣の待避線ですが、高速で入線するため音や振動が凄まじく、このような接近案内が流れるようです。

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通過していったのは、私の乗る列車より盛岡を11分遅く発車した〔こまち6号〕でした。秋田を朝一番に出発した列車で、珍しいこまち単独の7両編成での運行です。

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7:59 水沢江刺駅到着

在来線の接続路線がない、新幹線単独駅です。自由席車両の方を見てみると、驚いたことにそれなりの数の乗降がありました。

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岩手県内では一時雪の残る地域も通りましたが、県南部まで来ると雪はなくなっていました。ダイヤ改正前後のここ数日あちこち動いていて雲一つない晴れ模様の日が多かったですが、今日は残念ながらあいにくの曇り空です。

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8:09 一ノ関駅到着

岩手県内最後の駅で、一部の〔はやぶさ〕も停車する主要駅です。ここではやまびこ号がはやぶさ号の待避を行うことも多いですが、今回は特になくわずかな停車時間の後に発車していきました。

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8:19 くりこま高原駅到着

ここでも停車時間はわずかで8:20に発車となりますが、何と驚くことにこの1分間ほどの間に1本列車を先に通したではありませんか!

11番線の発車メロディーが流れ始めてからもの凄いスピードで待避線を通過していきました。時刻表を見てもそれらしき列車はないため、恐らくは回送列車か何かだと思われます。

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8:29 古川駅到着

ここからは自由席車両に乗車される方がかなりいらっしゃいました。時間帯的におそらく仙台市内へ通勤通学・おでかけなどされる方でしょうか。仙台までは新幹線で1駅なので自由席を割安で利用することができるというのもあり、小牛田で必ず乗り換えが必要な在来線と比べると利便性はかなり高いのでしょう。

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車窓左手に新幹線の車両基地が見えると、仙台市内はもうすぐです。

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8:44 仙台駅到着

仙台駅では何と16分間も停車します。いくら停車タイプのやまびこ号とはいえ、東北新幹線でここまでの長時間停車は珍しい気がします。

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ここでは後続の8:57発〔はやぶさ8号〕を先に通します。やまびこ52号より盛岡を35分も遅く出発した列車ですが、ここで見事に追いつかれてしまいました。

はやぶさ号は仙台を出ると大宮までノンストップ。東京へ早く行きたい場合はこちらへ乗り換えるのが賢明です。ただしはやぶさ号は全車指定席なのでご注意ください。

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はやぶさ8号から遅れること3分、やまびこ52号は9:00に仙台駅を発車。しかし停車時間が長いというのも良いものでして、この時間を利用して改札内ニューデイズやお土産物屋さんで買い物ができます。仙台名物のずんだを使用した「なまどら焼き」と福島名物の「酪王カフェオレ」を購入し、車内で優雅なひと時を過ごします。コンコース内では駅弁の取扱いも多数ありました。

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9:14 白石蔵王駅到着

宮城県内最後の駅となります。ここはやまびこ号しか停車しない上「やまびこ号でさえ全てが停車するとは限らない(通過便もかなりある)」という何とも冷遇された駅で、「○○号なら必ず停車する」とは言い切れないのです。訪れる際は時刻表をよく確認しましょう。

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9:26 福島駅到着

仙台発着のやまびこ号だとこの駅で後方につばさ号を連結することがありますが、盛岡発着の便の場合はそのようなことはありません。わずかな停車時間の後「栄冠は君に輝く」の発車メロディーとともに発車していきます。

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9:40 郡山駅到着

福島と並ぶ県下最大級の主要駅の一つ。県庁所在地ではないにもかかわらず、全てのやまびこ号が停車する駅です。その実態にふさわしく、かなりの数の乗降が見られました。ここではGReeeeNの「キセキ」のメロディーとともに発車していきます。

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9:52 新白河駅到着

全国の新幹線駅の中で唯一「村」の中にある駅としても知られる新白河では4分ほどの停車時間が設けられていましたが、特に待避線を列車が通過していく様子はありませんでした。臨時列車のスジとして空けてあるのかもしれません。

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ここでちらっと自由席車両を覗いてみました。10両中東京寄りの1~3号車の3両が自由席ですが、見たところかなり混雑しているようです。かたや私の乗る指定席はというと、盛岡を出た時より人は多いものの依然ガラガラの状態で走り続けています。

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10:05 那須塩原駅到着

ここからいよいよ栃木県に入り、ようやく関東地方です。東京~那須塩原郡山駅間で運行され、必ず各駅に停車する〔なすの〕という新幹線がありますが、やまびこ号の場合だと那須塩原に停車するのはレアかもしれません。

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那須塩原でも4分の停車時間があり、H5系+E6系(計17両編成)の〔はやぶさ・こまち10号〕を先に通します。新函館北斗を朝一番に出た列車で、盛岡の時点では1時間23分もの開きがありましたが追い抜かれてしまいました。

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宇都宮の手前では、眼下に多数の205系が見えました。一昨日限りで運行を終了し、最新型のE131系に混じって留置されています。

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10:22 宇都宮駅到着

餃子の街で知られる宇都宮。来年にはLRTの開業も控えています。

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10:34 小山駅到着

ここに停車するやまびこ号は数時間に1本程度しかありません。それもほとんどが仙台発着なので、盛岡から小山まで乗り換えなしで来るというのはかなり至難の業だったりします。いくら新幹線といえど盛岡を出てから3時間以上が経過し、流石にちょっと長いなぁという気持ちが出てきました(笑)。

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関東地方に入っても、一見すると東北新幹線の車窓は東北地方を走っている時とそれほど変わらないように見えます。しかし大きな違いは、遠くの方に山々が見えないこと。関東平野を走る時は、遠くを見ても地形は平坦です。

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車窓にニューシャトルの駅が連続して見えるようになったら、大宮はもうすぐです。高崎方面からの上越北陸新幹線ともこの付近で合流します。

南下していくにつれ気候がどんどん温暖になり、次第に花粉症が酷くなっていきます。しかもはやぶさ号のように素早く南下するわけではなく、全ての駅にゆっくり停車しながらじわりじわりと南下するため、より長時間症状に悩まされることになるので、私と同じく花粉症の方は対策を万全にして乗車しましょう(笑)。

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10:51 大宮駅到着

いよいよ大宮までやってきました。この辺りまで来ると新幹線は基本的に降りる人はいても乗る人はまずいません。

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車窓左手にはさいたまスーパーアリーナを望みながら、東京まではラストスパートです。これが見えるといよいよ東京が近づいていることを実感できます。

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列車は荒川を渡り、いよいよ東京都へ。ここまで来れば眼下にもう平野らしい田園風景は存在しません。見渡す限りの住宅・建物密集地が続きます。

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遠くの方には仙台銘菓「萩の月」の大きな看板も見えます。恐らく新幹線の乗客に「仙台に着いたら買ってもらいたい」という意味をこめ、都内にいるうちから窓越しにアピールしておくということなのでしょう。

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曇り空ながら前方には東京スカイツリーも見え、”東京観光(0円)”もばっちりです。

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11:10 上野駅到着

ここでも降りていかれる方が多数いらっしゃいました。新幹線では珍しい地下ホームということもあり、他の東北新幹線の駅にはない独特の雰囲気です。

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11:16 東京駅到着

盛岡駅を出てから3時間49分、ようやく終点の東京駅に到着です!

はやぶさ号なら最速2時間9分で移動できる距離ですので、何とそれよりも1時間40分多くかかっているというわけです。同じ距離でありながら、約1.8倍も多く時間がかかっています。

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列車は折り返し運用に就くことなく、回送列車として車庫に引き上げるようです。余談ですが発車標の2段目に表示されている「つばさ号」が単独運行かつ”全車指定席”となっており、ダイヤ改正による新時代の到来を実感します。

 

ということで、今回は盛岡から東京まで全ての駅に停車するやまびこ号をご紹介しました。

途中4本の新幹線に追い越される、乗りごたえのある列車でした。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。