わたかわ 鉄道&旅行ブログ

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[7]1日1本限定! 三国峠縦断ルートでぬかびら→網走へ【2024GW北海道ひとり旅】



 

▼前回の記事

watakawa.hatenablog.com

 

2024年5月1日(水)3日目

タウシュベツ川橋梁をたっぷりと見学し、そろそろぬかびら源泉郷に別れを告げる時間がやってまいりました。

来る時は帯広駅から十勝バスの路線バスを利用しましたが、ただ来た道を戻るのも面白くないのでさらに北へと抜けるルートを利用します。

前回の記事でも触れましたが、残念ながらぬかびら源泉郷よりも北へ向かう路線バスはありません。しかし看板を見ると、「旭川ゆき ぬかびら源泉郷発15:41」の文字が確かに確認できます。これは道北バス・十勝バス・北海道拓殖バスが共同で運行する高速バス「ノースライナー」の時刻表です。

ノースライナーは旭川~帯広間を結んでおり、運行本数は1日6往復。このうち5往復は富良野線・旧根室本線に沿った「狩勝峠経由」ルートですが、それとは別に1往復が「三国峠経由」として運行されています。

どちらも峠を通る険しい道のりですが、狩勝峠経由は大雪山系の西側を通るのに対して三国峠経由は大雪山系の東側を通る(というかほぼ突っ切る)ようなルートです。

区間の所要時間は、狩勝峠経由が4時間10分なのに対し三国峠経由は4時間25分と少しだけ長めに設定されています。現在、三国峠を公共交通機関で越えることのできる唯一の手段です。

十勝バスぬかびら営業所で待っていると、帯広方面からやってきたバスが到着。ぬかびら源泉郷15時41分発の高速バス〔ノースライナーみくに号〕旭川駅前行です。事前予約制のためあらかじめ予約は済ませてあり、乗車時に運転手さんに氏名を伝え降車地を確認します。ここで降りられるお客さんも1名いらっしゃいました。

バスは時刻通りに発車。一般的な4列シートで、車内は乗客10名いるかいないかくらい。ゴールデンウィーク期間中とはいえ平日なのでこの程度…ということなのか、それとももっと混む日もあるのかは定かではありません。

出発してすぐ、10分ほどで幌加駅跡に到着。ここで5分ほどの休憩があり、トイレを済ませることができます。私は先ほどのアーチ橋ツアーにて幌加駅の遺構もしっかりと見学できたのでよいですが、この休憩時間中に遺構を見学することは運行の遅延にもつながるためお勧めできません。

高速バスとはいうものの、停留所は比較的こまめに設定されています。旭川駅前行の場合、上士幌までは乗車専用、ぬかびら源泉郷~十勝三股間の各停留所は乗降ともに可能、層雲峡バスターミナル以遠は降車専用となっています。

今回は「上川森のテラスバスタッチ」まで乗車します。ぬかびら源泉郷からの運賃は2,100円、事前にクレジットカードで決済が完了しています。

ぬかびら源泉郷~十勝三股間の各停留所の利用者はほとんどいませんが、しかしこまめに停車し、かつ乗降とも可能となっているのは、この「ノースライナーみくに号」がかつての「国鉄士幌線」の代替交通としての役割も担っているためです。

「幌加温泉入口」という停留所がありますが、そこから脇道に入り山のさらに奥へ進んでいくとあるのは温泉旅館がわずかに1軒。またかつて士幌線の終着駅として林業で栄えた「十勝三股」の集落もほぼなくなっており、むしろ代替交通が残されている方が奇跡ともいうべき状態です。

十勝三股を過ぎ、バスはいよいよ三国峠へと差し掛かります。国道273号線が走るこの三国峠は、北海道内を走る国道の中で最も標高が高く(1,139m)、これは首都圏で置き換えると北関東の榛名山妙義山の山頂とほぼ同じ標高です。

5月に入りましたが、路肩では一部雪が残る様子も見られます。また電波は基本的に圏外のため、デジタルデトックスに効果的(?)です。

峠を下り最初の停留所は「層雲峡バスターミナル」。ここも有名な温泉地の一つで、いつか訪れたいと思っています。旭川駅・上川駅方面から路線バスも運行されています。通常であれば層雲峡で休憩時間が設けられているようですが、本日は乗降が1名もなく通過となりました。

ぬかびら源泉郷を出て約1時間半、17時07分頃に上川森のテラスバスタッチへと到着。なお定刻では17時27分到着予定でしたので、実に20分ほどの早着となります。ダイヤには比較的ゆとりをもって組まれているようです。

「上川森のテラスバスタッチ」は、石北本線の上川駅に隣接したバスロータリーです。バスを降りるとすぐそばに上川駅の駅舎があります。

ノースライナーみくに号を終点の旭川まで乗車せず、ここで降りた理由は言わずもがな。これから石北本線を利用し、本日中に網走まで向かいます!

先に示した通り、上川駅は層雲峡方面への観光の拠点ともなる玄関口の駅で、全ての定期旅客列車が必ず停車します。2008年に駅舎がリニューアルされ綺麗な佇まいですが、みどりの窓口は16時35分で営業を終了しており、何と自動券売機は1台もありません

てっきり上川駅できっぷを買えるつもりでしたが、これは予想外。車内で精算するほかなさそうです。

運賃表を見ると、例えば隣の白滝駅までは「運賃」970円のほか「運賃+自由席特急料金」の合計である1,600円も表示されています。美幌より先は普通列車での利用が想定されていないのか、表示は「運賃+自由席特急料金」のみ、網走までは合計6,710円のようです。まさか札幌に出るよりも高いとは…。

乗車するのは、上川17時47分発の特急〔大雪3号〕網走行です。定期列車ですが一部曜日には運休となるスーパートラップが仕掛けられており、本日5月1日がこの列車の運転日であることを入念に確認しました。

下に少し見切れている通り、実はこの2時間後にも網走行の特急がもう1本あり、夕方以降の時間帯は特急の本数が比較的充実しています。

きっぷを持っていない状態ですが、改札内へ入ります。都会の駅に慣れた自分としては少々躊躇がありますが、無人営業の時間帯なので何ら問題はありません。

そして遠くの方からキハ283系が3両編成で入線。やはり北海道といえば青い特急車両の印象が強いのでテンションが上がります!

列車は時刻通りに上川駅を発車。この先丸瀬布遠軽生田原留辺蘂、北見、美幌、女満別終点網走に停車します。

3両編成のうち、前から順に1号車と2号車は指定席。自由席は3号車の1両のみですが、それほど混雑している様子はなく、窓側の空席を確保できました。

車掌さんに声をかけ、無事に精算完了。これにて不正乗車とならずに済みます。

普段は特急列車等への乗車に際し乗車券類は入念に準備をするタイプなので車内精算の経験はあまりなく、以前一度利用した際も金額は数百円程度だったのですが、今回はこれほどの大金とあって少々緊張しました。今や首都圏では特急の自由席そのものが廃止されましたが、こうした車内精算により多くの時間・人員を割かれることを考えれば全車指定席化もやむなしといったところでしょう。

上川~白滝駅間は37.3キロ離れており、在来線の駅間としては国内最長距離を誇ります。約37キロというと中央線の東京~立川駅間に相当しますが、かつては上川~白滝駅間に途中天幕、中越上越、奥白滝、上白滝の5駅がありました。駅としての廃止年は上越が1975年、上白滝が2016年、その他3駅は2001年です。

この5駅のうち、中越上越・奥白滝の3駅は列車の行き違い可能な設備があったため、現在は信号場として残っています。

中越信号場は17時57分頃、上越信号場は18時05分頃にいずれも通過。駅舎のようなものが残っているので、車窓右側を注意深く観察していると気づくことができると思います。

上川を出て以来の市街地となる「白滝」。この列車は通過ですが、時間帯によっては特急もしっかりと停車します。

白滝~丸瀬布駅間も19.7キロとなかなかに長く、途中にはかつて旧白滝、下白滝の2駅がありました。いずれも2016年に廃止され、下白滝は現在信号場となっています。

最盛期は奥白滝~下白滝まで5駅連続で「白滝」の名がつく駅名があったことになりますが、現在の生き残りはその中間にある白滝のみです。この白滝駅さえも1日の利用者数は10人に満たない中、一部とはいえ特急が停車していることは奇跡としか言いようがありません。

18時40分、丸瀬布に到着。こちらも駅の利用者数は1日20人ほどと少ないですが、立派な駅舎が目を惹きます。「SLと昆虫のまち」ですが、このSLとはかつて木材の搬出に使われた蒸気機関車が「丸瀬布いこいの森」という公園の園内を現在でも走行していることが由来のようです。

18時57分、続いて列車は遠軽駅に到着。すっかり辺りは真っ暗です。

ここ遠軽駅では、列車の進行方向が変わるため3分ほど停車します。現在は石北本線のみの駅ですが、かつてはここから湧別・紋別・興部経由で名寄へと繋がる「名寄本線」がのびていました。

乗客各々で座席の向きを変え、3号車側が先頭になった状態で遠軽駅を発車。依然として自由席がそれほど激しく混雑する様子はありません。

先日の一部報道にもある通り、どうやらこの特急〔大雪〕は利用者数の低迷が続いており、快速への格下げが検討されている様子です。元々札幌~網走駅間では特急〔オホーツク〕が1日4往復運行されていましたが、2017年にこのうち2往復を旭川発着へと短縮し〔大雪〕として設定しました。

しかし北海道の中心都市である札幌へ直接乗り入れないことは高速バスや航空機と比較した際に大きなデメリットであり、2020年の新型コロナ緊急事態宣言期間中は一時〔大雪〕全列車が運休となったほか、2021年からは現在の通り閑散月の一部曜日が運休となる運行形態に変更されました。

2023年のダイヤ改正では〔オホーツク〕とともについにグリーン車の連結が取りやめとなり、ますます縮小が続く石北特急。仮に来年にも快速へ格下げになった場合、わずか8年の歴史に幕を下ろすことになります。

19時54分、北見駅に到着。石北本線途中駅では最大規模のターミナル駅で、1日の利用者数は500~600人にも上ります。ホテルを探すなら網走まで移動するより北見駅周辺の方が見つかりやすいということも多々ありますが、今回は網走のとある宿の予約が取れていますので網走まで向かいます。

私の石北本線への乗車は、実は約3年ぶり2回目。では前回はというと、2021年夏に実施した「最長片道切符の旅」の2日目のことでした。あの日は上川から北見まで特急に乗車し、北見で途中下車をして塩焼きそばを食べた後に普通列車で移動したのを覚えています。日中の移動で普通列車の車内は比較的混雑していた記憶がありますが、今回は北見で降車が多く、さらに車内はガラガラになりました。

上川駅から乗車すること実に約3時間、20時44分に終点の網走駅へ到着!

この旅3日目の夜は網走で投宿します。

21時近くになり、網走市内の外の気温は何とたったの2℃…!!

いくら北海道とはいえ、これは寒い、寒い、寒すぎる…!!!

駅から徒歩数分、今夜の宿は「民宿ランプ」さんです。

著名な鉄道系YouTuberの方をはじめ、旅人御用達で有名な宿です。ゴールデンウィークですが1泊わずか3,000円で泊まらせていただくことができました!!! 本当に有難うございます。

夕食は上川駅近くのセイコーマートで購入したお惣菜。中でも大好きなのが、おにぎりほどの安さで買えるパスタです(おにぎりよりも安い可能性さえある)。4品合計で700円ほどでした。安い…(全国チェーンコンビニなら普通に1,000円は超える)。

 

明日は網走市内を観光しますが、その様子は次回!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。