2023年1月2日(月)
京成上野駅はJR各線の上野駅から少し離れた場所にあります。「少し離れた」とは言っても、JR駅の不忍口・広小路口からであれば徒歩数分程度で乗り換えも十分可能な距離です。
今回乗車するのは、京成上野9時07分発の〔シティライナー91号〕京成成田行です。いわずと知れた空港連絡特急「スカイライナー」と同様に特急券が必要で、全車指定席で運行されます。
京成上野~成田空港駅間には「京成本線経由」と「成田スカイアクセス線経由」の2通りのルートがあります。かつては「スカイライナー」が京成本線経由で運行されていましたが、2010年に成田スカイアクセス線が開業するとスカイライナーは全てこちらのルートで運行されるようになりました。
これに代わり新たに京成本線経由の有料特急として設定された「シティライナー」。しかし定期列車としての期間は長くはなく、2015年をもって定期運行は廃止されました。2016年からは毎年1月に成田山新勝寺への初詣客を輸送するための臨時列車「成田山開運号」として運行されています。
ホームに降り、まもなくすると列車が入線。車両はスカイライナーと同じ「2代目AE形」(8両編成)ですが、車体前面に歌舞伎の隈取りのようなイメージのオリジナルラッピングが施されています。
少し違和感を感じるところとして、車両の行先表示器には「京成成田」と表示されているのに対し発車標では「成田」という表記のみになっています。「京成〇〇」が正式名称になっている駅はいくつもありますが、駅の放送や案内表示等でそれらが統一されていない節があり、初見の人にとってはやや困惑してしまうかもしれません。
車内は通常のスカイライナーと特に変わりません。2+2列のリクライニングシートで、JRのグリーン車のような上位等級座席はありません。
背面テーブル、Wi-Fi、コンセントといった一通りのものが揃っており、この辺りは流石空港連絡特急です。コンセントは一応1人1口ずつの想定で前の座面の足元に設置されていますが、自分の座る座面の足元にもう1つありますので、実質的に1人2口使えるような構造になっています。
列車は定刻通りに京成上野駅を発車。しばらく地下区間を走行していた…と思ったらあっという間に地上へと出て、JRの複々々々…線区間を跨ぎます。その先に見えてくるのが、次の日暮里駅です。
京成において日暮里駅は極めて主要な駅として位置づけられており、スカイライナーを含む全ての旅客列車が停車します。スカイライナー⇔都心各方面への乗り換えは京成上野駅よりも日暮里駅を推奨している一方、JRの日暮里駅には宇都宮線・高崎線の列車が停車しないため、どうしても上野と比べると利便性に難があるように感じてしまいます。
特急券(シティライナー券)は京成上野から京成成田までちょうど1,000円。なおほかに必要となる運賃について、京成上野~京成成田駅間は850円ですから、特急券よりも運賃の方が安いということになります。いくら快適とはいえ、運賃の2倍以上の値段を払ってまで特急に乗るかと言われると首をかしげる人もいるかもしれません。一方で、成田空港までスカイライナーに乗車するとその特急料金は1,300円ですので、この部分においては極めて妥当な価格設定といえるでしょう。
臨時列車ですが、客室内に設置されたモニターもしっかりと稼働します。ここには行先や次の停車駅のほか、車内設備に関する案内等が繰り返し表示されていました。
そして驚いたことに、何とこのシティライナー91号は臨時列車でありながら途中駅で追い越しを行います。千住大橋駅では早くも先行の普通列車(京成上野9時03分発 京成臼井行)を追い越しました。
列車は荒川を渡り、足立区から葛飾区へ。雲一つない晴れた空を見上げると、心も晴れやかになります。
次に停車するのは青砥駅。都営浅草線・京急線方面からの直通列車とはここで合流をする形になります。2020年春より一部のスカイライナーが青砥駅への臨時停車を開始するようになり、現在では毎時1本が停車しています。
青砥を発車すると、次の停車駅は京成本線の京成船橋となります。先ほども述べた通り、現在のスカイライナーは全て成田スカイアクセス線経由ですので、日中の明るい時間帯に京成本線の下り線を2代目AE形が走行するのは極めて稀な光景です。
京成小岩では京成上野8時56分発の普通列車(京成津田沼行)を追い越し、さらにその先の東中山では京成上野8時48分発の普通列車(京成臼井行)を追い越します。まさか臨時列車にもかかわらずこれほどまでに次々と定期列車を追い抜いていくとは…驚きです。
海神を通過し、JRの複々線を跨いで船橋の街へと入っていきます。
京成船橋駅に到着。JR・東武の船橋駅とは徒歩圏内です。なお、青砥駅および京成船橋駅では、最後部の8号車のドアからのみ乗降が可能となっています。
定刻通りに京成船橋駅を発車し、次はいよいよ終点の京成成田となります。
船橋競馬場では、都営浅草線から来た快速 京成佐倉行を追い越します。
ユーカリが丘より先の区間では緑の豊かな区間も多く、いよいよ成田が近づいていることを実感します。スカイライナーの運行ルートとは異なりますが、JRの特急〔成田エクスプレス〕と京成本線が近いルートを走っていますので、窓の外から見える景色も似ているというわけです。
そして10時04分、終点の京成成田駅に到着。京成上野駅からの所要時間は57分で、1時間を切るかたちとなりました。
京成本線の終点である成田空港は目と鼻の先…というところですが、空港へはスカイライナーがあるためシティライナーがそちらへ足をのばす必要もありません。
シティライナー91号(京成上野→京成成田)、92号(京成成田→京成上野)は1月1~3日および1月の土曜・休日に運行されています。成田山新勝寺への初詣の際には是非ご利用ください!
ちなみに空港第2ビル~日暮里駅間は、成田スカイアクセス線経由で最速36分にて結ばれています。その様子を記録したノーカット動画もありますので、是非ご覧ください。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。