わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

[#1]北の大地からいよいよスタート! まずは札幌を回避せよ【政令指定都市を通らずに日本縦断】

 

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2023年4月30日(日)

さて、空路でスタート地点の旭川駅へとやってまいりました。これから100時間に渡る激闘が始まります。

ルールにもある通り、旭川をスタート地点に選んだ理由は「政令指定都市を除いた北海道内における最大人口都市」だからです。その人口は約32.2万人で、1位の札幌市の6分の1ほどしかありません。とはいえ他県でいうと郡山市高知市と同水準ですので、決して小さい都市ではないことがお分かりいただけるかと思います。

記念すべきこの企画1本目の列車は、旭川15時00分発の特急〔カムイ30号〕札幌行。当然ながら政令指定都市である札幌市には入れないため、終点まで乗り通した時点でアウトとなります。手前の駅で降りなければなりません。

ちなみに今回の企画の制限時間である「100時間」には、実は理由があります。

4月30日15時から数えてちょうど100時間後は、5月4日19時

これはちょうど、鹿児島中央駅から鹿児島空港へと向かう空港リムジンバスの最終便発車時刻なのです。

前もって鹿児島からの帰京手段は予約してあり、これが鹿児島空港から羽田空港へと向かう最終のフライトのため、何としてもこの鹿児島中央駅19時発のバスまでには間に合わなければいけません。

もし企画失敗・中止等で19時までに鹿児島中央駅へ到達できなかった場合、このフライトに間に合わせることはほぼ不可能となります。すなわち高額の取消料が発生し、またこれとは別に鹿児島の宿を新たに押さえなければならなくなります。最繁忙期ですから市内のホテルはどこも満室でしょう。最悪野宿なんてことも…そんなことは絶対にしたくありません。

なので何としても「100時間以内のゴール」を目指す必要があります。呑気に観光などしている暇はないので、残念ですが旭山動物園のかわいいペンギンやホッキョクグマの観察は駅構内の記念撮影パネルで我慢することにします。

特急〔カムイ〕に使用される789系は5両編成で、銀色の車体に3色の帯が入ったスタイリッシュなフォルムが特徴的です。気動車特急の多い北海道ですが、札幌~旭川駅間は全て電化されているので、電車特急の運行が可能というわけです。

〔カムイ〕は自由席を主体として運行される列車で、4号車のみが指定席(uシート)となっています。カッコいい名前がついていますがグリーン車などではなく、あくまでも普通車指定席です。今回はこの車両に乗車していきます。

座席は2+2列の配列で、この点は自由席と特に変わりません。ただしヘッドレストが可動式になっています。

背面テーブルがある点は指定席でも自由席でも同じですが、指定席の場合は各座席にコンセントが完備されています。これはとてもありがたいことです。

列車は定刻通り15時00分に旭川駅を発車。市街を横目に、いよいよ100時間に渡る戦いの幕開けです。

指定席は通路側も含めほぼ満席で、外国人観光客らしき方の姿も多くありました。もちろん途中駅にも観光地がないわけではありませんが、おそらく大半の乗客が旭川から札幌まで全区間を乗り通すことでしょう。

旭川の次の近文を通過してしばらくはトンネルが続きますが、それを抜けると開けた土地へと出てきます。旭川は雨模様でしたがこちらは晴れ間も見えており、遠くの山々もよく見えます。

最初の途中停車駅である深川駅からは、留萌本線がのびています。かつては日本海側の増毛駅まで続いていましたが、2016年と2023年の2回に渡って段階的に末端区間が廃止され、現在は石狩沼田駅までの路線となっています。残る深川~石狩沼田駅間も2026年の廃止が予定されており、路線そのものがなくなる日もそう遠くありません。

滝川駅の手前では、車窓右手に山々を望むことができました。どれがどの山…と特定するのは難しいですが、浦臼町やその周辺にそびえる山々でしょう。

滝川駅からは、富良野新得・帯広・釧路・根室方面へと続く北海道第2の幹線である根室本線がのびています。しかし途中の東鹿越~新得駅間は2016年の台風により被災し、現在もバスによる代行輸送が続けられています。この代行輸送区間を含む富良野新得駅間は2024年春に正式に廃止される予定となっています。

1時間ほど乗車し、15時59分に岩見沢へと到着。ここで列車を降ります。

岩見沢を出ると、次の停車駅は終点の札幌。すなわちここで降りないことには、早くも企画失敗となってしまうのです。

岩見沢駅で下車するのは、2021年夏の最長片道切符の旅以来約2年ぶり。あの日はとても暑かったですが、今日は薄曇りということもあって涼しく過ごしやすい気候です。

駅前すぐのところには、名物「天狗まんじゅう」のお店があります。最長片道切符の際に立ち寄ってとても美味しかったので今回も…と思ったのですが、あいにく日曜日はお休みでした。

駅に戻ってまいりまして、

それがこちら、室蘭本線です。

室蘭本線岩見沢から苫小牧・登別・東室蘭を通り室蘭・長万部までを結ぶ路線で、これほど長大な路線でありながら札幌市内を1秒たりとも通りません。地図で見てみるとうまい具合に札幌市の南側へ迂回していることが分かります。

というわけで、乗車するのは岩見沢16時37分発の室蘭本線 苫小牧行です。「本線」とはつくものの、特に岩見沢苫小牧駅間は非常に本数が少なく、この16時37分発を逃すと次は約3時間後まで列車がありません

今回乗車する列車にはキハ150が使用されていますが、ちょうど今度の5月20日より新型車両「737系」が導入される予定になっています。

車体の側面を見てみますと、塗装がバリバリに割れていたり薄汚れていたり…とかなり限界に近いことが分かります。特に冬の寒さの厳しい北海道ですから、傷むのも早いのかもしれません。

16時37分、列車は定刻通りに岩見沢駅を発車。先ほどの特急〔カムイ30号〕の車内とはうってかわって、こちらは観光客らしき人の姿もほとんど見えず、地元の方ばかりという感じです。

程なくして函館本線と分かれ、単線の線路へと進んでいきます。保線の知識は皆無なので素人意見に過ぎないのですが、決して走りやすそうとは言い難い線形をしている気がします。

途中「栗沢」→「栗丘」→「栗山」と、栗のつく駅名が3駅連続している区間があります。この3駅の中で最も発展しているのが「栗山」で、最近では同じ苗字の縁から北海道日本ハムファイターズ・栗山監督の自宅があることでも話題になりました。

しばらくすると、前方にはまるで近鉄大和西大寺駅を彷彿とさせる数多のポイントが見えてきました。追分駅へと到着です。

追分駅は室蘭本線と石勝線が交差するターミナル駅で、ご覧の通り4方向へ線路がのびています。室蘭本線普通列車のみの運行ですが、石勝線の方では札幌~帯広・釧路駅間を結ぶ特急〔おおぞら〕〔とかち〕も運行されています(追分駅は一部通過)。

「追分」という駅名は「分かれ道」を意味する和語から来ており、北海道以外にも全国各地で採用されています。この北海道の追分駅は1892年に開業し、当時は夕張の炭鉱へとつながる支線がここから分岐していたことがその命名の由来とされています。

そこから約100年が経過した1981年に石勝線が開業し、札幌方面へ直通できる線形となりました。夕張へと続く線路(石勝線夕張支線)は残念ながら2018年をもって廃止されましたが、室蘭本線と石勝線の交差する駅として今もなお「分かれ道」の役割を果たしています。ただし各方面とも列車本数は少なく、乗り換える際は注意が必要です。

各駅で降車があり、次第に車内はガラガラに。本数が少なくてもこれほどの空き具合ですから、なかなか現状以上の本数増は難しいところでしょう。

千歳線と合流し、列車はまもなく沼ノ端駅へ。あちらは高頻度で特急も運行され、札幌方面からの普通列車も多数運行される主要路線です。

18時05分、列車は終点の苫小牧駅へと到着。夕方になりまして、より一層肌寒くなってきました。

このあとは北海道脱出を目指し移動を続けていきますが、今回はここまで。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。