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[2]ロイズタウン&北海道医療大学駅…「今」しか味わえない学園都市線【2024GW北海道ひとり旅】

 

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2024年4月29日(月)1日目

遅めの昼食を終え、札幌駅に移動してきました。

続いて乗車するのは、JR学園都市線です。

乗車するのは、札幌15時00分発の学園都市線 北海道医療大学です。学園都市線は正式には「札沼線」という路線ですが、これはかつてこの路線が幌~石狩田駅間を結んでいたことの名残とされています。

1972年に新十津川石狩沼田駅間が廃止、続く2020年に北海道医療大学新十津川駅間が廃止となり、石狩沼田まで行くことはできませんので、現地では「学園都市線」という愛称が一般的に用いられています。

発車するのは札幌駅の11番線。「そんなホームあったっけ?」とお思いになる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこのホームは2022年10月にできたものなのだそう。北海道新幹線開業工事に伴い1番線が閉鎖されており、その代替として列車を捌けるよう新幹線ホーム建設予定地と反対側に在来線ホームが増設されたわけです(番線の数は結果プラマイゼロ)。

この列車に乗車し、まずはロイズタウンへ向かいます。札幌からの所要時間は30分です。

この車両は721系と呼ばれる電車で、各車両3ドアとなっています。客室と乗降口はデッキで仕切られており、寒さの厳しい北海道ならではの構造です。

また、721系は札幌圏で唯一のオール転換クロスシート車両です。朝夕の通勤通学時間帯などはなかなか使いにくい構造であろうことは想像に難くありません。

窓の曇りが激しく、車窓は全く窺うことができなかったのでシーンが吹っ飛びましたが、15時30分にロイズタウン駅へと到着です。

ロイズタウン駅は、学園都市線あいの里公園~太美(旧:石狩太美)駅間に2022年3月のダイヤ改正にて誕生した駅。2024年現在、JR北海道で最も新しい駅です。また、JR北海道管内の在来線新駅としては2002年の流山温泉駅函館本線)開業以来20年ぶりとなります(残念ながら流山温泉駅はロイズタウン駅と入れ替わりで2022年3月に廃止されてしまいましたが…)。

単線区間に設けられており、ホームは1面1線です。

完全な無人駅で指定席券売機はありませんが、一応簡易的な券売機と自動改札機が設置されています。この自動改札機、よく見ると機械の左右でも余裕ですり抜けられるようになっており、あくまでも交通系ICカードと磁気のきっぷを自動で通せるようにしているために通り道に置いているだけという感じがします。

「ロイズタウン」という駅名およびそのアルファベット表記からも分かる通り、この駅は日本を代表するチョコレートメーカーの「ロイズ社」と当駅の所在地である当別町による請願駅として設置されました。

駅の目の前にこれといった建物はなく田園風景ですが、700mほど歩いたところに「ロイズ社ロイズタウン工場」があり、またそこに隣接して「ロイズカカオ&チョコレートタウン」と呼ばれる直営店があります。

700mですから歩いても大したことはないのですが、実はロイズタウン駅からの無料シャトルバスがあるようなので乗ってみることに。運行本数は時間帯によりまちまちですが、観光客の移動手段として1日16往復が設定されています。

今回はタイミングのよい、ロイズタウン駅15時40分発に乗車。観光で訪れるには少し遅い時間帯のためか、乗客は私一人のみでした。

車内のモニターには、延々とロイズチョコレートのCM広告が流れています。

なお、バスの乗車時間はせいぜい2~3分なのでCMでも見ていればあっという間です。

ロイズ カカオ&チョコレートタウンに到着!

公共交通機関で来る人はどうも僅少のようで、目の前には大きな駐車場が整備されており、自動車がびっしりと停車してありました。

館内はロイズチョコレートのお土産物コーナーがメインとなっており、ゴールデンウィークということで多くの人で賑わっています。ロイズの商品自体は新千歳空港をはじめ道内各地の土産物店でも取り扱いがありますが、ここには直営店限定商品も数多く取り揃えられており、チョコレート好きにはたまらない空間です。

また、有料で工場見学もやっているそうなのですが、そちらは何と15時で受付終了。しかし無料で入れるゾーンにて、工場のラインがデモで動く様子を見学することができました(あくまでも見学用のラインで、実際にはこのラインでチョコレートは製造されていないようです)。

また、館内には土産物店だけでなくベーカリーも併設されており、ソフトクリームが人気です。せっかく来たので私は迷わずチョコレートソフトにしたのですが、どうやらジャージー牛乳を使ったミルクソフトも大人気のようで、注文の様子を見ていると半々くらいでした。お値段は450円、濃厚でとっても美味しかったです!

チョコレート好きの私としてはここで何も買い物をせず帰るという選択肢は1ミリもなく、自分へのお土産を2点ほど購入。お値段は合わせて1,500円ほどでした。

帰りはバスのタイミングとうまくかみ合わなかったので、徒歩で駅まで移動。特に急がなくても10分ほどなので本当にすぐ近くです。

ロイズタウン16時31分発の学園都市線 北海道医療大学に乗車。先ほど乗車していた列車のちょうど1時間後の列車に乗車し、学園都市線の終点まで乗車したいと思います。

ロイズタウンの次とその次、「太美」「当別」はかつてそれぞれ「石狩太美」「石狩当別」という駅でしたが、2022年のロイズタウン駅開業と同時に現在の駅名へと改められました。両駅は「当別町」にありますが、石狩を冠してしまうと「石狩市」にあると誤認されるおそれがあるため外されたようです。

余談ですが、当別に関しては北海道道南に「渡島当別」という駅があり、かつてはJR江差線の駅でしたが2016年の北海道新幹線開業に伴い道南いさりび鉄道の駅となりました。

16時45分、終点の北海道医療大学駅に到着。ここも当別町内にあります。

かつてはこの先にも線路が続いていましたが、先述の通り2020年4月からここは学園都市線の終点となりました。

ホームは2面2線ですがやや変則的な構造をしており、1面1線のホームが2つ、少しずれたような位置で配置されています。これはかつて片方を頭端式の行き止まりホーム、もう片方を新十津川方面に直通する列車のためのホームとして設計されたためで、もちろん後者も現在は頭端式へと改造されています。

4年前に廃止されて以降、車止めが設置されその向こうには新たに柱のようなものも建っています。

北海道医療大学新十津川駅間の廃止については、記憶に新しい方も多いと思います。というのも、この区間の当初の最終運行日は2020年5月6日の予定でした。最後の約1ヵ月間の中では一部列車の運行区間新十津川まで延長したり、普通列車を全車指定席として運行させたりなど万全の計画が進められていました。

しかし新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、4月7日に一部都道府県への緊急事態宣言が発令されました。これを受けてJR北海道では最終運行日を4月24日へと繰り上げ、その後改めて沿線住民を対象としたラストランを行う計画に変更。廃止日は容易に変更することができないため当初のままでしたが、それまでの約2週間を「運行休止」として凌ぐ予定でした。

ところがその後、4月16日夕方に新たに北海道にも緊急事態宣言が発令。これを受けてさらに計画が変更され、何と最終運行日は4月17日へと繰り上げられたのです。この1日1本の普通列車新十津川を午前10時ちょうどに発車するため、発表後に道外から現地へ駆けつけることは極めて困難で、不要不急の外出を自粛する動きが全国的に強まっていた中で、何としても最終運行が「密」状態とならないようにするための措置であったことが窺えます。

現在の終着となっている北海道医療大学駅は、1981年に仮乗降場として開業し、その後1982年に駅へ昇格しました。当初の駅名は「大学前」でしたが、1995年に「北海道医療大学」へと改められ現在に至ります。

名前の通り駅前には北海道医療大学のキャンパスがあり、駅は1日平均2,000人ほどの利用があるそうです。ただし2028年にはキャンパスが北広島市に移転される予定で、当駅名が「北海道医療大学駅」であるのもあと数年といったところになりそうです。

廃線区間と道路が交差する地点に足を運んでみると、道路部分に関しては完全に線路が剥がされ、一時停止不要となっている様子。しかしその先、新十津川方面へは今なお線路が当時のまま残されており、4年前から時が止まったかのようです。

廃止された途中駅の様子等も見てみたかったですが、今回は時間の都合上カット。ちなみに駅前に設置されていた駐車禁止の看板には「JR大学前駅」と表記されており、1982年~1995年の間に設置されたものであることが分かります。

札幌方面に戻ることにします。無人駅ですが自動改札機がこちらはずらりと並び、通学需要にもしっかりと応えられる構造です。

北海道医療大学17時05分発の学園都市線 札幌行に乗車。またもや転換クロスシートの721系です。

ゴールデンウィークのためか学生さんの姿は非常に少ないですが、平日であればそれなりの混雑を見せるのでしょう。

学園都市線の桑園~北海道医療大学駅間は、2012年に電化開業を果たしました。当時の石狩当別駅を境に運行系統が分断されているようなイメージで、北海道医療大学以北は電化されることなく廃止されています。

17時48分、桑園駅に到着。札幌駅の一つ隣で、学園都市線函館本線から分岐する駅となります。

本日の移動はまだしばらく続きますが、今回はいったんここまで。次回に続きます。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。