わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

[#11]787系で東九州縦断。ついにゴールへ…【政令指定都市を通らずに日本縦断】

 

▼前回の記事はこちら

watakawa.hatenablog.com

 

▼ルールはこちら

 

2023年5月4日(木)

残り 7時間28分

この旅最終日の朝は、大分県別府からスタート。夜遅くに宇和島運輸フェリーで九州上陸を果たし、短い時間ながらも宿で本格的な別府の温泉に浸かることができました。

「制限時間100時間」という中でやってきたこの企画ですが、気づけば残りはあと約7時間ほど。本日19時までに鹿児島中央駅へゴールすることで企画完遂となります。

日本一の「おんせん県」として知られる大分県。中でも別府は全国で1,2を争うほど人気の高い温泉地で、市内のあちこちから湯けむりの上る街です。本当ならばじっくりと観光しつつ、様々他にも温泉に浸かることができればよかったのですが、いかんせん残り約7時間ですから油断はできません。せっかくここまで来ることができたのに、最後の最後に気を抜いて企画失敗となっては目も当てられません。

しかしそうは言いつつも、実は九州内にある政令指定都市福岡市・北九州市熊本市の3つのみ。現在地である別府からは、九州を東西に横断する「豊肥本線」のルートを進まない限りは最後の政令指定都市である熊本市(人口約73.8万人)も容易に回避できます。

熊本市政令指定都市へと移行したのは2012年のことで、今回回避してきた20市の中では最も新しい政令指定都市と言えます。前年の2011年には九州新幹線(鹿児島ルート)全線開業を果たし、博多のみならず新大阪・広島方面からも直通列車が運転されるようになりました。

しかしそんな熊本市を回避すべく、私は「日豊本線ルート」で鹿児島へと向かうことにします。幸い残るチェックポイントは鹿児島市のみですので、まっすぐ行けば問題ありません。

というわけで乗車するのは、別府9時52分発の特急〔にちりんシーガイア5号〕宮崎空港です。日本最長運行距離を誇る昼行在来線特急で、博多~宮崎空港駅間413.1キロを約6時間かけて結びます。

使用車両はJR九州を代表する特急車両「787系」。特急〔つばめ〕〔かもめ〕〔にちりん〕等をはじめとする九州各地の特急運用を歴任してきており、デビューから30年以上が経過しています。

さすがに今回の旅で博多や小倉から乗車してしまっては企画倒れですので、本日は別府から宮崎まで乗車していこうと思います。列車は定刻通りに別府駅を発車しました。

列車は6両編成で、1号車(グリーン車)、2号車(普通車指定席)、3~6号車(自由席)となっています。今回私は2号車(普通車指定席)を利用しておりますが、わずか1両のみということもあってか車内は大変な混雑を見せておりました。

今回使用しているのは「九州ネットきっぷ」という企画乗車券。JR九州インターネット予約限定の発売で九州内の特急列車に格安で乗れるというもので、今回の場合は別府~宮崎で普通車指定席を5,240円(乗車券4,070円+特急券1,170円)にて購入しています。ちなみに最繁忙期の定価だと7,400円(乗車券4,070円+特急券3,300円かかりますので、特急料金が約65%OFFという破格の安さになっています。なお乗車券・特急券が一体となった商品ですので、別個に購入することはできません。

10時03分、列車は大分駅へと到着。大分市の人口は約47.4万人で、チェックポイントにはわずかに届かずといったところです。しかし駅周辺はマンションや建物も多く、県庁所在地の風格は十分にあります。

大分駅を発車したところで、少し遅めですが朝食といきましょう。別府駅構内で購入した「吉野鶏めし」のおにぎりと「つぶらなカボス」です。「吉野鶏めし」は大分の吉野地区で古くから親しまれてきた郷土料理で、昔ながらの優しい味わいでとっても美味しかったです。「つぶらなカボス」は言わずと知れた人気の高い柑橘飲料シリーズの一つですが、土産物店等の配置によっては常温販売と冷蔵販売の両方が準備されていることもありますので、すぐに飲みたい場合は冷蔵販売の方がオススメです。

美味しい朝食に舌鼓を打っている間、気づけば列車は大分の市街地を抜けて山間部へ。国道は佐賀関経由で海岸線に沿って大きく半島を回り込みますが、線路は山間部を比較的ストレートに貫きます。

10時37分、列車は臼杵駅へ到着。愛媛県八幡浜を出港する「宇和島運輸フェリー」のもう一つの九州側の港がある街で、今回こちらの方がより短い距離で鹿児島へと近づくことができますので利用を検討していました。しかし大型連休ということで臼杵市内に宿を確保することができず、やむを得ず今回は別府経由で移動しています。

11時04分、列車は佐伯駅へと到着。ここが大分県内最後の特急停車駅となります。

この街には、かつて高知県宿毛へと繋がる「宿毛フェリー」が就航していました。しかし2018年10月、燃料高騰を理由に突如運航を休止。事実上の”夜逃げ”状態となり、翌年には正式に運航再開が断念されています。

佐伯を出ると、列車は「宗太郎越え」と呼ばれる峠越え区間に差し掛かります。ちょうどこの峠が大分県と宮崎県の県境付近となっており、次の停車駅である宮崎県の延岡までは実に約1時間を要します

普通列車の運行本数は極めて少ないものの、東九州の大動脈にあたるため特急は2時間に1本程度運行されています。途中の駅で運転停車を行い、特急どうしの行き違いが行われました。

宮崎県に入り、12時07分に延岡駅へと到着。旭化成企業城下町としても知られ、県北部で最大の人口を誇る都市(約11.5万人)です。

12時24分、列車は日向市駅に到着。特徴的なガラス張りの駅舎は世界的にも高く評価されており、2008年には「ブルネル賞」も受賞しています。

美々津~都農付近には「宮崎リニア実験線」の跡地があります。1977年から1996年にかけてここでリニアモーターカーの走行実験が行われていましたが、山梨県に新たに実験線が建設されたことで現在は「日向灘実験施設」として使用されています。

12時48分に高鍋駅へと到着。ここでは行き違いの特急に遅れが生じており、約10分間停車することとなりました。単線ということで対向の列車がやってくるまでは発車できませんので、ホームで少し気分転換をします。

ここ高鍋では、福岡の名物土産「博多通りもん」の紙袋を持ったお客さんが降りていかれたのがとても印象的でした。日豊本線の特急は基本的に大分駅での系統分割が行われており、博多~宮崎間の移動は新幹線と高速バスを乗り継ぐルートや航空機など他にも様々ありますが、こうした日豊本線の細かな特急停車駅へのアプローチにはやはり〔にちりんシーガイア〕のような直通特急の存在が欠かせないのだと実感しました。

13時16分頃、列車は宮崎駅に到着。定刻よりも約9分遅れての到着となりましたが、この後の移動には比較的余裕がありますので心配はいりません。

私を含め大変多くのお客さんが降りていきます。列車はこの後宮空港線に入り、宮崎空港まで走ります。

宮崎市の人口は約39.9万人政令指定都市にこそ一歩及ばないものの、東京から遠く離れた新幹線の通らない地方の県庁所在地としては健闘しているように思えます。しかしこの宮崎駅の1日の乗車人員はわずか4,000人程度で、首都圏では横須賀線東逗子駅や相模線の原当麻駅等と同水準です。

せっかく宮崎に来たので、アミュプラザで名物の「チキン南蛮」をいただきます!

こちらは「鶏むね肉のチキン南蛮定食」(1,100円)。ふっくらジューシーな鶏むね肉にタルタルソースがたっぷりとかかっており、美味しくないはずがありません。付け合わせの小鉢やお味噌汁も優しいお味で、大満足でした!

さて、タイムリミットまで残すところあと約5時間旭川を出発してから約95時間が経過したということになります。

宮崎駅の改札口頭上にある発車標を見上げてみますと…ついに現れました、「鹿児島中央」の文字!!!

というわけで、この旅最後の乗車となるのは宮崎14時19分発の特急〔きりしま11号〕鹿児島中央です。車両形式は先ほどの〔にちりんシーガイア〕と同じく787系ですが、4両編成のワンマン運行です。普通車指定席を利用していきます。

ちょうどホーム上では、延岡始発の特急〔ひゅうが11号〕宮崎空港行と接続を取る場面も見られました。古さを感じさせないシャープな顔が印象的な787系ですが、そう遠くないうちに引退の日がやってくるかもしれないと思うと想像がつきません。

〔ひゅうが11号〕の遅れの影響で、この列車は3分ほど遅れて宮崎駅を発車。大淀川を渡り、すぐ次の南宮崎に停車します。

こちらでも同様にJR九州インターネット予約にて、乗車券・特急券がセットになっているものを購入。最繁忙期の定価は5,260円(乗車券2,530円+特急券2,730円)のところ、何と約50%OFFの2,620円で購入することができてしまいました! こちらは乗車券・特急券それぞれ割引となっているようで、特に特急券約70%OFFとなっています。鉄道のきっぷでここまで大胆な値引きがあるんですね…驚くばかりです。

車内のデザインは先ほどの〔にちりんシーガイア〕と大枠では似ていますが、1号車は半室グリーンとなっています。また指定席の窓側にはコンセントがあり、大変助かりました。

特急〔きりしま〕の運行本数は2時間に1本程度です。かつて宮崎~鹿児島間では高速バス「はまゆう号」も運行されていましたが、2020年の新型コロナの際に運行を休止して以来再開の目途は立っていません。すなわち宮崎~鹿児島間を乗り換えなしで結ぶ方法としてはこの特急〔きりしま〕がほぼ唯一の手段となっており、大型連休中ということもあいまって車内が混雑するのも頷けます。

15時06分に都城駅へと到着。外は雨が降り、スタート直後の北海道でのどんよりとした天候を思い出します。

都城を出るとまもなく列車は宮崎県から鹿児島県へと入ります。

15時37分、霧島神宮駅に到着。霧島神宮までは7kmほど離れていますが、かなり多くの観光客と思われる方々が乗ってこられたのでおそらく霧島神宮へ行かれていたのでしょう。朱塗りの駅舎が目を引きます。

国分・隼人・加治木を出てしばらく進むと進行方向左手には錦江湾が見えてきました。

あいにく雲一つしかない天候ではありましたが、いよいよ鹿児島の市街地が近づいてきたと感じる光景にテンションが上がります。

政令指定都市」――。おそらくどんな形の旅行であれ、どこからどこへと向かう移動であれ、多くの人が1回の旅行で最低1都市以上は足を踏み入れたり通過したりしているはずです。それは言うまでもなく、政令指定都市にはヒト・モノ・カネが集まり、経済や文化の拠点となり、また観光資源も大変に豊かな場所であるといったケースが多いためでしょう。

また、こうした都市には様々な公共交通機関が集まり、ターミナルとしての機能を持ちます。特に高速バスなどは顕著で、距離を問わず起終点少なくともどちらかのターミナルが政令指定都市であるというケースがほとんどであるように思います。

今回政令指定都市を通らずに日本縦断」という突拍子もない企画は、こうした「当たり前に通る街」を敢えて避けて進むとどのような旅になり、どのような体験ができるのか、という素朴な疑問から始まりました。結果として、普段使うことのないローカル線や地方の駅を利用することができたり、或いは航路を活用して離島に足を踏み入れたりなど「はじめての経験」「なかなかできない体験」の連続でとても新鮮であったと感じます。

その一方で、普段の旅行で何気なく使用している交通のターミナルがいかに便利なもので、柔軟な移動のために欠かせないものであるかも再認識する機会となりました。

16時25分、列車は終点の鹿児島中央駅に到着。遅延はすっかり回復し、定刻での到着となりました。

そして北海道の旭川駅を出てから97時間25分、ついにゴールを果たしました!!

ここは最後のチェックポイントでもありますので、約束通りの記念撮影。鹿児島市の人口は約59.0万人で、九州内で政令指定都市を除いた最大人口都市となっています。2004年に九州新幹線が部分開業を果たし、駅名が「西鹿児島」から「鹿児島中央」へと改められました。

今回、チェックポイントとして降り立った7つの駅の入場券には、それぞれ購入した日時が刻まれています。7ヵ所中4ヵ所が首都圏である一方で、関西圏にも東大阪市や西宮市など人口50万人目前の都市が複数あり、数年後に同じルールで旅をしようとするとまた異なるルートになりそうな予感がします。

 

というわけで無事にゴールを果たしましたので、今回の記事はここまで。

最後は東京へ帰る様子をお届けしますが、またそれは次回。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。