みなさんこんにちは! わたかわです。
今回は最長片道切符の旅・8日目の午後の様子をお届けしていきます。
2021年8月10日(火)8日目②
横手駅前で名物の「横手焼きそば」を食べ、再び駅へと戻ってきました。ここからは進路を東に変え、北上線へと進んでいきます。
北上~横手駅間61.1キロを結ぶ北上線は、運行本数が非常に少ないという典型的な東北の非電化ローカル路線です。普通・快速列車のみの設定で優等列車の運行はなく、北上~横手駅間の全区間を走破する列車は1日6.5往復しかありません。ただしかつて田沢湖線が秋田新幹線開業に向けた工事のため一時不通となった際は、この北上線を経由して特急「秋田リレー号」なるものが運行された過去もあるようです。
さっそくホームに降りると、ちょうど列車が入線していました。横手13:46発の普通列車 北上行に乗車していきます。ローカル線といえば途中下車が醍醐味とはよく言ったもので、この列車の場合は1本見送ると次が3時間半後ですから、そう気安く途中下車もできないでしょう。乗り遅れないよう、時間に余裕をもって車内へと入ります。
列車は定刻通りに横手を発車。まもなく奥羽本線の線路と分かれ、すぐに山の中へと入っていきます。
横手にいた時は辛うじて持ちこたえていた天候も、山間部へ入っていくとだんだん悪化していき、かなり本降りの雨となっているのが分かります。ぼんやりとした窓から眺める見知らぬ土地の大自然というのもまた神秘的な感じがします。
横手を出て30分ほどで、列車は途中のほっとゆだ駅に到着。その名の通りこの駅は湯田温泉峡の玄関口となっており、また北上線の途中駅としては最も主要な駅であり一部列車はこの駅を始発・終着として運行されています。ただし車内の客層を見ても観光客っぽい人はあまり多くなく、地元民が大半を占めているようでした。
ほっとゆだ駅を出てまもなくすると、車窓右手には錦秋湖と呼ばれる大きな湖が見えてきます。あいにくの天気ではありますが、その大きさは上の画像からもよく伝わるのではないでしょうか。ちなみにこの後「ゆだ錦秋湖」という駅を出発した直後、車窓左手にこの湖の続きがチラッと見えるのですが、そこよりもほっとゆだ~ゆだ錦秋湖駅間の方が眺めは素晴らしいと思いますので、是非通られる際は注目してみてください。
横手を出てから約1時間20分、15:09に列車は終点の北上駅へと到着。なぜか駅名標が同じような場所に2枚ある謎…はさておき、ここからは東北新幹線に乗り換えて南下していきます。この日の目的地は仙台です。
北上から仙台へ向かう際、通常なら新幹線1本で所要時間わずか40~50分程度で移動できる距離です。しかし最長片道切符の旅において、そんな単純な移動が許されるわけはありません。新幹線は仙台の一つ手前の古川で乗り捨て、その先は在来線で遠回りをしていきます。
新幹線特急券を購入して、いざ改札内へ。北上から乗車するのは、15:30発の〔やまびこ62号〕東京行です。やまびこ号というと東京~仙台駅間での運行がメインではありますが、日中は1時間に1本の頻度で盛岡発着でも運行されています。やまびこ号の場合、仙台~盛岡駅間はいずれの列車も各駅に停車します。
ホームに上がると、列車が入線してきました。はやぶさ号ではなくやまびこ号というと少し格が落ちるように感じてしまいますが、車両ははやぶさ号と同じE5系ですから快適な客室空間は変わりません。デビューから既に10年以上が経過していることを感じさせない、斬新なフォルムです。
列車は定刻通り出発。途中車窓からは、綺麗な虹が見える瞬間もありました! 新幹線ということで在来線よりも高い位置を走るので、何にも遮られることもなく、大きな虹をじっくり見渡すことができます。
列車は水沢江刺、一ノ関、くりこま高原と停車し、北上を出てからわずか40分で古川へと到着。もうあと10分ほど乗車すれば仙台ですが、そんなチートを使ってしまっては最長距離の移動にならないのでここで在来線へと乗り換えて遠回りをしていきます。
古川から乗車するのは、16:26発の陸羽東線 小牛田行です。「奥の細道湯けむりライン」という路線愛称がついていますが、果たして一般客には浸透しているのでしょうか。少なくとも鉄道ヲタクの間では浸透していない気がします。
16:39に列車は終点の小牛田へと到着。難読駅名としても知られる小牛田は「こごた」と読みます。東北本線の他に、陸羽東線と石巻線が乗り入れます。
東北新幹線からは離れているものの、ここ小牛田で東北本線の上り普通列車に乗車すれば程なくして仙台へと向かうことができます。しかし今回の旅ではそれさえもできません。それよりもさらに長いルートとなるのが、石巻を経由して石巻線・仙石線を乗り継ぐルートだからです。
小牛田では1時間ほど暇を潰したのち、17:37発の石巻線 女川行へと乗車していきます。石巻より先は盲腸線状態になっているので、石巻までの乗車となります。
列車はキハ110系2両編成。東北に入ってから何度見たことかという感じですが、これも決して新しい車両ではないので、そのうちGV-E400系の増備により貴重になっていくのでしょうか。
仙台方面からの列車の遅延により、この列車も接続を取ったため小牛田を7分ほど遅れて17:44頃に発車。帰宅時間帯にあたり地元の利用者でかなり賑わっていましたが、その多くが前谷地で降りていきました。前谷地からはちょうど柳津方面やその先BRTで南三陸・気仙沼方面へと繋がっているため、重要な乗換駅となっています。
列車は18:18頃に石巻へと到着。小牛田で発生した遅れはここまで回復することなく、定刻よりも7分遅れての到着です。
石巻は美味しい海の幸や観光スポットが目白押しということで普通の旅行ならしっかり滞在時間を取りたいところですが、今回は早目にこの日の目的地である仙台へと向かいたいので、すぐに仙石線へと乗り換えていきます。
ちょうど1・2番線のどちらにも列車が停車中。よく見てみると左が仙石線、右が仙石東北ラインの列車です。
私が乗車するのは18:30発の仙石線 あおば通行ですが、後から発車する18:59発の仙石東北ラインの方が圧倒的に仙台までの所要時間は短いです。ならば仙石東北ラインの方に乗ればよいではないか…と普通なら思ってしまいますが、そんな普通の思考は成立しないのがこの最長片道切符の旅。仙石線(本塩釜・多賀城回り)の方が距離が長くなるため、今回は18:30発の方に乗車していきます。
列車は定刻通りに石巻を発車。こちらでもちょうど帰宅時間帯にあたり、ロングシートの205系車内はたちまち混雑していきます。途中の駅ではところどころで列車の行き違いもありながら、仙台に近づくにつれて車内の混雑はさらに増していきます。
石巻から何と約1時間20分もかけ、19:51に仙台駅へと到着。8日目の移動はここまでとし、この日は仙台にて泊まります。
そしてまだ夕食を食べていなかったので、エキナカで夕食とします。「日本の食」34品目はもちろん牛タンです。仙台駅の新幹線改札階に「牛たんストリート」と呼ばれる飲食店街があり、数々の牛たん店が軒を連ねます。今回はその中の一つに入り、牛たん定食(1,820円)をいただきました。程よい塩気が牛たんの旨みを引き出していて、最高に幸せな気分です!
この日の宿は「駅前人工温泉とぽす」。仙台駅からすぐのキャビンタイプの宿泊施設で、大浴場(温泉)に入れて1泊1,980円にて泊まることができました。施設もかなり綺麗なので、今後も仙台に泊まる機会があれば候補に入れていこうと思います。
次回からは9日目の様子をお届けしていきます。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。