わたかわ 鉄道&旅行ブログ

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【密避け】伊勢志摩ライナー&しまかぜに乗る! 日帰り伊勢神宮「年末詣」の旅

 

2021年12月27日(月)

今回は名古屋へとやってきました。これから近鉄で伊勢方面へおでかけしていきたいと思います。

三重県を代表する観光地…といえば、やはり伊勢神宮は外せません。年間を通じ多くの観光客が訪れる伊勢ですが、特に年始の初詣の時期ともなるとその人出は計り知れません。

「初詣は伊勢神宮へ行きたい、しかしお正月は混んでいるしなぁ…」と頭を悩ませているみなさん。

年末詣」はいかがですか?

年末詣とは、その名の通り年始ではなく年末に神社へ参詣すること。その1年間を無事に過ごせたことに感謝をし、翌年の幸せを願う目的があります。特に煤払いが終わった冬至以降に詣でるのがオススメで、年始ほど混雑もしておらず清らかな気持ちで境内に足を踏み入れることができます。

というわけで今回は、伊勢神宮へ年末詣に行ってまいりましたので、その様子をお届けしていきます。

(なお冒頭の日付を見てお気づきかと思いますが、昨年(2021年)の年末に出かけたものをようやく文字に起こしました…。現在と情報が変わっているものもありますので、お出かけの際は最新の情報にご注意ください。)

まず乗車するのは、近鉄名古屋9時10分発の特急〔伊勢志摩ライナー〕賢島行です。伊勢志摩方面へは多彩な特急が運行されていますが、中でもこの車両は他の一般的な特急車両と同じ金額で特別感を味わえるのが大きな魅力です。

この日はあいにくの大雪で、近鉄名古屋線は朝から大幅なダイヤ乱れが発生。伊勢志摩ライナーの車両も前面に雪を被った状態で入線し、慌てて折り返しの準備を行っていました。

列車は定刻よりも16分遅れ、9時26分頃に近鉄名古屋駅を発車。年末の繁忙期とあって、座席はかなり埋まっているという印象を受けました。荷物の多さや身なりから察するに、その多くは観光客のようです。

通常であれば近鉄名古屋から伊勢市までの所要時間は1時間20分。さて本日はいったいどれくらいかかるでしょうか…?

少し南下すると雪はやみましたが、辺りは見渡す限りの銀世界。まるで北海道や新潟のような雪国のローカル線にでも乗っているかのような車窓ですが、実際はちょうど愛知県から三重県へ入りしばらく進んだあたりです。

…なんて思っていると、近鉄四日市を過ぎたあたりからそれまでの雪景色が嘘のように微塵も雪のない田園風景へ様変わり。どうやら雪が降っていたのは名古屋近郊のごく限られた地域だけだったようです。

津を発車してしばらく進むと、列車は中川デルタ線を通過します。デルタの中には沿線の銘菓や名産品の広告があり、見逃せません。

伊勢中川駅では、大阪方面への特急に接続します。名阪間を直通する特急も日中30分おきに運行されている一方で、ここ伊勢中川で2本の特急を乗り継ぐルートで移動する人も一定数いるようです。

座席は青を基調とした重厚感のある形状になっています。前後間隔も広く、観光向きの特急だけあってゆとりがあります。

なお今回ですが、2021年10~12月に期間限定で発売された「近鉄1dayおでかけきっぷ(愛知・三重版)」を使用しています。名前の通り1,500円で愛知県・三重県内の近鉄線が1日乗り放題となるもので、近鉄名古屋伊勢市宇治山田駅間の片道運賃とほぼ同額になっています。

10時55分頃、ようやく伊勢市駅へと到着。定刻(10時30分着)よりも約25分遅れでの到着となりました。

かなりの数の観光客の方がここで降りていきます。

伊勢市駅はその名の通り、伊勢神宮の玄関口となる駅です。近鉄線のほかJR東海参宮線も乗り入れており、JRの名古屋・四日市方面から快速〔みえ〕を利用してやってくることもできます。

伊勢神宮には大きく分けて「外宮」と「内宮」があり、両者はやや離れています。伊勢市駅から外宮までは歩いてすぐの距離にあり、そこまでの道は参道として趣ある土産物屋さん等が軒を連ねています。

程なくして外宮(豊受大神宮に到着。まずはこちらから参詣していきます。

外宮は駅からそれほど離れていないものの、街の喧騒を感じさせない静かな空間が広がっています。ゆっくりとあちこちを見て回りながら参詣し、1年間を無事に過ごせたことへの感謝をしっかりと捧げました。

また、外宮に隣接して「式年遷宮記念せんぐう館」という記念館がありましたのでこちらも立ち寄ることにしました。入館料は300円で、館内では模型や装飾品等が数多く展示されています。あまりの充実ぶりに「300円は安すぎるのでは…?」と感じるほどでしたが、あいにく館内の撮影はできないそうで、気になる方は是非現地に足を運んでみてください。

ちょうどお昼時でしたので、外宮近くで名物の「伊勢うどん」をいただくことにします。

伊勢うどんの特徴は何といっても麺のやわらかさにあり、コシで有名な香川の讃岐うどん等とは大きく異なります。濃い出汁をたっぷり絡めて頬張れば、そのモチモチ感の虜になること間違いありません!

さてお腹も満たされたところで、続いてはもう一つの内宮へと向かうことにしましょう。

外宮~内宮は4キロほど離れており、徒歩で行くのはあまり現実的とはいえません。ここは大人しく「外宮前」バス停よりバスを利用することにします。

外宮前~内宮前はかなりの高頻度で三重交通の路線バスが運行されており、それほど待つことなく乗車することができます。最初に見えたバスはあいにく混雑で満員のため自分のところまで乗車順が回ってくる前に発車してしまいましたが、そのすぐ後に続行して臨時便があったのでそれに乗り込むことができました。

所要時間約10分で「内宮前」バス停に到着。外宮前~内宮前間の運賃は440円でした。

人の流れに沿って歩くと、大きな鳥居が見えてきます。内宮(皇大神宮)は外宮と異なり、駅や市街地から離れた自然の中にあります。

どちらかといえばこの内宮の方がお伊勢参りにおける「メイン」の立ち位置にあるようです。人は多いですが初詣の時期に比べればかなり余裕があるといったところではないでしょうか。これこそが「年末詣」の最大のメリットです。

さて、内宮参詣後は近くにある「おはらい町」へも足を運んでおきましょう。

おはらい町は内宮へと続く参道で、数々の土産物店や飲食店が軒を連ねます。人口密度に関しては広々とした境内よりもむしろこちらの方が高いかもしれません。

中でも外せないのは、おかげ横丁の正面にある「赤福本店」。100年以上の歴史ある建物からはただならぬオーラを感じます。長い列ができていますが、せっかくなので並んで入ってみることにします。

一般的に赤福というと、8個入りや12個入りのお土産用が広く知られています。一方ここ本店ではイートイン用の座敷スペースが用意されており、内宮参詣の前後に立ち寄ってのんびりと赤福餅をいただくことができるのです。

赤福餅2個+お茶のセットで230円(当時)と価格もお手頃で回転率も良いので、ある程度時間に余裕がある場合は是非立ち寄ることをオススメします!

また赤福以外にも、おはらい町の通り沿いには様々な食べ歩きグルメがあり、いろいろと目移りしてしまうところです。内宮参詣とあわせ、予定を立てる際は是非ここにもしっかりと時間を割いておきましょう!

参道を抜けて市街地まで出てきたところには「猿田彦神社」があります。伊勢神宮本体と比べるとこじんまりとしていますが、時間に余裕のある際には是非お立ち寄りください。

また外宮と内宮の間にも資料館やら寺社やらが点在しておりますので、そこまでしっかりと見て回るのであれば日帰りだと少し厳しいかもしれません。残念ながら今回は日帰りにつきお預けです…。

さて、猿田彦神社の近くからバスに乗り、近鉄宇治山田駅へとやってきました。最後はここから近鉄名古屋まで特急で帰りたいと思います。

ここ宇治山田駅の駅舎は、東武の浅草駅や南海の難波駅と同じ久野節氏の設計によるもの。荘厳かつ開放的な造りは訪れるものを圧倒させ、国の登録有形文化財にも指定されています。

また古くから天皇陛下内閣総理大臣らの伊勢神宮参詣の際にもその玄関口として使用されてきました。2階にはそのための貴賓室もあるようです。

ホームは3面4線で、1番線と2番線は伊勢中川方面への折り返し専用ホームとなっています。ホーム上にある赤福の広告は遠目からでもよく目立ちます。

1番線側には自動車の発着できるスペースが、ホームと同じ高さで設けられています。これはどうやらかつて使用されていたバス乗り場の跡だそうで、現在は立ち入れないようになっています。ホームは3階部分にあるため、これと同じ高さにバスを持ってこれるよう駅の東側には急なスロープがあり、上まで上ってきた後は転回できるよう転車台のような設備もあったようです。元は鳥羽線開業前に賢島方面への鉄道とバスの接続を図るために設けられたそうですが、1994年を最後に使用されていません。

発車標を見上げると、特急、特急、また特急…と夕方は特急のオンパレード。

名古屋・京都・大阪の各方面へとひっきりなしに特急が発着する時間帯ですが、その中でも今回私が乗るのは宇治山田16時22分発の特急〔しまかぜ〕近鉄名古屋です!

遠くの方からゆっくりと列車が入線してきました。ヤバい!! カッコいい!!!

あくまでも始発駅は賢島ですので、宇治山田駅の停車時間はわずかです。すぐにパッと乗り込みます。

列車は定刻よりも3分ほど遅れ、16時25分頃に宇治山田を発車。

今回はしまかぜにおいて最もベーシックな座席である「プレミアムシート」を利用していきます。3列のゆとりある配置です。

本革を使用した豪華なシートは、他の近鉄特急と明らかに異なる雰囲気があります。発車時には優雅な音楽も流れ、当時22歳のク〇ガキがやすやすと入り込んで良い空間ではなさそうです(笑)。

次の伊勢市駅を発車し、車内ではおしぼりと記念乗車証が配られます。近鉄特急の車内ではデッキにおしぼりを完備していることで有名ですが、このおしぼりはそれと異なり「しまかぜ」オリジナルのものになっています。

各座席のリーフレット類で、車内設備や車内販売に関する詳しい案内を確認することができます。座席のリクライニングはボタン式で全自動となっており、まるで歯医者さんの椅子のようです。

宇治山田から名古屋までの乗車時間は1時間ちょっとしかありませんが、せっかくなので4号車のカフェに来てみました。2階建てになっており、1階部分はちょうど運良く貸し切り状態です。

夕食には少し早い時間ですが、せっかくなら食事メニューをいただいてみたいと思い、松阪牛カレー(1,400円)を注文。お肉の旨みがぎゅっと詰まった絶品の一品です。

カレーにしてはなかなか強気の価格設定ですが、ブランド牛である松阪牛を使用し、しかも列車の車内で温かいメニューとして提供されることを考えればむしろ安いくらいかもしれません。

伊勢市を出ると近鉄四日市に停車した後、終点の近鉄名古屋へと至ります。県庁所在地である津さえも通過してしまうのがしまかぜの凄いところです。

すっかり辺りも暗くなってきたところで、いよいよ名古屋の街が近づいてきました。気づけば宇治山田の時点で発生していた遅延もすっかり回復していたようです。

定刻通り、17時44分に終点の近鉄名古屋駅へと帰着。

フリーパスの元もしっかりと取り、素晴らしい1日を過ごすことができました。

年末詣は何も伊勢神宮に限った話ではありませんが、全国的に名の知れた神社はお正月を迎えてからの初詣となるとどこも大変な混雑でしょうから、是非とも今年は年末詣を検討してみてください!

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。