みなさんこんにちは! わたかわです。
さてさて、10月に実施した「鉄道最速日本縦断2020」という過酷すぎる企画の第2弾記事で、今回は旭川から札幌へ移動する様子をお届けします。
前回は稚内から旭川へ特急〔サロベツ2号〕にて移動してまいりましたので、その様子は是非以下のリンクからご覧ください!
10月15日(木)
サロベツ2号は旭川に10:19の到着。続いて旭川から乗車するのは、10:30発の特急〔ライラック18号〕札幌行です。サロベツ2号と対面乗り換えですので、到着すると向かいのホームで789系が待ち構えています。
旭川駅は近代的かつ開放的な構造で、格子状の骨組みがとっても印象的です。ホームはかなりの長さが確保されていますが、発着する列車は長くても5~6両程度で、ホームを端から端まで使うことはまずなさそうです。向かって左側の島には気動車鈍行、その右にはここまで3時間40分乗車してきたサロベツ2号、そしていちばん右に停車しているのがこれから乗車する789系です。
そもそも現在札幌~旭川駅間で運行されている特急「ライラック」が運行を開始したのは2017年のことで、意外に最近なのです。それまで札幌~旭川駅間完結の特急は「スーパーカムイ」1本でしたが、2017年春のダイヤ改正でJR北海道の特急系統が大幅に整理され、札幌~旭川駅間完結特急には「カムイ」と「ライラック」の2種類が運行されることになりました。
特急ライラックに使用される789系は「0番台」あるいは「基本番台」と呼ばれる緑色の編成で、6両編成での運行となります。この車両、何だか見覚えがあるような気がしませんか…? そう、この緑色の特急車両は、2016年まで青函特急「スーパー白鳥」で使用されていたものなのです!
運行開始は2002年ということで比較的新しいのもあり、わずか14年で鉄道車両として完全に引退してしまうのはもったいないということでしょう。場所を変えて、列車名を変えて、第二の人生を送っているというわけです。
北海道有数の主要駅・旭川ですから、ホーム上にはしっかりと発車標が設置されています。実はこの「ライラック」という列車名は1980年から1992年まで室蘭~札幌~旭川駅間を直通運行する特急の列車名として使用されていた過去があります。さらに1992年から2007年までは現在と同じく札幌~旭川駅間にて運行されており、実に10年ぶりの愛称復活となったのです。
それでは乗り込んでいきます。今回も普通車指定席の利用です。行先表示器は幕ではなくLEDですが、どことなく古さを感じます。きっと2002年からずっと同じものを使っているのではないでしょうか。
10:30、定刻通り旭川を出発。普通車の座席は先ほどまで乗車していたサロベツのキハ261系とほとんど同じ仕様のようですが、あちらが気動車特急なのに対しこちらは電車特急ということで運行方式が大きく異なります。とはいってもまぁ、キハ261系と789系って何となく顔の形似てますよね。
旭川~札幌駅間は全区間が電化されており、乗り心地もかなり良いのですが、主要都市が連続しているイメージの一方で旭川~深川駅間には峠越えの区間があります。まぁ峠越えとは言いましてもほとんどの区間はトンネルが掘られているのでまっすぐ進んでいくわけですが、この辺りはかなり山深い区間となっています。1969年まではこの付近に「神居古潭」(かむいこたん)という駅がありました。いや、読めるかっ。
途中停車駅は、深川、滝川、砂川、美唄、岩見沢です。始発駅の旭川も含めると4駅連続して「川」のつく駅ということで何だか美唄と岩見沢が仲間外れみたいになっていますが。
山深い区間を越えて深川駅に到着すると、留萌本線への乗換案内が放送されます。「本線」と言うくらいだからさぞ立派な路線かと思いきや、2両くらいの気動車が数時間に1本程度運行するのみ。現在の運行区間は深川~留萌駅間で、かつてその先の増毛駅まで伸びていましたが2016年12月に廃止されました。現存する区間についても経営状態は相当悪いようで、全線廃止もそう遠くないかもしれません。途中の石狩沼田までは存続させるというナナメ上を行くプランもあるそうですが実現可能性はどうなんでしょうか。
続いては滝川駅に到着。こちらは富良野・帯広・釧路・根室方面へと続く根室本線との分岐駅です。こちらも「本線」ですが駅はそこまで賑やかというわけでもなさそう…。朝晩は高校生で賑わったりするのでしょうけどね。だだっ広いホームにサッポロビールの広告がついたホーロー看板と人の気配がない光景は、良くも悪くも北海道らしさといえそうです。かつてはここ滝川から道東の釧路までを直通する「日本一長い普通列車」が存在していましたが、2016年夏の台風の影響で東鹿越~新得駅間が現在も不通の状態となって以来運行されていません。滝川から出る根室本線の列車は、長くても富良野や東鹿越までとなります。狩勝峠すら越えられないのです。
次の「砂川」には今でこそ接続路線がありませんが、かつては歌志内線や函館本線上砂川支線といった多数のローカル線がのびていました。そういう時代背景も踏まえると、やはり函館本線がいかに”本線”らしい路線であるかを感じさせられます。
全区間を通じて、とりたてて混雑しているという様には感じませんでした。まぁ平日の日中ということもありますし、コロナの影響で利用者も減少傾向にあるのかもしれません。このままでは本当にJR北海道が危ない…!
白石で千歳線と合流し、札幌までは複々線区間となります。次第に高い建物が並ぶ札幌市内が見えてきました。稚内を出てから計5時間以上、既にかなりお尻はしんどいです。
札幌駅周辺では北海道新幹線関連の工事が進められており、到着直前に徐行運転をしましたが、だいたい定刻通り12時前に終点の札幌に到着です!
いわずもがな北海道の中心、札幌駅はJR北海道最大のターミナル駅であります。函館本線、千歳線、学園都市線が乗り入れ、線路は大きく4方向へとのびていきます。道内各所へと向かう特急も一通りこの札幌駅を発着するわけで、5面10線という全国でも最大規模の高架駅となっています。
稚内からここ札幌まで、所要時間は約5時間。ゴールの西大山まではあと24時間ということで、明日の今頃はちょうどゴールする頃か~という思いが湧き上がります。既にお尻が限界に近付いている私、少し不安を残しながら、函館方面の特急へと乗り換えます。
続きは次回ご紹介してまいります。
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