みなさんこんにちは! わたかわです。
今回は最長片道切符の旅の8日目の様子をお届けしていきます。
2021年8月10日(火)8日目①
さて8日目の朝は、山形駅前のホテルをチェックアウトし遅めのスタート。
この日は台風9号から変わった温帯低気圧の影響で朝から東北地方でも各路線に遅れや運休が生じていたようですが、幸いにも最長片道切符のルート上にある路線はどれも平常通り運行していそうなので、予定通り出発していきます。
まずは山形から奥羽本線で横手へと向かい、その先北上線で東側へ抜けていきます。途中の新庄までは、10:08発の山形新幹線〔つばさ123号〕新庄行を利用することにしました。
山形新幹線は通称「ミニ新幹線」なので普通列車と同じ線路を使用して運行されており、多くの停車駅では普通列車と同じホームを発着するのですが、山形駅では何と新幹線専用ホームが設けられています。1・2番線のうち1番線は頭端式になっており、山形を始発・終着とする東京方面の新幹線のみ発着できるようになっています。そのため新庄まで直通する列車は上りも下りも2番線を発着するということになります。横須賀線の横須賀駅とちょうど同じような構造です。
10:08発の新庄行のわずか6分前にも新庄方面からやってきた東京行の新幹線が2番線から発車していったということで、うまく時間がぶつからないように調整されているみたいです。
そして東京からやってきた〔つばさ123号〕が山形駅へと入線。停車時間はわずかですので速やかに乗り込みます。山形新幹線のE3系は現在のような紫を基調とした奇抜なカラーリングよりもかつてのシルバーを基調としたシンプルな塗装の方が鉄道ファンからの人気が高いようですが、個人的にはこれもそんなに嫌いじゃないです。というか山形新幹線は今回が初めての乗車なので、どのみち新鮮な体験です。
列車は定刻通り山形を出発。この先天童、さくらんぼ東根、村山、大石田と停車して終点の新庄に至ります。
列車は7両編成で、前寄り17号車と16号車が自由席となっています。すなわち山形新幹線には1~10号車というものは存在しないわけで、これは東北新幹線内で10両編成のやまびこ号と連結して運行されるためです。東京~福島駅間では〔やまびこ〕+〔つばさ〕が堂々の17両編成にて運行され、福島駅で連結・解結作業を行っています。
ミニ新幹線ということで在来線区間を走行中に関しては「在来線特急」に分類されるのですが、客室内のデザインは新幹線そのもの。ホームに入ってくる姿を見ると在来線の特急車両よりはだいぶ大きいなぁと思わずにはいられません。ただしフル規格の新幹線車両と比べるとこれでも車体がやや小さめのため、普通車でも2+2列の座席配置となっています。コンセントがあるかは編成により異なるようですが、今回私はたまたま運良くコンセントつきの編成に乗ることができました。
しかし走っている線路は奥羽本線と同じですから、窓の外に流れる景色は普通列車と大して変わりません。最高速度は多少異なるのでしょうが、それでもフル規格の新幹線に比べれば半分程度の速さでしょうから、イメージとしては「気持ち早く走る在来線列車」くらいの感覚です。
やはり山形駅以外の各駅には新幹線専用のホームや改札口というものはないようで、在来線普通列車と同じホームに新幹線車両が入線していきます。また駅間では普通列車とのすれ違いがあったり、踏切を通過したりということでなかなか新幹線車両の中から見られる景色ではありません。
快適すぎるあまり車内で爆睡してしまいましたが、気づくと列車は終点の新庄へと到着していました。山形からわずか45分程度ということで、1時間以上かかる普通列車と比べると確かに少しですが時間短縮効果はあるようです。
この先は奥羽本線の普通列車へ乗り換えとなるため、列車を降りていきます。
この新庄駅では、奥羽本線の列車の運行系統が完全に分断されているため、新幹線だろうと在来線だろうと必ず乗り換える必要があります。これは新庄以南の奥羽本線の線路が新幹線に対応した標準軌(1,435mm)なのに対し、新庄以北では新幹線の乗り入れがないため狭軌(1,067mm)であるためです。もちろんかつては線路が繋がっており、福島方面から奥羽本線経由で秋田・青森へと抜ける在来線の長距離列車もありましたが、現在そのような列車は物理的に運行が不可能となっています。
福島方面、秋田方面、余目方面、小牛田方面の4方向に線路がのびる重要な運行拠点ともなっている新庄。乗り換え時間は決して短いわけではありませんでしたが、外はかなりの雨だったようなので駅から出ることはせず、淡々と乗り換えをしていくことにします。山形駅では晴れていて暑かったんですがね…。
新庄から乗車するのは、11:22発の普通列車 秋田行です。今回もちろん秋田まで乗車するわけではありませんが、それでも数日前に通った秋田の方向にもう一度向かっていくというのは、頭がこんがらがってきます。
列車は定刻通り新庄を発車。心なしか、先ほどまでよりも山深い地域へと入っていくような気がします。
この地域では、先ほども述べた通りかつては優等列車の運行がありました。上野から福島・山形・新庄・大曲を経由して秋田方面へと向かう夜行列車は1992年の山形新幹線開業時まで存在していたものの、新幹線乗り入れに伴う改軌により高崎・長岡・新津経由へとルート変更されています。
現在、新庄~大曲駅間は普通列車のみの運行となっています。途中には院内や湯沢といった主要駅もあるため、もし山形新幹線が延伸するようなことがあればこれらの駅が停車駅になりそうだなぁという気がしますが、今のところそのような計画はあまり聞いたことがありません。
新庄から約1時間半ほど列車に揺られ、12:53に途中の横手へと到着。最長片道切符のルートはこの先北上線へと入るため、ここ横手で乗り換えとなります。
横手は街としてもそれなりに大きく、立派な駅舎を構えてはいるものの、この駅には新幹線も特急も1本たりともやってきません。せめて新庄~秋田駅間に特急でも走ったらよいのに…と思ってしまいますが、そのような運行がないというのはやはり特急列車を走らせるだけの需要が見込めないということなのでしょう。何だか物寂しくなります。
そして横手に来たら、是非とも食べたいのがこちら。「日本の食」33品目は横手焼きそば(550円)です。何といっても目玉焼きがのっかっているのが大きな特徴で、ソースはあっさりめです。また、ひき肉が使われている焼きそばというのもあまり他では見ない気がします。
横手駅周辺には横手焼きそばを提供するお店がいくつかありますが、今回は駅から最も近い「食い道楽 横手駅前支店」さんでいただきました。とっても美味しかったです!
ということでこの先は北上線へと乗り継いでいくことになりますが、その様子はまた次回にしたいと思います。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。