わたかわ 鉄道&旅行ブログ

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【知られざる裏ルート】三陸鉄道を使わずに南三陸を移動できる方法がありました…

 

2023年8月13日(日)

本日は岩手県釜石駅へとやってきました。

これから大船渡市の「盛(さかり)」へ移動していきます。

釜石~盛といえば、まず移動手段として挙げられるのが三陸鉄道リアス線でしょう。かつて「南リアス線」と呼ばれたのがちょうどこの区間で、所要時間は約50分、運賃は1,100円です。

しかし実は、1日2往復限定で同区間バスでも移動することができるのです。

釜石駅前のロータリーに立っているポールを見ると、釜石~仙台間を結ぶ岩手県交通宮城交通の高速バスがあることが分かります。

三陸地域と仙台の間を直通で結ぶことを最大の目的として運行されているこのバスですが、実は途中の区間での乗降もできるようになっています。今回は三陸鉄道リアス線の代わりにこちらで移動してみようと思います。

乗り場で待っていると、宮城交通の高速バスが到着。釜石営業所を始発とし、小佐野駅前を経由して定刻で釜石駅前へとやってきました。ここまで車内はガラガラだったようですが、釜石駅前からは10名弱ほどの乗車がありました。

座席は2+2列で、飛沫防止のためか各座席前方にアクリル板のようなものが取り付けられています。

お盆につき大きな荷物をもった乗客が多かったこともあり、バスは2分ほど遅れて14時13分頃に釜石駅前を発車。なお乗車にあたり特に事前の予約等は必要なく、座席指定等もないため先着順で好きな座席に着席できます。

バスの運行ルートはご覧の通り。途中大部分で「三陸沿岸道路」という高速道路を経由するためシートベルトの着用は必須です。ただし高速道路とはいっても通行料は無料で、この区間を含む鳴瀬奥松島IC~八戸是川ICは日本国内最長の連続無料区間なのだそうです。

三陸沿岸道路に入る直前、釜石市内にある「上中島」バス停で若干名の乗車がありました。釜石中央ICからいよいよ三陸沿岸道路へと入ります。

途中何ヵ所かで海に近いところを走る区間もあり、車窓からはリアス式海岸のオーシャンビューを楽しむことができます。三陸沿岸道路と三陸鉄道はほぼ並走するような位置で走っていますが、道路と線路では見える高さも異なり、三陸鉄道とは違った雰囲気です。

車内にはフリーWi-Fiや充電用コンセントも完備されており、もはや新幹線や特急と変わらない設備です。Wi-Fiの通信速度も十分速く、この辺りは三陸鉄道の車両と比べると設備が行き届いていると感じます。

途中、三陸ICで一時的に三陸沿岸道路を離脱し立ち寄ったのは「道の駅さんりく」。こちらでは乗降の取り扱いは行っていませんが、運転手の休憩のため10分間ほど休憩するようです。乗客も車外に出て、お手洗いに行ったりすることができます。

お店の方では三陸沿岸の名産品が多数並んでいるようでしたが、特にじっくりと時間をかけて見ることもできず、少し惜しい気がしました。とはいえ観光バスではなく、あくまでも移動手段としての高速バスですからやむを得ません。

車内へと戻り、バスは道の駅さんりくを出発。「道の駅さんりく」自体は三陸沿岸道路上ではありませんが、三陸ICを降りてすぐのところにある上、三陸沿岸道路自体が通行料無料ですからいったん降りてまた乗り直しても特に金銭的なロスはありません。

まもなくすると、山々の間から大船渡の市街地が見えてきました。大船渡ICで降りれば、そこはもう市街地のど真ん中です。

バスはいったんサンリアショッピングセンター方面へと向かうため、三陸沿岸道路を降りて国道45号へと入りました。この地域の一般道の看板で「仙台」と表記があるのは、首都圏の幹線道路上の割とあちこちで「東京」の表記が見られるのと似ている気がします。やはり名実ともに仙台が東北地方の中心都市であると実感しました。

15時02分頃、バスはサンリアショッピングセンター前へと到着。ここが盛駅への最寄りとなりますので、ここで下車します。定刻よりも3分ほど遅れましたが、誤差のようなものでほぼ定刻での到着とみてよいでしょう。

サンリアショッピングセンター前からは長い乗車待機の列ができていましたが、もちろん降車客がまずは優先となります。

この便は宮城交通運行便ということで、Suicaをはじめとする交通系ICカードが利用可能となっていました。釜石駅前~サンリアショッピングセンター前間の運賃は800円で、乗車時と降車時の計2回カードリーダーにタッチすることで自動的に差し引かれます。現金で乗車の場合は乗車時に整理券を受け取り、降車時に運賃箱へ運賃を投入する仕組みとなります。

サンリアショッピングセンター前から盛駅までは徒歩数分の距離にありますので、無理なく乗り換えることができます。釜石駅と同様に、こちら盛駅においてもJRの駅舎と三陸鉄道の駅舎は明確に分けられているようです。

最後に、三陸鉄道および高速バスの両者の特徴について比較してみました。所要時間の面ではバスが若干優勢、また運賃面についてはバスの方が優勢ですが、運行本数面では三陸鉄道に軍配の上がる結果となりました。

皆さんも状況に合わせて、便利な方を利用してみてください!

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。