わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

(9)絶品グルメを食べまくる北海道最終日。そしていよいよ本州へ…【最長片道切符の旅2021】[長万部→新青森]

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は最長片道切符の旅の5日目後半、道南から北海道を脱出して新青森にたどり着くまでの様子をご紹介していきます。

 

2021年8月7日(土)5日目②

シカと衝突した影響で遅延した山線にて、長万部には17分ほど遅れて14:25頃に到着。

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長万部でかにめしを受け取る

長万部駅函館本線室蘭本線が乗り入れる交通の要衝で、新幹線の駅も設置される予定となっています(まだ駅周辺を見渡しても工事の様子は皆無ですが)。

ここの名物駅弁といえば、かなやの「かにめし」。事前に電話で取り置きの予約をしておいたので、乗り継ぎ時間は短くなってしまいましたがギリギリ何とか駅前のお店で受け取ることができました。

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特急北斗12号が入線

大急ぎでホームへ戻り、長万部14:35発の特急〔北斗12号〕函館行に乗車していきます。

列車は定刻通り長万部を発車。倶知安から同行してくださったたろ散歩さんとはここでお別れです。貴重なお話をたくさんありがとうございました!

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かなやの「かにめし」

車内ではさっそく遅めの昼食ということで、「日本の食」19品目はもちろんかなやの「かにめし」(1,180円)です。蓋を開けると、ご飯の上にはかにのほぐし身がたっぷり敷き詰められており、まさに「見たらわかるウマいやつやん!」状態。これがご飯ととってもよく合うふわふわの食感で、かに好きにはたまりません! 一度食べ始めたら箸がとまらず、気づいたら完食していました。北海道に来たら是非ともまた食べたい駅弁の一つです。

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八雲駅に停車

実はこの「北斗12号」というのも思い出深い列車で、昨年10月の「鉄道最速日本縦断2020」の際に札幌から新函館北斗まで乗車したのとまさに同じ列車であります。あの時は稚内を早朝に出発して、サロベツライラック→北斗と乗り継いできていたので、札幌を発車する時点でもう既にかなりお尻が痛かった記憶がありますが、今回は幸か不幸か函館山線でほとんど座れなかったので、あいにく(?)お尻が痛いということもありません。

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噴火湾沿いを進む

長万部~森駅間ではかなり広範囲に渡って噴火湾の眺めを楽しむことができますが、それを知ってのことかあいにく自由席の進行方向左側はほぼ満席。デッキに出て噴火湾の眺めを楽しみます。本当に湾のギリギリを走るので、もし高潮や津波の被害があるとダメージは決して小さくなさそうです。この区間はおそらく北海道新幹線札幌開業後はJR北海道から経営分離されるでしょうから、特急の車内からの眺めを楽しめるのも今のうちでしょう。

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森駅に到着!

眺めを楽しむうちに、列車は15:16に森駅へと到着。長万部からわずか40分ほどの乗車ということで、素晴らしい景色とともに時間はあっという間に過ぎていくのを実感します。

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静かなターミナル駅

森駅は現在全ての特急が停車する主要駅ですが、来る北海道新幹線札幌開業に際してはこの付近に新幹線の駅が設置される予定はなく、新函館北斗を出ると次の駅は「新八雲(仮称)」となるようです。新幹線開業により長距離利用が不便になるという意味では、1997年の長野新幹線開業時の小諸駅に似た不遇の駅と言えるかもしれません。

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道南の路線図は複雑に入り組む

さて、特急を新幹線接続駅である新函館北斗まで乗らずにこの森で下車したのには理由があります。森より先、函館方面には線路が二手に分かれており、渡島砂原経由と大沼公園経由があります。大沼公園経由の方が距離が短く、また大沼国定公園への観光需要も鑑みてか全ての特急がこの「大沼公園経由」で運行されていますが、今回は「最長片道切符」ですのでより長いルートを利用する必要があり、渡島砂原経由の通称”砂原支線”を通っていくことにします。こちらに優等列車の設定はなく、普通列車へと乗り換える必要があるため森で下車したというわけです。

ちなみに渡島砂原経由の方が距離が長い→すなわち運賃も高くなる、のかと思いきや、森~大沼駅間は渡島砂原経由で移動する場合であってもより短い大沼公園経由の営業キロに基づき運賃が算出されるという特例(経路特定区間)があります。すなわち今回私が保持している最長片道切符においては、どちらに乗っても良いということになります。

また、上の図にもう一度戻って見てみると、大沼~七飯駅間でも線路が二手に分かれています。新函館北斗駅を通るルートが特急の運行経路ですが、それよりも勾配が緩やかなルートとして通称”藤城支線”というのがあります。この藤城支線の最大の特徴は、新幹線の終着駅でもある新函館北斗を通らないということにあり、大沼~七飯駅間には途中駅が全く設定されていません。北海道新幹線開業前、新函館北斗がまだ「渡島大野」という駅名だった頃は藤城支線を通る特急列車もたくさん存在しましたが、新幹線開業後は新函館北斗での新幹線接続を考慮して全列車が新函館北斗経由となり、現在藤城支線では1日数本程度の下り普通列車が通るのみとなっています。

なお、ここからはやや複雑な話になりますが、藤城支線には「営業キロ」が設定されていません。すなわち新函館北斗経由の列車も藤城支線経由の列車も、どちらであっても新函館北斗経由の営業キロに基づいて運賃が算出されます。つまり運賃計算上は藤城支線が本線と別物として扱われることはないため、今回の最長片道切符の経路も「大沼(藤城支線)七飯(本線)新函館北斗…」とはならないのです。

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これはトラップ

それでは森から、普通列車に乗車していくことにしましょう。改札口の発車標を見てみると、何とほぼ同じタイミングで2本の普通列車が出ていくことが分かります。山手線もびっくりの高頻度運転…!ではなく、16:07発の函館行が渡島砂原経由、16:09発の大沼行は大沼公園経由というわけで方面は同じでも全く異なる区間を走るのです。ちなみに大沼行の方が後の発車ですが、先に発車する渡島砂原経由の方が距離が長く時間もかかるため、後発の大沼行の方が大沼には23分早く到着します。

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左に少し見切れているのが16:09発

それでは、私は16:07発の渡島砂原経由函館行に乗車していきます。道南には今のところH100形は進出していないようで、非電化区間普通列車は昔ながらのキハ40系での運行です。最長片道切符の券面の経路通りでいくと新函館北斗でこの列車を降りなければならないのですが、今回は新函館北斗函館駅間の往復乗車券を別途購入して函館へも立ち寄ることにします。

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かなりガラガラ

16:07に列車は定刻通り森を出発。車内は片手で数えられるくらいしかお客さんがのっておらず、実にガラガラです。ボックス1つどころか2~3つくらい占拠できる気がします(迷惑なのでやめましょう)。

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かにめしの食後にいかめしを食べる贅沢

車内はかなりガラガラなので、ここで「日本の食」20品目となる森駅の名物駅弁「いかめし」(780円)をいただくことにします。駅弁とは言うもののだいぶ小ぶりな容器ですが、蓋を開けるともち米の入ったいかが2つ、綺麗に収まっています。つまようじの部分をもって丸ごとかぶりつく、この瞬間が何よりの幸せ。しっかり味が染みていてとっても美味しいです!

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渡島砂原駅

列車は順調に砂原支線を進んでいきます。沿線にとりわけ大きな街があるというわけでもなく、利用客数の多い駅も特にないので、砂原支線内では特に大量の乗降がある様子はありませんでした。しいて言うならば途中の鹿部駅は駅のすぐ近くにゴルフ場があり、駅から少し離れた鹿部の市街地はこの辺りにしてはやや発展していると言えるかもしれません。また、地図上で見ると沿岸部を走っているように見える砂原支線なのですが、実はそこまで海のキワッキワを走るわけでもないので、特に車窓から海が見えるわけではありません。

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大沼駅に到着

17:05に合流地点となる大沼に到着。向こうのホームに停車しているのが、先に到着していた大沼公園回りの普通列車かと思います。大沼国定公園の最寄り駅はその大沼公園駅ですが、そこからの乗り継ぎでこの大沼駅からはたくさんの人が乗り込んできました。

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小沼

大沼駅を出ると、車窓右手には小沼が広がります。冬の間は氷が張ってこれまた美しく、6年前の冬の日に北斗星の車内から見た小沼の一面の雪景色は今でも忘れられません。

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函館に到着!

17:42に列車は終点の函館に到着です! 先ほども述べた通り函館駅は経路外ですが、最長片道切符の経路一覧と新函館北斗函館駅間の乗車券を同時に提示すれば問題なく改札口を出場できます。

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道南の玄関口…?

函館本線の起点でもあり、かつて青函連絡線が就航していた時代には北海道の玄関口として多くの人で賑わった函館駅。連絡線が廃止され青函トンネルが開通した後もこの函館には上野・大阪等本州各方面からの夜行列車が乗り入れ、日夜賑わっていたのでしょう。2016年に北海道新幹線が開業すると本州からこの函館駅に直接乗り入れる列車は消滅してしまいましたが、いつの時代もこの函館駅は観光・ビジネス・生活の拠点としてたくさんの人が行き交う重要なターミナル駅となっています。

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函館といえばラッピ!

そして函館といえば「ラッキーピエロ」に立ち寄らないわけにはいきません! 金森赤レンガ倉庫の前でいただく「日本の食」21品目はラッキーピエロの「チャイニーズチキンバーガー」(378円)です。函館のローカルハンバーガーチェーン「ラッキーピエロ」の看板商品で、甘辛いタレを絡めた唐揚げがレタスとともにバンズの間にたっぷり挟まっています。唐揚げはサクサクで、みずみずしいレタスとバンズとの相性も抜群! 他にもラッキーピエロではさまざまなファストフードメニューが展開されているので、今度是非そちらも食べてみたいものです。

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今日中に本州へ渡らなければ

時刻は19時前、辺りもだんだん暗くなってきた頃ですが、私はこの日函館に泊まるのではなく本州へと渡らねばなりません。というわけで、函館19:06発の快速〔はこだてライナー新函館北斗行に乗車して函館を離れます。わずか1時間ちょっとの函館滞在でしたが、美味しいチャイニーズチキンバーガーを函館のシンボル・赤レンガの前で食べれたので満足です!

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はこだてライナー

先ほどのキハ40でも新函館北斗を一度通ってきてはいるので、このはこだてライナーにて来た道を少しだけ戻るということになります。新函館北斗駅は新幹線における函館の玄関口というわけですが、実は函館市ではなく隣の北斗市にあることからこのような駅名になっています。北海道新幹線開業に際し函館~新函館北斗駅間は新たに電化され、リレー列車であるこの「はこだてライナー」の運行が開始されたというわけです。

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車内はロングシート

列車は定刻通り19:06に函館駅を発車。3両編成ですが先頭1号車には誰もいません。「はこだてライナー」などという立派な名前がついていますが、特に指定席が連結されているわけでもなく、札幌圏の最新の通勤車両と同じくオールロングシートとなっています。また、時間帯によって「快速」と「普通」があり、快速は桔梗・大中山七飯を通過するということで速いものだと函館~新函館北斗駅間を15分程度で結びます。しかし私の乗車した函館19:06発の便は途中の七飯運転停車を行ったため、結果的には各駅に停車するタイプのものと所要時間はほとんど変わりませんでした。

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いよいよ新幹線へ乗り換え

19:25に新函館北斗へと到着。かつて「渡島大野」という名もなき無人駅でしたが、今や東京からの直通高速列車がじゃんじゃん発着する大きなターミナル駅へと大出世を遂げました。

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東京行の新幹線は発車済み

はこだてライナーのホームから新幹線ホームへは、階段等を使わず同じフロアで乗り換えができます。新幹線改札で再び最長片道切符を提示し、発車標を確認。この日最後に乗車する列車は、新函館北斗19:41発の〔はやぶさ96号〕仙台行です。日中は基本的に東京~新函館北斗駅間での直通運転が行われている北海道新幹線ですが、北海道内からの最終の東京行は18:40に新函館北斗を発車してしまっているので、この時間になると東北地方どまりというわけです。

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おなじみE5系

この最長片道切符の旅で初となる新幹線は、東京でもおなじみのE5系です。仙台行ですが今回は途中の新青森まで乗車していくことになります。見慣れた新幹線ですがやはり改めて見てみてもカッコいい!!

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やはりガラガラ

列車は19:41に定刻通り新函館北斗を発車。8月3日から5日間過ごした北海道の地に別れを告げ、最長片道切符の旅はいよいよ本州へと進んでいきます。

はやぶさ号は列車によって停車駅が異なりますが、このはやぶさ96号は新函館北斗を出ると新青森までノンストップで、その先は仙台まで各駅停車となります。10両編成での運転ということで日頃から「ガラガラ」と言われる北海道新幹線ですが、夜の時間帯ということでやはりいつも以上にガラガラのように見えました。

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立席特急券

はやぶさ号・はやて号は全車指定席となっているため、北海道新幹線に「自由席」は存在しません。もっと言えば東北新幹線の盛岡以北には自由席を連結した新幹線の定期乗り入れが存在しないわけですが、この盛岡~新青森新函館北斗駅間では自由席特急券の代わりに「立席特急券」というものが発売されています。これは全車指定席の新幹線の普通車の空いている席を利用できるというもので、座席の指定を受けた一般的な特急券よりも安く設定されています。もし途中でその座席を指定しているお客さんがやってきた場合は退かなければならないということですが、特に北海道新幹線の場合だと座席が混みあうことはまずありませんので、この立席特急券で十分事足りるというわけです。

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北海道新幹線は高すぎる!

新函館北斗から新青森までは約1時間。距離にして150kmほどですが、青函トンネル内は貨物列車とのすれ違いの関係で速度を落とさなければならないという事情から、新幹線らしい走りを見せる区間はほんのわずかです。これで特急料金が4,000円というのは些か割高であると感じます。東北新幹線の東京~那須塩原駅間も同じく150kmほどですが、自由席特急料金は2,850円ですからその差は1,000円以上。

しかも、北海道新幹線東北新幹線は直通運転を行っているにも関わらず特急料金が通算されません。すなわち最長片道切符の経路上は盛岡まで新幹線を利用するのですが、新青森で途中下車してもしなくても特急料金は変わらないというのが、今回新青森に立ち寄る理由の一つでもあります。

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青森の市街地が見えてきた

53kmもの青函トンネルを抜け、奥津軽いまべつ駅を通過してしばらくすると遠くに青森の市街地が見えてきました。いよいよ本州上陸です。これからまだとてつもない日数をかけて本州を旅していくことになります。

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新青森で本日は終了

20:38に列車は定刻通り新青森駅へと到着。新幹線を降り、本日5日目の移動はここまでとなります。

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快活CLUB青森西バイパス店

今夜の宿は、新青森駅から1.4kmほど歩いたところにある「快活CLUB 青森西バイパス店」です。新青森駅周辺は何もないとよく言われますが、少し歩くと国道7号(青森西バイパス)があり、その道路沿いには様々な商業施設が立ち並びます。駅前よりも国道沿いがよく発展しているという地方の良い例です。

 

本日はここまで。

続く6日目の旅の模様はまた次回お届けしていきます。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。