みなさんこんにちは! わたかわです。
今回は、2020年8月8日(土)~10日(月)にかけて、「北海道&東日本パス」を利用して2泊3日で東北地方をぐるっと一周してきた旅行記の第3弾記事となっております!
前回は1日目の午後、福島から奥羽本線の普通列車をひたすら乗り継いで山形経由で秋田まで至るという旅の様子をご紹介しましたので、今回はその続きからとなります。
前回の様子は以下のリンクからご覧ください!
2日目 2020年8月9日(日)①
東北一周旅行、2日目の朝は秋田駅前の「コンフォートホテル秋田」からスタートです。
じゃらんからの予約で、シングル1泊1名6,000円のこのホテルですが、GoToトラベル適用で3,900円とめちゃくちゃ安く泊まれました。
さらに、このプランには朝食もついております。
朝食はバイキング形式で、現在は新型コロナ対策として特別に使い捨て容器が用意されており、朝食会場ではなく部屋に持ち帰って食べることも可能とのことでした。なるべく他の人と接触することは避けたいので、私は部屋で食べることに。ちなみに朝食会場ではちゃんとした食器で食べることができますが、どちらにしても食べる時以外はマスク着用が必須、そして料理をよそう際は必ず使い捨ての手袋をはめることが利用条件となっています。いろいろと制約はありますが、それでもこのご時世にバイキングを継続されていることがもはや奇跡なのでは…!? コロナの影響でホテルのバイキングは今や壊滅状態ですからね。
食後は荷物をまとめ、ホテルをチェックアウト。10時ギリギリでした。
秋田駅は、奥羽本線・羽越本線・男鹿線・秋田新幹線が乗り入れる駅で、県下最大の主要駅となっています。厳密にはここ秋田駅から出ている線路は3方向のみで、奥羽本線の大曲方面と東能代方面、羽越本線の羽後本荘方面のみですが、男鹿線は奥羽本線の追分駅から分岐する路線で、秋田新幹線は大曲方面からその先田沢湖線・東北新幹線へと直通するミニ新幹線です。
上の秋田駅前の様子を映した写真を見るだけでは一見何の異変もないように見えるかもしれませんが、実はこの時秋田では大変なことが起こっていたのです…。
何とこの日、秋田県内では大雨の影響により、新幹線および在来線がすべて運転を取りやめになっていたのです。これは、前日の段階でJR東日本が計画運休として発表していたもので、私は前日の夕方、奥羽本線で新庄から秋田へ移動している際に情報をキャッチしました。
前日の段階で発表されていた8月9日の計画運休の情報は以下の通りです。
【終日運休】
・奥羽本線 新庄~院内
・五能線 能代~鯵ヶ沢
・陸羽西線 新庄~余目
・特急〔いなほ〕1/3/5/6/7/8/9/10/12/14/83号
・快速〔リゾートしらかみ〕全列車
【始発~夕方頃まで運休】
・羽越本線 秋田~新屋
・奥羽本線 院内~秋田~東能代
・男鹿線
・秋田新幹線〔こまち〕 盛岡~秋田
【遅れや運休が発生する可能性あり】
・奥羽本線 東能代~青森
・北上線
・田沢湖線
つまりは、9日午前の時点では秋田駅を発着するすべての列車が運転を見合わせているという異例の状態なのです。台風でもないのにものすごい厳戒態勢だなぁ…とは思いますが、安全第一なので仕方ありません。
実は私、今回の東北一周の旅の2日目となるこの8月9日は、五能線の観光列車「リゾートしらかみ」に乗車して、途中下車も楽しみながら、秋田から青森までのんびりと移動する予定だったのです。しかし前日の時点で、五能線の大部分の区間での終日運休が確定し、リゾートしらかみ号は全区間が運休となってしまったため、叶わなくなってしまいました…。
しかし青森では既にホテルを予約済みなので、何としてもこの日のうちに青森までたどり着かないといけません。直前で宿泊予約をキャンセルするとなると非常に高額のキャンセル料が発生するはずですから、それは何としても避けたいのです。
五能線がダメなら、秋田から青森までの移動方法としては奥羽本線が挙げられます。しかし奥羽本線についても、途中の東能代までは「夕方頃まで運休」となっていますから、午前の時点では秋田から身動きが取れないのです。
このまま秋田駅で立ち尽くしていても仕方ないので、急遽ぽっかり予定が空いてしまった午前中は「秋田港」へ遊びにいきたいと思います!
秋田港へは、秋田駅の西口からバスが出ているので乗車していきます。秋田駅西口10:40発の秋田中央交通バス、行先の「セリオン」とは秋田港にある道の駅を中心とした観光エリアの名称です。
バスの乗客は5名前後くらいだったでしょうか。定刻通り秋田駅西口を出発し、終点のセリオンまでこまめに停車していきます。直行シャトルバスというわけではないので、秋田駅からセリオンまでは20分以上とそれなりに時間がかかります。
バスの車両については私は全くわかりませんが、何となく古そうということは乗っていて感じました。首都圏だとかなりバスの車両も新しいですけれども、ここ秋田中央交通はICカード非対応で、運賃表示の方式もなかなかに特殊でした。
11:04、バスは定刻通り秋田港を目の前に臨む観光ショッピングエリア「セリオン」に到着です!
曇り空ですが、何とか天気は持ちこたえてくれています。この天候で本当にJRは運休しているのか…? と疑ってしまうほどです。
ここからは秋田中央交通のバスだけではなく、JRバス東北で東京ディズニーランドにも行けるらしく、高速バスの路線ネットワークには本当に驚かされます。
なぜ私がこの「秋田港」に来たかったのかというと、貨物専用駅である秋田港駅に留置されている24系ブルートレインを見たかったからなのです。
ということで、セリオンの中を散策するのは後回しにして、とりあえず秋田港駅まで歩きます。バスを降りてから5分くらいのところです。
横断歩道を渡り、さらにもう少し歩いた所に、秋田港駅の留置線があります。たくさんの線路と車止めも圧巻なのですが、写真の奥に小さく見えるのが…! そう、ブルートレインです!
もっと近くで見れないものかと辺りを見回したところ、写真左側のホーム跡らしき部分に立ち入れそうだったので、立ち入って見てみました!
ご覧ください! こちらが正真正銘、「ブルートレイン」こと24系寝台客車です。天気が悪く、鮮やかな青は浮かび上がりませんが、2020年の今もこれほど至近距離で青い寝台客車を見れるのはとても感動です。秋田港に留置されているということは、おそらくはかつて寝台特急〔あけぼの〕等で活躍していたものでしょうか…? この秋田港に留置されるまでの経緯はよくわからないのですが、どうやら海外に譲渡される予定でこの港まで運ばれたがその予定が変更になった、ということらしいんですよね。
海外譲渡の予定が白紙になったために留置されているのだとすると、今後はどうなってしまうのか…? 使うあてがなければ当然ながら鉄道車両はスクラップになってしまいます。しかし運が良ければ、宿泊施設として再利用されたり、博物館に収蔵されるなんてこともなくはないかもしれません。JRの旅客営業規則で、開放寝台に関する料金の規定が何年か前に削除されてしまったようで、残念ながら再び本線上で営業運転をするという可能性はほぼゼロだと思いますが、貴重な車両ですから何とかして有益な活かし方をしてもらいたいものです。
そんなことを考えているうちに、どんどん雨と風が強くなってきました。横殴りの急な大雨で、急いでセリオンの中に避難しようとします。持ち合わせていた折り畳み傘は、風が強すぎるあまり秒で大破しました。ずぶぬれになりながら、セリオンへとダッシュで移動します。途中信号がいつまでも青にならず、その間にも私のカバンはびしょ濡れになっていきました。
終盤は駆け足になってしまいましたが、何とかして来た道を戻ってセリオンプラザに逃げ込み、雨で濡れた体をハンカチで拭います。
セリオンプラザがどんな施設なのかはいまいちよくわかりませんでしたが、天井の高いガラス張りのホールに高い植物がたくさん植えられていました。
また、その館内には、2年前の2018年夏の甲子園で決勝に進出し大きな話題を呼んだ秋田県代表の金足農業高校・吉田輝星投手の直筆サインまでも展示されていました。県民注目の的であったことがよくわかります。
さてここからは、いよいよセリオンのシンボル「ポートタワー」を上っていきます。秋田港のシンボル、というかもはや秋田のランドマークタワー的な感じかもしれませんが、展望台があるということなので上ってみることにしました。
何とこのポートタワーの素晴らしいのは、入場料金がタダなんです! 高さはだいたい100メートルほどあるようで、大阪の通天閣と同じくらいなわけですが、こちらは入場無料。こんな太っ腹な展望タワーが世の中にあるのか…! と驚きました。
そして、展望台からの景色がこちら!
おお~! やっぱり上空100メートルからの眺めは素晴らしいです。天気が天気なので遠くまで見渡せるわけではないですが、でもいい眺めです。こうしてみてみると、秋田港周辺はかなり建物が密集しているんだなと感じます。この景色見たら「田舎」って感じはあまりしないですよね。
方角を変えれば、先ほど間近で見たブルートレインが停車している秋田港駅も見下ろすことができます。線路は奥羽本線の土崎駅の北側で分岐してこちらまで伸びているようで、いくつにも枝分かれしているのがよくわかります。
拡大して見てみると、ブルートレインは合計約20両程度停車しているらしいことがわかります。おそらくどの車両も、かつて上野や東京に乗り入れて多くの人の注目を浴びていたと思うと、今こうして大雨に打たれながら秋田港駅に留置されているのは何とも言えない寂しさがあります。
そこから視点を少し左にずらしてみると、秋田港周辺の地形がよくわかります。秋田港とは、日本海に直接面しているわけではなく、多数の埋め立て地により構成された湾の内部に位置しています。写真右側の大きな浮島にあるのが、北海道や新潟・関西方面へ結ぶフェリーの乗り場かと思われます。
お腹が空いてきたので、そろそろお昼ご飯とします。
ポートタワーを降り、建物内に併設された「セリオンキッチン」へ。お昼時でしたが、何と客は私一人だけでした。やはりコロナ禍で旅行はみなさん控えているのでしょうか。
セリオンキッチンは、バイキングがウリのレストランのようですが、現在は新型コロナ対策としてバイキング方式ではなく注文スタイルとなっています。5種類くらいあるメインディッシュの中から1つを選んで注文するというスタイルなので、私は「鶏唐いぶりタルタル」を注文。ご飯、みそ汁、小鉢はセルフサービスです。合計6品で何と900円!! これは安いと思います。おまけにドリンクバーまでついており、各種ソフトドリンクのほかホットコーヒーなども飲み放題です。
メインの唐揚げはとってもジューシーで、ガッツリ食べ応えがあります。またメニュー名にもある通り、この唐揚げの上のタルタルには秋田の名物「いぶりがっこ」が練り込まれていて、ピクルスとも違った独特の風味があります。しっかり具材の食感が味わえるタルタルはとっても美味しいですし、唐揚げともよく合います!
3種類の小鉢もどれも家庭的で優しい味で、何というか心が温まりました。お腹いっぱい食べられて、至福の時間でした! ありがとうございました。
食後、JR東日本アプリを開いてみると、何と秋田13:31発の弘前行が運転されるらしいではありませんか! 時刻に横線が引いてあるのはおそらく運休となる列車でしょうから、弘前・青森方面に向かうには13:31発に乗るしかありません。これを逃すと次は15:19になるのだと思います。弘前~青森駅間は列車本数が比較的多いですから、弘前まで何とかたどり着きたいところ。14:28の列車は八郎潟どまりなので、おそらくその先の接続はないものと思われます。
というわけで、急いで秋田駅へと戻ることにします! そこまでバスの便数は多くないですが、偶然にもちょうどよくセリオン13:00発のバスがあったのでこれに乗車していきます。時刻通りの運転ならギリギリ間に合うのですが、少しでも渋滞に巻き込まれたりして遅延したらアウトというところ…さあ果たして…?
何とか間に合いました! 秋田駅の発車標には、3時間前とはうって変わって各方面の列車時刻が表示されています。まだ完全に元に戻ったわけでもなく、秋田新幹線は引き続き不通で、動いている路線についても間引き運転といったところではあるのですが、ともかく在来線は当初の想定よりも早くに運転再開できた恰好です。
この時既に発車3分前とかだったので、とりあえず秋田駅の改札をくぐり、4番線へと急ぎます。
雨はなおも引き続き降ったりやんだりを繰り返していますが、運行に支障のあるほどではありません。ピンク色の帯を纏った701系に乗り込み、秋田を脱出していきます!
この列車、本日秋田駅から発車する奥羽本線の下り初電ということになるのですが、車内はガラガラでした。首都圏で「○時間ぶりに運転再開」なんていったらそれはそれはホームや列車内に人が大挙して押し寄せるはずですが、こちらはいたって平穏な発車です(笑)。
列車は土崎、上飯島の順に各駅に停車していきます。途中の追分駅で男鹿線と分かれ、小学校でも勉強する「八郎潟」の東側をかすめ、途中の東能代には14:31に到着。ここで対向列車との行き違いのため、約10分間の停車となります。
東能代駅は、奥羽本線と五能線が乗り入れる駅なのですが、何といっても驚きはホーム上の発車標の新しさですね。都道府県を代表するターミナル駅でやっと普及してきたかなというレベルのフルカラーの発車標が、ここ東能代駅には設置されています。個人的には松本駅や長野駅のイメージが強いです。
また、駅の北側には広大な留置線があるのですが、そこに五能線のキハ40系とGV-E400系が並んでおりました! 今後順次置き換えが進んでいくということなのだと思われます。
そんな東能代駅を出発し、ここからはより内陸側を進んでいきます。鷹ノ巣で「秋田内陸縦貫鉄道に乗ってみたいな~」なんて妄想を膨らませてみたり、大館で花輪線の「盛岡行」の文字を見ると「こんな駅から盛岡の方に抜けられるのか~」と思ったり、何かと面白い区間です。ただしロングシートなのでその点は限りなくしんどいのですがね(笑)。
そうして終点の弘前に到着です。時刻は16:12ですから、秋田から2時間40分ほどかけてやってきたことになります。これでも五能線経由に比べたら段違いに速いのです。
弘前駅に到着したということで、旅はいよいよ東北4県目、青森県へと突入です! 青森県内でも有数の主要駅であるこの弘前駅には、奥羽本線・五能線の他に弘南鉄道弘南線も乗り入れます。また、この弘前駅から少し西側に歩くと、弘南鉄道大鰐線の「中央弘前駅」があります(なぜ同じ「弘南鉄道」なのにターミナルが集約されていないのだろう)。
弘前といえば「弘前ねぷたまつり」ですよね。当然ながら今年は中止というわけですが、駅ナカのスペースには「疫病退散」の文字が書かれたねぷたが飾られておりました。
弘前駅前に出てきてみると、駅舎はかなり新しめのように見えます。ただ駅周辺にはそこまで人がいないという様子ですかね。弘前城へ行ってみようかとも思いましたが、ものすごく遠そうなので諦めました。
ここからは、いよいよ青森県の県庁所在地・青森駅へと向かっていきます。先ほど16:12に弘前駅に到着した後、すぐに接続する16:15発の列車を見送り、その後の16:51発に乗車することにしました。
まだ発車まで少し時間があったので、弘前駅の改札外でキンキンに冷えたりんごジュースを購入。いや~これが本当に美味しい! 元々りんごジュースは大好きなのですが、りんご本来の甘みがしっかり味わえて、疲れた体に染みわたります。
それではここから、親の顔より見た701系に乗車していきます。今回は3両編成ですが、オールロングシートであることに変わりはありません。定刻通り弘前を出発です。
弘前~青森駅間は比較的本数が多く、沿線も全体的に都市部が多い印象です。とはいっても首都圏の各路線には及びませんが、青森県内でも1日を通じてトップクラスの運行本数を誇る区間かと思います。
東北・北海道新幹線と交わる新青森駅を過ぎれば、もう終点は目の前です。たくさんの線路が車窓を埋め尽くします。
そして17:44に終点の青森駅へと到着です!
途中下車を含め秋田から約4時間で到着しました。2日目の移動はだいぶ短めですが、ここまでとして本日は青森に宿泊したいと思います。
この後はかなり時間をかけて青森駅を探検していきましたが、その様子は次回ご紹介します!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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