わたかわ 鉄道&旅行ブログ

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【全国でここだけ】阪急京都線の最優等列車「快速特急A」とは?

 

2022年8月28日(日)

今回やってきたのは阪急の大阪梅田駅。これから京都方面へおでかけしていきます。

大阪~京都間はJR、阪急、京阪等実に多くの移動手段がありますが、今回は阪急京都線を利用していくことにします。大阪梅田駅の頭端式ホームにずらりと並ぶマルーン色の車両たちは圧巻で、首都圏ではなかなか見られない光景です。

阪急京都線の発車標があったので、発車時刻を確認します。日中の阪急京都線は特急・準急・普通の3種類の種別がありますので、その中で最も速い「特急」へ乗車すればよいかと思いましたが、よく見てみると3行目に「快速特急A」という見慣れない表示があります。

10:30発の特急と比べてみると停車駅はかなり少ないようで、せっかくなのでこれに乗ってみることにしましょう。

3番線で待っていると、奥の方から列車が姿を現しました! 阪急おなじみのマルーン色…ですが、車体の前面には何やら扇子のようなものがくっついています。

こちらが大阪梅田10:32発の快速特急A 京都河原町です。この「快速特急A」はすなわち特別車両「京とれいん」を使用して運行される阪急京都線の最優等種別で、土休日に1日3往復のみの運行となっています。

使用車両は6300系で、1975年にデビューしてから半世紀近く走り続けています。「京とれいん」への改造が施されたのは2011年のことです。

この「快速特急A」という種別名は実は比較的新しく、2019年に登場したもの。2代目の「京とれいん雅洛」がデビューしたことでこちらが「快速特急」を名乗ることになり、先代の京とれいんは「快速特急A」として走ることになりました。なお京とれいん雅洛も同じく土休日のみの運行で、大阪梅田~京都河原町駅間に1日4往復が設定されています。

車体側面には「京とれいん」のロゴマークや和風のオリジナルラッピングが施されています。窓のシェードは何だか物々しさすら感じる独特なデザインですが、しっかりと上下に動かすことができます。

列車は6両編成で、全車自由席にて運行されます。別料金や予約等は一切必要なく、座席は早い者勝ちです。

1・2号車と5・6号車は一般的な転換クロスシートになっています。ただし阪急では珍しい「2ドア車」ということで、2人がけの座席が途切れることなくずらっと並んでおり、その光景は圧巻です。

真ん中の3・4号車は1+2列のボックスシート。すぐに埋まりますので、確実にここに座りたい場合はホーム上で並んで待っておくのがよさそうです。とても運賃のみで乗車できる列車とは思えません…!

列車は10:30発の特急のすぐ後を追う様に、定刻通り10:32に大阪梅田駅を発車。途中の停車駅は淡路、桂、烏丸のたった3駅のみです。

大阪梅田駅を出るとすぐ、列車は中津駅を通過して淀川を渡ります。阪急京都線宝塚線神戸線がそれぞれ複線になっているほか、並行する国道が視界に入るだけでも数本あり、無数の橋が架かっています。

淀川を渡り切ると、列車は次第に速度を落としていきます。そして何と十三駅で停車。

方向幕にも記載のある通り、この列車は十三駅を通過するはずです。ドア越しに聞こえてくるホーム上のアナウンスでも「通過列車ですー」と確かに言っています。

ここ十三駅は、京都線宝塚線神戸線の3路線が分岐する主要駅。ほぼ全ての種別が客扱いでの停車を行いますが、この「快速特急A」は運転停車のみで客扱いをせず、ドアは開きません。その理由はまさに先ほどもご紹介した「2ドア」での運行ゆえ、十三駅に設置されたホームドアと規格が合わないためです。

十三駅は数秒ほどの運転停車の後に発車。続いて現れる主要駅は淡路駅で、ここでは大阪メトロ堺筋線から直通してきた阪急千里線が合流します。車窓右手には立派な高架橋が出来上がってきており、淡路駅の高架化工事は着々と進められています。

この淡路が、大阪梅田を出て最初の客扱い停車駅。大阪梅田を9分早く発車した準急をここで追い越し、同時に緩急接続を取ります。

淡路を出ると、次は京都府まで何と26分間ノンストップ。途中にある茨木市高槻市長岡天神といった駅はほとんどの列車が停車する主要駅ですが、快速特急Aはこれらも全て通過していきます。ちなみに「快速特急(京とれいん雅洛)」と「快速特急A(京とれいん)」の停車駅の違いは「十三に停車するかしないか」だけですので、淡路~桂駅間ノンストップは快速特急も同じです。

まもなく列車はどっかの駅へ進入(おそらく高槻市)。2面4線の大きな駅ですがもちろん通過となります。ちょうど副本線を発車していく大阪方面行の列車が1本あり、その後ろには既に次の大阪方面行の列車が見えています。そしてそのさらに後ろにうっすらと見える列車の影は…おそらく大阪梅田をこの快速特急Aよりも2分早く出発した特急(京都河原町行)ではないでしょうか…! 流石は快速特急A、先行する特急に追いつきそうになっています。しかし結論を述べると、京都河原町へ着くまでに快速特急Aがこの特急を追い越すことはありません。

高槻市を過ぎると、右側に見えてくる高架橋は東海道新幹線。この先の区間で阪急は新幹線とぴったり並走するように高架を走っています。実は一時期、阪急の高架化工事に伴い阪急の列車が新幹線の線路を走行した時期があったと言われています。

並走区間はそれほど長くないため、あいにく今回車窓から新幹線の姿を捉えることはできませんでしたが、どちらも標準軌(1,435mm)ですので不可能ではないといったところでしょうか。

そして数々の駅を通過しながら京都府へと入り…ようやく次の停車駅であるが見えてきました!

既にホームが目の前に見えていますが、複雑なポイントの手前で列車はいったん停止。どうやら前を走る特急へ追いつきそうになっているようです。まぁ当たり前といえば当たり前で、快速特急Aがノンストップで爆走した淡路~桂駅間で特急は茨木市高槻市長岡天神にも停車していますので、むしろわずか2分差で大阪梅田を出発しているのに追いつかないはずがありません。

そしてようやく線路が空き、列車は桂駅へと到着。隣のホームには前を走る準急(京都河原町行)が停車しており、ここでも淡路と同様に緩急接続が行われます。また、ここ桂は阪急嵐山線への乗換駅でもありますので、結構な数の観光客の方が降りていかれました。

桂を発車し、西京極駅を通過すると列車はいよいよ地下へと入ります。この先西院、大宮、烏丸、そして終点京都河原町の4駅は地下にあり、市内中心部へ入る最後の数駅のみ地下区間を走行するかたちとなっています。まるで京葉線のようです。

終点の一つ手前、列車は烏丸駅へと到着。京都市営地下鉄烏丸線の四条駅と交差しており、これに乗り換えれば京都駅方面へもアクセスすることが可能です。

大阪梅田を出て43分、11:15に列車は終点の京都河原町へと到着!

地下ホームなので、列車を降りただけでは京都に辿り着いた実感は薄いですが、地上へ出れば目の前は鴨川とそこにかかる四条大橋ですのでまさに京都の中心部に出ることができます。

ちなみに2分先行していて時折追いつきそうになっていた大阪梅田10:30発の特急ですが、ここ京都河原町には11:13に到着しています。すなわち所要時間は快速特急Aと全く同じ(43分間)ですので、その点ではメリットはほとんどなさそうです。