わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

[#8]大都会岡山回避のため…まさかのルートで離島へ!【政令指定都市を通らずに日本縦断】

 

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2023年5月3日(水)

残り 35時間39分

4日目となる本日は、兵庫県の姫路からスタート。昨晩の到着をもってチェックポイント5ヵ所目クリアとなりましたので、残るチェックポイントは松山・鹿児島の2ヵ所となります。

予定よりも少し早く起きることができましたので、入場券を買って姫路駅の改札内へ。

その目的は…こちら!! 臨時寝台特急サンライズ出雲91号〕です

定期列車として毎晩運行されている〔サンライズ瀬戸・出雲〕は東京を21時50分に出発し、ここ姫路には5時25分に到着します。この列車の後を追うように東京を22時21分に出発するのが臨時〔サンライズ出雲91号〕で、こちら姫路には7時19分に到着します。東京を出る時点では約30分程度の差しかないところ、臨時列車は深夜の東海道を走る貨物列車等のダイヤの合間を縫って走ることから姫路時点でその差は2時間ほどまで開いており、最終的に出雲市へは定期列車よりも3時間以上遅い13時07分の到着となります。

普段ならこの時間帯にサンライズがやってくることは、相当な遅れをもって運行されていない限りはまずあり得ません。現在は多客期1シーズンあたり2往復程度の設定で、その珍しさからホーム上には多くの鉄道ファンが集まっていました。

入場券を購入して姫路駅改札内へとやってきた理由はもう一つあり、こちら姫路駅の名物となっている「まねきのえきそば」を朝ごはんにいただくためです。「駅そばと言えば姫路」というほどトップクラスの人気を誇るホーム上の駅そば屋さんで、その最大の特徴は「蕎麦粉を使った麺」ではなく「中華麺」を使用しているという点です。この中華麺が関西風の汁とよく合い、本当に絶品です!!

改めていったん宿に戻り、荷物をまとめてチェックアウト。姫路駅前へとやってきました。

さて…本日の行程ですが、実はここから西を目指すのは結構大変だったりします。松山がチェックポイントになっていますので、四国方面に向かえれば一番良いのですが…。

当然ながら、まっすぐ西に向かおうとすると政令指定都市である岡山市が行く手を阻みます。鉄道における四国の玄関口となっているのが岡山駅ですが、残念ながらそこへ突入することはできず、したがって瀬戸大橋の利用は絶望的となります。

ではいったん東へ進み、淡路島を目指してみてはどうでしょうか。地図上で見てみると何となく行けそうな気もしますが、実はその玄関口となる明石海峡大橋の本州側の接続地点は神戸市垂水区となっており、これまた残念ながら通ることができません。

さらに姫路からいったん北へ進むルートとしては、JR津山線智頭急行線経由のルートがありますが、いずれも遠回りになったり本数が少なかったり…そして何より四国からは遠のいてしまいます。残り34時間程度しかない中ではあまりにも非現実的すぎるルートです。

もはや陸路はほぼ絶たれたも同然…しかしまだ打つ手はありました。

姫路駅北口のバス乗り場に光り輝く「姫路港」の文字。実は姫路には港があり、そこから四国方面へと繋がるフェリーが出ているのです。

そう、陸路が無理なら航路を使えばいいじゃない!

というわけで、乗車するのは姫路駅北口9時00分発の神姫バス[94]姫路港行。乗車の5分ほど前から並び始めましたが、そのすぐ後ろにも瞬く間に列ができ始め、とんでもない長蛇の列が出来上がってしまいました。

4月30日に旭川を出てからここまで60時間以上、あまりの長旅に曜日感覚が失われかけておりましたが、そういえば本日は連休後半の初日。5月1日・2日は平日だったため学校や会社のあった人も多いでしょうが、本日5月3日は正真正銘の祝日です。

何とか乗り込むことができ、奇跡的に着席成功。その後も次から次へと乗り込んできましたが、それでも若干の積み残しがあり、車内は超満員状態で姫路駅北口ロータリーを出発していきます。増台や臨時便等も予定されておらず、乗り切れなかった列の後ろの方の人は後続(20分後)を待つしかないようです。

ほぼ全ての乗客が終点まで乗車し、9時20分に姫路港へと到着。乗船券を購入します。

乗船するのは、姫路港9時45分発の小豆島フェリー 福田港行

今回は姫路港から小豆島にある福田港という港まで移動し、島内を少し移動して小豆島から高松へ渡るフェリーへと乗り継ぐ予定です。

姫路港からは小豆島・家島諸島へのフェリーが出ていますが、中でも小豆島へと向かうフェリーの乗船券売り場はかなり混雑している様子です。

姫路港から福田港までは片道1,710円。座席の指定等はされませんが、乗船便は指定されます。購入列は長かったものの、すぐに買うことができました。

乗船券を片手に、いざ乗船口へ。しばらくすると、大きなフェリーが入港してきました!!

乗客の下船を確認すると、すぐに乗船開始。徒歩客の列の長さは相当なもので、ますます連休後半初日の始まりを実感します。昨日までとは交通機関の混雑が桁違いです。

入港の遅れもあり、また乗船にも時間を要し、船は定刻よりも15分ほど遅れて10時ちょうど頃に姫路港を出港。八戸港から約53時間に渡り滞在した本州ともいよいよおさらばです。

客室は2階にあり、座席はどの区画も人でいっぱいです。大きい荷物があちこちに見え、観光客・旅行客の方が非常に多いのだろうと思います。

3階部分は開放的なデッキになっており、潮風を感じながら景色を楽しむことができます。2階部分と比べるとやや人は少なく、船の旅ならではの体験ができるので乗船中はなるべくこの部分で過ごそうと思います。

姫路市街地からどんどん遠ざかり、先ほどまでいた姫路港の乗船券売り場のある建物も小さくなっていきます。遠くには山々の影も見え、海と山に囲まれた自然豊かな街であったことを実感します。

背後から迫ってきたこちらの船は、姫路~男鹿島・坊勢島を結ぶ「坊勢輝汽船」かと思われます。男鹿島・坊勢島はいずれも小豆島よりも手前にある「家島諸島」の中にあり、時刻通りであればあちらの船は10時05分頃に姫路港を出港したはずです。普段であればこの付近で小豆島フェリーと並んで航行することはないでしょうが、本日はまさかの並走となりました。お互いの船から観光客が手を振り合います。

どうもあちらの方が圧倒的にスピードは速いようで、すぐに追い抜かれてしまいました。その船の行く先を見れば、切り立った茶色い岩肌が目の前まで迫っています。あちらが「男鹿島」(たんがしま)です。人口はわずか30名ほどしかおらず、島内に公共交通機関は一切ありません。

この付近では、ちょうど小豆島から姫路へと向かう逆方向の小豆島フェリーともすれ違い。現在減便運行中で1日わずか3往復体制で運航されている小豆島フェリーですが、連休期間中の本日は減便を取りやめて1日7往復体制(本来のダイヤ)での運航となっています。

まもなく見えてくるのが、家島諸島の中心「家島」です。人口は2,600人ほどおり、島内にはコミュニティバスのほか小学校・中学校・高校まであるそうです。

続いて見えてくるのは、西島にある「コウナイの石」。島の西部に位置し、石どころか岩というかもはや崖にも値するレベルの大きさです。船はこの石を回り込むように、ここから南寄りに進路を取って西島と院下島(いんげしま)の間をすり抜けていきます。

この辺りでおよそ姫路~小豆島間の中間地点といったところでしょうか。ここまでご紹介にいれた家島諸島一帯ですが、現在は市町村合併により姫路市の一部となっています。大きな島は4~5つほどですが、細かな島々も含めると40ほどにもなるそうです。

ここまで来ると本州からもかなり遠ざかり、見渡す限りの大海原が広がります。やや雲は出ているものの、晴れていて本当によかったなと感じるところです。

ちょうどデッキ部分の頭上を見上げてみると、こどもの日が近いということでこいのぼりが風になびいていました! 特段船内で何か案内はされていなかったようですが、一部の乗客の方がこの存在に気づき盛り上がっていたのを見て私もようやく発見した次第です。

そしていよいよ…この船の目的地である小豆島が見えてきました! なかなか遅れを取り戻せてはいないようですが、ともかく忘れ物がないように下船の支度をして待ちます。

定刻(11時25分)から約16分遅れで、11時41分頃に小豆島の福田港へと上陸!

フェリーターミナルの前は無数の人やら自動車やらでごった返しており、歩くのも一苦労です。

っこにいる観光客のほとんどが小豆島を「目的地」としている一方、私の目的地は鹿児島です。1本でも乗り物に乗り遅れた瞬間に盛大な旅程崩壊を招く恐れがあり、何としてもこの福田港からのバスに間に合わせなければいけません。

人混みをかきわけ、何とかバスを発見。福田港11時45分発の小豆島オリーブバス(南回り)土庄港行へと乗り込みます。

フェリーの乗客が乗り込むのを待って、バスは2分遅れで福田港を発車。多くの乗客が小豆島オリーブバスのフリーパスを購入する中、私が乗るのはこの1本だけですからSuicaで乗車しました。

離島のバスでありながらSuicaが使えるとは思ってもいませんでした。しかも「オリーブ」バスで「スイカ」とは…(笑)。

小豆島は香川県にあり、小豆島町・土庄町の2町で構成されています。島内全体で人口は約2.6万人にも上り、「船でしか渡ることのできない離島」としては国内最大の人口を誇ります。

今回、あいにくタイムリミットもあるため観光らしい観光はできませんが、南回りルートでのバスの移動を元に少しでも島内の様子をお伝えできればと思います。このルートはちょうど「国道436号」に沿って島内を移動することになるのですが、実は先ほど乗船した小豆島フェリーも国道436号の区間の一部(海上区間)となっており、奇しくもひと続きで辿ることになります。

バスはまず、島の東海岸沿いを走っていきます。アップダウンや蛇行の多い山道ですが、木々の間からは綺麗な青い海も見え、そのあまりの美しさにバスの車内では歓声が上がっていました!

福田港を出て最初に到着する集落は「橘」。民家が集まっており、地元のおばあさんもこのバスを利用されていました。

そこからさらにひと山越えて、バスは「内海(うちのみ)」という市街地へ。ここには小豆島町の役場があります。建物や交通量もだいぶ増えてきました。

福田港から土庄港までは約1時間もの乗車になりますが、運賃は何とたったの片道300円。初乗りは150円で、段階的に上がっていった後は300円で頭打ちとなっているようです。あまりの安さに驚きを隠せません。

役場からほど近い位置には「草壁港」という港があり、かつては高松港とを結ぶフェリーが運航されていました。しかし2021年3月限りで休止となっており、港の張り紙にもそのように示されています。

のんびりと時間が流れる海岸沿い。もういっそこのまま旅を中断して、島でのんびりしたくなる…そんな風景が続きます。

「オリーブ公園口」では、ここまで乗車してきた観光客の大半が下車。それと入れ替わるように、さらに多くの観光客の方が乗車されました。近くに「道の駅小豆島オリーブ公園」という観光スポットがあるようで、乗降に時間を要し遅延時分はさらに増大していきます。

バスの車窓からもあちらこちらでオリーブ畑が見え、この島がまさにオリーブの名産地であることを実感します。

一方で、実は土庄港から先のフェリー出港時刻が刻一刻と迫ってきておりました…。定刻であればこのバスは「土庄港平和の群像前」に12時47分到着予定で、そのまま13時00分ちょうどに出港する船へと乗り継ぐ予定にしています。果たして間に合うのか…!?

土庄港よりも少し手前には「池田港」という港があり、これもまた高松港へと向かうフェリーが出ています。現在の時刻は12時43分、素直にここでバスを降りれば池田港13時00分発のフェリーに間に合い、高松港へは14時00分に到着できるのですが…。

この航路、私がこれから利用しようとしている土庄港~高松港に比べるとやや所要時間が長めになっています。土庄港13時00分発のフェリーであれば高松港には13時35分に到着することができ、時間に余裕が生まれます。しかしこれに間に合う保証はありません。究極の選択を迫られましたが、今回は池田港をスルーして土庄港に賭けることにしました。どうか間に合ってくれ…!!

バスは小豆島町を抜け、土庄港の中心市街地へと入っていきます。ちょうど渡っているこちらの「土渕海峡」は「世界で最も狭い海峡」としてギネス世界記録に認定されています。一瞬で通り過ぎてしまい、何も言われなければ何の変哲もない川にしか見えませんが、実は厳密にはこの橋を渡った先は小豆島の本島ではない別の島になるそうです(一般的にそのような区別はなされないことが多いようです)。

そしていよいよ目の前には土庄港フェリーターミナルが見えてきました!!

時刻はほぼ13時ちょうど…ですが、一縷の望みを最後の直線区間に託します…!

しかしそんな願いもむなしく、残念ながら13時00分発の便には間に合わず…。

残念ながら乗り遅れてしまいました。池田港で降りておけばよかったものを…。

土庄港は小豆島西部における玄関口となる大きな港で、高松のみならず岡山・宇野・豊島といった各方面へのフェリー・高速艇が出ています。今回は高松へと向かう高速艇を利用していくことになります。

フェリーに乗り遅れたことで予定外に空き時間ができてしまいましたが、かといって港から大きく離れてしまうとまたしても乗り遅れてしまうので、港にある土産物店で「オリーブアイス」を購入。蓋を開けてみると、オリーブを使用したアイスのほかにあずきとホイップクリームも入っています。あずきが入っているのは「小豆」島だからでしょうか…?(関係なかったらすみません)

オリーブのアイスはさっぱりとした味わいでとても美味しかったのですが、いかんせんまるで新幹線の車内で食べるアイスの如くカチコチで危うく乗り遅れるところでした。

気を取り直して、土庄港13時40分発の小豆島フェリー(高速艇)高松港へと乗船します。運賃は片道1,190円です。こちらも引き続き「国道436号」の海上区間となっており、本日は姫路からずっと国道436号をひたすら辿っています。

並んで待っていると、高速艇「オリーブマリン」が入港してきました。先ほどのフェリーと比較するとかなり小さめです。

ふかふかの椅子に腰かけ、定刻通り13時40分に土庄港を出港。高速艇なので原則として運航中に座席から立ち上がるのは危険で、特にデッキ等もありません。

高速艇は海面付近で白いしぶきを上げながら、40~50km/h程度で進んでいきます。進行方向右手には豊島・男木島・女木島等も見え、見ていて飽きません。

また短い時間の乗船ではありますが、各座席の窓側には充電用のコンセントもあり、長旅にはありがたい限りです。尤も日本縦断の途中でこの高速艇を利用する人はあまりいないと思いますが…。

そんなこんなで、あっという間に高松の街が見えてきました。小豆島の市街地も思いのほか都会だな…なんて思っていましたが、やはり高松を見てしまうと比べ物になりません。駅周辺のビル群の多さがそれを物語っています。

14時15分、無事に高松港へと到着。4時間15分ほどで国道436号を全区間走破し、いよいよ四国へと上陸です!!

 

長くなってしまったので、ひとまずここまで。

続きは次回にします。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。