わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

[#2]陸路より便利? シルバーフェリーで北海道脱出へ【政令指定都市を通らずに日本縦断】

 

▼前回の記事はこちら

watakawa.hatenablog.com

 

▼ルールはこちら

 

2023年4月30日(日)

残り 96時間55分

室蘭本線を用いて華麗に札幌市を回避し、苫小牧駅には18時05分に到着。

さてここからは、本州方面を目指しさらに移動を続けていきます。

「本州方面」というと、鉄道ファンであればすぐに思いつくのは「特急〔北斗〕で南下し、新函館北斗で新幹線に乗り継ぐ」というもの。幸いまだこの時間からも苫小牧を発車する特急北斗はあるそうで、これが苫小牧19時34分発の特急〔北斗22号〕函館行となります。

しかしこの特急〔北斗22号〕が新函館北斗に到着するのは22時14分。一方で新函館北斗を発車する新幹線の最終列車は21時57分発(はやて100号新青森行)だそうで、残念ながら当日中に陸路のみで北海道脱出をすることはできません。また、大型連休中につき、一大観光地である函館のホテルはどこも価格高騰が激しく、なかなかお財布の紐は緩みません。

また、特急〔北斗22号〕の終点函館まで乗車し、そこから津軽海峡フェリー青函フェリーの深夜便を利用して青森市内へ一晩かけてアクセスすることも考えましたが、睡眠時間を十分に取れず体力的な不安が大きい上に、深夜便は市街地と港のアクセスが悪く、「理論上可能ではあるもののあくまでも最終手段」といった感じがします。

そこで思いついたのが「シルバーフェリー」。鉄道だと内浦湾や陸奥湾を大きく迂回して移動しなければならない苫小牧~八戸間をほぼ直線的に結び、その所要時間は7~8時間程度となっています。

苫小牧からの夜行便は21時15分発と23時59分発の2本の便があり、21時15分発の便までもまだ3時間ほどありますので、余裕をもってこれに乗船することができそうです。

ちなみにシルバーフェリーの航路距離は片道242.0kmとなっており、今企画のルールである「片道300km以上のフェリーは利用禁止」にも引っ掛かりません。

フェリーの出航時刻まではまだ時間があるので、苫小牧駅周辺で夕食を取ることにします。

駅周辺を歩いていると、何やらよさげな居酒屋さんを発見。

さっそく入店し、一人で晩酌といきましょう!

お酒はいろいろあり悩みましたが、甘いお酒が好みなので「夕張メロンサワー」を注文。お通しは煮干しの佃煮だったかと思います。煮干しの塩気とネギのシャキシャキ感がたまりません!

こちらのお店は海鮮メニューを中心に北海道の食材をふんだんに使ったメニューが豊富でとても悩みましたが、「ジンギスカン丼」に惹かれ思わず注文。

丼ぶりご飯の上に羊肉と野菜がたっぷりのっており、とんでもないボリュームです! 羊肉は今まであまり食べる機会がありませんでしたが、臭みもなくてやわらかく、野菜やご飯とよく合います。一人で入店したのであまりあれこれと注文して食べることができなかったのが残念ですが、また複数人で北海道に来ることがあれば是非利用したいと思います。

お店を出た後、目の前には北海道を代表するコンビニチェーン「セイコーマート」が。思わず吸い込まれ、食後のデザートに「北海道メロンモナカ」を買って食べました。

ゴールデンウィークのこの時間帯、苫小牧の街中はかなり冷え込み、気温は10℃ほど。アイスを食べるのにはかなりの覚悟がいりましたが、美味しくいただきました。

watakawa.hatenablog.com

ではそろそろ、北海道脱出に向けて移動を再開していきたいと思います!

苫小牧駅からシルバーフェリーの港までは連絡バスが出ておりますので、これに乗り込みます。道南バスが運行する、苫小牧駅前20時10分発のフェリーターミナル行です。

バスは私を含め、乗客4名ほどをのせて駅前を発車。途中こまめにバス停がありますが、途中での乗降は一切ありません。

ちなみに苫小牧には「苫小牧西港」と「苫小牧東港」の2種類のフェリーターミナルがありますが、今回利用するのは「苫小牧西港」の方です。西港の方が駅からも近く、発着航路数が多くなっています。

20時27分に苫小牧西港フェリーターミナルへと到着。建物の上部に取り付けられたネオンサインが光り輝いています。

ターミナルの中へと入り、乗船手続きへ。今回は前もって予約をしていた「2等寝台A」という設備を利用します。公式HPからの予約にて、お値段は7,560円。この時期のまともなビジネスホテルと同程度の価格水準かと思いますが、この価格で宿泊だけでなく移動もできてしまうと考えればかなりお得です!

フェリーターミナル内に設置された”発車標”で、乗船口を確認します。改めて、今回乗船するのは3番ゲートから出航する、苫小牧西港21時15分発のシルバーフェリー 八戸港

苫小牧西港には1~3までゲートがあり、曜日や時間帯によってはこの”発車標”3行それぞれが異なる行先で埋まる場合もあるそうです。八戸行の「シルバーフェリー」以外にも、茨城県の大洗へと向かう「商船三井フェリー」や仙台・名古屋へと向かう「太平洋フェリー」があり、様々な行先がずらりと並ぶその様はまさに駅の発車標のようです。

ボーディングブリッジを歩き、いよいよ乗船していきます。

今回利用するのは「シルバープリンセス」という船。2012年に就航し、苫小牧を21時15分に出航して八戸には翌朝4時45分に到着します。逆方向(本州→北海道)は昼行便として運用されており、八戸を8時45分に出航して苫小牧には当日16時00分に到着するそうです。

いざ自分の部屋へ。

フェリーターミナルで受け取ったカードキーを差し込み中へ入ると…!

そこには寝具の揃ったベッドと、簡単なデスクが。一晩過ごすには十分すぎる設備です。

広さでいうと、サンライズのA寝台(シングルデラックス)くらいでしょうか。あちらには乗ったことがないのでわかりませんが…。

船内にレストランはないものの、飲料や冷凍食品の自動販売機が充実しています。パンやカップ麺もあり、自販機の近くには電子レンジやお湯がありますので簡単な調理ができるようになっています。紙皿や紙コップもありますので、心配はいりません。

船内各所にはラウンジスペースもあります。新型コロナ対策としてこれらのスペースでの飲酒が禁止されているそうです。

そして定刻となり、21時15分にいよいよ苫小牧西港を出港!!

港の無数の明かりがだんだんと遠ざかっていきます。

旭川駅をスタートしてから約6時間での北海道脱出。なかなか順調なのではないでしょうか。

ご飯は先ほどジンギスカン丼を食べて十分すぎるくらいお腹いっぱいなので、あとはお風呂に入りたいと思います。

シルバープリンセスの船内には大浴場がついており、苫小牧発の夜行便では20時00分~22時30分と4時15分~4時45分の間でのみ利用できます。

私が大浴場を利用したのは21時30分頃だったのですが、とにかく印象的だったのは湯舟のお湯が左右にジャブジャブと大波を立てていたこと。苫小牧西港は港を出ると湾のような構造もなく、すぐに太平洋の大海原へと出ますので早くも船の揺れが大きくなります。浸かれないというわけではないのですが、少し落ち着きのないバスタイムになりますので、ゆっくり入りたいという場合は出港前に入っておくのがよいでしょう。

ちなみに大浴場内にシャンプーやボディーソープは備え付けられていますが、タオル類は自分で用意しなければなりませんので注意しましょう。

お風呂から上がった後は、明日の朝も早いのですぐに寝ることにします。寝具自体はしっかりとしていますのでそこは大丈夫なのですが、いかんせん太平洋を航行しておりますので揺れが大きいです。これは波の状態が日によって異なると思いますので他の日と比べてどうなのかは分かりませんが、私は数時間に1回程度揺れで目が覚めてしまうような感じではありました。

 

2023年5月1日(月)

残り 87時間10分

何度か寝ては起きては…を繰り返しつつ、3時50分頃に起床。部屋の明かりをつければ意外にこの時間帯でも体は動くものです。

せっかくなので朝風呂へ。既に船は八戸港着岸目前のようで、だいぶ湯舟のお湯も穏やかになっていました。

そして4時45分…八戸港へ到着。開始から13時間45分にして、本州上陸です!

まだ朝5時前ですが、八戸の街は既にかなり明るいです。この日の八戸の日の出時刻は4時33分頃だったそうなので、ちょうど太陽が昇り1日のスタートを迎えたタイミングといったところでしょうか。

八戸港フェリーターミナルも苫小牧と同様に駅からは離れています。八戸の場合は新幹線等も乗り入れる八戸駅だけでなく、より街の中心に近い「本八戸」という駅もありますが、いずれにしてもフェリーターミナルから歩ける距離ではありません。

なのでバスで移動しよう…とするわけですが、何と不思議なことにバスの発車時刻は5時40分

フェリーターミナル内で小一時間待つことになります。

八戸港フェリーターミナル内にはWi-Fiもありますので、待っている間にその日のスケジュールを組んだりすることができます。ただ見たところ電源はなさそうだったのと、朝早すぎるため食堂や売店の営業はありませんので注意してください。自動販売機はあります。

5時半過ぎ、ようやくバスが到着。「南部バス」による運行で、いよいよ本州へやってきたことを実感します。

定刻通り、5時40分に八戸港フェリーターミナルを出発。車内の乗客は5~6名程度でしょうか。

バスはまず本八戸駅までノンストップで走ります。本八戸駅はJR八戸線の駅で、駅名からも分かる通り八戸の街の中心部に位置します。

ここでは数名の方が降りていかれました。バスが5時55分に着くので、6時13分発の列車に乗り継ぐことで6時23分に八戸駅へと到着することができます。

本八戸駅を出ると、バスは市内のバス停でこまめに停車。八戸駅へと向かう朝一番の通勤通学客をのせて走ります。朝早い時間ですが、地元の方の利用もかなり多くて驚きました。

6時20分、八戸駅に到着!

いよいよここからはまた慣れた鉄道での移動ができそうです。

続きは次回お届けいたします。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。