わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

たった3両&全車自由席! 驚きの北陸特急がありました

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2021年11月4日(木)

おはようございます。今回は福井県敦賀駅にやってきました。まだ朝早い時間帯ですが(←ここ重要)、これから特急を利用して金沢へと向かいます。

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ホームに上がると、さっそく金沢行の特急列車が停車していました。しかし何やら様子がおかしい…?

上の画像ではちょっと分かりにくいのですが、何とわずか3両編成しかなく、とても短いのです!

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北陸特急と言えば、関西~北陸を結ぶ「サンダーバード」や東海~北陸を結ぶ「しらさぎ」がありますが、サンダーバードならば9両編成、しらさぎでも6両編成での運行のはずで、3両しか繋いでいないというのはどう考えても不自然です。支線のローカル特急ならまだしも、特急街道と言われる北陸本線で3両の光景には違和感があります。

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そう、実は今ここに停車している特急は「サンダーバード」でも「しらさぎ」でもなく「おはようエクスプレス」という特急列車なのです。何とも短絡的なネーミングセンスをしていますね。

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おはようエクスプレスは、敦賀金沢駅間で平日朝に下り1本のみ運行される通勤特急列車。2001年に福井~金沢駅間で運行を開始し、一時は七尾線内や金沢~富山駅間等でも運行されましたが、新幹線開業等により運行地域は次第に縮小され、現在はこの敦賀発金沢行の1本のみとなっています。

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列車は定刻通り6:43に敦賀駅を発車。この先武生、鯖江、福井、芦原温泉大聖寺加賀温泉、小松に停車して終点金沢へと至ります。車窓右側に見える高架橋はまもなく延伸開業が迫る北陸新幹線で、開業すればこの区間はハピラインへと経営移管されることになり、おはようエクスプレスの運行もなくなるのでしょう。

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敦賀駅を出発してすぐ長いトンネルに入りますが、そこを出ると山の向こうから昇る朝陽がちょうど見えます。まさに”おはようエクスプレス”の名に恥じない車窓を楽しむことができます。

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敦賀を出発した時点では、1車両あたり乗客は10人程度。通勤特急と聞くと首都圏に住む私は「はちおうじ」「おうめ」「湘南」のように全車指定席を想像してしまいますが、驚くことにこのおはようエクスプレス3両全てが自由席なのです。この3両というのはサンダーバードとして運行される際の付属編成にあたるため、グリーン車の連結はそもそもありません。

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まずは武生、鯖江と立て続けに停車していきながら多くの乗客をのせていきます。ちょうど朝の通勤通学ラッシュ時間帯の運行ということでホームには多数の人が待ち構えていますが、おはようエクスプレスに乗り込んでくるのは主にビジネス客が中心のようで、制服姿の高校生は後続の普通列車を待っているようでした。

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鯖江を出発し、窓の外を見てみると次第に霧が濃くなってきました。少し速度を落としながら進んでいきます。

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定刻より4分ほど遅れ、7:23頃に列車は福井駅へと到着。ここでは若干名の降車客もあったものの、それ以上に乗車客が多く、窓側のみならず通路側の座席もかなり埋まり始めました。

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次の芦原温泉駅からもさらに乗車があり、この辺りから車内はかなり満席に近くなってきました。どこかに空席はないかと探し回る人の姿もあり、3両では短いのでは…?という気もします。

これは勝手な予想なので見当違いかもしれませんが、指定席を設けず全車自由席にすることでデッキの立ち客の混雑を一部の号車ではなく編成全体に分散させる意図もあるのかもしれません。

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福井県から石川県へと入り、最初の停車駅は大聖寺駅。ここは加賀市の代表駅ですが、ほとんどの特急が次の加賀温泉にのみ停車しこちらは通過となるため、そもそも大聖寺に停車する特急はかなり珍しいようです。実際今回もここから乗車してくる人はほとんどおらず、納得でした。

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窓の外を見ると、先ほどまでよりもだいぶ高く太陽が上がり、霧もすっかり晴れていました。向こうには引き続き北陸新幹線の延伸区間が既に出来上がっている様子が確認できます。

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加賀温泉駅では、在来線ホームの隣に大きな新幹線の駅舎が出来上がっているのが見えました。最長片道切符の時に食べた羽二重餅、懐かしいですね…。

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最後の途中停車駅である小松を発車したところで、車内の乗車率はおよそ7割ほど。満席にならないのはご時世的に相席を好まないお客さんもいらっしゃるためと思われますが、おそらくデッキにもそれなりの立ち客の方がいらっしゃったはずです。

小松~金沢駅間は特急だと20分かからないくらいですが、普通列車では倍の約40分かかり、この短い区間であっても特急の需要はあるようです。確かに普通列車で40分の距離に特急が走っていたら、乗りたくなる気持ちも分かる気がします。

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時刻表を見てみると、このおはようエクスプレスがいかに貴重な存在かが見えてきます。福井県内および石川県内の途中の主要駅からの通勤需要を拾い金沢へと向かう特急はおはようエクスプレス以外にも「ダイナスター」が2本設定されていますが、いずれも福井始発のため敦賀・武生・鯖江からの需要を拾うことができません。ダイナスター3号の後の特急は大阪からやってくるサンダーバード1号まで待つ必要がありますが、これでは金沢到着が午前9時を過ぎるため多くの会社の始業時刻を過ぎていることでしょう。

また、このサンダーバード1号は停車駅の少ないタイプで、武生・鯖江などは通過してしまいます。おはようエクスプレスは特に福井以西から金沢方面へ通勤する人にとってなくてはならない存在なのです。

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というわけで、おはようエクスプレスは8:09に終点金沢駅へと到着。これならば金沢駅周辺にオフィスを構える会社は午前9時の始業にも間に合うことでしょう。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。