わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

【新幹線開業目前】北陸特急乗り納めの旅[敦賀・武生・鯖江]

 

2024年3月3日(日)

本日は愛知県の名古屋駅へとやってきました。

いよいよ到来する、2024年春のダイヤ改正。今年も全国各地で様々な話題が飛び交う季節になりました。そんな中でも最大級の注目を集めるのが「北陸新幹線 金沢~敦賀駅間開業」です。1997年の高崎~長野駅間、2015年の長野~金沢駅間に続き今回さらに福井県へ新幹線が進出することになります。

しかしそれとひきかえに、北陸地方を往来していた在来線特急列車はその長い歴史に幕を下ろすこととなります。名古屋・米原金沢駅間では特急〔しらさぎ〕が運行されていますが、この運行区間が名古屋・米原敦賀駅間へと短縮されるため、名古屋駅で「金沢行」の文字を見ることができるのもあとわずかです。

今回はこうした「新幹線開業により見られなくなる光景」を中心に、しっかりと記録しながら北陸方面へおでかけしていきます。

まずは名古屋9時48分発の特急〔しらさぎ5号〕金沢行…ですが、いきなりこれに乗ることはせず、何と名古屋駅のホームにて見送ります

9時48分、列車は名古屋駅4番線ホームから一路福井・金沢へ向け発車。いきなり乗り遅れたみたいな感じになっていますが大丈夫です、実は後から追いかけてあの列車に乗ることができるのです。というかむしろ、今だからこそあえてそのような乗り方をしておくことに意味があります(詳しくは後ほど)。

私の乗る予定の列車まではまだ少し時間がありますので、名古屋名物の「きしめん」でもいただくことにしましょう。名古屋駅ではホーム上でお手軽にきしめんをいただくことができ、今回は在来線3・4番線ホーム上にあるお店で「ワンコインきしめん(500円)」を注文しました。海老天、油揚げ、ネギ、鰹節が入っており、これだけいろいろ具材が入っていながらリーズナブルなのは嬉しい限りです。

さて、私の乗る列車は…そう、東海道新幹線です。

特急〔しらさぎ〕は名古屋を出ると岐阜を経由して米原に必ず停車しますが、その際実は後から名古屋駅を発車する新幹線で追いつくことができるのです。これは現在も、そしてダイヤ改正後も変わりません。

10時14分頃、17番線に〔ひかり635号〕新大阪行が入線。こちらに乗車します。ここまでの途中停車駅は品川、新横浜、豊橋のみで〔のぞみ〕に匹敵する速達ぶりですが、名古屋~新大阪駅間は各駅に停車することになります。

隣のホームには、10時17分発の〔のぞみ211号〕が入線。こちらを先に通し、また接続をとってからの発車です。

〔ひかり635号〕は10時19分、定刻通りに名古屋駅を発車。〔しらさぎ5号〕から遅れること約30分、果たして本当に追いつけるのか…?

悲願の延伸開業となる北陸新幹線の傍ら、今年で開業60周年を迎える東海道新幹線岐阜羽島米原も、1964年当時から新幹線駅が設置されており歴史ある駅です。

乗車することわずか30分弱、10時47分に米原駅へと到着。早足で在来線ホームへと急ぎます。

乗り換え改札を通った先の在来線コンコース内には、「5・6 北陸線 長浜・敦賀・金沢方面」と書かれた大きな案内表示があります。新幹線開業後は敦賀以遠が北陸本線ではなくなり、また金沢への直通特急も廃止となりますので、この付近の案内も3月15日を最後に更新されることでしょう。

ホーム上の発車標を確認…ありました、特急〔しらさぎ5号〕金沢行!!

本来であれば米原駅への入線は10時48分とのことですが、本日はどうも少し遅れているようです。

程なくして列車が到着。名古屋駅で見送ったはずの列車をいとも簡単に先回りすることができました。

米原駅では増結作業があり、また列車の進行方向が変わります。名古屋からここまでは6両編成でしたが、本日はここにもう3両を繋ぎます。

車両は681系・683系が使用されています。連結面は先ほど見たのっぺりとした顔ですが、ここから先頭となる反対側の車両は流線形のスタイリッシュな顔をしています。

列車は定刻よりも2分ほど遅れ、10時58分頃に米原駅を発車。ここから北陸本線へと入ります。

列車は前から順に1号車(グリーン車)、2~4号車(指定席)、5・6号車(自由席)、7~9号車(指定席)となっています。米原駅で増結されたのは7~9号車です。

自由席車両は2両分しかないこともあり、比較的混雑している様子。私も何とかして運良く窓側の空席を確保することができたといった様子です。

名古屋からでも乗れる〔しらさぎ〕にあえて米原から乗った理由、それがこちら。「乗継割引」を活用したかったためです。

JRでは、新幹線と在来線特急を指定の駅で乗り継いだ際に在来線特急料金が半額になる「乗継割引」という制度があります。米原駅もその対象となる駅のため、米原から敦賀までの自由席特急料金は760円→380円へと値引きされています。

しかしこの乗継割引制度、残念ながら今回のダイヤ改正をもって取りやめとなってしまうのです。すなわち今回と同様のルートで列車を乗り継いで移動することは引き続きできても、在来線特急の料金は半額にはなりません。さらに、〔サンダーバード〕〔しらさぎ〕等は今回のダイヤ改正に合わせ自由席廃止となることも発表されており、今回使用している「米原敦賀の自由席特急券(乗継割引適用)」は二重の意味で貴重となりそうです。

自由席では、車掌さんによる検札が行われます。検札といっても近頃は感染症の影響もあってか特急券にスタンプを押すことは稀で、乗客一人一人の乗車区間を目視で確認し、その情報を手元に控えているようです。また特急券を持たずに乗り込んだ乗客に対しては車内で料金を精算する必要があるため、それも併せてこのタイミングで行われます。こうした手間を削減するための「全車指定席化」の波は首都圏・関西圏、そして今回の改正で北海道へも押し寄せることになります。

座席のポケットには、早くも「敦賀駅でのお乗り換え方法について」というリーフレットが入っていました。これまで乗り換えの必要がなかった駅で、新たに乗り換えが必要となるとマイナスイメージも大きいところですが、このリーフレットもその払拭に一役買ってほしいところです。

長いトンネルを抜け、福井県に入ると敦賀駅はすぐそこへ。進行方向右側には、北陸新幹線の高架橋が早くも見えています。

定刻よりも2分ほど遅れ、11時26分頃に敦賀駅へ到着。ホームにはかなり多くの鉄道ファンが集っています。

実はこのホームに特急列車が入線する光景が見られるのもあとわずか。というのも、敦賀駅の在来線ホームと新幹線ホームは離れているため、新幹線開業後は乗り換えの利便を図り新幹線ホームの真下に新たに設けられた特急専用ホーム(31~34番線)が使用されるためです。

現在は米原金沢駅間が「JR北陸本線」ですが、新幹線開業後は北陸本線敦賀までとなり、この先福井県内の並行在来線は「ハピラインふくい」へと経営移管されます。敦賀はその結節点となる駅で、駅名標は既に新しいものに交換されているようでした。右上のシールを剥がすとハピラインのロゴマークが出てくるものとみられます。

1本特急が発車しても、またすぐに次の特急がやってきます。これこそ北陸本線が「特急街道」と呼ばれてきた所以で、日中は大阪方面からの〔サンダーバード〕と名古屋方面からの〔しらさぎ〕が数分差で続行する形で運行される場合が非常に多いです。

また、発車標を見てみると1日1本限定のサンダーバード和倉温泉の文字も出ています。2024年1月1日に発生した能登半島地震の影響で七尾線の一部が不通となっていましたが、2月15日ついに全線運転再開へこぎ着けたようです。もちろん新幹線開業後はこの直通運転もなくなるため、大阪~和倉温泉駅間は必ず2回の乗り換えが発生することになります(敦賀駅金沢駅)。

敦賀駅のコンコースでは、新幹線開業を祝う手作りの看板を発見。その上の「JR線のりば」と書かれた案内看板は不自然に余白がありますが、よく見ると黒いテープで覆われており、これもやはり剥がすと「ハピライン」の文字が登場するのでしょう。

先ほどのコンコースとは別に、敦賀駅では在来線ホームを跨ぐようにして新たに連絡通路が設けられました。この連絡通路はやがて新幹線改札方面へも繋がるもので、現在は在来線ホーム間の移動および西口改札からのみ利用ができる状態です。

こちらには新型の色鮮やかな発車標モニターが取り付けられており、このモニターに「サンダーバード 和倉温泉行」等の文字が表示される光景は新幹線開業直前の今だけしか見ることのできない超貴重な光景です。また柱の部分には「北陸線 福井・金沢方面」の文字もしっかりと刻まれており、一時的な措置であることを感じさせない綺麗なコンコースです。

サンダーバード〕は9両・12両、〔しらさぎ〕は6両・9両と様々な両数で運行されるため、その停車位置を示す案内もこの辺りの名物です。「3番のりば」との記載がありますが、新幹線開業後は少なくともこの場所からこの案内看板は撤去されてしまう可能性が高いでしょう。

新幹線側のコンコースへは立ち入れないよう柵が設けてありますが、その隙間から少しだけ中の様子をうかがうことができました。長い連絡通路には動く歩道が設けられており、その先は上りエスカレーターでさらに上へと向かうようです。

新しい方の在来線コンコースからは、駅の全景を見渡すことができます。在来線ホームはこれまで通りの位置ですが、それとは別に設けられた新幹線駅舎の大きさは圧倒的。いくら新幹線とはいえ、ここまで高い位置を走ることは全国的にもかなり稀であると感じます。

敦賀駅は一部の〔サンダーバード〕を除き、ほぼ全ての特急列車が停車します。現在の時刻表を見ると上りも下りも赤い文字で示された「特急」が大半を占めますが、こうした当たり前の光景もやがては過去のものとなります。

敦賀駅の改札口ですが、現在はまだ長らく使用されてきた西口のみが稼働しています。街の中心側に位置する改札口で、新幹線開業後も引き続き使用可能です。

ただし新幹線開業に合わせ、西口改札側にあった「みどりの窓口」は、東口へと移転してしまうようです。新幹線・特急ともに新しいホームから発車するためでしょう。

敦賀駅の外観は完成しており、また西口駅前のロータリーも綺麗に整備されました。新幹線側と在来線側でそれぞれ出入口がある駅だと、在来線側の出入口は割と昔ながらの趣を残す場合もありますが、敦賀駅の場合はそこも含めて全面的にリニューアルがなされたようです。そして新幹線駅舎が大きすぎるゆえ、西口側にいてもその存在感をはっきりと感じることができます。

内装も大きく変わっており、天井の高い待合スペースやコンビニ等が確保されています。2階部分は勉強スペースになっているようで、日曜日ということもありたくさんの高校生が集まっていました。

せっかくなので、私は「炙ります&焼きさばのちょいとすしセット(550円)」をいただくことに。おにぎりよりも一回り大きいくらいのご飯の上に、こんがりと炙ったほどよい塩加減のますと脂ののったジューシーな焼きさばがそれぞれのっています。近頃の物価高を考えると、このボリュームでこのお値段はなかなかお得なのでは…!?

お腹も満たされたところで、再び列車に乗車していきます。福井県内を移動し、武生・鯖江方面を目指します。

乗車するのは敦賀12時37分発の北陸本線 福井行。特急が先に発車するのでそちらに乗ってもよかったのですが、JR線としての普通列車も味わっておきたかったのでこちらに乗ることにします。

車体の側面に貼られていた「JR」のマークは既に剥がされており、この区間がやがてJRでなくなってしまうことをひしひしと実感します。

列車は2両編成で、ワンマン運転がなされています。ドア上部の路線図はまだしっかりと「北陸本線」の文字が残っており、おそらくギリギリまでこの状態を残しておくのだろうと思います。

12時37分、列車は定刻通りに敦賀駅を発車。右側に新幹線の高架を望みつつ、すぐに北陸トンネルへと入ります。北陸トンネルは福井県嶺北と嶺南を結ぶ全長約13kmにも及ぶ長大なトンネルで、途中に駅がないため次の南今庄駅までの距離は実に16.6km、11分ほどかかります。

車内は各区画の座席に1人ずつが着席している様子で、立ち客もいますがそこまで激しい混雑というわけではなさそうです。1月の能登半島地震からの復興支援として企画乗車券「北陸おでかけtabiwaパス」が980円で発売されていたり、またJR東日本からも期間限定の企画乗車券が発売されていたりなどで一部の普通列車は大変な混雑である様子がSNSにも投稿されていましたが、時間帯にもよるのでしょうか。

しかしこの列車においても鉄道ファンの割合が高かったことには変わりなく、明らかに通常の日曜日よりは混雑しているのだろうと思います。18きっぷで福井・金沢に行けるのもあとわずかですから…。

12時37分、列車は武生駅に到着。ここで下車します。

武生は福井~敦賀駅間の途中駅としては最大で、実際にかなり乗降が多かったように見えます。

駅名標JR西日本仕様ですが、よく見ると左下が少しめくれているのが分かります。おそらく既に更新は完了していて、JR仕様のものを剥がすと下からハピラインの駅名標が出てくるのでしょう。王子保武生駅間には2025年をめどに「しきぶ駅」という新駅が開業する予定です。

武生駅がある越前市内には「越前たけふ」という新幹線の駅が設置されます。しかしその場所は現在の武生駅からは少し離れており、新幹線単独駅としての開業になります。すなわち新幹線開業後の武生駅は、JRから分離されるだけでなく優等列車の発着がなくなってしまい、普通・快速列車のみの発着となるのです。

武生駅の運賃表・自動券売機はまだJR仕様で、その近くには3月15日(最終営業日)の案内がなされていました。JRからハピラインへ移管されるだけで駅自体は存続されるわけですが、「武生駅の営業終了について」という文字を見ると何だかドキッとします。

越前市の人口は約7.8万人で、県内人口第3位を誇ります。特急列車は、全てとはいわずともかなり多くが停車するようになっており、京都・大阪・名古屋のいずれの都市へ出るにも非常に便利です。

新幹線開業後は、こうした中長距離の移動需要を新駅「越前たけふ駅」が担うこととなります。街の中心をこの武生駅周辺であると捉えると「新幹線駅は街外れに造られた」という言い方になってしまいますが、一方で越前たけふ駅周辺には高速道路のインターチェンジ国道8号線があり、自動車との親和性が非常に高い立地でもあります。「パーク&ライド」の文化が根付きつつある昨今、むしろ新幹線駅が単独駅として設置されたことは必然であったようにも思えます。

ちなみにJR北陸本線武生駅からアル・プラザの横を歩くと、福井鉄道福武線の「たけふ新駅」があります。「新」を地名の後につけるという何とも斬新な駅名ですが、実はもともと1924年の開業時から長らく「武生新」という駅名でした。21世紀に入り、市町村合併によって旧武生市が廃止されたのに伴い2010年に「前武」へと改められましたが、その後新幹線駅と同駅名のため混乱を招くとして2023年に現在の「たけふ新」になったという経緯があります。

武生駅からも徒歩圏内であり、個人的にはただの「武生」でも良いのでは…あるいは「福鉄武生」などの方が分かりやすさの面では適切なのでは…と考えてしまいますが、何よりも「武生新」としての時代が80年以上続いていたことを踏まえると、駅名の後ろに「新」がつくことへの抵抗はなく、むしろ親しみをもって受け入れられるということなのかもしれません。

JRの武生駅に戻ってきました。みどりの窓口はハピラインへ移管されてからも存続するようで、これは朗報です。武生駅周辺に住む人にとって、JRのきっぷを気軽に買える場所が残るかどうかは今後の鉄道利用の如何にもかかわってくるところでしょう。

さて、続いては一つ隣の鯖江駅へ移動していくことにします。1駅なので普通列車に乗れば何も問題ないのですが…。

今回は特急を利用します。「はぇ!?」と思うかもしれませんが、実はちゃんとした理由があるのです。というわけで武生13時47分発の特急〔しらさぎ7号〕金沢行に乗車。

車内は比較的混雑しており、何とかして窓側座席を確保。いや別に1駅だけなのでデッキで立っていてもよかったのですが、せっかく自由席に着席する権利を得ているのなら短い時間でもその権利を行使したいじゃないですか。

私がこんな変なことをしている理由、それは「武生・鯖江の両駅に特急が停車していたことを記録・記憶に残すため」です。武生と鯖江はいずれも主要駅ですが、残念ながら新幹線はどちらの駅にも停車しません。そこでこの区間に確かに有料特急が運行されていたことを何らかの形で記録・記憶に残したいと思ったのです。

わずか5分ほどの乗車で鯖江駅に到着。この区間では検札が来なかったため周りの乗客の方から不正乗車を疑われていたかもしれませんが、特急券はしっかりと買ってあるため問題ありません(むしろ特急券が欲しかったのが最大の目的)。鯖江駅出場時に無効印を押していただいています。

鯖江駅武生駅と同様に、多くの特急列車が停車します。その本数は武生駅よりも若干少ないというところではあるのですが、〔サンダーバード〕が通過してもその前後で続行運転する〔しらさぎ〕が必ず停車するため大きな問題はありません。

鯖江駅にも同様にみどりの窓口があり、これもハピラインで存続されるようです。便利である一方、第三セクターで2駅連続でみどりの窓口が存続するというのも稀有な話。そのうちいずれか片方のみに集約されてしまいそうな気がしなくもありません。

また、武生駅鯖江駅にはそれぞれ駅構内にセブンイレブンがありましたが、ハピラインへの移管に先駆けどちらも閉店してしまいました。特に鯖江駅の駅前等にはコンビニが一切ないようで、これは是非とも復活してほしいところです。

駅は昔ながらの国鉄の雰囲気を残しており、これが国鉄はおろかJRですらなくなってしまうというのはにわかに想像もつきません。しかしそれは、これまでのどの並行在来線の駅も歩んできた道のり。「ハピラインの鯖江駅」として、次第に地元にもなじんでいくことでしょう。

鯖江はめがねフレームの生産量日本一の街であることが知られており、駅前には「めがねのまち」のモニュメントもあります。

新幹線駅も設置されず、特急も廃止される鯖江市。中長距離移動はどのようにするのがよいかと考えた時に、まず思いつくのは「ハピラインで福井駅もしくは敦賀駅へ移動」でしょうか。特に鯖江福井駅間は13.7kmしか離れておらず、普通列車での移動も苦ではありません。ほかに先ほどご紹介した「パーク&ライド」の活用も考えられますが、その際鯖江市内の人が自動車で「福井駅」と「越前たけふ駅」のどちらへ出るのかは気になるところです。

さて、最後はここ鯖江から一気に大阪まで移動しておこうと思います。

乗車するのは鯖江14時50分発の特急〔サンダーバード26号〕大阪行。「京都方面大阪」という独特の言い回しはJR西日本ならではです。

特急〔しらさぎ10号〕名古屋行の発車後、すぐに3番線へと入線。9両編成で関西を目指します。

14時50分、列車は定刻通りに鯖江駅を発車。今回は贅沢にグリーン車を利用していきます!

グリーン車は金沢寄りの1号車で、4列ではなく3列のゆとりあるシートが特徴。かつては首都圏の特急列車もグリーン車はこの3列シートが多かったそうですが、その時代を知らない私としてはもはや別物感さえ感じるほどです。

グリーン料金を含めた特急料金は、ちょうど5,000円。普通車指定席ならば2,730円ですから、2倍近い金額をかけて乗っていることになります。

ひじ掛けにはドリンクホルダーと折り畳み式のテーブルが収納されており、両方同時に使用することもできます。テーブルは反対側のひじ掛けに渡せるようになっており、安定感があります。他にも、各座席にコンセント・フットレストが備わっており、車内にはフリーWi-Fiもあります。なお背面テーブルはありません。

特急の車内から北陸新幹線の高架を望むことができる体験も今だけ。窓から見えるあの線路は、東京とつながっています。

あっという間に敦賀駅へ戻ってきました。今度は降りずに、直通の利便性を味わいたいと思います。

敦賀駅を出ると、新幹線ホームからやってくる線路と合流します。これは新幹線の線路ではなく、先ほどご紹介した新たな「特急専用ホーム」の線路です。開業を間近に控え、あらゆる設備は準備万端のようです。

近江塩津より先、列車は湖西線へ入ります。その名の通り琵琶湖の西側を走る路線で、実際に琵琶湖を一望できる区間が多くあります。線路も高規格なので高速走行ができ、これがある意味では新幹線のさらなる延伸を阻む要因の一つとも言えるかもしれません。

京都駅でかなりの乗客が降車し、満席近かったグリーン車にもだいぶ余裕が出ました。淀川を渡り、まもなく終点大阪です。

16時37分、列車は定刻通り終点の大阪駅に到着。武生・鯖江から2時間を切ると考えると、この〔サンダーバード〕がいかに便利な列車であるかを実感します。

なおこれはおまけですが、終点到着後は幕回しを行うため、今はなき貴重な列車名の数々を見ることができます。〔びわこエクスプレス〕や〔おはようエクスプレス〕は今回のダイヤ改正をもって見納めとなります。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。