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2023年5月3日(水)
残り 25時間30分
特急〔しおかぜ15号〕にて、17時30分頃に愛媛県の松山駅へと到着。無事にチェックポイント6ヵ所目クリアとなりました。
松山市の人口は約50.6万人で、四国島内で唯一の50万都市かつ四国最大人口都市となっています。JR松山駅は街のはずれにあり、伊予鉄道の「松山市駅」が実質的な中心駅となっています。
さて、残り時間は25時間ほどとなり、いよいよ旅も大詰めです。残るチェックポイントはずばり、最終ゴール地点である鹿児島市のみ。しかしこの先まだ様々な政令指定都市が行く手を阻みます。
残り時間の短さを鑑みると、可能であればいったん本州へ戻り、新幹線で博多・鹿児島中央方面へ向かいたいところ。しかし山陽地方へ目を向けてみますと、松山の目の前には人口約119.1万人を誇る広島市があります。松山~広島間は航路も設定されておりますが、残念ながらすぐに四国を脱出するわけにはいきません。
また、仮に何らかの手段で広島市を回避しつつ本州へ再上陸することができたとしても、その先本州から九州へと上陸する際に人口約92.4万人の北九州市が行く手を阻みます。本州~九州の重要な結節点となっている関門海峡は新幹線・在来線・高速道路・国道といった各種交通機関が豊富ですが、いずれの手段でも確実に北九州市へと足を踏み入れることになるため、今回の旅では関門海峡の利用そのものを阻止しなければなりません。「県庁所在地回避」とはまた違った大変さがあります。
すなわち、今回は本州へと戻ることなく、四国から直接九州へ渡る方向で旅を進めていきたいと思います。旭川のスタートから既に70時間以上が経過し疲労も蓄積してきているところですが、うまく乗り継ぐことができればしっかりと制限時間内にゴールすることができるはずです。
JR松山駅に戻ってまいりまして、乗車するのは松山18時43分発の特急〔宇和海25号〕宇和島行。約1時間間隔での運行となっており、〔しおかぜ〕と接続して運行されておりますので1本早いものでも乗れたかもしれませんが、松山駅下車のミッションを果たすべく余裕をもってこちらに乗車します。
先にこのホームへ入線してきたのは、定刻18時26分到着の松山止〔しおかぜ17号〕。混雑等によるダイヤの乱れがあり、11分遅れで18時37分頃に入線してきました。折り返し定刻松山18時39分発の〔しおかぜ・いしづち30号〕となる予定ですが、車内清掃等が必要ですから定刻での発車はほぼ不可能でしょう。
かたや宇和島方に目を向けますと、定刻松山18時34分到着の松山止〔宇和海24号〕がようやく入線。元々松山駅での折り返し時間が短めに設定されている〔宇和海〕ですが、本日は6分遅れて18時40分頃の入線となりました。
1番線のホーム上で多数の乗客が待ち構える中、慣れた手つきの作業によってものの2~3分ほどで車内清掃は完了。もっとも、わずか3両編成の列車ですからさほど時間のかかるものではないのかもしれません。
無事に乗り込み、列車は定刻よりも3分ほど遅れて18時46分頃に松山駅を発車。1・2号車が自由席、3号車が指定席となっており、今回は自由席を利用します。使用車両は「2000系」で、デビューから既に30年以上が経過しており内装の古めかしさは否めません。
せっかくなので、松山駅で購入した名産品でほっと一息つきたいと思います。私が愛媛に来たら必ず食べるのは「一六タルト」で、タルトという名称ながらロールケーキのような見た目をしているのが特徴です。また「坊っちゃん団子」も有名で、どちらもばら売りをしているので一人旅をすることが多い私にとっては大変有難い限りです。さらに「温州みかんちゅうちゅうゼリー」はぷるぷるの食感を味わいつつ温州みかんの甘みを存分に味わうことができ、とってもおすすめです!!
伊予市を出ると、線路が二手に分かれます。〔宇和海〕は全て内子経由で運行されており、伊予長浜を通る海側のルートと比べて線形がよく走りやすいのが特徴です。
19時37分頃、列車は八幡浜駅へと到着。ここで降りることにします。
定刻よりも1分ほど遅れましたが、松山駅を出る時点での遅延を少しばかり回復できたようです。
私と同じく列車を降りる人は相当数おりましたが、様子を見ているとその多くは地元の方のようです。大型連休なので帰省の方もいらっしゃるかもしれません。駅からはみなさんそれぞれ迎えの車などへ乗り込み、列車の到着後ものの数分で駅前は再び静かになりました。
時刻は20時前、そろそろ本日の宿へ…といきたいところですが、実はまだまだ移動が続きます。
駅前を離れて歩くこと数分、やってきたのは「伊予鉄南予バス八幡浜営業所」。「八幡浜駅前」という名称の停留所があり、ここからバスに乗り換えます。ちょうど20時にここを出発する名古屋行の夜行バスがあるようでお客さんがそこそこ集まっていましたが、私はもちろんそれに乗るわけではありません。
さて、私の乗るバスがやってきました。八幡浜駅前19時42分発の伊予鉄バス 三崎特急線 三崎港口行です。高速バスのような見た目をしていますが、これでも路線バスです。
バスは6分ほど遅れ、19時48分頃に駅前を出発。座席の配置なども完全に高速バスですが、頭上には降車ボタンがあり、前面には運賃表もあります。
19時53分頃、バスは八幡浜港へと到着。新しく綺麗なフェリーターミナルです。
さて、これから乗船するのは八幡浜港20時30分発の宇和島運輸フェリー 別府国際観光港行です。八幡浜~別府間では1日6便が就航しており、所要時間は2時間50分ほどとなっています。
豊後水道を挟んで四国~九州間を結ぶフェリーは大きく分けて3種類の航路があり、「八幡浜~別府」のほかにも「八幡浜~臼杵」「三崎~佐賀関」があります。「八幡浜~臼杵」は宇和島運輸フェリー・九四オレンジフェリーの2社が就航しており、「三崎~佐賀関」は国道九四フェリーにより運航されています。最も距離が短いのは「三崎~佐賀関」で航行時間はわずか1時間ちょっとですが、今回はこの3航路の中で最も大きい街どうしを結ぶ「八幡浜~別府」を利用することにしました。
窓口にて2等乗船券を購入。お値段は1人片道4,100円です。座席の指定等は特になく、また徒歩乗船客のみの場合はインターネット等からの事前予約も不要のようです。
いよいよ乗船開始。「あかつき丸」という船で、いよいよ四国を離れます。
考えてみれば本日朝はまだ姫路にいたわけで、この日だけでも船に乗るのは3回目ということになります。
2等船室の乗客が過ごすことになるのは、基本的にこのスペース。カーペット敷で一部にはコンセントもあり、3時間弱を過ごすには特に困らない空間です。
船室内の2階と3階を結ぶ階段は高級感があり、ほんの3時間程度しか利用しないにしてはかなり豪華にも思えます。「イオンかと思った」という声が聞こえてきそうです。
そして20時30分、定刻通りに八幡浜港を出港。高松港への上陸からわずか6時間半ですが、これにて四国本土を後にします。タイムリミットまであと22時間30分となりました。
船内には売店もありますが、何と20時40分までしか営業していないのだそうです。取扱商品はお土産物が中心で、利用予定の方は乗船後すぐに向かうようにしましょう(出港前が賢明です)。
船内には食堂もあると聞き楽しみにしていたのですが、何と八幡浜20時30分発の便では一切営業していないようです…。日中の便であれば営業しているそうなので、また改めて機会があれば利用してみたいと思います。
売店の向かいには自販機コーナーがあり、飲料のほかアイスやカップヌードルを購入することができます。この時間帯の便における食料調達に関してはこれらの自販機のみが命綱となります。
夕食がまだだったので、カップヌードルを購入。お値段は310円で、陸地で買うのと比べるとやはり割高です。船内ではたっぷりと時間があるのでもっとちゃんとした夕食を前もって準備していてもよかったのかもしれませんが、こういう船の中で食べるカップ麺がまた美味しかったりするんですよね。
航行中は電波があまり入らないので、電子機器からは距離を置いてのんびりと過ごすほかありません。とはいっても太平洋へ繰り出すような航路ではないので、特段酔うような大きな揺れもなく快適です。
外も真っ暗なので、あまり景色は楽しめません。…が、進行方向に目を向けますとだんだんと街が近づいてくるのを感じます。いよいよ九州、別府の街が見えてきました!
23時13分頃、別府国際観光港に到着。定刻よりも7分ほど早く着岸しましたが、下船準備等をしてなんやかんや時間がかかるので、ターミナルの外に出てきてちょうど20分頃となりました。
残り19時間40分、いよいよ九州内の移動のはじまりです!
港から別府駅方面へは、日中であれば路線バスが運行されています。しかしこんな夜遅くに運行されているはずもなく、宿まで約3kmの道のりをひたすら歩くことに。国道10号に沿っていけば迷うことなく別府市街地へ入っていくことができ、街の明かりも多いためそれほど心配はいりません。
本日の宿は「カプセルホテルグロリア」。別府駅近くにあり、じゃらんのクーポンを利用して1泊たったの2,160円で泊まることができました。大型連休中にしては破格です。
決して新しい施設ではありませんが、館内には温泉も完備しており、短い時間ながら別府らしさを感じることができました。ただ疲労困憊ということもあり、宿の画像が1枚もないことをどうかお許しください…(笑)。
次回は、いよいよ鹿児島へ向けラストスパートです!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。