わたかわ 鉄道&旅行ブログ

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[#9]松山まで1本で行けない…大型連休の風物詩「宇多津乗り換え」【政令指定都市を通らずに日本縦断】

 

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2023年5月3日(水)

残り 28時間45分

小豆島の土庄港から高速艇に乗り、14時15分に高松港へと上陸。いよいよ四国への上陸を果たしました。

高松港から高松駅までは歩いてすぐです。

小豆島での移動もバタバタしており、まだお昼ご飯を食べられていませんでした。やはり香川に来たので本場の讃岐うどんが食べたい…! ということで、高松駅前にある人気店「めりけんや」さんへ。お店の外まで長く続く行列ができており、さすが大型連休を感じさせます。

土庄港からの高速艇に1本乗り遅れたこともあり、次の列車の発車時刻が近々に差し迫っていました。並ぶか迷いましたが、意を決して入店。店内にも蛇腹のように列が続いており、ひとり心の中で冷や汗をかきながら列が進むのをじっと待ちます。

10分ほど並び、ようやく注文へ。今回は冷たい「ぶっかけうどん」と「鶏天」をいただきます。

席につき、一心不乱にうどんをすすり鶏天にかじりつきます。本当ならばもう少しゆっくりと味わってもよいものかもしれませんが、この時の私にそんな余裕はありませんでした。しかしとても美味しかったことははっきりと覚えています!

3分ほどで食べ終え、駅までダッシュ高松駅からは、再び列車で移動していきます。

姫路を出たのが午前9時ちょうどのことでしたが、もしすんなり瀬戸大橋を通ることができていれば今ごろとっくに松山へ到着できていたことでしょう。「一本列島」誕生から今年で35周年を迎えますが、改めてその偉大さを感じる次第です。

四国は幸か不幸か政令指定都市が1つもないため、特に立入禁止エリアを気にすることなく自由に動くことができます。しかし松山がチェックポイントとなっているため、そこを目指して高松14時50分発の特急〔いしづち15号〕多度津へと乗車していきます。

普段は高松~松山駅間で運行されている特急〔いしづち〕ですが、大型連休やお盆等の繁忙期になるとその運行区間が大幅に短縮され、高松~宇多津・多度津駅間のみでの運行となります。

通常の場合、〔いしづち〕は宇多津で岡山からやってきた〔しおかぜ〕と連結し、7両編成もしくは8両編成の列車となって松山へ向かいます。瀬戸大橋を渡り本州と四国を結ぶ〔しおかぜ〕は5両編成での運行です。

しかし繁忙期となりますと、本州~四国を行き来する人が増えます。今回惜しくも通ることのできなかった大都会「岡山」は新幹線に接続する重要なターミナル駅のため、〔しおかぜ〕の輸送力を増強する必要があるのです。

そこで通常行っている宇多津での連結・切り離しを取りやめ、この分の付属編成も含めて全て〔しおかぜ〕として運行することで、8両編成全てが岡山発着となり、本州と四国を結ぶ特急の輸送力が大幅に向上します。そしてこれとは別に新たに高松~宇多津・多度津駅間のみを運行する〔いしづち〕を2両編成で仕立て、途中駅で〔しおかぜ〕と乗り換えられるように接続を取る形で運行しているのです。

なお〔いしづち〕の下り列車は「高松発多度津」ですが、上り列車は「宇多津発高松行」となります。JR四国では「下りは多度津駅で、上りは宇多津駅でお乗り換えください」と案内していますが、下りの場合は宇多津~多度津駅間で〔しおかぜ〕と〔いしづち〕の運行区間が重複することになるため、宇多津・丸亀・多度津のいずれの駅でも乗り換えることができるはずです(間違っていたらすみません)。上りの場合は必ず宇多津駅での乗り換えのみとなります。

〔いしづち〕の使用車両は8600系(2両編成)です。指定席・自由席の割り当ての関係の都合上(なのか正確なところは不明ですが)、前から順に6号車、8号車となっています。8号車の6~14列目が指定席となっており、当該座席には赤いヘッドカバーが掛けられています。

前置きが長くなりましたが、定刻通り14時50分に高松駅を発車。8600系は2014年にデビューした比較的新しい車両で、全ての座席にコンセントが完備されており、Wi-Fiも利用可能です。内装は首都圏のE657系E353系と少し似ている気がします。

車窓に目をやると、小さな湖のようなものがあちこちにあることが分かります。これは自然にできた湖ではなく、人工的に造られた「ため池」です。讃岐地方の平野部に多く、雨の少ない気候であることから農業用の水を確保する目的で造られました。

列車は坂出駅を発車し、デルタ線を宇多津方面へと進みます。右側に分かれていく線路は岡山方面で、快速〔マリンライナー〕等が使用します。

高松駅を出てからわずか19分、15時09分に列車は宇多津駅へと到着。通常であれば先に入線している〔しおかぜ〕へ後方からゆっくりと接近し、連結作業を行うところですが…。

本日はやや時間差で、隣のホームに〔しおかぜ15号〕が入線してきました。こちらも8600系です。

宇多津駅ホームの両側に特急車両が同時に入線する光景は繁忙期ならでは…ですが、入れ替わるように〔いしづち15号〕はすぐに宇多津駅を発車していってしまいました。〔しおかぜ15号〕の運行時刻自体は通常とほとんど変わりないため、連結にかかる時間を想定して長めの停車時間が設けられています。

〔しおかぜ〕単独で岡山へと乗り入れるこの時期のダイヤでは、その大半が旧型の「8000系」という車両で運行されています。しかし1日わずか2往復のみ8600系での運用となっており、幸運にもそれを引き当てることができました。〔いしづち15号〕とは異なり、こちら〔しおかぜ15号〕では1号車の半分にグリーン車も備えています。

〔しおかぜ15号〕は定刻通り、15時15分に宇多津駅を発車。この先多度津までは、先ほど乗車していた〔いしづち15号〕の後を追うように走ります。

〔いしづち15号〕に引き続きこちらも指定席を予約しました。半室グリーンとなっている1号車の普通車部分のため、客室は他の普通車よりも狭めです。四つ葉のマークのあるドアを進んだ先にグリーン車があります。

一般的に特急列車は「1本ごとに特急券が必要」が原則です。しかし今回のようにJR側の運用上の都合で列車どうしの乗り継ぎが必要となるなど、一部のケースでは特急料金が通算される場合があります。今回も1枚の特急券に2種類の列車名が表記され、その乗換駅もしっかりと明記されています。

列車は多度津駅に到着。高知方面へと向かう土讃線の分岐点でもあります。

先ほど乗車していた〔いしづち15号〕の回送列車は隣のホームに停車していましたが、編成が短いため一瞬で視界から消えてしまいました。

多度津を出てしばらくすると、進行方向右側に瀬戸内海を見渡すことのできる区間があります。海水浴客の利便性を図り、この付近には毎年8月上旬の2日間限定で「津島ノ宮」という臨時駅が設置されることでも有名です。

観音寺駅を約5分遅れで発車し、列車は香川県を抜けて愛媛県へと入ります。この付近では海沿いに製紙工場が数多くあり、もくもくと煙を上げている様子が列車内からも確認できます。

伊予三島駅では上り〔しおかぜ22号〕と行き違いを行います。あちらはアンパンマンの塗装が施された特別な8000系です。

伊予三島は2004年に誕生した「四国中央市」の中心駅ですが、かつては駅名の通り「伊予三島市」が存在していました。

伊予西条のすぐ目の前には「四国鉄道文化館」という鉄道保存施設があり、一度途中下車して立ち寄ってみたいと思っています。ここで上り〔しおかぜ24号〕と行き違いを行いました。

タオルで有名な今治駅を発車しますと、右手側にはしまなみ海道が見えてきます。広島県尾道とここ今治を結ぶ連絡橋で、鉄道の線路は敷かれていません。福山~今治間で高速バスが多数運行されており、政令指定都市である広島市を通ることなく本州から四国に渡れるため利用を検討していましたが、やはり岡山市の回避がかなり遠回りとなるため今回は見送りました。

今治を過ぎると進行方向右側が西向きとなり、ちょうどこの時間帯は太陽の方角と重なります。水平線の向こうに無数の島々を見渡せる瀬戸内海とも別れの時が近づいています。

そしていよいよ列車は松山市街地へと入っていきます。右側に見える高架は2024年頃から使用を開始する予定の在来線の新線で、松山駅およびその周辺2.4kmに渡り踏切の解消等を目的とした連続立体交差事業が進められています。

そして17時30分頃、終点の松山駅へと到着。定刻よりも7分ほど遅れましたが、チェックポイント6ヵ所目「松山市」クリアです!!

松山駅といえば、〔しおかぜ〕(+〔いしづち〕)と〔宇和海〕が同一ホーム上で縦列停車することで有名ですが、なぜかこの時間帯の乗り継ぎは異なるホームでの接続となっていました。〔しおかぜ15号〕が7分ほど遅れたこともあって、その遅れは接続先の〔宇和海23号〕へも響きそうです。

先に示した通り、松山駅はまもなく高架化される予定となっています。現在ある地上の駅舎が見られるのも残りわずかといったところでしょうか。四国の入場券は首都圏等と比べてやや高めですが、これは致し方ないところです。

 

この後はいよいよ四国脱出へ…その意外(?)なルートとは…。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。