わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

【意外?】千葉県内乗車人員第1位の駅は千葉でも船橋でも柏でもなく…

 

2024年1月29日(月)

本日は千葉駅へとやってきました。

千葉市は県内唯一の政令指定都市であり、その人口は約98万人。惜しくも百万都市一歩手前というところですが、県内最大人口都市であることには変わりありません。

その中心駅である千葉駅は、JR東日本千葉都市モノレール、京成の3社が乗り入れます。特に大きいのはJRの駅で、当駅を始発・終着とする列車も多く運行系統上の拠点駅となっています。もちろんほぼ全ての列車が停車します(一部の特急〔成田エクスプレス〕を除く)。

しかしこんな立派で大きな駅でありながら、実は千葉駅は千葉県内の鉄道駅乗車人員1位ではないのです。意外すぎませんか…?

JR東日本の発表によると、2022年度の1日乗車人員で千葉駅は94,864人JR東日本全体では第30位、さらに千葉県内に限定すると第4位となっています。同社内の他地域の駅では藤沢駅町田駅国分寺駅等と同水準で、いずれも首都圏有数のターミナル駅ばかりです。

また京成千葉駅の2022年度1日乗車人員は13,810人。JRと比べても大きく少ないですが、これは千葉駅を通る京成線が「京成本線」ではなく支線の「京成千葉線」であるため致し方ないともいえるでしょう。京成のメインルートは上野~成田間で、実は千葉駅はここから少し外れるのです。

さらに千葉都市モノレール千葉駅の1日乗車人員は2020年度が最新の発表となっており、その数字は9,929人。新型コロナにより需要が大きく低迷した年のため単純な比較は難しいですが、2019年までも概ね1日平均12,000~14,000人程度で推移しています。

これらをすべて足し合わせると、千葉駅の1日平均乗車人員は約12万人程度であると推測されます。駅の規模の割には少ないと見ることができますが、これは先ほども述べた通り主にJRで見てみると千葉駅が「運行系統上の拠点駅」として機能していることが理由として挙げられます。

千葉駅から各方面へと向かう各駅停車の列車は原則として千葉駅を始発・終着としており、また千葉県内で広範に運行されている快速列車も千葉駅を始発・終着とする場合が多々あるため、JR千葉駅改札内における乗り換えの需要は極めて高いと言えます。しかしそうした乗客の大半は自動改札機を通らないため「乗車人員」としてはカウントされず、見た目の割に「乗車人員」自体は少ない傾向にあると見られます。

それでは、真の「千葉県内乗車人員第1位の駅」へと向かいたいと思います。乗車するのは、総武線各駅停車の中野行。かつて山手線で使用されていたE231系が第一線で活躍しています。

総武線各駅停車は、中央線と直通運転して三鷹~千葉駅間を結ぶ運行系統です。千葉・津田沼方面から御茶ノ水や新宿へ乗り換えなしで行けますが、途中こまめに停車するため時間がかかり、例えば千葉から新宿へ移動する場合は途中の錦糸町まで快速列車で移動しそこから乗り換えるルートが推奨されています。

横浜方面やさいたま方面で言うところの「京浜東北線」のような立ち位置で、総武線快速が呆気なく通過してしまう途中の駅にも停車していきます。「幕張駅」がありますが、ここは幕張メッセの最寄駅ではないので注意しましょう(幕張メッセの最寄駅は京葉線の「海浜幕張駅」)。

沿線は人口が多く、民家やマンションがずっと連なっています。特に船橋市千葉市に次いで県内人口2位ですが、残念ながらこの船橋駅でさえ乗車人員第1位ではありません。

千葉駅から25分ほど乗車し、列車は西船橋駅に到着。ここで列車を降ります。

千葉県内乗車人員1位の駅、それがまさにここ「西船橋駅」なのです。

西船橋駅にはJR東日本のほか、東京メトロ東葉高速鉄道が乗り入れます。

JR東日本総武線各駅停車・京葉線武蔵野線が乗り入れ、1日平均乗車人員(2022年度)は119,941人。千葉駅の約1.26倍ほどおり、同社の他地域と比べると中野駅吉祥寺駅と同水準です。また先ほどご紹介した船橋駅ともほぼ同水準で、年度によっては船橋駅の方が上回ることもあるのだそうです。

東京メトロの1日平均乗車人員は2021年度が最新となり、110,265人。路線は東西線1本のみですが、JR東日本とあまり変わらない水準です。また東葉高速鉄道は同じく2021年度で45,803人となっており、年度が異なるため参考程度ですが全て合算すると西船橋駅全体で1日平均乗車人員は約28万人にも上ることになります。県庁所在地であるはずの千葉駅にダブルスコアをつけて堂々の第1位です。

最初に私が降り立ったこちらの総武線各駅停車ホームですが、構造としては地上ホーム2面3線(1~4番線)。中線は上下両面のホーム(2・3番線)に接しており、主に当駅を始発・終着とする折り返し運転で使用されるものと思われます。1・4番線にはホームドアが付けられており、主にこちらが使用されています。

総武線快速の方にはホームがなく、全列車が通過するため東京都心へ出る上で最も使用頻度の高いと思われるこのホームですが、その割には狭く、平日朝のラッシュ時間帯は大変な混雑となっていることが予想されます。平日朝は都心方面へ列車が2~3分間隔で次々に発車しており、7時台は列車間隔が4分以上開くことはないのでとにかく次々運んでいるような状態かと思いますが、このホームから発車する列車の両数・方面・停車駅が全て同じであるがゆえに成立しうるとも言えます(先発列車を見送る理由が薄い)。

改札階へ上がってきました。JRの改札内にはエキナカ商業施設が充実しており、流石は県内1位の駅です。立ち食いそば・コンビニ・ペーストリー・本屋等々で、快速通過駅とは思えない充実っぷりです。

JRと東京メトロ東葉高速の間には中間改札があり、乗り換え改札口としては相当な台数が並びます。後ほどまたご紹介しますが東京メトロ東西線東葉高速線は同じ改札内にあり、この乗り換え改札をくぐることでどちらへも乗り換えができます。

JRでは他に、京葉線武蔵野線のホームがあります。こちらは総武線各駅停車と交差するように十字に造られており、高架ホームです。

番線としては9~12番線で、2面4線構造です。2024年1月現在ホームドアは設置されていませんが、ホームの広さは総武線各駅停車と大差ないか少し広いくらいです。

路線系統としては「京葉線武蔵野線」の2路線ですが、やってくる車両は武蔵野線E231系・209系ばかり。というのも、西船橋駅京葉線の「本線上」にある駅ではないのです。

武蔵野線西船橋駅付近はいわゆる「デルタ線」になっており、3方向からの列車がいずれの方面へも進行方向を変えることなく直通できる配線となっています。本線的な立ち位置となるのは東京~蘇我駅間を結ぶ「京葉線」で、これに対し府中本町方面からやってきた武蔵野線西船橋を出ると市川塩浜方面・南船橋方面の両方向へ発車していきます。日中は東京行と南船橋行が交互に運行されており、本数もちょうど3本/時ずつのため武蔵野線内での運行本数は6本/時となります。

しかし朝夕はこの限りではありません。東京行・南船橋行に加え、南船橋よりも先の新習志野海浜幕張まで直通する列車が多数設定されています。これらは必ずしも府中本町から来るとは限らず、途中の東所沢を始発として運行されていたり、あるいは埼玉県内にあるデルタ線を活用して大宮方面からやってくる場合があります。

これらのような「西船橋を発車して東京方面・南船橋方面」へ進む列車は武蔵野線の車両を用いて運行されているものの、西船橋駅では便宜上「京葉線」として案内されており、府中本町方面行の列車と区別しているようです。ホーム上でも「12番線、京葉線、ドアが閉まります。」というアナウンスが流れていました。

先ほど「総武線各駅停車は新宿方面へ向かうので錦糸町で乗り換え」的な話をしましたが、ピンポイントで東京駅へ向かうのであればこの11・12番線から発車する”京葉線”の方が便利な場合もありそうです。ただし日中は20分間隔ですから、本数は限られます。

12番線ホームからは、地上を走る総武線の線路を見下ろすことができます。ちょうど成田エクスプレスが通過している線路、あちらが総武線快速の線路です。

駅周辺には民家・マンションが多く、東京都心へ出るにもいくつか手段があると考えると乗車人員1位も頷けます。西船橋駅総武線快速の停車を熱望する声がよく聞かれることでも知られていますが、これはいわゆる「遠近分離」を考慮すると致し方ない側面がありそうです。仮に停車すれば西船橋駅周辺に住む方は確実に利用されるかと思いますが、一方で船橋津田沼・稲毛・千葉、或いはそれよりもさらに遠くからの通勤・通学、その他の移動の需要が十分に果たせなくなってしまう恐れがあるのです。西船橋自体は総武線だけでなく東西線京葉線経由でも東京都心に出ることができるわけですから、あえて棲み分けをすることは妥当な判断であると言えます。

JRだけでも計4面7線のホームを有する西船橋駅ですが、実はJRの改札口は意外にこじんまりとしています。自動改札機の数は先ほどご覧に入れた乗り換え改札よりも少なく、かつ駅の内外を結ぶ改札口はここ1ヵ所しかありません。

駅の南口はすぐに目の前が道路に面しており、ロータリーは見当たりません。駅入口の看板は東京メトロ仕様で、そこにJRと東葉高速のロゴが併記されています。

駅構内に戻り、今度は北口方面へ。こちらには「みどりの窓口」があります…が、何とこの訪問後の2024年2月19日をもって営業終了してしまいました。繰り返しますが県内1位の駅です…1位なのに…みどりの窓口が消えてしまう時代なのです…。

北口は広場にせり出すような特徴的な階段・エスカレーターが印象的で、看板はJR仕様のものが採用されています。こちらが街の中心といった様子です。

北口にはロータリーがあります。が、バスが次々に発着する様子もなく、人影はまばらです。もちろん平日日中だからというのはあると思いますが、それにしても県内1位の駅にしてはロータリーが小規模すぎる気もします。

北口を出て510mほど歩いたところには、京成本線の「京成西船駅」があります。距離があるので乗り換えの需要は低いでしょうが、それよりも気になるのはこの「西船」という呼称。当然ながら「西船橋」の略称であり、それが正式な駅名として採用されてしまうことに驚きです。

しかしこれ、略称が転じて現在は正式な地名となっている様子。何よりも駅周辺一帯の地名は「西船」ですし、周辺のアパートや保育園等でもこれが多く用いられています。1967年から住居表示として「西船」が使われ、1987年にかつての「葛飾駅」が「京成西船駅」へと改められました。京成西船駅の1日平均乗車人員はわずか5,000人程度で、普通以外の全ての種別が通過します。

再び駅構内に戻り、今度は東京メトロ東葉高速の改札を見ていきます。自動券売機は東京メトロのものと東葉高速のものが並びます。

東京メトロ東西線東葉高速線はここ西船橋駅を境に相互直通運転を行っており、実はこれが西船橋を「県内1位」にしている理由の一つであるとも考えられています。序盤でご説明した「約28万人」という数字の中には東西線東葉高速線を直通で利用する乗客の数も含まれており、直接西船橋駅の自動改札機を使用せずとも入出場の記録を元に乗車人員としてカウントされているのです。

東葉高速線は初乗り運賃が210円と高めで、鉄道ファンの間では”東葉高額鉄道”等と揶揄されることもあります。1996年に開業した比較的新しい路線で、西船橋東葉勝田台駅間を結びます。

西船橋駅の改札口では「T23」「TR01」と2社それぞれのナンバリングが表記されていますが、駅の管轄は東京メトロです。案内サイン類も全面的に東京メトロのものが使われています。

改札口頭上の発車標は大きくてとても見やすく、東西線東葉高速線両方とも東京メトロ仕様のものです。先発列車の停車駅が表示される造りですが、東葉高速線内は全列車が全ての駅に停車します。

ホームは5~8番線で、主に5・6番線が東葉高速線、7・8番線が東西線という一応の区別はあるようです。ただし6番線から東西線が発車する場合や7番線から東葉高速線が発車する例外的な運用があるらしく、煩雑極まりない運用です。おまけに平日朝夕のみ東西線総武線各駅停車へも直通運転を行っており、その場合は東西線総武線の列車が5・6番線、総武線東西線の列車が8番線を使用します。

駅名標には東京メトロ東葉高速・JRの3社のナンバリングが併記されており、超詰め込みスタイル。そういえば自然すぎて説明を忘れていましたが、東西線の浦安~西船橋駅間各駅は「東京」メトロにもかかわらず千葉県にあります。

東西線の複雑な運行系統についてはまた改めていつか乗車して記事にしたいな…なんて考えたりもしていますので、是非お楽しみに。

そして現在、X(旧Twitter)アカウントでは「#目指せ中央駅全駅踏破」と題して全国に41駅ある「中央駅」全てをめぐる企画を実施中です。

せっかく西船橋に来ましたので、今回はそこから東葉高速線で「八千代中央駅」に移動。2024年1月29日、記念すべき踏破1駅目はここから始まりました。

その都度記事にする予定はなく、基本的にはX(旧Twitter)上でのみ展開する予定ですので、是非ご注目ください!

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。