わたかわ 鉄道&旅行ブログ

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【まもなく値上げへ】懐かしのルートで運行される「格安スカイライナー」に乗ってみた

 

2024年11月10日(日)

こんばんは。本日は京成上野駅へとやってきました。

京成上野駅はその名の通り京成本線の起点駅で、JR各線の上野駅とやや離れてはいるものの、徒歩での乗り換えも十分可能です。

時刻は21時前と遅い時間帯ですが、今回はこれから成田空港へ向かいたいと思います。

乗車するのは、京成上野21時00分発の特急〔イブニングライナー209号〕成田空港行です。

京成の有料特急で成田空港へ行く…となると真っ先に思い浮かぶのは「スカイライナー」でしょう。京成上野・日暮里~成田空港間を結ぶ列車としてテレビCM等でも頻繁に宣伝されており、高頻度での運行かつ国内在来線最速の160km/hで走行することでも有名です。

しかし今回乗車するのは、「スカイ」ではなく「イブニング」の方。一体何が異なるのでしょうか…?

発車標をよく見てみますと、一番左側に「京成本線」と書かれています。これは京成上野成田空港駅間の全区間において京成本線経由で運行することを示しており、成田スカイアクセス線経由で運行されている「スカイライナー」とは運行経路が異なっているのです。

京成本線」は、長らく東京都心部~成田方面における京成電鉄のメインルートとしての役割を担ってきた路線です。当初はスカイライナーも京成本線経由で運行されていましたが、2010年に北総鉄道を事実上延伸する形で「成田スカイアクセス線」が新たに開業し、京成上野成田空港駅間を直線的に結ぶことのできるルートとして現在のスカイライナーはこちらを使用して運行されています。

イブニングライナー」は京成上野18時00分発から23時00分発まで計7本が設定されており、このうち京成上野を21時00分以降に発車する3本のみが「成田空港行」となっています。スカイライナーと同じく全車指定席となっており、ライナー券は自動券売機で購入可能です。自動券売機では残席数も確認することができ、とても便利です。

ホームへ降りてみると、既に列車は入線していました。車両はスカイライナーと同じく「AE形(2代目)」が使用されます。

しかしホーム上での案内にもある通り、8両編成のうち京成上野駅では2・3号車のドアのみ開きます。ホームの端のため階段からは少し離れており、時間に余裕をもってホームへ到着しておくのがよさそうです。

乗車口にはかわいい(?)京成パンダのイラストが描かれた看板が掲げられています。車体側面の行先表示器もしっかり「イブニングライナー」という列車名に対応していることを確認しつつ、いざ車内へと入ります。

座席は一般的な2+2列の配置で、JRのグリーン車のような上級設備はありません。この車両では背もたれの薄さがしばしば揶揄されますが、スカイライナーとしての運用は片道約40分ほどですので大きな不都合はありません。リクライニングもしますし、各席にコンセント・背面テーブルが完備されています。

そして気になる特急料金ですが、何と破格の450円。スカイライナーと異なり、券面には降車駅が記載されていません。そもそも購入時に降車駅を選択するステップはなく、乗車区間にかかわらず均一料金となっています。通常のスカイライナーでは京成上野成田空港駅間の特急料金が1,300円となっておりますので、いかに安いかがお分かりいただけると思います。

しかしこの料金、2024年11月23日に行われるダイヤ改正にて大幅な改定が行われることが発表されています。

現在は一律450円のところ、ダイヤ改正後は距離に応じた金額設定となり、京成上野・日暮里からの場合は青砥まで250円京成船橋八千代台まで450円京成佐倉・京成成田まで600円、空港第2ビル・成田空港まではぐんと跳ね上がって950円となります。京成上野成田空港駅間では約210%もの大幅な値上げとなり、依然としてスカイライナーより安いものの価格差はかなり縮まることになります。

客室内のディスプレイも、しっかりとイブニングライナーに対応した停車駅・列車名等の表示となっています。京成本線内の主要駅(京成佐倉、京成成田等)と成田空港の駅名が同じ画面に表示される光景は、通常のスカイライナーでは見ることができません。

21時00分、列車は時刻通り京成上野駅を発車。

経由路線についても案内され、この列車が通常のスカイライナーと異なる列車であることがはっきりと分かるようになっています。

21時03分、日暮里駅に到着。京成では全列車が停車する主要駅です。

京成上野駅でももちろんJR各線と接続していますが、日暮里駅の方が乗り換えの利便性は高く、京成ではこちらでの乗り換えを推奨しています。

日暮里駅では進行方向右側の全てのドアが開きます。なお進行方向左側もすぐホームになっていますが、こちらは一般列車用となっており、同じ線路でありつつもライナー列車とそれ以外で乗車ホームが分けられています。

日暮里駅では3分ほど停車。満席とはいかないまでも、京成上野駅発車時と比べるとやや混雑してきました。

日暮里を出るとJR各線の線路から離れ、大きく右にカーブします。隅田川・荒川を越

えて葛飾区へ入りますが、遠くの方には都心部のビルの光もはっきりと見えています。

21時15分、列車は青砥駅4番線に到着。向かいの3番線には21時17分発の快速 京成佐倉が入線し、イブニングライナー209号との相互乗り換えが可能です。ただし青砥駅では8号車のドアのみが開くため注意しましょう。

青砥の先、京成高砂を出るといよいよ京成本線成田スカイアクセス線北総鉄道)が分かれます。京成本線は概ねJR総武線と並行するように線路が敷かれていますが、例えば総武線快速が停車する市川駅にほど近い京成本線市川真間駅普通列車しか停車しなかったり、逆に京成八幡駅はライナーを除く全列車が停車する一方で総武線快速本八幡駅を通過したり…など、ターミナル駅の機能はある程度棲み分けがなされているようです。

21時29分、京成船橋駅に到着。ここはJRにとっても京成にとっても見逃すことができない主要駅です。「京成」を冠しているものの、JR・東武船橋駅と近い位置にあり、京成上野と同様に乗り換えは可能です。人口約65万人を擁する船橋市の代表駅ですが、2015年まではイブニングライナーは通過していました。

京成千葉線新京成線と接続する京成津田沼駅は通過し、21時42分に八千代台駅へ到着。沿線外民からするとどこにあるのか、いまいちピントこない駅かもしれませんが、その名の通り八千代市内に位置するターミナル駅です。ここもまた快速特急・特急を含め全ての列車が停車する駅となっており、ここでは普通 宗吾参道に接続します。

八千代台駅での降車は思いのほか多く、ここで車内は一気に空きました。国際空港へのアクセス列車として様々な言語の表記が溢れる車内ですが、こうして郊外のベッドタウンにこまめに停車しながら沿線の方が比較的短い区間で利用される光景は京成ならではかもしれません。

勝田台・ユーカリが丘などを通過し、21時54分に京成佐倉駅へ到着。JRにも佐倉駅がありますが、ここは大きく離れているため注意が必要です。

京成佐倉では、先行の快速 成田空港行に接続。快速と言っても京成津田沼以東は各駅に停車します。

京成佐倉駅を発車した段階から、車内のディスプレイでは成田空港に関する案内がなされ始めます。というのも、誤って次の京成成田駅で降車してしまわないようにするためでしょう。成田空港には3つのターミナルがありますが、このうち第2・第3ターミナルの両方の最寄駅が「空港第2ビル駅」となっているため、初めて利用する場合は注意が必要です。

22時03分、京成上野から約1時間で京成成田駅に到着。ここで車内の乗客のほとんどが降車しました。京成成田駅はJRの成田駅と近接しており、徒歩での乗り換えが可能です。なお、東成田・芝山千代田方面に向かう次の列車は22時41分発の特急 芝山千代田行最終列車となりますのでご注意ください。

京成成田駅を発車すると、車内はほぼ貸切状態に。それもそのはず、こんな夜遅い時間から成田空港に用事のある人などそう多くはないからです。近頃はインバウンドやらオーバーツーリズムやら叫ばれ、どこもかしこも訪日外国人観光客で溢れかえる中、「成田空港へ向かう特急列車の車内」がこんなにも空いている光景はなかなか見られるものではありません。

京成成田駅を出ると大きく右にカーブをし、成田の市街地を望みながらいよいよ空港へと向かっていきます。この先はトンネルが続き、やがて地下へと入るためあまり車窓は期待できません。

京成成田駅を出てから約7分、22時11分に空港第2ビル駅へ到着。ここからは一見するとただのスカイライナーと同じ光景のように思われますが、実は空港第2ビル駅・成田空港駅では京成本線経由の列車と成田スカイアクセス線経由の列車でホームが分かれており、当然イブニングライナーは「京成本線用」のホームに停車します。

京成本線のホームと成田スカイアクセス線のホームは同一線上に位置しており、京成本線のホームを発車した後で成田スカイアクセス線のホームを「通過」します。ホーム上にいる人からすれば、お客さんをのせたスカイライナー車両が空港駅を通過していく異様な光景に驚くかもしれません。

22時13分、終点の成田空港駅へ到着。成田空港駅は1・4・5番線が成田スカイアクセス線、2・3番線が京成本線のホームとなっています。

ここまでスカイライナーであれば40分ほどの距離を、1時間10分ほどかけて移動してきました。京成本線経由のため距離が長く、また途中こまめに停車していたこともあり、実は追加料金不要で乗れる「特急」とそれほど大きな所要時間の差はありません。

京成本線経由で成田空港駅へ来た場合、改札口を2回通る必要があります。まず1つめはこちらですが、必ずきっぷが出てくるようになっていますので注意しましょう。

1回目の改札口をくぐると、そこは「成田スカイアクセス線」の改札内エリアとなっています。空港ターミナルビルへ向かう場合はそのまままっすぐ直進し、「出口」と書いてある方に進みましょう。

2回目の改札口、こちらを通ることでようやく改札の外に出られたことになります。紙のきっぷはここで回収され、交通系ICカードで通る場合は1回目の改札口の時点で京成本線経由の運賃が差し引かれているため2回目の改札口では差引額が「0円」の状態で出場できます。

京成本線経由と成田スカイアクセス線経由では運賃が異なっており、空港第2ビル・成田空港の両駅でホームが区別されているのもこれが理由です。どちらの路線を経由してきたのかが判別できるようになっており、例えば京成上野成田空港駅間は京成本線経由ならIC運賃1,052円ですが成田スカイアクセス線経由ではIC運賃1,267円となります。

改札口を出た先では手荷物検査場がありますが、これは空港の保安検査場とは別のもので現在は使用されていません。かつては空港ターミナルビルに入るために、簡単な手荷物検査が必要となっていました。余談ですが私は10年ほど前に中国・北京へ渡航する際に一度だけここの手荷物検査を経験したことがあります。

22時を過ぎていますが、発車標を見るとまだまだ上り列車は多数残っています。スカイライナーはこの後22時40分と23時00分発の2本、また料金不要の列車で東京都心方面へは22時32分発の(京成本線経由)快速 京成上野行、22時53分発の(京成本線経由)普通 京成高砂行、23時08分発の(成田スカイアクセス線経由)アクセス特急 京成高砂行があるようです。

もちろんこの時間帯からの出発便は残念ながらありませんが、到着便は多数あるようで、ターミナルビルの方から次々にお客さんが改札口へと向かっていきます。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。