わたかわ 鉄道&旅行ブログ

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(59)未曾有の豪雨から4年…新たな道を歩み始めた日田彦山線のいま【最長片道切符の旅2021】[久留米→吉塚]

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は最長片道切符の旅34日目の後半の様子をお届けしていきます。

 

2021年9月8日(水)34日目②

九州新幹線〔さくら558号〕にて、14:41に久留米駅へと到着。本日の目的地は博多駅の一つ隣にある「吉塚」という駅ですので、ここからは鹿児島本線の列車1本で行くこともできてしまいます。しかしもちろんそんな単純なルートを進むわけがありません。久大本線日田彦山線後藤寺線筑豊本線鹿児島本線経由で向かっていきます。(は?)

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久留米駅から乗車するのは、15:14発の久大本線 日田行。真っ赤な塗装のディーゼルカー1両での運行となる普通列車です。発車時刻目前に乗り込むと車内は高校生らで大混雑を見せており、しばらく座席の確保は厳しそうな様子でした。

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列車は定刻通りに久留米駅を発車。しばらくは市街地を走りますが、次第に自然豊かな車窓へと変化していきます。

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途中の田主丸駅にはカッパの像がありました。昼でもかなりのインパクトですが、夜見ると怖さが増しそうです。駅舎もカッパのデザインをしており、そちらはデフォルメしてかなりかわいい感じになっているみたいです。

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16:06に夜明駅へと到着。列車の終点である日田駅の2つ手前の駅ですが、ここで乗り換えのため下車します。駅名は「夜明」ですが夕方に到着しました(どうでもいい)。

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夜明駅から乗車するのは日田彦山線。2017年に発生した九州北部豪雨の影響で現在も夜明~添田駅間が不通となっており、この区間はバスによる代行輸送が行われています。バス乗り場は夜明駅を出て駅前の国道まで下りた場所にありました。

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夜明16:43発の日田彦山線代行バス 添田行がやってきましたのでこちらに乗車していきます。コミュニティバスのような車両ですが、前面にはしっかり「JR代行バス」とプリントされているあたりにこの代行バスが恒久化されつつある様子が見て取れます。

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代行バスは定刻通りに夜明駅を発車。すぐに久大本線の線路とは分かれ、国道211号線へと入ります。車内はさほど混雑している様子もなく、また先日の飯田線山陰本線代行バス等とは異なり運転手さん以外に誘導や案内をする係員さんは乗車されていませんでした。

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代行バスは初めのうちは鉄道の線路に沿って北上していきますが、途中の筑前岩屋~彦山駅間では鉄道だと長いトンネルに入る区間になります。ここでは線路と並行する道路がないため(厳密には道路はあるがバスが通れるような道ではないため)、代行バスは手前の大行司駅付近で線路と分かれ西側へ迂回します。こうすると途中の筑前岩屋駅を経由しないことになるため、日田~添田駅間を結ぶ代行バスとは別に日田~筑前岩屋駅間で別系統の代行バスが設定されています。筑前岩屋駅より北側へ抜ける道路がないためこの別系統のバスは筑前岩屋駅で折り返しとなりますが、辛うじて何とか途中全駅への足が確保されているような状態です。

そして豪雨災害から3年が経過した2020年7月、不通区間についてBRTでの復旧を目指すことが正式に決定しました。夜明~添田駅間のうち、宝珠山彦山駅間については線路を舗装しBRTの専用道として整備し、その他の区間は一般道を走る計画となっています。

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車内には地元の方らしき人と鉄道ファンが計数名程度乗車していましたが、地元の方らしき人は途中の大行司までで全員降りていかれました。代行バスのうち、夜明~宝珠山駅間では路線バス並みの短い間隔で停車する系統も1日3往復設定されており、既にニーズに即した代行バスの運行が地域で根付いている印象を受けました。

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大行司~彦山駅間では先ほども述べた通り、代行バスの運行ルートが線路から大きく離れます。この区間では途中に「宝珠山庁舎前」と「小石原庁舎前」という2つのバス停が設置されており、私が乗車した代行バスもこの2ヵ所に停車しました。まだ日田彦山線自体が正式に鉄道事業を廃止したわけではありませんが、鉄道線として営業していた頃よりもこまめに停車するようになっているという意味では、専用道がないだけで既にBRTに近い運行体系が取られているとも言える気がします。

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山を迂回した後、彦山駅より代行バスは再び線路に沿って走っていきます。彦山駅では線路が既に剥がされ、ホームであったと思われる石造りの構造物のみが辛うじて残されていました。数年後には東北地方太平洋沿岸部のように、ここにも専用道が完成しBRT車両が走っているのでしょう。

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歓遊舎ひこさん駅」はその名の通り「道の駅歓遊舎ひこさん」へのアクセス駅として2008年に開業しましたが、わずか9年後には鉄道の運行がなくなってしまった何とも残念な駅です。代行バスは道の駅の駐車場内へと入り建物のすぐ目の前に乗り付けますので、これでも特に不便はなさそうです。

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1時間ほど乗車し、17:48に終点の添田駅へと到着。代行バス区間はここまでとなり、この先は列車へと乗り換えます。

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添田駅は謎めいた構造をしており、駅舎をくぐった後すぐ目の前にホームがあるかと思いきや上の画像のように舗装された長い道が続いており、ホームまでは数分かかります。もしかするとかつてはもっと駅が広大だったところを、規模を縮小した結果こうなったのかもしれません。知らんけど。

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というわけで添田17:48発の日田彦山線 小倉行へと乗車します。日田彦山線小倉駅に乗り入れているというイメージはあまりなかったのですが、それもそのはずで途中の城野より先は日豊本線に乗り入れているようです。

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列車は定刻通りに添田駅を発車。2両編成のディーゼルカーはあまりにも輸送力過剰で、終始車内はガラガラでした。まぁしかしその分気兼ねなく鉄道の旅を楽しめるのでこれはこれで悪くないかもしれません。

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車内では、先ほど熊本にて有酸素運動家さんからいただいたからし蓮根チップ(「日本の食」138品目)をおやつにいただきました。熊本の名物「からし蓮根」を薄くカットしスナック菓子にしたもので、ツーンとくる辛さの後に程よい塩気が味わえます。からしは普段あまり食べないのですが、とても美味しかったです!

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列車は18:12に田川後藤寺へと到着。このまま乗車していくと城野で日豊本線に合流してしまい、2日前の経路と重複してしまうため乗り換えます。

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田川後藤寺駅には日田彦山線のほかに後藤寺線平成筑豊鉄道が乗り入れています。この辺りの福岡県北部の路線網はなかなか複雑なので首都圏民の私は理解が追いつかない部分でもあるのですが、とりあえず乗り間違いと乗り遅れだけはしないように気をつけながら田川後藤寺18:16発の後藤寺線 新飯塚へと乗り換えます。

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後藤寺線はそれほど長い路線ではありませんが、沿線には工場がそびえており何とも異様な雰囲気です。かつては石炭や石灰石を運ぶ貨物線として大きな役割を果たした路線でした。

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20分ほど乗車し、18:37に終点の新飯塚駅へと到着。新飯塚からは18:44発の福北ゆたか線 快速 直方行へと乗り換えます。慣れない土地での乗り換えラッシュはかなり体に堪えるものがあり、個人的には首都圏の細かな乗り換えよりもしんどかったです。

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18:59に終点の直方駅へと到着。ここはまだ福北ゆたか線の途中駅にすぎませんので、引き続き折尾方面へと向かうべく乗り換えます。

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直方19:05発の福北ゆたか線 折尾行は2両編成のワンマン列車。新飯塚から直方まで乗車した列車が6両編成だったことを考えると一気に短くなりました。辺りはすっかり真っ暗ですが、まだまだルートを進めていきます。

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終点の折尾駅には19:25の到着。ここで19:31発の鹿児島本線 快速 大牟田行へと乗り換えです。もはや疲れ切っており車両の写真を撮ることも忘れ、複雑な構造をした折尾駅で何とか乗り換えを間に合わせるので精一杯でした(笑)。

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20:18に吉塚駅へと到着。九州最大のターミナル駅はこのすぐ一つ先ですが、最長片道切符のルート上ではこれまたかなりの遠回りとなるため、34日目はここで終了となります。

最後の部分ではまいらむさん@Mailum_BMR900)とKi-hatenaさん@kihatena200)に凸していただきました! 平日夜のお忙しい時間にも関わらず本当にありがとうございました。

吉塚駅から歩いてすぐのところに、福岡市地下鉄貝塚線の「馬出九大病院前」という駅があり、ここから地下鉄で今夜の宿がある中洲川端へと移動していきます。最長片道切符の旅ゴール前最後となる宿は「WeBase博多」。駅からすぐのところにあるおしゃれなホステルで、1泊宿泊税込みで1,200円のところじゃらんクーポンを適用したったの200円で泊まることができました。確か初回宿泊者限定の超お得なプランだったと思います。

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宿でほっと一息つくことができたので、ここで各地のご当地グルメを一気にご紹介していきます。上から順に陣太鼓(「日本の食」139品目)、ネジチョコ(同140品目)、かしわめし(同141品目)です。

陣太鼓は熊本の銘菓で、求肥をあずきで包んだ円形のお菓子です。フィルムに包まれていますので、付属の紙ナイフでフィルムごとざっくりカットしていただきます。有酸素運動家さんとKi-hatenaさんからいただきました、ありがとうございます!

ネジチョコは「鉄の街」として知られる北九州のお土産で、ボルトとナットの形をしたチョコレートが一対になって入っています。とても精巧につくられているので実際のネジと同様に締めたり緩めたりすることもでき、こんなところからも技術力の高さ(?)を垣間見ることができます。こちらは博多の内通者さんからいただきました。ありがとうございます!

ちなみにこのネジチョコ、実は2019年に西園寺さんが最長片道切符の旅をされた際にも同じく博多の内通者さんが道中で差し入れをされており、その際は中にチョコレートではなく茹でたブロッコリーが入っているというドッキリをされていたシーンを覚えている方も多いと思います。今回もしや…と思いましたが、ちゃんとチョコレートが入っていたので安心しました(笑)。

そしてもう一つ、博多の内通者さんには事前にお願いして折尾の名物駅弁であるかしわめしを調達していただきました。福岡を通る際には是非食べておきたいと思っていたのですが、折尾駅の到着が19時を過ぎるため自分では調達できる見込みが低かったためTwitterで募集したところ、久留米まで運んできてくださいました。おかげでゴール前夜の今日も夕食難民にならずに済みました。本当にありがとうございます!!

 

こんな感じで34日目は無事終了。

半ば強引に新幹線を使ったりしましたが、都城から吉塚まで1日でかなりの距離を移動してくることができました。

明日はいよいよ最終日、35日目となります。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。