わたかわ 鉄道&旅行ブログ

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【乗り間違いに注意】停車駅の異なる列車を連結!? 特殊なイブニング・ウイング号に乗車

 

2024年1月29日(月)

本日やってきたのは品川駅。これから京急本線で移動していきます。

watakawa.hatenablog.com

京急といえば、記憶に新しいのは2023年11月に行われたダイヤ改正。13年間に渡り運行されてきた「エアポート急行」の呼称を取りやめ、行先・方面にかかわらず「急行」としての運行が開始されました。

そんな話題の陰で、実はもう一つ大きな変更点があったのが座席指定列車「イブニング・ウイング号」です。

平日夜に下り方面で運行されているイブニング・ウイング号は品川18時台~21時台まで計8本が設定されており、以前は全て2ドア車両2100形(8両編成)での運行でした。しかしこの度のダイヤ改正で8本のうち最後の2本にあたる「14号」と「16号」はそれぞれ単体での運行ではなく、快特列車に併結して運行される方式となったのです。

今回は品川駅を最も遅くに発車する「16号」に乗車していきます。品川駅の発車は21時19分で、通常イブニング・ウイング号が使用しているはずの3番線ではなく1番線からの発車となります。

発車標には「快特 三崎口 12両」とありますが、備考欄に小さく「後4両は座席指定Wing号です」との記載。文字通り、前8両は通常の快特として乗車券のみで利用することができ、後4両に乗車する場合のみ座席指定券(Wing Ticket)が必要ということになります。

後4両が停車する付近では、イブニング・ウイング14・16号の乗車に関する案内がなされています。「赤枠含め」の意味ですが、赤枠とは本来都営浅草線方面から直通する快特・特急に乗車する場合のみ使用できる整列位置となっています。しかしこのイブニング・ウイング号は品川始発でありながら、1番線を使用する場合は当該列車の乗客も赤枠に並んでよいとされているようです(通常品川始発・泉岳寺始発の車両は緑枠に並ぶ)。

やがて列車が入線(写真ブレブレですみません…)。前8両の快特は先に1番線へ入線済みで、後から4両がやってきてホーム上で連結作業を行います。4両ということで2100形ではなく、新1000形(L/C仕様車両)での運行です。

連結完了後、すぐにドアが開き乗車開始。入線から発車までの時間が非常に短いこともあり、乗車時にWing Ticketの確認は行われません。4両のうち後2両分のドアが全て開き、乗客は次々に車内へと入っていきます。ホーム上ではプラカードによる案内も行われ、誤乗防止に努めていました。

なお行先表示器でお分かりの通り、イブニング・ウイング14・16号は金沢文庫止まり。文庫より先ではホームの最大有効長が8両となりますので、致し方ありません。尤も、イブニング・ウイング号の降車駅として特に需要が大きいのは上大岡駅金沢文庫駅ですから、無理に三浦半島まで運行させる必要は薄いのかもしれません。

乗車すると、目の前には驚きの光景が。何とモニターに表示されている号車番号とドアに貼り付けられている号車番号が異なるのです。

今回の場合、信用すべきはドアに貼り付けられた方。というのも、Wing Ticketには1~4号車の番号が印字されており、それに合わせてドアに号車番が貼り付けられているためです。

Wing Ticketは3番線ホーム上および跨線橋上に設置された券売機から購入することができます。1番線に券売機は設置されていませんので、時間に余裕をもって品川駅に到着する必要があります。金額は2100形で運行される場合と同じ、一律300円です。

21時19分、列車は定刻通り品川駅を発車。2ドアではなく3ドアのため1両あたりの座席数は2100形よりも少ないものと思われます。しかし窓側でも一部空席があるような状態でした。

座席の形状は京急でもトップクラスに高級感がありますが、残念ながらリクライニングできるようでできません。また背面テーブル・インアームテーブル等の設備もなく、車内にWi-Fiの設備もなさそうです。強いて言うなら各席にコンセントはありますので、充電は可能です。

品川駅を発車後、放送がかかるまでに少し時間がありました。確か京急では車内放送を一部の号車のみに限定して流すことができるはずですので、まずは前8両の乗客向けに放送をしていたのでしょう。

イブニング・ウイング号の次の停車駅は上大岡です。モニター上の路線図には「京急蒲田」や「京急川崎」等の快特停車駅も含め、ずらりと通過のマークが並びます。しかし前方に快特列車を連結していますので、実際には停車してしまうのです。

イブニング・ウイング号の乗客に向けては特に何の放送もなく減速しながら、京急蒲田京急川崎等に停車。もちろん後4両はドアが開かず、ホームドアさえも開きません。

意外だったのは、ホーム上でこの増結4両の位置で並んで待っている乗客の姿が全然見当たらなかったこと。というのも、この列車の1本後(品川21時30分発の快特)は同じく12両編成で、イブニング・ウイング号を連結せず12両全ての車両に乗車券のみで乗車できます。時間差は10分ほどですので、後続列車を待つべくこの位置で並んでいる乗客もいるかと思っていましたが、そのような光景はありませんでした。いずれも三崎口行ですから、1本見送るということもなく皆さん先発の快特に乗車するのでしょう。ホーム上で誘導をするスタッフの方も見当たりませんでした(たまたま見えなかっただけで実際にはいるのかもしれません)。

そしてこれは偶然なのかデフォルトなのか不明ですが、快特停車駅発車後に何と後4両のモニターに表示される路線図が毎度毎度品川駅スタートにリセットされる仕組みとなっていました。京急蒲田京急川崎、横浜…と運転停車を繰り返すたびに、路線図上では振り出しに戻されるようです。そのため走行区間と表示の区間が一切一致せず、京急蒲田以南ではあてになりませんでした(笑)。

なお京急蒲田京急川崎・横浜の3駅において、この列車は「8両」と案内されています。あくまでもその3駅から乗車する場合に乗車可能となる車両が8両分しかないためですが、ホームでこの列車をよく観察すると12両編成であることが分かりますので、待っている人からすると少し不思議な感覚かもしれません。

神奈川県内に入ると、ドアに貼り付けられていた号車番号の紙が手作業で剥がされていきました。

21時49分、列車は上大岡駅に到着。上大岡の発車標では「12両編成の快特」として案内され、上大岡~金沢文庫駅間は後4両も乗車券のみで利用できます(行先表示器はWingのまま)。10分にも満たない区間ではありますが、コンセントのついたクロスシート車両に乗車券のみで乗車できる「乗り得区間」となっています。

 

というわけで、今回はダイヤ改正で登場した不思議なウイング号をご紹介しました。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。