わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

[#6]今しかできない「北陸大横断」新幹線&特急で敦賀へ【政令指定都市を通らずに日本縦断】

 

▼前回の記事はこちら

watakawa.hatenablog.com

 

▼ルールはこちら

 

2023年5月2日(火)

残り 55時間59分

八高線をひたすら乗り通し、11時01分に群馬県高崎駅へと到着。

7ヵ所定めたチェックポイントのうち、これまでに宇都宮・船橋・川口・八王子の4ヵ所を制覇しました。これで東日本にあるチェックポイントは全てクリアしましたので、残りは姫路・松山・鹿児島となります。

さて、ここからは再び新幹線を利用して一気に西日本方面を目指していこうと思います。

高崎駅上越新幹線北陸新幹線のちょうど分岐点にあたる駅となっています。今回は新潟方面を目指しても仕方ないので、長野・金沢方面へと向かう北陸新幹線に乗車していきます。

高崎11時20分発の〔はくたか559号〕金沢行がやってきました。終点の金沢まで一気に向かいたいと思います。

金沢までの道中には、長野や富山といった比較的大きな駅を通ります。長野からは松本・木曽福島方面へ向かう特急〔しなの〕、富山からは高山方面へ向かう特急〔ひだ〕が出ており、これらを利用しようかとも考えました。しかし実はこれらの在来線特急はいずれも名古屋へと向かうものであり、これを回避するためには名古屋の手前でローカル線等に乗り換えなければなりません。ところによってはかなり本数が少ない場合もあり、タイムロスを懸念したため今回は新幹線で移動できるところを一気に移動してしまおうという結論に至りました。

列車は定刻通りに高崎駅を発車。北陸新幹線に使用されるE7系W7系は12両編成で、11号車(グリーン車)・12号車(グランクラス)を除く1~10号車が普通車となっています。私は今回普通車指定席を予約しましたが、連休と連休に挟まれた平日とはいえさすがはゴールデンウィーク。見渡す限りほとんど満席に近い状態です。

一時は窓側が全て発売済みとなる状況でしたが、前日に盛岡駅で空席を確かめてみると運良く窓側座席のキャンセルが出ておりましたのですぐさま乗車変更。大型連休中の新幹線は、満席になりがちな一方で頻繁にキャンセルも出ますので、一度確かめて希望の列車・座席が空いていなくともこまめに調べるのがオススメです。

すぐに次の安中榛名を通過し、列車は難所「碓氷峠」に挑みます。高崎駅で購入した「碓氷峠の力餅」をいただくことにします。

長野新幹線(高崎~長野駅間)が開業する1997年よりも前まで、この区間は在来線で結ばれていました。しかし途中の横川~軽井沢駅間にある急勾配は全国屈指の鉄道の難所と言われており、並行する新幹線の開業をもって廃止されています。

現在の新幹線においては長いトンネルが続いており、それほど大変な難所ではありませんが、しかし北側へやや線路が迂回しておりその建設は容易ではなかったことが窺えます。

そんな峠を越えて長野県に入ると、車窓右手には雄大浅間山が見えてきます。沿線には軽井沢の高原リゾートらしいお洒落な建物が並び、群馬県側とは一気に雰囲気が変わりました。

軽井沢を過ぎて佐久平、上田…と進んでいく途中にも、車窓には上信越の山々の絶景が広がります。千曲川の流れる平地を走る「しなの鉄道(旧信越本線)」とは異なりこちら新幹線は直線的に走るためトンネルもいくつかありますが、やはりその快適さと速達性には代えられません。

12時04分、列車は県庁所在地の長野駅へと到着。1997年から2015年までの約18年間はここが新幹線の線路の終点でした。

長野市の人口は約36.8万人。県内では第二の都市・松本と肩を並べる主要都市ですが、意外にもこの〔はくたか559号〕での乗降はそれほど多くありませんでした。引き続き車内は混雑した様子で、子どものはしゃぎ声も飛び交う賑やかな車内です。

飯山に停車したのち、12時28分に列車は上越妙高駅へと到着。ここがJR東日本JR西日本の境界となっており、これより先はいよいよJR西日本管内へと突入です!

何と意外にもここ上越妙高での降車が非常に多く、印象的でした。この駅はかつて信越本線の「脇野田」という小さな駅でしたが、新幹線開業にあたり駅名を改称し、在来線のホームを移設して大出世を果たしました。首都圏から上越市妙高市へアクセスするには重要な玄関口となっている駅で、このほか新潟方面とを結ぶ特急〔しらゆき〕の接続駅ともなっています。

そしてさらに山を抜け、糸魚川付近へやってくると…日本海が見えてきました!!

糸魚川駅付近では海岸近くを走る場面もあり、右手側をよーく見ていると日本海の車窓を堪能することができます。私が窓側座席の予約にこだわった最大の理由こそまさにこれで、幸い天気も良く最高の眺めです。

その証拠に、黒部宇奈月温泉を過ぎると向こう側には能登半島までもしっかりと確認することができました! 黒部市魚津市付近からは富山湾を隔てて反対側にあり、私はまだ一度も行ったことがないので今度是非行ってみたいところです。

また、この乗車の3日後の5月5日には能登半島で最大震度6強を観測する強い地震も発生しました。被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

富山の市街地が見えてきました。目の前に見える一番高い建物は富山市役所で、確か無料で入れる展望台もあったと思います。

13時13分、列車は富山駅に到着。最速達の〔かがやき〕を含め全列車が停車します。

富山市の人口は約40.9万人で、チェックポイントには一歩及ばずといったところ。新幹線開業に伴い、並行する北陸本線は「あいの風とやま鉄道」へと移管されました。その一方で高山・下呂美濃太田方面へと南下する「高山本線」はJRの路線として今も運行が続けられています。北陸新幹線開業を機にここ富山駅を発着する特急〔ひだ〕の運行本数も増え、内陸部への玄関口としての役割もより一層強まりました。

富山を出ると、列車は新高岡へと停車したのち金沢へ至ります。富山県第ニの都市である高岡市約16.3万人)では在来線の高岡駅から少し南へ進んだところに「新高岡駅」として設置されましたが、この新高岡駅周辺はパークアンドライドを積極的に推進するしくみが整っているほか、駅前には大きな商業施設もオープンしており、今後も目が離せません。

13時36分、列車は終点の金沢駅に到着。駅名標を見てみても分かる通り、この先に新幹線の駅はありません。乗ってきた列車はすぐに「回送」となりました。

加賀百万石の城下町として名高い金沢市。その人口は長野市富山市を凌ぐ約46.0万人で、むしろ2015年まで新幹線がなかったことが不思議にすら思えてくるほどです。

金沢駅の入口には、シンボルの「鼓門」がそびえます。大型連休とあって観光客の姿も多く、駅前ロータリーでは観光地をめぐるループバスがひっきりなしに発着していました。

実は私、金沢は乗り換えで何度か利用したことがあるものの、観光をしたことは一度もなく…今回も例に洩れず、ほんのわずかな滞在時間で金沢を後にすることになります。また時間のある時にじっくりと観光してみたいものです。

金沢から先には新幹線がありませんので、在来線特急で移動していくことにします。

在来線ホームからは、関西方面や東海方面に向けて数々の特急列車が運行されています。今回は金沢13時54分発の特急〔サンダーバード26号〕大阪行へと乗車していきます。

681系・683系を見ると、いよいよ大阪が近づいてきたなと実感するものです。もっとも大阪はれっきとした政令指定都市ですので、今回は立ち入ることができませんが…。

列車は9両編成で、前から順に9号車、8号車…となっています。グリーン車は一番後ろの1号車で、今回私は先頭9号車の指定席へと乗車していきます。

13時54分、列車は定刻通り金沢駅を発車。車内は混雑しているかと思いきや、意外にも窓側・通路側とも比較的余裕があるようです。

途中の停車駅は小松、加賀温泉芦原温泉、福井、鯖江、武生、敦賀、京都、新大阪です。京都市大阪市政令指定都市となっておりますので、その手前の敦賀までの特急券を購入しました。

印字の掠れが酷いのはさておき、金沢駅では新幹線と在来線特急を乗り継ぐ際に「乗継割引」が適用されます。これにより〔サンダーバード26号〕の特急料金は所定の半額(1,360円)となり、大変得した気分です。近年では「乗継割引」そのものが全国的に縮小・廃止傾向にありますので、お得な体験ができるのも今のうちかもしれません。

車内でほっと一息ついたところで、少し遅めのお昼ご飯。金沢駅ではあまりゆっくりできませんでしたが、せめて北陸の名物でもいただくことにしましょう。

金沢駅で購入したますのすし小箱」(1,000円)です。富山の有名な駅弁で、「ますのすし」というとまん丸の容器を想像される方も多いと思いますが、今回私は一人なのでそんなにたくさんも食べられない…ということで小さめのこの大きさにしています。

「小箱」とはいっても蓋を開けてみると中にはぎっしりますのすしが入っており、一人用としては十分すぎるボリュームです。舌の上でとろける美味しさで、丸い容器のものと比べて食べやすいという意味でも「小箱」おススメです!

車窓左手に見えてくる白い雪を被った山々は、おそらく白山連峰でしょうか。かつて在来線特急に〔白山〕という列車があったのを思い出します。

地上を走る「北陸本線」と、何度も交差したり並走したりする高架の線路があります。

現在は金沢までの運行となっている「北陸新幹線」ですが、2024年春に福井県敦賀まで延伸される予定になっています。開業まで1年を切った今、既に線路や高架橋等はあらかた出来上がっており、開業に向けた準備は最終段階に突入しています。

その新幹線の最初の停車駅ともなるのが、石川県の小松駅。近くには小松空港もあり、石川県の空の玄関口となっています。しかし雪の多い地域ゆえ、冬は遅延や欠航のリスクも小さくありません。定時性の高い新幹線が必要とされるのも頷けます。

続いて列車は加賀温泉駅に停車。ここにも新幹線のホームが設置されます。在来線のホームは地上にありますが、これとは反対側に大きな新幹線の高架ホームが建設されています。

実は「加賀温泉」というのは周辺にある片山津温泉山代温泉等を合わせた総称だそうで、こちらも大変魅力的です。新幹線ができれば首都圏から乗り換えなしでアクセスできることになりますから、東京方面からの観光客のさらなる増加が期待されます。

北陸新幹線の開業にあわせ、金沢~敦賀駅間の並行在来線第三セクターへと経営分離が行われる予定になっています。石川県内は「IRいしかわ鉄道」を延伸へ、そして福井県内では「ハピラインふくい」として営業運転を行う予定で、在来線特急の運行は絶望的とみられています。特急列車の車内からこの高架橋を見ることができる光景も今のうちです。

福井県に入り、続いては芦原温泉駅へ到着。何とここにも新幹線のホームが設置される予定で、加賀温泉芦原温泉と「温泉」のつく駅が連続することになります。いずれも温泉街は駅からやや離れた位置ではありますが、是非とも一度訪れてみたいところです。

14時40分、列車は福井駅へと到着。人口約25.9万人を擁する福井県の県庁所在地です。

新幹線開業においては、富山・金沢から一歩出遅れるかたちとなった福井。人口も金沢の半分程度ではありますが、これまでの鉄道史上においてもなかなか東京から福井までを1本で結ぶ列車はそう多くなかっただけに、新幹線の効果には大いに期待したいところです。

福井を出た先には、「鯖江」と「武生」という2つの大きな駅が隣り合っています。現在乗車中の〔サンダーバード26号〕は両方の駅に停車しますが、それぞれの地点に新幹線の駅を設置するほど離れてはいません。そこで両駅の中間地点に「越前たけふ」という新幹線の単独駅の設置が進められています。

武生駅を発車すると、列車は峠越え区間へと入ります。この峠を貫くように建設されているのが、全長約14kmにも及ぶ「北陸トンネル」で、1962年に開業しました。それまで複数のスイッチバックを経て移動していたところ、このトンネルの開業により大幅なスピードアップにつながったとされています。

これと並行するように、北陸新幹線では「新北陸トンネル」が建設されています。敦賀側の出口を見てみますと、西九州新幹線を彷彿とさせる頑丈な法面が築かれていることが分かります。

15時14分、列車は敦賀駅に到着。ここが福井県内最後の停車駅となり、同時に新幹線の新たな終着駅ともなる予定です。

乗車してきた特急は金沢~敦賀駅間を約1時間20分かけて移動してきました。新幹線開業によりそのルートも短縮され、大幅な速度向上やそれに伴う所要時間の短縮が期待されます。しかしその一方で〔サンダーバード〕や〔しらさぎ〕を同区間で乗車できる機会は残りわずかになっていますので、是非とも早めの乗り納めをオススメしておきます。

 

続きは次回お届けします。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。