わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

(8)ぱんじゅうを頬張り、旅行客で大混雑の函館山線に乗る【最長片道切符の旅2021】[札幌→長万部]

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は最長片道切符の旅5日目の前半の様子をご紹介していきます。

 

2021年8月7日(土)5日目①

さて、5日目の朝は札幌駅からスタートです。ちょうど札幌オリンピック…もとい東京オリンピックのマラソンがここ札幌の中心市街地で行われている最中の出発ということで、札幌駅からまっすぐ南にのびる道路は広い範囲で交通規制が行われているため、宿泊していた狸小路から札幌駅までは地下歩行空間を歩いていきます。

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地下道で札幌駅へ

地下歩行空間の柱や壁にも「TOKYO2020」のロゴがあり、東京都内や首都圏近郊ならまだしも遠く離れた札幌の地でまでこのロゴを目にすることになるとは思いもしませんでした。狸小路から札幌駅までは1kmちょっとの距離ですが、警備の人や大会関係者等でかなり物々しい雰囲気でした。

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朝7時の札幌駅

そんなこんなで、札幌駅に到着。5日目のこの日は、小樽・余市倶知安を経由する函館本線(山線)経由で長万部に抜け、その後は道南・本州方面へと向かっていきます。

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札幌近郊でおなじみ721系

この日、まず札幌から乗車していくのは7:14発の小樽行普通列車。札幌~小樽駅間は快速エアポートで行けば通過駅もありかなり速いのですが、早朝にはどうやら小樽発着の快速エアポートの運行はないようなので、少し時間はかかりますが普通列車で向かっていきます。

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しばらくは市街地を高架線で抜ける

列車は定刻通りに札幌を出発です。実はこの列車は意外に珍しい「札幌始発」の小樽行で、早朝・深夜に1日数本しかありません。札幌始発なのでもちろん座ることができた上、方面的にまだ朝7時台には混むような列車でもないので快適です。ただし途中駅からの乗車もそれなりにあるのは、流石大都市札幌だなと感じます。

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石狩湾を眺める

銭函を過ぎると、列車の車窓右手側には石狩湾が見えてきます。この日も朝から晴れていて空が青く、例によって窓の曇りは気になるものの素晴らしい景色でした。本線とは言いながらもこれほど線路ギリギリのところを走るのはなかなか贅沢な体験です。

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小樽に到着!

列車は8:01に終点の小樽へと到着です。ちょうど向かいのホームには8:06発の倶知安普通列車が停車しており、そちらへ乗り換えるお客さんも多いようなのですが、これで倶知安まで行ったところでその先の接続は変わらないので、諸々の用事をこなすべくこれから小樽に3時間弱滞在することにします。

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快晴の小樽駅

札幌近郊の観光地としても名の知れた小樽ですが、週末とはいえ流石に朝8時過ぎではまだ観光客の姿はあまりありません。駅前は地元の人々が行き交います。

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BOND LAUNDRY 小樽花園店

まずは小樽駅から南に1kmほど歩いたところにある「BOND LAUNDRY 小樽花園店」にて、ここまでに溜まった洗濯物を一気にぶち込みます。洗濯している間はいったんここを離れて市街地観光でも良かったのですが、どこへ行くにもやや遠く、洗濯自体は1時間ほどで終わるのでそれならばと思い待つことに。無事に洗濯・乾燥が完了しました。

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手宮線跡地

その後は市内を少しばかり散策していきます。小樽を象徴する観光地の一つである「旧手宮線跡地」の遊歩道も、夕方頃だとカップルがうじゃうじゃで私のようなぼっち陰キャ大学生にはかなりつらい世界となるのですが、まだ朝早い時間だと観光客がそもそもあまり多くなく、健全に(?)楽しむことができそうです。

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桑田屋 小樽本店

さらに運河の方向に坂を降りていき、立ち寄ったのは「桑田屋 小樽本店」。ここで小樽名物の「ぱんじゅう」(1個99円)をいただきます。「日本の食」17品目となります。

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ぱんじゅう(生キャラメル、つぶあん、クリーム)

ぱんじゅうとは、小樽の昔ながらの伝統的なおやつで、今川焼を小さく丸めたような見た目をしています。味はいろいろありますが、今回は「生キャラメル」「つぶあん」「クリーム」の3つをチョイス。一口かじると中にはたっぷりあんが詰まっていて、ほんのり温かくとっても美味しいです! ちなみに底面の皮が薄く、そのまま持って食べると下からあんがこぼれてしまうということで、逆さにして曲面を下にして食べるのが良いそうです。1個99円とリーズナブルで、何個でもパクパクいけてしまいそうです!

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暑すぎる小樽運河

まだ少し時間がありそうなので、ついでに小樽運河へも行ってみることに。小樽運河というと夜景が有名ですが、昼もなかなか悪くない景色だと思います。しかしまだ午前中ということもあってか観光客はまばらで、人力車をひくムキムキのお兄さんたちが暇そうにしていました(笑)。

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若鶏半身揚げ

さらに小樽駅へと戻り、もう一品小樽グルメをば! ということで「日本の食」18品目はなるとの「若鶏半身揚げ」(980円)です。その名の通り、ハーフサイズの若鶏を丸ごと揚げた商品で、とにかくずっしりと重いです。フライドチキン感覚で買った私が愚かでした(笑)。もちろん味はとっても美味しく、文字通り骨の髄までしゃぶりつく心意気で堪能していたのですが、そろそろ列車の発車時刻が迫っているということで、いったん仕舞い続きはこの先の乗り換え駅などで食べることにします(列車内で食べるのは匂いがきついので迷惑と判断)。

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10:53発の倶知安行に乗車

さて、大急ぎで駅に戻り、続いて乗車するのは小樽10:53発の倶知安。いよいよ「山線」と呼ばれるローカル線区間へ突入していきます。一応函館「本線」ではありますが、列車本数が多いのは札幌近郊エリアとなる小樽までで、この先は非電化&列車本数がぐっと少なくなります。

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お久しぶりのH100形

非電化なのでキハ40…ではなく、今や北海道の鈍行気動車のメインはH100形(DECMO)。今回の旅では名寄~新旭川駅間に続き2度目の乗車となります。道内各地で1両で運用されることが多いようですが、今回は2両つなげての運行です。

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めちゃくちゃ混雑

慌てて乗り込むも、車内は既に座席もほとんど埋まっている状態。独り身なのでロングシートに座ることができたものの、この直後に札幌方面から快速エアポートが10:46に到着し、そこからの乗り換え客で車内はさらに混雑の様相を呈します。

大混雑の状態で、列車は定刻通り小樽を発車。やはり旅行客が非常に多いようで、スーツケースや大きなカバンを一生懸命邪魔にならないよう抱えながら乗車する人や、子どもを必死にあやしながら乗る家族など、まさに車内では夏の行楽シーズンらしい光景が繰り広げられています。

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のどかな景色

小樽の市街地を少し離れると、早くも車窓には雄大な緑が広がります。車内では「交通系ICカードはご利用になれません」という旨の放送が繰り返しなされていました。札幌方面からずっとKitacaなどの交通系ICカードで来ていると、降りる駅によってはかなり面倒なことになりそうですね。

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余市ではそこそこ下車があるも…

小樽から25分ほど乗車すると、列車は余市に到着します。ニッカウヰスキーの街としても知られ、ここではかなりの観光客が降りていったように見えました。しかし座席に空席が出るほどではなく、依然としてそこそこ混雑した状態が続きます。

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かつては名実共に「本線」だった

余市を出ると倶知安まではあと1時間弱ほどかかりますが、ほとんど途中での乗降はありません。この函館本線の山線区間というのは、かつては道内の主要な特急・急行が函館~札幌(~旭川方面など)を結ぶ時のメインルートとして使われていた時代もあり、名実共に「本線」だったわけですが、時代が進むにつれて現在の特急〔北斗〕が通るような南回りでのルートの長距離列車が増え、1986年に山線経由の定期優等列車は消滅してしまいます。

watakawa.hatenablog.com

現在では、毎年9月頃に札幌~函館駅間を山線経由で結ぶ臨時特急「ニセコ号」という列車が設定されており、山線の優等列車を味わえる数少ない機会となっています。以前私も一度だけ乗車していますので、その様子は是非上のリンクから飛んで見てみてください!

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「くっちゃん」と読みます

そんなわけで、列車は12:12に終点の倶知安駅へと到着です。道外の人にとってはかなりの難読駅名かもしれませんが、山線の普通列車はここを始発・終着とするものも多く、石狩地方では行先としてよく見る駅名だったりします。

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新しい在来線ホーム?

駅の脇では、何やら新しいホームの建設が進んでいました。恐らくこれは北海道新幹線開業に先駆けて在来線のホームを移設し、現在の在来線ホームの位置に新しく新幹線のホームを造るということだと思います。北海道新幹線札幌開業時にこの倶知安にも駅ができる予定となっており、完成すれば東京から一直線でここまで来れるということになるのでとても便利になりそうです。

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たろ散歩さんと合流!

そしてこの倶知安駅では、何とYouTuberのたろ散歩さんと合流しこの先の長万部まで行くことになりました! どうやらたまたま小樽から同じ列車に乗り合わせていたようで、私のツイートを見てたろ散歩さんの方からDMにて連絡をくださいました。

忘れないうちに、先にYouTubeチャンネルのリンクを貼っておきます。以下からご覧ください!

www.youtube.com

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12:35発に乗車

それではたろ散歩さんとともに、ここからは12:35発の長万部に乗車していきます。私は最長片道切符を改札口で提示し、たろ散歩さんはフリーパスをお持ちのようでしたのでそれを提示して改札内へと入ります。

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またもH100形

車両は先ほどと同じくH100形のようですが、何と2両→1両になっておりより混雑度合いはひどくなっています。しかもこれより先は今までの区間以上に列車本数が少なく、倶知安長万部を直通する列車は1日わずか4.5往復しかありません。

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もはや首都圏の通勤ラッシュ並み

12:35に列車は定刻通り倶知安を出発…したものの、列車は大変な混雑で座るどころか立つスペースも見つからないくらいです。間違いなく私にとって、北海道内で最も混雑した列車といえばこれでしょう。先ほどの列車に引き続きほとんどが行楽客で、地元の人はあまり乗っていないように見えました。

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ニセコでも空かない…

列車は比羅夫、ニセコ…と各駅に停車していきますが、ニセコを過ぎても車内の混雑が引く気配は全くありません。たろ散歩さんも「ニセコでかなり降りるのでは?」と予想されていただけにこの結果は意外だったようで、私もかなり驚きました。結局ほとんどの人が終点の長万部まで乗り通すということになりました。

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駅間距離が長い

この区間では駅間距離が特に長く、平均して駅と駅の間が10分ほどかかります。単線・非電化で繰り返しになりますがとても本線の風格はなく、ここを長編成の特急・急行が走るイメージはあまりつきません。ただし今のような行楽シーズンには少ない本数の普通列車がこのように大混雑するわけで、増発を行ったり観光列車を走らせたりするのも面白いのではと思いました(なおかつては観光向けのSLも走っていたようです)。

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貨車を駅舎として活用している二股駅

混雑した車内ではありますが、最新車両ということで冷房もしっかり効いているので、キハ150のように暑くて汗がとまらないということはありません。北海道にお住まいのたろ散歩さんから沿線の見どころも数多く教えていただき、とても勉強になりました。ありがとうございます。

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線路上で突如急停車

そしていよいよ次が終点の長万部…というところで、走行中に突如列車が激しく揺れ、急停止。何があったかと思えば、どうやら横から飛び出してきたシカを轢いてしまったようです。安全点検のためしばらく何もない線路上で停止することに。運転士さんが「お怪我をされた方いませんか~」と車内を巡回し、乗客に怪我がないのを確認した後、車外に出ていろいろと点検をされていました。17分間ほど線路上で停止した後、ようやく運転再開。これは北海道ではしばしばあることなのだそうで、決して喜ぶことではないですが北海道らしいできごとに立ち会ったという意味では貴重な機会となりました。

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17分遅れで長万部に到着

列車は14:25頃に終点の長万部駅へと到着です。定刻だと14:08着の予定だったので、やはり17分遅れということになります。

ここ長万部では名物の「かにめし」を購入し、14:35発の特急に乗って南を目指すのですが、その様子はまた次回の記事にしたいと思います!

この倶知安から長万部までの様子を含む道中の様子はたろ散歩さんのチャンネルでも動画として上がっていますので、是非ご覧になってみてください! 私自身は旅の道中で動画撮影はしていないため、私の最長片道切符の旅の様子が映像として残る貴重な資料と言えそうです。

www.youtube.com

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。