わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

本線の趣を残す普通列車で碓氷峠鉄道文化むらへ! 碓氷峠の歴史を学ぶ旅【2020-08週末パス信越本線1】

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回からは、新シリーズ【2020-08信越本線】がスタートします!

こちらは、現在では途切れ途切れになってしまったJR東日本の「信越本線」を、その全盛期となるべく同じルートで辿り、2020年の信越本線の模様をご紹介していきます。

「横軽」廃止から23年が経過した2020年の信越本線では、いったいどのような列車が走っているのでしょうか?

 

信越本線とは

旅の本編に入る前に、今回の旅のコンセプトとなっている信越本線の歴史を簡単に説明しておきます。

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Wikipediahttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BF%A1%E8%B6%8A%E6%9C%AC%E7%B7%9A)を元に作成

信越本線は、かつて高崎~新潟駅間を長野経由で結ぶ国鉄・JRの路線でした。「濃」(長野県)と「後」(新潟県)を結んでいることから信越本線と呼ばれているわけで、各区間において多数の優等列車も運行されていました。

しかし、長野オリンピックを翌年に控えた1997年10月に長野新幹線北陸新幹線)の高崎~長野駅間が開業します。これにより並行する信越本線のうち、横川~軽井沢駅間については廃止(バス転換)、軽井沢~篠ノ井駅間については第三セクター鉄道である「しなの鉄道」への経営分離が行われます。高崎~横川駅間は非常に短い区間ながらも「信越本線」のまま存続されることが決定しました。

さらにその18年後の2015年3月には、北陸新幹線の長野~金沢駅間が開業することになり、今度は信越本線の長野~直江津駅間が北陸新幹線並行在来線として経営分離されることになります。長野~妙高高原駅間はしなの鉄道北しなの線妙高高原直江津駅はえちごトキめき鉄道妙高はねうまラインとして、第二の人生を歩み始めたのです。

このような歴史を経て、現在「信越本線」という呼称が用いられる区間は、高崎~横川駅間、篠ノ井長野駅間、直江津新潟駅間の3区間に切り離されてしまったのです。

今回は信越本線を完全乗車しようということで、以下のルートで乗り通していきます。

高崎→(信越本線)→横川→(JRバス)→軽井沢→(しなの鉄道)→篠ノ井→(信越本線)→長野→(しなの鉄道)→妙高高原→(えちごトキめき鉄道)→直江津→(信越本線)→新潟

 

1日目 2020年8月1日(土)①

旅のはじまりはいつもここから、JR横浜駅です。

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今回は週末パスで巡る!

今回は週末パスを使用して、各路線を乗り継いでいきます。このフリーパスは、関東甲信越南東北JR東日本全線および指定された会社線が土日2日間乗り放題になるというもので、大人8,880円です。別に料金を支払えば、新幹線や特急へも乗車可能となっています。

www.jreast.co.jp

まずはここから、信越本線の起点駅である高崎駅まで向かうことになりますが、横浜~高崎はかなりの長距離移動になるため、上野東京ライングリーン車で移動していきます!

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ひさびさグリーン!

横浜5:53発の上野東京ライン 前橋行が入線してきたところで、さっそく乗車していきます。横浜~高崎駅間は当然51km以上あるので、グリーン料金は休日で800円となります。安くはない金額ですが、それ以上の価値があるのがこのグリーン車なのです!

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もちろん2階席へ

私はグリーン車に乗る際、よほど混雑していない限りは2階席を利用します。グリーン車は車両中央部がダブルデッカー、両端部は平屋建てになっています。コロナの影響もあってか、密を避けられるグリーン車のニーズが高まっているという話も聞いたことがありますが、私が乗車した際は朝早いこともあってそこまでの混雑ではありませんでした。1列おきに窓側が埋まっているくらいでしょうか。

グリーン車グリーン車でも、新幹線や特急ではなくあくまでも東海道線高崎線普通列車なので、横浜から高崎まで停車駅は非常に多いです。ただ、深く倒れるリクライニングシートはとても快適で、朝から贅沢な気分を味わうことができます。

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東京はあくまでも「途中駅」

東京駅で東海道線は終わり、ここからは高崎線へと突入します。普段見慣れた東京の景色も、高いところから眺めるとまた違った楽しさがあります。東京や上野等からも数人程度の乗車がありましたが、満席になるようなことはありませんでした。

そして列車は高崎線を北上し、横浜を出てから2時間余りで8:16に高崎駅に到着です!

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SLデザインの駅名標

高崎駅は、言わずもがな群馬県最大の駅で、新幹線・在来線とも数多くの路線が乗り入れます。県庁所在地は前橋ですが、交通の要衝と呼べるのは間違いなく高崎でしょう。新幹線は上越新幹線北陸新幹線が乗り入れ、在来線では高崎線上越線両毛線吾妻線八高線、そして今回のテーマである信越本線が乗り入れます。また、上信電鉄も発着します。

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信越本線ゼロキロポスト(8番線)

高崎駅在来線ホーム8番線には、信越本線のゼロキロポストがあります。信越本線がこの高崎駅を起点にのびていることを証明する白い杭ですが、実際8番線から信越本線が発車することは基本的にないようです。

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首都圏各地へ向かうターミナル駅・高崎

そんな高崎駅から、いよいよ信越本線の旅がスタートしていきます。まずは高崎8:50発の信越本線 横川行です。信越本線と言っておきながら、信濃へも越後へも行かず群馬県内で完結します。

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211系天国の高崎駅

高崎駅の5番線で待っていると、折り返しの列車として入線してきました。使用される車両は211系で、かつては高崎線等でも運用され上野へ乗り入れていたオレンジと緑の211系です。4両編成で、終点の横川までは約30分。お世辞にも本線と呼べるほど長くはなく、完全に高崎線上越線の支線扱いですが、高崎駅に乗り入れる列車で唯一「本線」の名がつく路線です。

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方向幕も健在

高崎駅といえば、私にとってが湘南色115系が並んでいたイメージの強い駅ですが、近ごろはすべて211系での運行となっているようです。もちろん夜行列車の発着もなくなり、今では普通列車のほかは特急〔草津〕〔あかぎ〕〔スワローあかぎ〕が発着するのみ。信越本線方面へは、臨時のSLが稀に運行されるほかは、すべて普通列車のみの運行です。

8:50、列車は定刻通り高崎駅を出発。いよいよ長きに渡る信越本線の旅のスタートです!

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峠の釜めしおにぎり 鶏ごぼう(220円)

列車内は比較的空いていたので、高崎駅Newdaysで買った峠の釜めしおにぎり」(220円)で腹ごしらえします。おにぎりとしてはかなり高価格な部類に入りますが、これが本当に美味しいのです! 鶏肉のごろごろ食感が味わえ、おにぎり自体もかなりのビッグサイズで、1個でもかなりの満腹感がありました。

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かつての大動脈の車窓をロングシート越しに眺める

列車はそれなりのスピードで、安中や磯部など各駅に停車しながら進んでいきます。かつてこの区間は、非常に高頻度の特急〔あさま〕が運行されており、上野~長野駅間を3時間前後で結んでいました。その名残で、今でもこの区間の線路は全線複線ですし、各駅のホームもかなりの長編成に対応しています。

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ここより先に駅はない

そして9:23に終点の横川駅へと到着です。私は5年ぶり2度目の訪問となります。

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広い駅構内(これでもだいぶ縮小された?)

現在は車止めが設置され、この先へは進めないようになっていますが、ホームの長さがかつての栄華を物語っています。23年前までは、この先軽井沢まで、JR最急勾配66.7‰の峠越え線路が続いていました。当時の最新の電車をもってしても登れる斜面ではなく、この駅で機関車を連結する必要があったことから、特急・急行を含めすべての列車がこの横川駅には停車していました。その停車時間の間に、乗客がこぞって買っていたのが、おぎのやの名物「峠の釜めし」です。かつて行っていた駅ホームでの立ち売りは現在では行われていませんが、駅の目の前には現在もおぎのや本店があり、当時と変わらぬ釜めしを味わえます。また横川駅周辺では、その他にも峠の釜めしを買える施設が数多く存在するようです。

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人気(ひとけ)のない横川駅前

せっかく横川に来たのですから、やはり行くべき場所は碓氷峠鉄道文化むらでしょう! 実は5年前にも碓氷峠鉄道文化むらには来たことがあるのですが、何度行っても楽しいところだと思いますので何度でも行きます。そして今回の「信越本線完全乗車」のテーマにおいて、やはり碓氷峠の歴史に触れないわけにはいかないということで、ここで少し勉強してからこの先へ進んでいくこととします。

が、その前に。駅舎を出て左に進むと、バスロータリーがあります。駅の反対側に回り込むと、何やら貴重そうなものを発見しました。

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ここも横川駅の構内だったんだろうなぁ~

駅の南側には、碓氷峠鉄道文化むらの駐車場が広がっているのですが、そこには複数のレールの跡が見えます。これは紛れもなく、ここがかつて横川駅の一部であった証拠に違いありません。かつてはいくつもの線路やホームにより構成されていた横川駅も、現在は2面2線の島式ホームで事足りるようになってしまいましたが、かつては上り下りともすべての特急・急行が停車していたうえで、現在のように高崎~横川駅間のみの短い区間で完結する普通列車等もあったわけですから、現在のような規模の駅では到底足りません。この辺りも駅の一部であったところを、横川~軽井沢駅間廃止後に駐車場として転用したのだと思いますが、駅のすぐ横に駐車場があったらだいたいはかつて駅構内の一部であった廃線跡とみて間違いないでしょう。

上の写真は高崎方面へカメラを向けた時の景色ですが、軽井沢方面にカメラを向けるとこのようになっています。

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線路の先は…

2本の線路は1本にまとまり、その先にあるのが、これから入っていく碓氷峠鉄道文化むらということになります。

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189系がお出迎え

碓氷峠鉄道文化むらは、鉄道の難所であった碓氷峠を中心に、各地で活躍した多数の貴重な鉄道車両が保存されているテーマパークとなっています。入場料は大人500円と激安で、エントランスにて検温とアルコール消毒を済ませ中へ入ると、まずは「あさま」のヘッドマークを掲げた189系がお出迎えです。野ざらしということもあって保存状態はものすごく良好というわけではありませんが、かつて活躍した特急あさま号を間近で見られるのはとっても貴重です! 5年前に来た際は車内にも立ち入ることができたのですが、現在は新型コロナ感染対策として車内への立ち入りが禁止されているようです。

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鉄道展示館はお宝だらけ!

その横にある「鉄道展示館」には、かつての車庫(?)を再利用して、貴重な機関車やヘッドマーク等が展示されています。また、実際に使用していたと思われるパタパタ式の発車標や一枚の黒板状の駅掲出時刻表などが展示(というよりはただ置いてあるだけ?)されていてめちゃくちゃテンションが上がります!! 「そよかぜ」「リゾート信越」「シュプール信越」などなど、碓氷峠ならではのヘッドマークは特に貴重なものでしょう。

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屋外展示場は至高の名車両がずらり!

そして何といっても、碓氷峠鉄道文化むらの最大の見どころといえばこの「屋外展示場」ですよね! 日本全国各地で活躍したSL・機関車・普通列車等がずらりと並んでいます。どれも非常に歴史のあるものばかりで、白黒写真でしか見たことのないような何十年も前の車両が令和の碓氷峠にこうして展示されているのを見ると本当に圧巻です。どれも屋根等はなく雨ざらしなので車両の劣化は見られますが、それでも職員の方がきっと入念に手入れをされているからこそこのように現在も姿を留めていると言っていいでしょう。

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お座敷列車「くつろぎ」は車内にも入れる!

そして特に印象に残った屋外展示車両は、このお座敷列車「くつろぎ」です。何と、このコロナ禍であっても車内に立ち入ることができました! いつ頃まで走っていた車両なのかはわかりませんが、いわゆる「ジョイフルトレイン」の最初期のものでしょうか。かすれたグリーン車のマークを横目に車内へ入ると、片側に通路があり、座席ではなく畳が敷いてあります。そしてちゃぶ台が並んでおり、いかにも団体向け列車といった雰囲気です。車端部には大きなソファもあり、とても列車の中とは思えません。こんな列車の中でわいわい宴会でもしながら旅ができたらどんなに楽しいことだろう…! と思いましたが、このご時世にそんなことしたらクラスターが起こりかねず大顰蹙ですね(笑)。

現代も走る車両としては、485系お座敷列車「華」がありますが、こちらの「くつろぎ」は障子があったりクローゼットがあったりとより和風な感じが出ていていい雰囲気が出ているなと感じました。

485系お座敷列車「華」に乗車した際の様子は以下の記事からご覧ください!)

watakawa.hatenablog.com

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綺麗に修復されとるやん!

そして! 長らく展示場の奥で朽ち果てていた189系特急「あさま」が何と綺麗に修復されているではありませんか! 5年前にここを訪れた際は無残な姿だったのですが、今年に入ってから綺麗に修復され、現役当時の姿を取り戻したようです。

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2015年12月の様子がこちら

こちらの写真が、今から5年前の2015年12月に訪問した際に撮影した189系あさまの様子です。今と場所は変わっていないようですが、雨風にさらされて目も当てられない状況になっていることがお分かりいただけると思います。この車両が、1枚目のように見違えるほど綺麗に修復されたのを見ると、やはり感動的です。

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鉄道資料館も見逃せない!

また、入口近くにある「鉄道資料館」も見逃せません! 屋外展示だけで満足して帰ってしまうのはもったいない! 外観は無機質な建物ですが、ここには碓氷峠に鉄道が開通し、多くの列車でにぎわい、そして衰退していく歴史が貴重な資料とともに展示されています。

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目から鱗の展示品の数々が…!

館内では、碓氷路を駆け抜けた列車のヘッドマークやサボ、また当時の貴重な写真等が所狭しと並べられています。どれも鉄道ファンの自分にとって心躍るものばかり! 私は1999年生まれなので、私が生まれる前に碓氷峠を越える信越本線は廃止されてしまったわけですが、その貴重な当時の品を見ていくにつれ、確かにそこに23年前まで鉄道が通っていたことを実感することができます。

碓氷峠の象徴でもある「アプト式鉄道」は1960年代で終焉したわけですが、その後も約30年間に渡って普通鉄道の方式で横川~軽井沢駅間は鉄路で結ばれていました。上野~長野駅間の特急〔あさま〕を中心に、その先の直江津・富山・金沢方面へ直通する優等列車や軽井沢への行楽列車等、そこでは数多くの名列車名車両が駆け抜けていったのです。その雰囲気を少しでも味わえたところで、鉄道資料館を後にしました。

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ここからは…!

碓氷峠鉄道文化むらを後にし、続いては「アプトの道」へと進んでいきますが…その様子はまた次回ご紹介します!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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名古屋~横浜5時間40分! WILLER EXPRESSで夜の東名を駆け抜ける人生初の高速バス旅

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は、名古屋から横浜まで高速バスで移動してきたので、その様子をご紹介します!

長距離移動といえば鉄道ファンの私は新幹線を思い浮かべるわけですが、自分と同世代の若者の圧倒的メジャーな長距離移動手段といえば安い高速バスだったりするわけです。実は私、人生で初めての高速バス旅となりましたので、初心者ならではの視点から乗り方や乗り心地等をわかりやすく解説していきます!

 

2020年7月25日(土)

今回の旅のスタートは、愛知県のJR名古屋駅です。

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名古屋駅太閤通

まぁ旅のスタートといっても、ここまで何日間も旅をしてきて、最後に横浜に帰るまでの帰り道というのが実際のところではあるのですが(笑)。

ここに至るまでに、東京~新宮810.3kmのJR東海最長片道切符の旅新宮駅から大和八木駅まで日本一長い路線バス、そして大和八木駅から近鉄名古屋駅まで近鉄特急12200系「スナックカー」の旅を楽しみながらここ名古屋までやってきております。既に旅は4日目に突入し、疲労はMAXです。

(ここに至るまでの旅の様子は以下のリンクからご覧ください!)

2020-07JR東海最長片道切符 カテゴリーの記事一覧 - わたかわ 鉄道&旅行ブログ

衝撃の6時間30分! 日本一長い路線バス「八木新宮線」を全区間乗り通す旅 - わたかわ 鉄道&旅行ブログ

引退目前! レトロすぎる近鉄特急12200系「スナックカー」で大和八木→近鉄名古屋の旅 - わたかわ 鉄道&旅行ブログ

そして最後にこの名古屋駅から私の地元である横浜へと帰るわけです。おそらく多くの人が、東海道新幹線〔のぞみ〕で1時間少々、早く快適に帰るだろうと思うでしょうが、私は大学生の身分なので基本的に金銭的余裕がありません(笑)。

しかも今年は新型コロナウイルスの影響で4月以降一度も大学構内への立ち入りが認められておらず、JRの運賃が2割引になる「学割証」を調達できないため、新幹線のような長距離列車を基本的に定価で乗るしかないという状態。まぁ探せば早割だのパックツアーだの、条件に見合って安く乗る手段はあるでしょうが、それでも割引率はたかが知れています。

そこで私は「高速バスで横浜へ帰ろう!」とひらめいたわけです。

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早くて快適な新幹線…けど高い

生粋の鉄道ファンである私は、これまで長距離移動といえば、高いお金を出して早くて快適な新幹線に乗るか、安いけど時間のかかる普通列車乗り継ぎのどちらかが基本でした。しかし今回は、新たな領域へ進出していこうと思い、人生初の高速バスへの乗車を決めたのです。

最近では在来線の長距離列車や夜行快速等もほぼ壊滅状態にありますから、鉄道ファンの方の中には、私のように「高速バスも使いこなしたい、けど乗り方とかイマイチよくわからない」という方もいらっしゃるかと思います。そこで今回は、同じく初心者である私が、少しでもわかりやすくご紹介できればと思います!

www.willerexpress.co.jp

一口に高速バスといっても、実にさまざまな運行会社がありますが、今回利用するのは「WILLER EXPRESS」の「L413便 名古屋→横浜・川崎」です。名古屋駅太閤通口を17:15に出発し、横浜駅YCATに22:55、川崎駅には23:35に到着します。区分としては夜行便ではなく昼行便になりますが、名古屋を出るのが夕方なので、横浜・川崎に到着するのはそれなりに夜遅い時間になります。

当然ながら新幹線より所要時間は長いですが、その分価格は抑えめで、何と3,500円。新幹線なら乗車券+特急券で約1万円しますから、鉄道ファンからすると名古屋~横浜間をこの金額で移動できるというのはとても魅力的です。まぁこれが名古屋~横浜間を移動する高速バスの価格として安い方なのかどうかは私もわかりませんが、少なくとも新幹線に比べれば遥かにリーズナブルです。

高速バスの予約は、各社の公式サイトからも可能かと思いますが、価格や条件等を比較しながら自分に合った便を選びたいということで、今回は「バス比較なび」というスマホアプリから予約しています。

www.bushikaku.net

スマホから予約した後、確認メールが届きますので、その指示に従ってコンビニにて料金を払いました。もちろんクレジットカード決済も可能ですが、私は未だにクレカをもっていないのでコンビニでの現金払いです。

支払い完了後、その旨を知らせるメールが届きます。これで乗車前の準備は完了。メールの文面には、当日の乗車場所として「名古屋駅太閤通ビックカメラ前」と書かれていたので、その場所へと向かいました。

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名古屋駅太閤通口 WILLER乗車場所

駅の目の前の大通りを渡り、ビックカメラの前に行くと、このようなピンク色の看板が立っています。基本的に名古屋駅太閤通口から発車するWILLERのバスはすべてここから出ていくようで、私が乗車する17:15発横浜・川崎行の1本前の17:00発新宿行の便が発車前でした。

そしてこのバスが定刻通り名古屋駅を出発していくと、まもなく私の乗車する17:15発の便が到着します。この乗り場から出発するバスは1日を通じてそこまで多いわけではないのですが、この夕方の時間帯には17:00発、17:15発と続行して首都圏方面への便が出発していく時間のようです。

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WILLER EXPRESS L413便 横浜・川崎行

17:08頃、横浜・川崎行のバスが入線(?)してくると、すぐに乗車可能となります。乗車券類等はないので、運転手さんに名前をお伝えするだけで乗車手続きは完了となります。またコロナ対策として、乗車前に検温・アルコール消毒が必須となっています。大きい荷物はトランクに入れることもできます。

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2+2列のシート

座席は指定席なので、メールに記載された通りの座席に着席します。2+2列のシートで、シートピッチは決して広いとはいえないのですが、鉄道にはないさまざまな設備が備わっておりました。

まずは何といってもWi-Fi&コンセントです。Wi-Fiはそこそこ強いようでしたが、なぜか私の端末ではYouTubeは視聴できませんでした。コンセントは窓側の足元と通路側の肘掛けにそれぞれ用意されていて、人数分あるので取り合いにもなりません。

また、ヘッドレストE5系新幹線のように可動式で、頭を隠せるように後ろから前に被せるシェードもついています。これは主に夜行バスで運用される時に、自分の寝顔を他の人に見られないようにするためのもののようです。

さらに、フットレストやブランケットのサービスもあり、新幹線でいえばグリーン車のような設備がほぼ揃っています。もちろん座席はリクライニングしますが、列車と比べて車内スペースが限られますから、バスでは倒す際に一声かけるといいかもしれません。

17:15、バスは定刻通り名古屋駅太閤通口を発車です。これから横浜YCATまでは約5時間40分の長旅となります。発車後は車内アナウンスにて、バス車内での過ごし方のルールや途中休憩予定のサービスエリア等の説明がなされました。

バスはまず、名古屋高速3号大高線を走行します。これはいわゆる東京でいうところの「首都高」かと思いますが、名古屋の都会的な風景を都市高速で抜けていくのが何とも言えない旅の始まりを実感させます。

名古屋市大府市の境目にある「名古屋南JCT」から伊勢湾岸道に入り、東向きに進んでいきます。伊勢と聞くとこれから向かう横浜方面とはあさっての方向にも聞こえますが、実はこの伊勢湾岸道を東に進んでいくとそのまま新東名高速道路につながっているようです。

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17:59頃 豊田JCT

名古屋を出てから約45分、17:59に豊田JCTを通り、バスはいよいよ東名高速道路へと突入です。いくつもの道路が立体的に交差する光景は、鉄道旅でいうところの主要駅に差し掛かったような感覚でテンションがあがります!

新型コロナ対策として、乗車中も常時マスクの着用が必須となっています。また、これはバス会社や昼行/夜行によって異なるかもしれませんが、私が乗ったバス車内での食事は原則禁止となっているようです。

座席は広くはありませんが、私の隣には誰も人が乗ってこなかったので1人で広々2席使えて快適です。また、これはコロナ前からかもしれませんが、隣の座席との間に分厚いパーテイションがあるので、寝ていて寝返りを打とうとして隣の人にもたれかかったりぶつかったりということもなく安心です。

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18:51~19:24 浜松SAで休憩

名古屋駅を出てから約1時間35分、18:51にバスは1度目の休憩ポイントである浜松SAに到着です。辺りはかなり暗くなってきており、屋台等はもう営業を終えていますが、建物自体はしっかり機能しています。ここでの休憩時間は30分間なので、買っておいたコンビニ飯をフードコートで食べ、お腹を満たしました。

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浜松SAで並ぶ新宿行と横浜・川崎行

みんなでわいわいSAに来ると楽しいのでしょうが、今回私は1人なので特にこのSAでやることもありません。というか基本的にバス車内がなかなか快適なので、休憩もそこそこにバス車内へと戻ります。

19:24に浜松SAを出発。引き続き新東名高速道路をひた走ります。

車内ではスマホをいじっている時間が大部分を占めました。コンセントがついているので電力の心配はありませんが、YouTubeWi-Fiがいまいち機能しないのでスマホのギガを消費して視聴します。外の景色はもうすっかり真っ暗なので、車窓を楽しむということもありません。また新幹線等とは異なり、走行中に席を立つのは非常に危険です(まぁ立つ用事も特にありませんが)。座席自体は快適とはいえ、そこにシートベルトで長時間固定されるのは疲れが溜まるので、ときどき軽く伸びをします。

新幹線でも在来線でも長い長いと言われる静岡県ですが、やっぱり高速バスでも長いです(笑)。ただ、基本的に新東名は東名よりも内陸側にあり、無駄のない最短ルートで静岡県を横断するため、その点はとってもありがたいです。

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21:11~21:43 足柄SAで休憩

名古屋駅を出てから早4時間、21:11にバスは2度目の休憩ポイント・足柄SAに到着です。鉄道でいうとJR御殿場線の御殿場~足柄駅間にあり、まだギリギリ静岡県ですが既に新東名は東名と合流しています。

夜9時にサービスエリアに寄るなんて機会はあまりありませんが、ここでも30分間の休憩ということで、とりあえず車外に降りて店内を物色していると、美味しそうなものを見つけました。

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足柄牛メンチカツ(302円)

足柄牛メンチカツ(302円)です。夜になるとこのようなサービスエリアのご当地グルメも少なくなってきますが、これはあといくつかだけ残っていました。一口食べると、口の中にじゅわ~っと広がり絶品です! 夜食代わりの揚げ物は最高ですわやっぱり。

そしてバスに戻り、足柄SAを21:43に出発。車内では長旅の疲れもあってときどき睡魔に襲われますが、なるべく寝ないようにしてバス旅を楽しみます。周りの方は寝ている方も多いように見えました。

神奈川県内では東名高速を東へぐんぐん進み、22:30に横浜町田ICにて東名高速を降ります。東名高速横浜駅からは大きく離れた位置を通っているため、横浜町田ICから保土ヶ谷バイパスに入り、進路を南東方向に変えます。見慣れた横浜の街明かりが車窓の両側に広がってきて、底知れぬ安心感に襲われます。

22:42、狩場IC保土ヶ谷バイパスから首都高速神奈川3号狩場線に入り、どんどん横浜の中心部へと近づいていきます。22:47、JR根岸線石川町駅とほぼ同じ位置にある石川町JCT首都高速神奈川1号横羽線に入り、22:50にみなとみらい出口より一般道となります。大都会横浜の摩天楼を横目に、ゴールはもう目の前です。

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22:57 横浜駅YCATに到着!

そして名古屋駅を出てから約5時間40分、ついに22:57に横浜駅YCAT(Yokohama City Air Terminal)に到着です! バスはこの先引き続き川崎駅へと向かいますが、ここで降りる方が多いようです。

YCATといえば、我々横浜市民にはおなじみの横浜駅直結バスターミナルですね。羽田空港へ直行するリムジンバスや、ディズニー直行バスもだいたいここから乗車します。6月2日はディズニーランドが横浜市民でいっぱいになりますが、その多くの人がここからバスで向かいます(日付の意味は横浜市民ならわかるはず!)。

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横浜に帰ってきたぞおおおおお

というわけで、今回は名古屋から横浜まで史上初の高速バス旅をご紹介しましたがいかがだったでしょうか。

今回はほぼ定刻通りの運転でしたが、繁忙期や都心部を走る場合は渋滞に巻き込まれて遅延することもあるみたいですね…。その点は新幹線や鉄道に軍配が上がりますが、それでも今回初めて乗ってみた感想としては、長距離移動の選択肢としては大いにアリかなと思いました! 予定に余裕をもって組めれば賢い旅ができそうです。

かつての鉄道のように、高速バスは各方面へ夜行便も多数設定されています。今後機会があれば、是非夜行バスにも挑戦してみたいと思います!

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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引退目前! レトロすぎる近鉄特急12200系「スナックカー」で大和八木→近鉄名古屋の旅

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みなさんこんにちは! わたかわです。

本日は、近鉄の特急車両「スナックカー」についてご紹介したいと思います!

実は今回が私にとって生まれて初めての近鉄乗車となったので、まだまだ知識は浅いですが、「大学3年生にして生まれて初めて近鉄に乗車した首都圏民は近鉄特急に対してどんな感想をもつのか?」というところにも注目しながら読んでいってもらえたらなと思います!

 

2020年7月25日(土)

今回やってきたのは、近畿日本鉄道の「大和八木駅」。ここから、人生初の近鉄に乗っていきます!

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人生初の近鉄! テンションあがるぅ~

大和八木駅というのは、奈良県橿原市にある近鉄の主要駅で、大阪上本町伊勢中川駅間を結ぶ「近鉄大阪線」と大和西大寺橿原神宮前駅間を結ぶ「近鉄橿原線」が十字に交わる構造をしています。

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近畿日本鉄道公式HP(https://www.kintetsu.co.jp/)より引用

当ブログで近鉄を取り上げるのははじめてなので、ざっと近鉄のご紹介をしたいと思います。私自身も首都圏の人間なのでそこまで知識はなく、勉強の途中といったところではありますが…。

近畿日本鉄道近鉄)は、関西地区を中心に広大な路線ネットワークを持つ日本最大手の私鉄で、その運行距離は私鉄線の中で日本最長です。名古屋、京都、大阪と複数の大都市にターミナルをもち、伊勢志摩、奈良、吉野といった各観光地へもその路線ネットワークを広げています。

路線図の文字が小さすぎてあまりよく見えないかもですが、今回私が利用する「大和八木駅」は写真の中央やや下の辺りで横の水色の線と縦のオレンジ色の線が交差しているポイントになります。近鉄線以外の鉄道会社は乗り入れていないので、地元民でもないのに人生初の近鉄の旅をこの大和八木からスタートするという方はまずいないと思います(笑)。というのも、実はこの大和八木駅まで、日本一長い路線バスに乗車してきた関係で、この近鉄特急に乗車するのは大和八木駅からとなりました。その時の詳しい様子は以下のブログもご覧ください!

watakawa.hatenablog.com

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大和八木駅構内図(https://www.kintetsu.co.jp/soukatsu/kounai/yagi.html

大和八木駅は、首都圏でいう秋葉原駅のように、2路線が十字型に立体交差をしています。2階(1~4番線)が2面4線の近鉄大阪線ホーム、1階(5・6番線)が2面2線の近鉄橿原線ホームとなっています。

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圧巻の発車標

改札口をくぐると、目の前にずらりと4枚の発車標モニターが並びます。かなり大きな駅ですが、基本的に改札口はこの1ヵ所のようです。近鉄に乗り慣れていない私は、しっかりとここで発車番線を確認します。今回は近鉄名古屋方面へと向かうので、2番線のようです。

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両隣の駅名も初見ではなかなか読めない?

今回乗車するのは、大和八木13:02発の特急 近鉄名古屋です。これだけ路線ネットワークが広い近鉄ですから、当然各線に有料特急が運行されているわけで、私も今回大和八木から近鉄名古屋まで乗車するわけですが、何と実は全車指定席にもかかわらず列車名や列車号数が割り当てられていないのです!

これは首都圏民からすると衝撃ですよね…。JRでも私鉄でも、「あずさ1号」「はこね17号」「ちちぶ15号」のように、有料特急にはほぼ必ず列車名と列車号数が割り振られます。これは利用者にとってのわかりやすさのためというのもありますが、何よりも指定席を管理するコンピュータがそれぞれ1本ずつ異なる列車であると判別できるようにしているといわれています。ただ近鉄の指定席管理システムに関しては、その方式で識別をしなくても個々の列車の発売状況を管理できているようで、大阪難波近鉄名古屋駅間、京都~橿原神宮前駅間、大阪難波近鉄名古屋~賢島駅間、大阪阿部野橋吉野駅間など各系統で高頻度の特急が運行されているのに、それをすべて管理できているようです。これは本当に驚くべきことだと思います。もしダイヤが乱れたら誤乗が頻発してダブルブッキングみたいなことが頻発しそうですが…? わかりませんがうまくやっているのだと思います。

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大和八木13:02発 特急 名古屋行

そんなことを考えているうちに、乗車予定の列車が入線してきました! 見るからに古そうな車両で、前面にはレトロな幕式ヘッドマークで「特急 名古屋」と表示されています。近鉄特急には新しいものから古いものまで各系統で多種多様な形式が運行されているのは何となく知っていたのですが、詳しくはわからなかったので、何となく「古そうだなぁ~」と思っていたところ、Twitterのフォロワーさんに「12200系スナックカー」というのだと教えていただきました。後で自分でも調べてみると、どうやら1969年にデビューした車両のようで、もう半世紀以上前から運行しているのか! と非常に驚きです。しかも2020年度末に引退してしまうようで、近鉄初乗車ながらとても運の良い車両に恵まれました!

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「名古屋ゆき」の文字がとってもレトロ

側面には、もちろんLEDなどではなく方向幕が。あまり細々とした情報は表示せず、わかりやすく「名古屋ゆき」とだけ表示されています。味があってとってもよいですね!

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色褪せたモケットが良い味を出してる

大和八木駅では停車時間がわずかなので、さっそく車内へと入っていきます。2+2列のごく標準的な座席ですが、隣同士の座席を隔てるアームレストがないのが何とも古めかしさを感じます。ふかふかで快適な座席ですが、リクライニングはほとんど倒れません。背面テーブルはなく、インアームテーブルのみとなっています。コンセント?Wi-Fi?あるわけがないですね。言うまでもありません(笑)。

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車内はこんな感じ

快適性はというと、これが古い車両にしては思いのほか静かで揺れなくて快適なんですよね…! 車両の性能というよりは保線状態が良いということなのかもしれませんが。

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柿の葉寿司(3種6個入/864円)

それではここで、ランチタイムとしましょう。先ほど大和八木駅改札内売店で、奈良の名物「柿の葉寿司」を買っておきました。個数や種類がさまざまありますので好みのものを選んでもらえたらと思いますが、私は今回「3種6個入り」で864円のものを買いました。

箱を開けると、中身や食べ方についての丁寧な説明書きがあり、それをさらにめくると写真のように柿の葉に包まれたお寿司が6巻ぴっちり入っています。

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(左から)たい、さけ、さば

中身はこちらの3種類が2巻ずつ入っています。押し寿司なので既にしっかりと味がついており、柿の葉をめくってぱくりと食べます。ん~うまい! ほのかな柿の葉の香りがいいアクセントになっていて、やはり普通の押し寿司ともちょっと違うなといった印象です。醤油がついていますが、醤油をつけなくても美味しく食べれると思います。

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折り戸の目の前に洗面所(笑)

奈良名物の柿の葉寿司を食べ終わるころには奈良県をとっくに抜けて三重県に入っていましたが、ここからは少し車内探検をしていきます。デッキへ出ると客室内とはうってかわって爆音を響かせながら走行していることがわかります(笑)。そして激アツポイントは何といってもこの「折り戸」です! 近頃はめっきり見なくなりましたが、昔の特急車両は全国的にも写真のような折り戸が多かったような印象です。既に引退してしまいましたがブルートレインの客車も折り戸があったように記憶しています。

そして写真を見ていただければわかる通り、乗車するとすぐ横に洗面所があります。まぁ駅間走行中に使えばいいわけですが、駅停車中に洗面所を使うと乗降する人の邪魔になりそうですね。それとも、コロナ対策として乗り込んだらまず手を洗えという50年前の先人からのお達しか…? スナックカーは50年後を先読みしていたのでしょうか(笑)。

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連結部分ではヘッドマークを間近で見られる

この特急は6両編成なのですが、そのうち12200系スナックカー近鉄名古屋寄りの4両のみで、大阪難波寄り2両にはかなり新しめの車両が連結されています。

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こっちは現代的

外から見ていないので形式等はわかりませんが、こちらはスナックカーとは大きく異なるデザインで、背面テーブルもついています。もしかしたらこっちの車両にはコンセントやWi-Fiもついているのでしょうか…? わかりませんがついていてもおかしくありませんね。こちらの車両の方が新しくて快適そうなので、鉄道ファンでもなければこちらに乗りたいという声が多そうです。

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画面奥が伊勢中川・賢島方面

そして列車は伊勢中川のデルタ線を通り、近鉄名古屋線へと入っていきます。このデルタ線では大阪⇔名古屋⇔伊勢志摩方面を自在に直通できるようになっており、大阪⇔名古屋を直通する際には伊勢中川駅のホームを通りません。

大和八木から近鉄名古屋まで、この列車の停車駅は名張、津、白子、近鉄四日市、桑名となっています。これは三重県内で比較的停車駅が多めの便ですが、時間帯によってはこれよりも停車駅をかなり絞った速達便もあるようですので停車駅にはご注意ください。

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濃いオレンジは地下ホームでも映える

そして気づかずウトウトしてしまいましたが、列車は14:49に終点の近鉄名古屋駅に到着です! 大和八木から約1時間50分、152.9kmのスナックカーの旅となりました。

近鉄名古屋駅は行き止まりとなっている地下ホームですが、そんな暗めの地下ホームでもスナックカーの濃いオレンジの車体はとっても映えます。自分がこの車両に乗れるのはこれが最初で最後となりそうですが、他にも近鉄特急は本当に多種多様な形式がありますから、今年の春にデビューしたばかりの「ひのとり」や、2013年にデビューした豪華特急「しまかぜ」など今後もいろいろな列車に乗ってみたいなと思います!

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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衝撃の6時間30分! 日本一長い路線バス「八木新宮線」を全区間乗り通す旅

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は、日本一長い路線バスといわれる「八木新宮線」についてご紹介します!

みなさんが日々目にする路線バスというと、さほど長時間・長距離を移動するために利用するイメージはないかもしれませんが、この八木新宮線は驚きの連続でした!

 

2020年7月25日(土)

今回は、日本一長い路線バスに乗るために、そのスタート地点である和歌山県の「新宮駅」にやってきました。

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JR新宮駅

新宮駅は、和歌山と亀山を結ぶ紀勢本線の途中駅で、JR東海JR西日本の境界駅でもある主要な駅です。名古屋方面および新大阪・京都方面へと毎日数多くの特急が発着しています。また、世界遺産熊野本宮大社をはじめとする熊野三山への玄関口の駅でもあり、この付近の観光の拠点ともなっています。

ここ新宮駅から今回乗車する日本一長いバス路線の名称は「八木新宮線」です。その名の通り、「八木」と「新宮」を結ぶのでそう名付けられているわけですが、八木というのは奈良県にある近鉄大和八木駅を指します。つまり今回は、ここ新宮駅から大和八木駅まで路線バスで移動する、ということになります。

関西以外に住む人間にとってはこの「新宮駅」と「大和八木駅」の距離感がどれくらいかはイマイチつかめないという人も多いと思いますが、この八木新宮線の運行距離は何と166.9km。全区間の所要時間は約6時間30分となっています。

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蛇のようにぎっしり詰め込まれた運行路線図

新宮駅のバス乗り場にはいくつかのバス会社が乗り入れていますが、八木新宮線を運行するのは「奈良交通」。オレンジと白のバス停の標識を見てみると、八木新宮線の時刻表と路線図が掲載されていました。八木新宮線は1日3往復ありますが、今回乗車するのは、新宮駅5:53の大和八木駅行です。

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新宮駅5:53発 奈良交通 特急302系統 大和八木駅

待っていると、まもなくバスがやってきました。前面には「特急302 大和八木駅」の文字。 系統の番号は302系統ということですが、特急バスと聞くと何だか高速バスなのかなというような印象を受けますが、写真を見ていただければわかる通り、正真正銘、どこにでも走っていそうな路線バスの車両です。

新宮駅から大和八木駅までの運賃は、何と5,350円です。いやぁ路線バスで英世さんを使うことだってそうそうないのに、ここでは英世さんどころか樋口さんが登場します。全国に路線バスは数多かれど、運賃の支払いには紙幣が使用不可というところも数多くあります。しかし5,000円以上もする運賃をすべて硬貨で支払うのはあまり現実的ではないので、できれば紙幣で支払いたいと思い、乗車する際に運転手さんに伺いました。

私「(大和)八木駅まで行きたいのですが、紙幣って使えますか?」

すると運転手さんは、一瞬固まった後、「はい…」と返してくださいました。日本一長い路線バスとしてバスマニア・交通マニアには有名なこのバス路線ですが、流石に全区間乗り通す客というのはあまり多くないようです。

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この世のものとは思えない所要時間を示すモニター

紙幣が使えるとわかり、安心して整理券を取ります。乗車した後で気づいたのですが、この車両は東京や大阪などの大都会でも使われていそうなかなり新しめのバスで、各種交通系ICカードでも乗車ができるようです。また、車両前面には運賃等を示すモニターもついており、山の中を走るバスでありながら気分は分刻みで走る都バスの様相すら呈しています。

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椅子はなかなか快適

ただ長時間の乗車も想定されているのか、椅子は都バスなどとは大きく異なり、大型観光バスに装備されていそうな2+2列のシートとなっています。背もたれも高いので、長時間の乗車が苦にならないような工夫ということでしょうか。

スタート地点である新宮駅から乗車したのは私一人だけでした。先ほど話しかけて一瞬固まった運転手さんですが、発車の前に私のところにわざわざ来ていただき、何と記念乗車証をプレゼントしてくださいました!

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しおりサイズの記念乗車証

この記念乗車証は、八木新宮線を全区間同一便で乗り通した証に無料でプレゼントしてもらえるものとなっています。旅がスタートする前からこんなものをいただけて、早朝6時前ですがかなりテンションが上がります!

それではかなり前置きが長くなりましたが、いよいよ新宮駅から6時間30分の旅はスタートです! 新宮駅を5:53、定刻通りの出発となりました。

和歌山県新宮市は、太平洋に面した街ですが、これからバスはどんどん紀伊山地の中へと進んでいくことになります。まだ午前6時頃ですが、夏ということもあって太陽はすっかり上り、外は明るくなっています。ただ最初は小雨程度だった天候がだんだん悪化していき、新宮駅を出て15分ほどで山がちな景色になってきた頃にはかなり本降りの雨になってきました。

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熊野川は綺麗

バスはしばらく、右手に熊野川を眺めながら進んでいきます。熊野川は鮮やかな青い色を示してとても綺麗ですが、バスは横殴りの雨を車両全体で受けながら進んでいくため、車窓がクリアかというとあまりそんな感じでもありません。ただ川の向こうの山に雲がかかっている光景はとても神秘的です。

新宮駅を出てから約1時間、途中の停留所である「ふじや前」からやっと自分以外のお客さんが乗り込みました。

路線バスなので、基本的にこの辺りで最も主要な道路である「国道168号線」という道に沿って進んでいくのですが、国道といえど山の中に入っていくと道幅が狭くなる箇所も見られます。中には一方通行のみが可能となっている区間もあり、そういう区間ではところどころに行き違い・追い越し用に少し道幅が広くなっている箇所も設けられています。バス車両の後方に他の自動車が続いている場合は、そういった道幅の広くなっている箇所で一旦横に停車し、後ろに続く車を先に通すというような走り方をしていました。

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本宮大社前までも既に1時間以上

新宮駅を出てから1時間余りで、バスは湯の峰温泉などかなり雰囲気のよい温泉地を数々抜けていきます。かなり道幅も狭く運転しづらそうなところですが、運転手さんは慣れた手つきでスイスイ抜けていきます。そして新宮駅を出てから約1時間20分ほどで、主要停留所の一つである「本宮大社」に到着。時刻は7:14ということで、ここからも若干名の乗車がありました。

本宮大社というのはまさに世界遺産熊野本宮大社のことを指します。私も6年前に修学旅行でこの辺りを観光バスで巡りました。今回改めて熊野三山を訪問しようか迷いましたが、八木新宮線を全区間同一便で乗り通したかったということで、今回はお預けです。ちなみに、八木新宮線はまだまだ道のりの4分の1も来ていないわけですが、新宮駅本宮大社前の間の区間のみであれば、奈良交通ではなく熊野御坊南海バスという会社がそれなりの本数の路線バスを設定していますので、本宮大社への観光はそちらも活用できるかと思います。運賃・ルート・所要時間等は基本的に八木新宮線のここまでの区間とほぼ同じのようです。

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ジブリの世界に迷い込んだような車窓

それでは定刻通り本宮大社前を出発し、さらにバスは奥へと進んでいきます。途中の小さなバス停で若干名の乗降がありましたが、外は雨がかなり本降りで強くなってきていて、乗ってくる方も全身びしょ濡れといった様子です。

山際にかなり無理して造られたであろう国道を、バスはひたすらに進んでいきます。途中川よりもかなり高いところを走る場面などでは、山と山の間にたちこめた雲(霧?)が美しい車窓に花を添えます。

新宮駅を出てから約2時間、全区間の約3分の1ほどのところまで来たら、バスは十津川温泉へと停車します。ここで約10分間の休憩を挟みます。

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まだまだ先は長い

運転手さんもここまで既に2時間、多くの停留所を無停車で運転してきているわけですから、休憩が必要です。また乗客もバスの車外に出て気分転換をすることができます。

ここ十津川温泉には、奈良交通の営業所があり、バスはその営業所のすぐ横に停車します。外はざんざん降りの大雨ですが、濡れることなく車外に出ることができます。

ここ十津川営業所では、先ほど新宮駅を出発する際にいただいた「記念乗車証」の裏面に日付を入れてもらうことができます。奈良交通の公式HPでは、「十津川温泉到着時に運転手に申し出ると記念乗車証が貰えます」的なことが書いてあるので、もし新宮駅を出る段階でもらえなかったとしても、この十津川温泉に到着した際に運転手さんに尋ねてみてください。

また、この十津川営業所には何と足湯があります。誰でも無料で入れるようで、この奈良交通の休憩時間の間にもサッと入ることが可能ですが、私はタオルを持ち合わせていなかったのと、やはり時間が短いということもあり今回足湯には入りませんでした。是非次の機会の楽しみに取っておきたいと思います。

わずかな休憩時間の後、再びバスの車内に戻り、8:01にバスは十津川温泉を出発。車内は引き続き数名程度です。なんだかんだ言ってもまだ朝8時過ぎとかなり早いですからね。

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大きな川を渡る

バスは引き続き、秘境と呼ぶにふさわしいような山の中を進んでいきます。先ほど十津川温泉というバス停に停車していましたが、奈良県十津川村の中心はそこからさらに20分ほど進んだところにある「十津川村役場」というバス停の付近のようで、人が多く住み観光の中心ともなっているのはこの辺りのようです。

十津川村というと、奈良県の中でも非常に広域の部分を占め、その大半がこのような山と川で構成されているような場所ですから、台風や大雨災害の際は村の集落が土砂崩れ等で孤立し度々ニュースでも取り上げられます。まさに今回乗車していた時も、災害とは言わないまでも十津川村内走行中はかなり強い雨が降り続いていましたから、もし仮にこの先の道で土砂崩れでも起きて運行不能になってしまったらどうしようかと少し不安にもなりました。実際にもちろんそんなことはありませんでしたが。

また、補足情報ですが、このバスには何とフリーWi-Fiまで搭載されています。熊野の付近など特に外国人観光客も多いことを見越してのことかもしれませんが、路線バスにフリーWi-Fiとはかなり驚きました。試しにスマホを繋げてみると、かなり安定して強いWi-Fiでしたが、しかしそもそも山岳地帯を走る間は電波状況がよくないところもあるので、そういうところではいくらWi-Fiが強力でもネットは使えません(笑)。

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「うえのじ」と読むようです

新宮駅の出発がかなり朝早かったこともあってしばらくウトウトしておりましたが、気づけばまもなくバスは2度目の休憩ポイントである「上野地」へと到着します。時刻は9:06、十津川温泉を出てから約1時間ということでここの区間はあまり長くありませんでしたが、まだバスは道のりの約半分といったところです。ここでの休憩時間は約20分間となっています。

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駐車場とトイレがある

この上野地には、特に営業所などがあるわけではありませんが、バスがしばらく停車できるような駐車スペースと、その敷地内にトイレが併設されています。周囲は民家が多いですが、果たしてこの辺りにお住まいの方が八木新宮線を利用しているのかというと…それは微妙なところです。

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日本一長い吊り橋!!

この上野地での休憩中のお楽しみといえば、何といっても「谷瀬の吊り橋」です! 全国に有名な吊り橋はいくつかありますが、ここ奈良県十津川村の谷瀬の吊り橋は何と日本一の長さを誇ります。全長297メートルということで、流石に休憩時間中に往復して渡り切るほどの時間的余裕はありませんが、渡れるところまで渡ってみることにしました。

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いろいろと物々しい案内が

渡る際に特に料金等は不要ですが、一度に20人以上が橋の上に乗ってしまうと危険なようで、橋の上に一度にたくさんの人が行かないようにするためか、橋の入り口には多数の警備員さんと思われる方が見張っていました。しかし天候もあってか、特に観光客はいないようで、橋を渡る人はほぼ私一人だったようです。

幸運にも上野地に到着した時点で、先ほどまで滝のように降っていた雨は止みましたが、おかげで橋の上はかなり濡れています。もちろん転んだとしても直ちに橋から落ちるわけではありませんが、歩いてよい部分は真ん中の木の板張りの部分だけのようで、両側のアミの部分は危険とのこと。板張りの部分も木と木の隙間が開いているところもあるのでスリル満点です。

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橋の上は自分一人だけ

雨は止んでいましたが、やはり吊り橋の上では風が強く吹くと恐怖です。私は特別高いところが苦手というわけではありませんが、木とワイヤで造られた吊り橋が揺れると足がすくみます。

橋の3分の1くらいまで進んでみて、横に目を向けると…!

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これは絶景!!

これは素晴らしい景色です!! 曇り空ではありますが、山の上に少し雲が被さり、下を覗くと十津川が見えています。これは是非、みなさんも上野地での休憩時間中に渡れるところまで渡ってみていただきたいです。

そろそろバスの発車時間も近づいているということで、上野地の駐車場に戻りバスに乗り込みます。引き続き若干名を乗せたバスは、定刻通り上野地を9:24に出発しました。

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車窓が面白すぎる

上野地を出た先には、いろいろと面白い車窓が続きます。山肌に張り付くようにジグザクに造られた坂道や、貴重な建設途中の橋の様子等を見ることができました。谷瀬の吊り橋もそうですが、この国道168号線沿いには、いくつもの立派な橋が続き、この八木新宮線もルート上にたくさんの橋を通ります。山々の間を流れる熊野川や十津川といった大きな川とともに暮らす人々にとって、数々の橋は集落と集落をつなぎ、人々の経済や暮らしを支える、まさに「架け橋」であるのだと実感しました。

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10:57 五条駅前に到着

そんな山間部の景色が長らく続いてきましたが、10:50頃になるとすっかり辺りの景色も市街地へと変わってきました。険しい紀伊山地の車窓とはうってかわって、ここから先は終着地点の大和八木駅まで、比較的起伏の少ない市街地を通っていくことになります。

10:57に、バスは奈良県五條市五条駅前に到着しました。新宮駅を出てから約5時間ぶりに、鉄道の駅と接続するポイントとなっています。ここはJR西日本和歌山線が通る駅で、私も今年の3月に一度利用しました。今回バスの車内から駅の電光掲示板をちらっと見ると、どうやら大雨で運転を見合わせているようです。ちなみにどうでもいい話ですが、市の名前は「五市」で駅の名前は「五駅」だそうです。

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ガソリンスタンドみたいな「五條バスセンター」

そんな戯言を挟んでいるうちに、バスは「五條バスセンター」に到着です。時刻は11:00となり、ここで3度目の休憩(約20分間)となります。ここを出ると終点の大和八木駅までは残り約1時間となりますので、ここが最後の休憩ポイントとなります。

この五條バスセンターは、先ほどの十津川温泉や上野地と異なり、特に観光客向けの面白いポイントは特にありません。ただ、バスセンターに隣接して「イオン五條店」があり、休憩中はこのイオンの中のトイレをお借りしていいようです。

都会育ちの私にとってイオンはあまりなじみがないのですが、いわゆる総合スーパーというやつで、生鮮食品から日用品・雑貨まで何でも揃っています。私が乗っていた便だと11時頃なのでまだ昼食には早い時間ですが、この1本後の八木新宮線なら13時頃にこの五條バスセンターに到着するダイヤだと思いますから、ここでお弁当でも買って近くのベンチで休憩中に食べたりするのもいいかもしれません。

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新宮駅から既に5時間半が経過

新宮駅を出発してから約5時間30分、11:18にバスは五條バスセンターを出発です。この先も市街地が続きますが、ゴールの大和八木駅まではあと約1時間となります。運賃表の整理券番号1番の運賃はこの時既に4,600円に到達しており、とても路線バスで見るような光景とは思えません。運賃表はもはや1ページではおさまりきらないので、モニターの表示が目まぐるしく変わります。

五條バスセンターからは、それなりに多くの人が乗車し、この先の各停留所でもかなりこまめな乗降がありました。五條バスセンターのある五條市大和八木駅がある橿原市などを走行する間は、先ほどまでの山岳バス路線の様相から一変して都市型路線バスの姿を見せます。新宮駅を出発した際や十津川村の中を走行している際はバス車両がICカード対応であることに驚かされましたが、この五條市橿原市のような市街地を走行する時間もかなり長いですから、そういう意味ではICカード対応であるのも当然のことのように思います。

そして橿原市内に入ると、周囲の景色がいっそう都会的になると同時に、渋滞にはまっていくことになります。新宮駅からずっと定時での運行が続いてきましたが、ゴールを目前にしてバスは少しばかり遅れをもって運行されました。

時刻表上は12:24に大和八木駅に到着とのことですが、遅れること約15分、12:39についに終点の大和八木駅へと到着しました!!

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大和八木駅に到着!

遅れたこともあって、実際の乗車時間は約6時間45分となりました。ここまでに何と総距離166.9km、165もの停留所に停車してきたことになります。紙幣は硬貨を投入する運賃箱に入れるのではなく、その横の紙幣専用の投入口があるのでそこに5,000円札を入れ、1番と書かれた整理券と350円を運賃箱に入れて降車しました。

そして降りる時に気づいたのですが、このバスは何と運転手さんが途中で交代したりしません。もちろん3度の休憩を挟みながらとはいえ、これだけ長い距離を運転するのはそうできることではないと思います。

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大和八木駅は主要駅

八木新宮線が発着する大和八木駅は、近鉄の路線ネットワークでもかなり主要な地位にある駅で、この駅から乗り換えなしで大阪(難波)・京都・名古屋・伊勢志摩の各方面へ直通する特急が運行されています。新宮駅と比べるとこちらの方がかなり都会的な印象を受けます。

 

ということで、今回は日本一長い路線バス「八木新宮線」をご紹介しました!

確かに6時間30分もの間路線バスに揺られるのは疲れないわけではありませんが、しかし全区間乗り通してみると謎の達成感が湧いてきます(笑)。

途中の車窓も変化に富んでいて大変面白いですし、休憩ポイントでのお楽しみも旅に彩りを添えてくれました。

5,000円以上も支払って路線バスに乗るというのはなかなか勇気のいることかもしれませんが、絶対に後悔はしないと思いますので、是非みなさんも一度乗ってみてください!

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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最後は思い出の詰まった特急〔南紀〕で新宮へ! 絶品黒毛和牛に舌鼓で感動のフィナーレ【JR東海最長片道切符9】

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回はついに「JR東海最長片道切符の旅」シリーズ最終回となります。

7月22日(水)~24日(金)の3日間をかけて実施したJR東海最長片道切符の旅が、ついにゴールを迎えます。

前回の記事では三重県県都・津駅まで到達していたので、いよいよ今回は津からゴールの新宮へと向かっていきます!

前回の記事をまだご覧になっていない方は是非以下のリンクからご覧ください!

watakawa.hatenablog.com

 

 

3日目 2020年7月24日(金)②

津駅から乗車する、「JR東海最長片道切符の旅」最後の列車は、津14:00発の特急〔南紀5号〕紀伊勝浦です。

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在来線特急はこの旅最初で最後

特急〔南紀〕は、名古屋~紀伊勝浦駅間を関西本線伊勢鉄道紀勢本線経由で結ぶJRの特急列車です。この日の旅の出発地であった四日市にも停車しますが、四日市と津の間は伊勢鉄道を挟むということで今回の旅では乗車不可能のため、この津から乗車します。今回の旅のゴール地点である新宮駅は、この列車の終点である紀伊勝浦駅の少し手前にある駅で、新宮駅より先は少しだけJR西日本に直通する特急列車となっています。今回は、津から新宮まで約2時間余り乗車していくことになります。

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車両はキハ85系

定刻通り、津駅に入線してきたのはキハ85系特急気動車です。窓が大きいことから、南紀号は「ワイドビュー南紀」と呼ばれることもあります。

停車時間も短いため、急いで乗り込みます。今回は贅沢にも、普通車の指定席を確保しておきました。JR東海株主優待割引では、任意の区間の乗車券とその区間内で使用する特急券1列車分が1割引となるため、この区間特急券は事前に購入しておいたというわけです。津から新宮まで、繁忙期の指定席特急料金は2,930円ですが、今回はその1割引ということで2,630円で用意することができました。

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懐かしき青春の思い出

列車は定刻通り津駅を出発。ワイドビューということで窓が大きく、また椅子がある部分は通路よりも1段高くなっています。温かみのある暖色系のシートはふかふかで、普通車でもとっても快適です。

津駅を出て約15分、列車は次なる停車駅である松阪駅へと到着します。実はここで、事前に予約していた駅弁を受け取ることになっていました。というのも、お肉の街・松阪に本店を構える駅弁屋「あら竹」さんでは、事前に電話で乗車予定の列車とその号車を伝えると、松阪駅への列車の到着に合わせて駅弁を届けてくれるサービスを行っているのです! 今回時間の関係で松阪駅には下車できなかったわけですが、やはりお肉の街である松阪の美味しい駅弁を食べて旅を締めくくりたいと考えていたので、事前に電話で予約をしておいたのでした。

列車の入線に合わせて乗車口に向かうと、駅弁屋の方がしっかりと待っていてくださいました。その場でお金を渡し、無事に駅弁を受け取ることができました。

それでは客室内に戻り、豪華なランチの始まりです!

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黒毛和牛 牛めし(1,500円)

まずは先ほど松阪駅で受け取った「黒毛和牛 牛めし」(1,500円)です! 松阪といえば松阪牛を連想する人も多いと思いますが、松阪牛の駅弁は英世さんが何枚飛んでいくかわからないくらいの高級駅弁なので、今回はこちらの駅弁をチョイス。松阪牛ではありませんが、松阪の美味しい黒毛和牛を赤ワインで煮込んだ人気の駅弁です。ブラックペッパーをふりかけ、一口食べてみると…おおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!美味い、美味すぎるぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!やわらかいお肉にしっかり味が染みていて、ご飯との相性も抜群です!こんな贅沢なお肉がご飯の上に所狭しと敷き詰められていますから、ボリュームは満点です。文句なしの美味しさで、自分が今までに食べてきた数ある駅弁の中でもTOP3には間違いなく入る、もしかしたら第1位かもと思うくらいのとっても美味しい駅弁でした!

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津ぎょうざ(260円)

それと、もう一つ、こちらは津駅の駅ビル「チャム」内で買っておいた名物の「津ぎょうざ」(260円)です。餃子1個で260円は高い!と思うかもしれませんがそんなことはありません。何とこの津ぎょうざは、とにかくジャンボサイズなのです。その長さはマルス券よりも長く、中にはぎっしりとタネを詰めて揚げてあります。地元の小学校の給食でも出るソウルフードのようで、津チャム内の複数の飲食店で販売されています。

一口かぶりついてみると、とにかくジューシーな旨みが口いっぱいに広がります。お惣菜ということで冷めていましたが、それでも十分に美味しいのです。醤油などはつけたりしませんが、このままで十分美味しいのです。津ぎょうざ1個で白ご飯1杯食べられるんじゃないかな?と思います。

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曇り空の紀伊半島を南下

美味しい美味しい三重グルメに舌鼓を打っている間にも、列車はどんどん南下していきます。津から新宮まで、途中の停車駅は松阪、多気、三瀬谷、紀伊長島、尾鷲、熊野市のみということで路線の長さにしてはかなり少なめです。普通列車で行くのもそれはそれで楽しいでしょうが、旅の最後に特急の指定席にしておいて大正解でした。とっても快適で、少しも疲れません(それ以前の旅の疲れはもちろんありますが)。

列車は海岸ギリギリの区間を走る場面が何度かあります。残念ながら曇り空で、ものすごく綺麗なオーシャンビューとはいきませんでしたが、うつりゆくのどかな集落や海岸、山や川を眺めているだけでも飽きません。

そしてあっという間に、列車は三重県を抜け、和歌山県新宮駅へと到着しようというところで、こらえようのない懐かしさがこみあげてきました。

というのも、実はこの特急南紀には以前一度だけ乗車したことがあるのです。それは、中学3年生の修学旅行でした。

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特徴的なビッグサイズの方向幕

首都圏の中学生の修学旅行先というと京都・奈良・大阪等が一般的ですが、私の中学は珍しくも和歌山でした。熊野三山を巡り、最後に名古屋から新横浜まで新幹線で帰るわけですが、その前に新宮から名古屋までこの特急〔南紀〕を利用するのが恒例でした。100人ほどの男子中学生の集団で、新宮駅から名古屋駅まで乗車していったわけです。

まぁ男子校なので、青春の思い出といっても何かものすごく感動する男女の青春物語があったとかそういうわけではないですが、それでもこの列車はとても思い出の詰まった列車なのです。

今回の旅のゴールである新宮駅は、まさに6年前の自分が特急〔南紀〕に乗車した思い出の駅です。今とは違いそこまで全国各地の特急に乗ったことがあるわけでもない未熟者の自分が、初めて名も知らぬ駅から名も知らぬ特急に乗ったのです。

あれから6年、大学3年生になった自分は当時とは比べ物にならないくらい多くの経験を積みました。全国各地の駅を利用し、全国各地のさまざまな列車を利用して旅してきました。そんな中にあっても、この特急〔南紀〕と新宮駅は、自分を鉄道ファンにのめり込ませてくれたきっかけとなった列車・駅であることに間違いありません。当時の記憶が鮮明に蘇る特急〔南紀〕のシートに座り、そして向かった「自分のルーツ」といえる新宮駅が、今回の旅のゴールだったというわけです。

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ついにゴール!

16:24、列車は定刻通り新宮駅に到着。特急〔南紀5号〕はこの先の終点である紀伊勝浦駅を目指してすぐに発車していきましたが、南国の生暖かい風がホームに降り立った私を出迎えてくれます。

この新宮駅は、紀勢本線の途中駅ですが、これより先はJR西日本の路線となります。駅の管轄もJR西日本のようで、名古屋方面の特急〔南紀〕の他に新大阪・京都方面を結ぶ特急〔くろしお〕も発着する駅です。

改札口で無効印を貰い、3日間に渡るJR東海最長片道切符の旅はついにゴールです!!

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鮮明に覚えている駅前広場で記念の一枚

国鉄時代からさほど変わっていないであろう雰囲気のある駅舎も、その駅前広場も、すべてが懐かしい新宮の地に降り立ちました。6年前の時は特急が来るまでの時間、このヤシの木の前の広場で整列して待っていた記憶があります。その思い出の地で、JR東海最長片道切符の旅のゴールを記念して切符と駅舎を一緒に撮影しておきました。

さて、これにて810kmにも及ぶJR東海最長片道切符の旅は終わったわけですが、この日は新宮の街で一泊します。新宮駅周辺には多数のホテルや旅館があるのですが、連休ということもあってか旅の1週間ほど前にどこを電話しても満室でした。そんな中、唯一空室があったのが「長谷旅館」さんです。今回はこちらで1泊させていただきます。

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長谷旅館

駅から程近いこの長谷旅館さんは、何と連休中でも1泊4,400円となかなかの安さです。受付でチェックインを済ませ、お部屋に案内していただきました。

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広すぎるぜ

中へ入ってみると、1人旅には広すぎるお部屋。布団も敷いていただき、冷房でキンキンに冷えた部屋は快適そのもの! 新宮の街はかなり蒸し暑かったのでこれはとても助かります。まだ外は明るいですが、疲れも溜まっているので特にここから新宮観光はせず、部屋でゆっくりくつろぐことにしました。

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めはり寿司(640円)

昼食が遅かったので、夕食は少し少な目に、和歌山名物のめはり寿司」(640円)をテイクアウトしてきました。めはり寿司とは、高菜の浅漬け(めはり漬)でご飯をくるんだ郷土料理で、寿司というよりもおにぎりに近いです。私が今回買ってきた「総本家めはりや」さんでは、店内での飲食もできますが、人が集まる空間での飲食によるコロナ感染リスクを鑑みて、テイクアウトを利用した次第です。4個入り640円で1人前なのですが、一つひとつが握りこぶしくらいの大きさでとても大きく、1人で4個食べるとそれだけで十分お腹いっぱいになります(笑)。6年前にもこのめはり寿司の入ったお弁当を熊野古道の途中で食べましたが、これよりもだいぶ小さく、しかも2個ほどしか入っていなかった記憶があります。とにかく1人で4個はかなりのボリュームですが、とっても美味しいのであっという間に完食してしまいました。

食後はお風呂に入り、のんびり過ごしてこの日は終了です。

 

 

ここまで「JR東海最長片道切符の旅」シリーズをご覧いただき、誠にありがとうございました!

3日間かけて東海地方のさまざまな観光地をめぐり、各地の美味しいものを食べながら進めていく今回の旅を通じて、私自身も東海地方の魅力を存分に味わうことができましたし、またブログ記事を通じて読者のみなさんにも感じていただけたのではないかと思います。

また、鉄道ファンからは「イマイチ面白くない」と言われることもあるJR東海の路線ですが、決してそんなことはなく、知れば知るほど、乗れば乗るほど、その底知れぬ魅力にのめりこんでいく素晴らしい鉄道会社さんであることもとってもよくわかりました。

旅の本編は今回の記事で終わりですが、次回以降の記事では新宮から横浜まで帰る行程もご紹介していきたいと思いますのでそちらも是非お楽しみに!

またその他の旅の様子も今後記事にしていきます。

最後に、今回の2泊3日JR東海最長片道切符の旅の行程と訪れた観光地、ご当地グルメを一覧にしてまとめておきますので、みなさんも是非参考にしてみてください!

【今回の行程】

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【観光地】
三嶋大社/旧国鉄清水港線三保駅跡/三保松原/登呂遺跡/御厨駅アクトシティ浜松三河安城駅/熱田神宮犬山城関ヶ原古戦場/岐阜羽島駅/なばなの里/四日市公害と環境未来館/津偕楽公園

ご当地グルメ
まぐろメンチバーガー(清水)/静岡おでん(静岡)/さわやかげんこつハンバーグ(浜松)/あんまき(豊橋)/あゆ釜めし(鵜沼)/水まんじゅう(大垣)/きしめん(名古屋)/アイス饅頭(桑名)/津ぎょうざ(津)/黒毛和牛牛めし(松阪)/めはり寿司(新宮)

 

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四日市ぜんそくを学ぶ&日本一短い駅名「津」ってどんな駅?【JR東海最長片道切符8】

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は「JR東海最長片道切符の旅」シリーズ第8回となります。

7月22日(水)~24日(金)の3日間をかけて実施したJR東海最長片道切符の旅が、まもなくゴールを迎えます。

前回の記事では2日目の夜、なばなの里に立ち寄った後四日市のホテルに宿泊したところまでご紹介しましたので今回はその続きです。

前回の記事をまだご覧になっていない方は是非以下のリンクからご覧ください!

watakawa.hatenablog.com

 

3日目 2020年7月24日(金)①

三重県最大の都市・四日市で迎えたJR東海最長片道切符の旅最終日の朝。

最終日のこの日は四日市から新宮までの移動となります。

最終日もそれなりの移動距離がありますが、大部分は特急列車に課金するためこの日の実質移動時間はかなり短めです。ということで、宿泊していた「ホテルリブマックス四日市駅前」は10時のチェックアウト時刻ギリギリまで滞在してしっかりと睡眠を取りました。

余談ですが、実は私、東京2020オリンピック・パラリンピックのシティキャスト(都市ボランティア)に参加する予定でした。本来ならば今頃は東京都内の駅や施設等で膨大な観光客・観戦客への案内・誘導をしていたと思われますが、まさか三重県で「2020年7月24日」という日を迎えることになるとは思ってもいませんでした。

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四日市公害と環境未来館

そんなことはさておき、リブマックスをチェックアウトしてまず向かったのは「四日市公害と環境未来館」です。近鉄四日市駅の目の前にあり、リブマックスからも徒歩数分圏内です。

四日市といえば、みなさんもご存じ「四日市ぜんそく」が戦後間もない時期に大きな問題となりました。この施設では、当時四日市で発生した公害問題がどのようなものなのかを学ぶことができるということで、本日はまずこちらに立ち寄っていきます。

なおこの建物の中には、他にもプラネタリウムや企画展等があり大変充実しているようですが、今回は時間の関係で「公害と環境未来館」のみ見ていきます。何と入館は無料です。なおコロナ対策として、入館の際には間隔を取って並び、入口にて検温とアルコール消毒が必須となっているほか、陽性者接触確認アプリ「COCOA」のインストール確認が行われます。COCOAをインストールしていない人については、氏名や緊急連絡先等を専用の用紙に記入して提出してからの入館となります。

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驚くほど充実した展示

館内では、戦前から戦時中、そして戦後にかけての四日市の人々の暮らしぶりから、徐々に公害問題が深刻になっていく過程が詳しく紹介されています。入館無料とは思えない充実した展示ぶりで、とても勉強になります。

私としては、ばい煙で曇る空の下を小学生がマスクをつけて登校する風景を映した写真が特に強く印象に残ったのですが、やはり慣れないマスクをつけて苦しそうにしている子どもの姿は、原因こそ違いますが半世紀以上前の四日市ぜんそくも今の新型コロナウイルスもさして変わらないのかなと思いました。どっちがより深刻だとかではなく、自身の体調が悪くないにも関わらず外的要因を理由にマスクをほぼ強制的につけて生活しなければならないことの苦しみは今も昔も変わらずあり続けるのだと感じさせられます。

じっくり各種展示を見て回った後は、JR四日市駅方面へと歩いていき、ルートを再開していくこととします。

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近鉄四日市駅は大都会

公害と環境未来館からJR四日市駅まで歩く途中に、近鉄四日市駅があります。四日市はJRの駅と近鉄の駅がかなり離れているのですが、圧倒的に市の中心は近鉄の駅周辺なのです。近鉄四日市駅には百貨店やデパート的なものが隣接し、駅周辺には私が宿泊したリブマックスを含めさまざまな大手ホテルチェーンも建ち並びます。また駅前には立派なアーケードも連なっており、コロナ禍の今でさえかなりの人で賑わっているという状況です。近鉄の他に、2015年に近鉄から経営分離された「四日市あすなろう鉄道」もこの駅を発着しています。

その近鉄駅高架下をくぐり、JR駅へと歩いていきます。近鉄駅とJR駅の間の距離は1km前後といったところでしょうか。幹線道路の一本道なので迷うことはありませんが、近鉄駅から離れていくにつれてだんだん人通りや車通りが少なくなっていきます(笑)。

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JR四日市駅…(笑)

そしてこちらが、JRの四日市駅です。近鉄とは違い地上ホームの駅で、駅舎は国鉄時代の雰囲気を思わせる外観をしています。看板の文字を見るに、駅舎も文字も相当古くからの姿を留めているものと思われます。

JR駅の方には、JR関西本線に加え、この先の河原田駅から分岐する伊勢鉄道の列車も乗り入れています。JR的にもこの四日市駅は主要駅としての扱いで、すべての旅客列車が停車する駅ですが、駅前の人の姿はまばらです。高い建物が全くないとはいいませんが、近鉄四日市駅と比べるとその差は歴然。一応駅前にロータリーはありますが、バスがひっきりなしに発着しているような様子はありません。

こういった状況は決して珍しいものではなく、神奈川県内だと横須賀、久里浜、海老名でも同じようなことが起きています。JR至上主義感の強い首都圏民にとって、こうした光景は新鮮です。

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本日は遅めのスタート

それでは、四日市11:42発の関西本線 快速 亀山行へと乗車し、終点の亀山へと向かっていきます!

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313系ばかりですが使い回しの写真ではないですからね!(笑)

おなじみの313系が、今回は2両編成で到着。ワンマン運転で、乗車率はそこそこ高めです。地元の高校生の子たちが多く乗っていました。

四日市から津方面に向かう時、最も一般的なのは伊勢鉄道を経由するルートです。快速〔みえ〕や後程紹介する特急〔南紀〕号はこのルートを通ります。しかし、今回は「JR東海最長片道切符」ということで、JR東海以外の路線をルートに含めてしまうと企画倒れとなります。また以前の記事でもご紹介した通り、今回はJR東海株主優待割引を利用して旅をしておりますので、徹底的にJR東海の路線のみにこだわってゴールを目指していく必要があります。そのため、伊勢鉄道経由ではなく遠回りで時間のかかる亀山経由でいきたいと思います。

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列車は1時間に1本の地域

原田駅伊勢鉄道と分岐し、列車はのどかな景色の中を走ります。快速とはいってもこの辺りでは各駅に停車していくようです(いわゆる末端各停)。

そして30分弱乗車し、列車は12:07に亀山駅へと到着。ここで紀勢本線へと乗り換えます。

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リニアもやってくる…?

この亀山駅は、名古屋~JR難波駅間を結ぶ関西本線の途中駅でもあり、ここから紀伊半島をぐるっと時計回りに回り和歌山駅へと至る紀勢本線の起点駅でもあります。名古屋方面、JR難波方面、津方面の3方向に路線が伸びていますが、JR難波方面への路線はJR西日本となります。将来的にはリニア中央新幹線がこの亀山駅付近に駅を設ける…という噂も聞いたことがありますがそれはちょっとうろ覚えなのでここで詳しい話はやめておきます(笑)。

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駅の管轄はJR東海っぽいな

何度も言うように今回の旅ではJR東海の路線しか利用できないので、ここで紀勢本線へと乗り換え津方面に向かいます。また電化区間はここまでで、この亀山駅より先はJR難波方面・津方面のいずれも非電化区間となります。

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3方向すべて1時間に1本で美しい

それでは、亀山12:16発の鳥羽行へと乗り込み、三重県県都・津へと向かいます。

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313系…ではなくキハ25系

列車はまたも313系…かと思いきや、ここは非電化区間なので313系ではなくキハ25系です。313系とよく似た顔をしていますがキハ25系については「キハ」とつくことからもわかる通り気動車です。意外にもここにきて車内はロングシートでしたが、余裕で座ることができました。定刻通り亀山を発車します。

この辺りは山間部を縫って走るような区間で、駅間距離も比較的眺めであると感じました。そして線路の両側に新しめの住宅街が広がってきたら、津駅へと到着です!

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ハテナにも見える? 日本一短い駅名

言わずもがな三重県の県庁所在地であるこの津駅は、日本一短い駅名でもあります。ひらがなが大きく書かれた駅名標は、遠目から見ると「?」(ハテナ)にも見えると話題です。JR、近鉄伊勢鉄道が乗り入れるターミナル駅となっています。

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JR駅舎はめちゃくちゃ立派

この津駅では1時間ちょっとの滞在時間で、特に何をやろうかは考えていなかったのですが、駅から歩いてすぐの「津偕楽公園」にSLが保存されているということなので見に行ってみました。

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SLはやっぱりかっこいい

やはりSLはかっこいい、ですがどこでいつ頃走っていたものなのかはわかりません(解説プレートとかちゃんと読めば書いてあるかも)。まぁおそらくこの三重界隈で使用されていたものと思われます。車両を覆う屋根等はなく雨ざらしですが、ものすごく朽ち果てているという様子ではなく、特に動輪の部分など鮮やかな色を保っていました。きっと地元の方が頻繁に修繕や塗り直し等をされているものと思われます。

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雰囲気がめちゃよき

連休の中日ですが人の姿はあまりなく、とても公園内は静かでした。雨上がりでじめじめした気候ではありますが、散歩やピクニックなどにはうってつけのスポットだと思います。

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こちらは近鉄側の駅舎

再び津駅に戻り、駅周辺をぶらぶらしてみます。津駅はとても特殊な構造の駅で、近鉄のホームとJRのホームが縦に並んでいるのですが、駅構内では中間改札を全く挟まずに乗り換えることができるのです! 津駅の西側の駅舎は近鉄駅舎、東側の駅舎はJRの駅舎ですが、どちらの路線を利用する場合でもどちらの改札口からも入れるようです。全く異なる2つの鉄道事業者が仲良く1つの駅を共用しているというのは何だかとても新鮮です。

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左が近鉄、右がJR&伊勢鉄道

歩道橋の上から津駅全体を見下ろす場所に来てみるとその構造がよくわかります。上の写真で、画面奥側が名古屋方面、手前側が松阪・鳥羽方面です。JRは2面3線、近鉄は1面2線で、このほかに画像では見えないですがJRのホームの名古屋寄りに伊勢鉄道の切り欠き式のホームがあります。どの会社もそこまで充実したホームを持っているというわけではないですが、列車本数でいえば近鉄ホームの方が圧倒的に多く、特急も鈍行も含めて数分おきにひっきりなしに列車がやってきます。これに対して、JRの方は特急も1日に数える程度、普通列車と快速みえも決して高頻度とは言い難いです。なので駅舎はJRの方が立派なのですが、駅の機能として使いやすいのは近鉄側なのかなと思いました。

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近鉄の駅舎内は普通に都会的

それでは、この津駅からいよいよ”アノ”列車に乗ってゴールの新宮駅へと向かっていきますが、その様子はまた次回ご紹介します!

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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検証!なばなの里は男子大学生1人ぼっちでも楽しめる?大迫力のイルミネーションを満喫【JR東海最長片道切符7】

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みなさんこんにちは! わたかわです。

いつも当ブログをご覧いただきありがとうございます。

今回は「JR東海最長片道切符の旅」第7弾記事となります。

旅は2日目の夕方、東海道新幹線で名古屋へとやってきました。

前回までの様子をご覧になっていない方は、是非以下のリンクからご覧ください~

watakawa.hatenablog.com

 

2日目 2020年7月23日(木)④

東海道新幹線〔ひかり658号〕で名古屋駅には17:25に到着。夕食代わりのきしめんを急いで食べ、次なる列車に乗車していきます。

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見慣れた名古屋のタカシマヤ

本日の最終目的地は、三重県四日市です。四日市市内のホテルを既に予約済みなので、ここ名古屋から続いては関西本線に乗車していきます。JR東海最長片道切符の旅のゴール地点である和歌山県の新宮までは、これからあと関西本線紀勢本線を乗り継いで南西方向に向かっていくのみとなりました。

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急いでたので写真がナナメ

このまま名古屋から四日市までまっすぐ向かってホテルにチェックインしても悪くない時間ですが、せっかくなのでこの日は最後に三重県の桑名で途中下車をしていきます。名古屋17:53発の関西本線 桑名行に乗車。これで各駅に停車しながら終点の桑名を目指します。

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関西本線だろうと何だろうとJR東海313系

今回の旅でとにかく数えきれないくらい乗ってきた313系に、またも乗車していきます。ちなみに、これはTwitterのFFさんから教えていただいたのですが、この313系B521編成(言い方合ってるかな?)は、何とこの日の午前に金山→多治見で乗車した中央本線の快速と全く同じ編成だったようです! よく見ると前面の窓に書かれた白文字の編成番号が一致しております…! 中央本線関西本線で車両が共通運用になっているとは驚きました。中央本線の快速に乗った時の画像は以下の記事内で使用していますので是非ご覧ください~↓↓↓

ほとんどの列車が通過する悲しい新幹線駅「三河安城」を探訪&都会のオアシス・熱田神宮を散策【2020-07JR東海最長片道切符4】 - わたかわ 鉄道&旅行ブログ

それはそうと、関西本線の桑名行は名古屋を定刻通り発車。まもなく右へと急カーブをきり、多数の留置線や近鉄を横目に見ながら各駅に停車していきます。

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2日目もまもなく終わりが近づいてきた

始めのうちはかなり混雑していた関西本線の列車内も、進んでいくうちにどんどん空いていき、程なくして座ることができました。

そして名古屋を出てから約30分、18:26に列車は終点の名駅に到着です。

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みなさんにとって桑名といえば?

名駅は、JR関西本線のほかに近鉄名古屋線養老鉄道が乗り入れるターミナル駅です。また隣接する西桑名駅からは三岐鉄道も発着しており、JRでは名古屋方面からやってくると木曽川長良川揖斐川と3本の大河を跨いで三重県に入り最初の主要駅となります。

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新駅舎はほぼ完成しているみたい

名駅では、8月30日より新駅舎の使用が開始されるということで、既に現在の改札口とは少し離れた場所に新駅舎が完成していました。なかなか洒落た色使いで、これからはこの駅舎が桑名の新たなシンボルとなることでしょう。

さて、前置きが長くなりましたが、今回はここ桑名から連絡バスに乗り換えて、「なばなの里」へと向かっていきたいと思います!

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名駅からなばなの里までは直通バスで20分弱

「なばなの里」というのは、ナガシマスパーランドとあわせてこの付近の一大観光施設(テーマパーク?)の一つで、有名なナガシマスパーランドが遊園地的な施設であるのに対し、こちらは植物園的な施設となっております。両施設間を結ぶバスも運行されており、どちらも家族連れやカップルで賑わうおでかけスポットです。今回はナガシマスパーランドへは行かず、なばなの里へと向かいます。

名駅となばなの里の間は、三重交通による途中無停車の連絡バスが運行されております。今回乗車するバスは桑名駅前18:40発で、これがなばなの里行最終バスとなっています。時刻表を見ると、なばなの里までは所要時間18分・運賃260円。こんな夕方の遅い時間からなばなの里へ向かう人はそう多くありませんが、それでも自分含め5名程度はいました。

バスは定刻通り18:40に桑名駅前を出発。発車するとすぐに「次は 終点 なばなの里」というアナウンスが流れます。

なばなの里は、木曽川長良川揖斐川に挟まれた中洲地帯にあるため、先ほど関西本線で越えた川をもう一度渡ります。時刻表上の所要時間は18分ですが、実質13分ほどでなばなの里へと到着しました。

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なばなの里公式HP(https://www.nagashima-onsen.co.jp/nabana/index.html)より引用

緑の多い園内には、いくつものレストランに植物園、温泉施設等がひしめいています。敷地面積は何と30万㎡とかなり広大ですが、今回はこの広大な「なばなの里」を、男子大学生の私が1人で、しかも滞在時間わずか1時間でどこまで楽しめるか?をみなさんにご覧いただきたいと思います!

(なばなの里の開園時間は21時までなのですが、桑名駅への帰りの最終連絡バスが20時頃ということで、私に許された滞在時間はわずか1時間となってしまいました笑笑)

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今年で55周年らしい

まず窓口に並び、チケットを購入します。列の前後を見るととにかく家族連れやカップルの多いこと…。まぁ家族連れはいいとしても、自分と同年代くらいのカップルがうじゃうじゃいるもんで、これは流石の私も羨望の眼差しを向けずにはいられませんでした(笑)。いやぁ私は基本的に一人旅が好きなので今回もこうして一人で旅してますが、やっぱりこういう光景を見ると彼女が欲しいなぁ…と思ってしまいます。中高一貫校で6年間男子校出身ということもあり、今まで一度も彼女ができたことがないもので…(共感してくださる方もいらっしゃるはず!)

そんな話はさておき、入園料1,600円を払って中へと入っていきます。入園料はシーズンによって異なるのですが、1,600円のうち実質的に入園料にあたるのは600円分だけで、残りの1,000円に関しては園内のレストランや各種施設で使える500円金券×2枚が渡されます。金券のシステムにすることで、園内で積極的にお金を使ってもらおうという仕組みのようです。

エントランスでは検温およびアルコール消毒が必須で、園内ではマスク着用が義務付けられています。

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アイランド富士

園内をぶらぶら歩き、何を見ようかどこへ行こうか考えながら先へと進んでいきます。連休中ということもあってか園内もかなりの人でごった返していて、なるべく前の人との間隔を取りながら園内を見て回ります。そして最初に目についたのがこちらの「アイランド富士」。園内でも数少ないアトラクションのようなもので、中央の丸い部分は人がたくさん乗れる展望台になっています。そしてそれを支える1本の大きな白い柱が角度を変えることで、展望台の高さが上がったり下がったりするという仕組みです。どんな景色が見れるのかと期待しながら、乗ってみることにしました。

ちなみにアイランド富士の体験料金は大人500円ですが、ここでは先ほど紹介した金券は使えないようなので大人しく現金で支払います。

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外向きの座席に座って上昇

中に入ると、外に向けられた座席があるのでそこに座ります。そして開始のアナウンスとともに、展望台がぐんぐん上昇していきます。

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夜のなばなの里を一望!

数分で頂上に到達し、そのまま一周回転して頂上からの眺めを楽しむことができます。眼下に広がるライトアップされた美しいなばなの里や、方角によっては長良川の夜景を一望できます!

高いところが苦手な方にとってはなかなかスリリングな乗り物かもしれませんが、なばなの里に行かれた際は是非一度乗ってみてください!

そしてアイランド富士を降り、再び園内を歩いていると、19時半になりちょうどなばなの里名物のイルミネーションがスタート!

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なばなの里イルミネーション

写真だと伝わりづらいと思うんですが、これがまた本当に美しくて! 音楽とともに動きのあるイルミネーションが、我々の目を楽しませてくれます。奥から手前にかけて流れる陸上のトラックみたいなのは(笑)、天の川をイメージしたライトアップのようです。

このイルミネーションこそ、なばなの里の代名詞でもあり、自分のように夕方から夜にかけての時間で入園する人が多い理由でもあります。じっくり見ていたいなーという思いもありましたが、この広大ななばなの里にわずか1時間しか滞在できないということや、イルミネーションが綺麗に見えるポイントはどうしても密になりやすく長時間留まることは危険と判断し、数分見てその場を離れました。

残り時間も約30分となり、続いて向かったのは「ペゴニアガーデン」。

ここは屋内の植物園で、入館料が1,000円かかります。「いやかなり値段するな」と思うかもしれませんが、どのみちここで1,000円分の金券を使えばいいだけなのでそこまで割高感はありません。

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究極のインスタ映え

中に入ると…そこは別世界かのような美しさ!! ビニールハウス内の壁面や天井に余すところなく飾られた色とりどりの花は、遠くから眺めても近くで見ても本当に美しいです。ちょうどイルミネーションの時間だったからか、ペゴニアガーデン内に人はあまり多くなく、存分に美しい花を楽しむことができました。ただ、自分が一人で真顔でこういう風に写真を撮っている横で、カップルが仲良く楽しそうにパシャパシャ写真を撮っていて、あぁ…羨ましい…と思ってしまいました。

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こちらは緑の植物が多め

部屋はいくつも用意されており、順路通りに進んでいくと一つひとつ異なった趣のハウスの中を通り抜けることができます。緑の植物が多めのハウスもまた興味深く、地面からのびる巨大な葉っぱなどとても面白かったです。

他にもいくつかハウスはあるのですが、とても紹介しきれないので是非みなさんもペゴニアガーデンに行って見てみてください!

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今度は誰か大切な人と来たい

最後に出口の手前で後ろを振り返ると、天井の草木や池の周りを囲う花々が一度に見渡せるフォトスポットがありました。実は写真には映していませんが、この池の目の前にはペアで座るイスが用意されており、やはり独り身の寂しさを感じずにはいられません(笑)。

ペゴニアガーデンを後にし、私に残された時間はあと約15分。最後に、これもなばなの里の名物「光のトンネル」を見ていきます!

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もはや現実とは思えない煌びやかな世界

これは文字通り、めいっぱいのイルミネーションで飾られたトンネルの中を歩けるというコーナーです。もうそれはそれはとにかく煌びやかで、しかもかなりトンネルが長いので先を見渡してもずーーっと輝きが続いています。ただトンネルといっても、完全にビニールやアクリル等で上部が覆われているわけではないので、空気が籠ることもなく、これだけ多くの人がいてもなかなか密な状況にはなりにくく安全です。まぁ光に見とれて人との距離感をつかめなくなる可能性はあるのでソーシャルディスタンスはしっかり気にしながら…(笑)。

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今度は一面が金色に

金色のトンネルを抜けた後は、花畑をイメージしたように一面が金色に彩られたエリアへと進みます。もうめっきり辺りも暗くなり、本当によく映えます。写真でも美しいですが、これは是非とも肉眼で見ていただきたい! 写真で見るより何倍も綺麗です。

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最後は緑のトンネル

そしてこのコーナーの最後は、緑のイルミネーションで彩られたトンネルをくぐります。正直、この時点でもう桑名駅行最終バスの発車5分前とかにも関わらずエントランスからはかなり遠い場所にいたのでじっくりと見るほどの余裕はありませんでしたが、先ほどの金色のトンネルとも違ってまた神秘的な感じがします。

こうして光のトンネルコーナーを抜け、大急ぎで出口へ向かいます。すっかり暗闇なので人にぶつからないよう注意しながら小走りで、何とか再びエントランスへとバス停の近くまで戻ってくることができました。

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エントランス付近も豪華なイルミ

来るときはまだ薄明りだったので気づきませんでしたが、エントランス付近も華やかなイルミネーションで彩られていました。本当に綺麗ですがじっくり見ている余裕はなく、バスの発車間際に何とか乗り場へと戻ってきました。

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なばなの里20:02発 三重交通 直通バス 桑名駅前行

というわけで、「『なばなの里』を、男子大学生の私が1人で、滞在時間1時間でどこまで楽しめるか?」の結果は、十分楽しめます! ただどうしても1時間という時間の制約上、数々のレストランや温泉等立ち寄れなかったスポットもたくさんあったので、その辺りはまたいつか友人や大切な人と訪れることができたらなと思います。

それでは、なばなの里20:02発の直通バスで桑名駅へと戻ります。一応時刻表上は21時台にもバスが1本あるのですが、注釈で「21時台のバスはイルミネーション期間中運休」とあったので、おそらくこの20時台のバスが最後になるかと思います。

乗車率はなばなの里に来るときのバスよりもだいぶ高かったですが、それでも余裕で座れました。帰りも直通バスなので、桑名駅までノンストップです。

やはり道が空いているのか、10分ほどで桑名駅へと戻ってきました。

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桑栄メイト

次の列車まで少し時間があったので、少しだけ駅ビル「桑栄メイト」の中を探索してみます。この「桑栄メイト」は老朽化や駅周辺の閉館1週間前でしたが、既にビル内のテナントは撤退しているところも多く、7月31日の完全閉館を待つのみといった様子でした。

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時がとまったかのようなビル内

なんでも1973年に開館したとのことで、桑名の街の発展をずっと見続けてきた街のランドマークでもあります。ビル内はとにかく年季が入っていて、約半世紀に渡り多くの人々に愛されてきた様がよく見て取れました。跡地がどのように活用されるのかなどはよくわかりませんが、駅舎自体の建て替えも含め、今後数カ月のうちに桑名駅やその周辺は大きく姿を変えそうです。

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アイス饅頭(162円)

それではいよいよ桑名20:30発の普通列車四日市へと向かいますが、その前に駅の売店「アイス饅頭」(162円)を購入。桑名の名物? かはわかりませんが、少なくとも地元では見ないので、三重県の名物だったりするのかなと思い買ってみました。

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見た目以上にでかい

袋を開けると、ナナメ下から棒が刺さったアイスがでてきました。中にはあんこが入っていて、饅頭の皮の代わりにカチカチのアイスであんこを包んでいる氷菓です。このアイスが本当に本当に固くてですね…もう全く歯ではかじれないのでペロペロするしかないという地獄のような食べ物でした(笑)。屋外で食べていてもなかなか溶けないので、アイスを長く楽しみながら食べたいという方にはオススメかもしれません。

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三重県最大の都市(?)に到着

桑名から普通列車に16分ほど乗車し、四日市には20:46に到着です。本日の行程はここまでとなります。

四日市の街の紹介はまた次回改めて行いますが、JRの四日市駅近鉄四日市駅はやや離れており、今回私が予約していたホテルは近鉄駅の近くということなので、そこまで15分ほど歩いていきます。

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ホテルリブマックス四日市駅

そして到着「ホテルリブマックス四日市駅」。時刻は既に22時を回り、早朝に「ドーミーインEXPRESS三河安城」を出てから何と約16時間が経過していました。いやぁ本当に長い2日目でしたが、何とか予定通りルートを進めることができています。夕食は既に名古屋駅で食べたので(もう4時間くらい経ってますが)、ささっとシャワーを浴びて洗濯をして、ブログ記事を編集して寝ます!

次がいよいよ最終日、3日目は四日市からゴールの新宮へと向かっていきます。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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