2022年3月13日(日)
今回は小田急小田原線の新宿駅から、ダイヤ改正に伴いちょっとした変化が生まれたとあるロマンスカーに乗車していこうと思います。
それがこちら。上段に表示されている新宿12:20発の特急〔はこね27号・えのしま27号〕箱根湯本・片瀬江ノ島行です。何と新宿駅ではこね号とえのしま号が連結して発車していくではありませんか!!
少し文字が小さいですが、ここでロマンスカーの時刻表をダイヤ改正前と後で見比べてみましょう。観光需要の高い片瀬江ノ島方面へは、土休日に限り日中も頻繁に「えのしま号」が運行されています。
これ自体は改正前も後も変わらないのですが、ポイントはその運行のされ方。改正前はえのしま号が単独の列車として新宿駅を発車していたのに対し、改正後ははこね号と連結して発車していく方式となりました。
実はロマンスカーの連結運行自体は、今に始まったことではありません。
今回の改正前までのダイヤであっても、以下のような連結の事例がありました。
・土休日の新宿9:40発に限り〔さがみ71号〕小田原行と〔えのしま21号〕片瀬江ノ島行が連結して運行。
・平日は箱根湯本始発の〔はこね30号〕と片瀬江ノ島始発の〔えのしま30号〕が連結して新宿へ18:46に到着。
・土休日は〔メトロはこね〕〔メトロえのしま〕が北千住~箱根湯本・片瀬江ノ島駅間を運行し、このうち下り2本・上り1本がそれぞれ連結して運行。
いずれも限定的で、レア運用と見る方がふさわしい事例ばかりでした。
そんな中、今改正では新宿駅で「箱根湯本行」と「片瀬江ノ島行」が連結して発車していく様子を日中1~2時間おきに見ることができるようになったのです。
併結運行に伴い、えのしま号1本あたりの両数は減少します。(これが理由かは分かりませんが)実は新宿駅を発車するえのしま号自体は5本→6本に増発されており、本数増はコロナ禍で観光需要が落ち込みがちな昨今においては異例とも言えるでしょう。
新宿12:20発の併結運行便は2017年以降に登場したEXEαが使用され、前6両が〔はこね27号〕、後4両が〔えのしま27号〕としての運行です。10両編成なのでホームいっぱいに停車しています。
列車は定刻通りに新宿駅を発車。今回は〔えのしま27号〕の方に乗車していきます。やはり週末ということで観光客がそれなりに乗車してはいるものの、混雑しているとまではいかず窓側座席でもまだ余裕があります。
新宿から片瀬江ノ島までの特急料金は630円。特急と聞いて身構えてしまいますが、JRと比べるとかなりリーズナブルです。新宿~片瀬江ノ島駅間を直通する快速急行が土休日に限り運行されていましたが、今改正でそれが廃止されてしまったため、同区間を乗り換えなしで移動できるほぼ唯一の手段がこのロマンスカーなのです。
列車は複々線区間を爆走していきます。各駅停車と速達列車で線路が分かれているので、速度差を気にせずスピードを出すことができ、列車が詰まる心配もそれほどありません。
新宿を出て最初の停車駅は新百合ヶ丘。ここからもたくさんのお客さんが乗車してきます。
新宿を出てからちょうど30分、12:50に列車は相模大野へと到着。ここでいよいよお待ちかね、列車の切り離しが行われます。連結部分にはたくさんのちびっ子たちが集まってきており、いかにも行楽特急という様相です。
短い時間で幌が分離され、連結面の扉が閉められます。そしてはこね27号はドアを閉め、発車と同時に連結器の切り離しが行われました。
はこね27号は12:53発、えのしま27号は12:54発と間髪おかずに続行する形なので、連結作業を見終えたら速やかに車内へ戻ります。はこね号に乗車している場合は残念ながらホーム上で連結作業を見ることはできません。
えのしま27号も無事に相模大野を発車。この先小田急江ノ島線へと入り、大和、藤沢へと停車していきます。
小田急江ノ島線内も引き続き住宅街ですが、一部ではのどかな開けた景色も楽しめます。一部のえのしま号は大和駅に停車せず、相模大野~藤沢駅間ノンストップで運行するものもありますので注意しましょう。
藤沢駅には13:17に到着。ここでかなりのお客さんが降りていかれました。4両という文字を見ると快速急行はおろか各駅停車(6両)よりも短いですが、新宿~相模大野駅間ではこね号を連結していた以上こればかりは仕方ありません。
藤沢駅では列車の進行方向が変わり、逆走するかたちとなります。終点まであとわずかなので座席を転換することはせず、また車内アナウンスでも「座席を転換する場合は周りのお客様にご配慮ください」的な放送は特にありませんでした。
新宿を出て1時間余り、13:28に列車は終点の片瀬江ノ島駅へと到着。大量の観光客の方が列車を降り、改札口を抜けて江の島の方に向かって歩いていく様子は週末らしさそのものです。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。