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[8]オホーツクの風を浴びる! レンタサイクルで巡る網走観光【2024GW北海道ひとり旅】

 

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2024年5月2日(木)4日目

北海道ひとり旅、4日目の朝は網走からのスタートです。

本日は網走市内を観光し、午後は釧路方面へ移動するスケジュール。網走は2021年夏の最長片道切符の旅以来約3年ぶり2回目の来訪で、前回は乗り換えるのみでまともに観光もできなかったので本日は網走観光にたっぷり時間をとってあります。

宿泊した「民宿ランプ」さんから網走駅方面へ向かう途中には、遮断機もなく警報音も流れない踏切があります。横断の際には左右をよく確認しましょう。

網走駅前を通り過ぎ、民宿ランプから2.5キロほど歩いてやってきたのは「道の駅流氷街道網走」。ここではレンタサイクルを行っており、今回の網走市内観光は自転車を活用します!

道の駅の営業開始時刻とほぼ同時に入館し、数分で手続き完了。今回は電動アシスト付き自転車を1日(2,500円)でレンタルします。

こちらでは電動アシスト付き自転車の他にもクロスバイクシティサイクルの貸し出しを行っており、それぞれ「3時間以内」と「1日」の2段階の料金設定があります。正直なところ網走市内の主要な観光地を訪問するのみならバスの方が格段に安いですが、本数が限られるため今回はレンタサイクルを活用することにしました。

まず道の駅を出て向かうのは、網走を代表する観光名所「博物館網走監獄」です。

網走駅前より国道240号線を進み、大曲の交差点を左折。そこから南下して脇道に入るルートです。

本日は絶好のサイクリング日和。国道につき交通量は比較的多いので、注意しながら進みます。

国道は概ね平坦ですが、目的地へと向かう最後の区間は上り坂となり、早くも電動アシスト機能をフル活用します。

道の駅から30分ほどで「博物館網走監獄」へ到着!

まだ時刻は午前10時前ですが、駐車場はそれなりに埋まっています。入場料は大人1,500円となっています。

網走監獄は、1890年に「釧路監獄署網走囚徒外役所」として開設された刑務所です。

明治時代、全国各地で発生した士族の反乱等により多数の囚人が当時未開の地であった北海道へ送られました。明治政府にとって北海道の開拓は急務であり、廉価な労働力であった囚人を使役させることでこれを推し進めていったのです。

しかしそんな囚人の労働環境は過酷を極め、特に冬の寒さが厳しいここ網走の地においては多数の犠牲者を生み出したという過去もあります。道路や鉄道、農地など様々な土地の開拓が囚人により始められたとされており、この網走監獄の歴史は北海道開拓の歴史と切っても切り離せない関係にあるとされています。

まず正門をくぐると正面に見えるのが「旧網走監獄庁舎」です。国の重要文化財に指定されている建物の一つで、細かい部分まで施された装飾が特徴的です。

現在この建物は当博物館の拠点施設としての機能を果たしており、北海道内各地に開設された集治監の歩みが紹介されています。

順路には当時の囚人らの生活の場面を切り取った人形とともに、様々な建物が移築・復原されその様子を今に伝えています。途中にある「監獄歴史館」は残念ながら館内撮影禁止ですが、大迫力の3面スクリーンで囚人労働の様子が上映されており、思わず見入ってしまいました。

そして一番の見どころともいえるのが、敷地の一番奥にある放射状の「舎房及び中央見張所」。こちらも同様に重要文化財に指定されており、中央にある八角形の見張所から繋がる5棟の舎房全体を一度に見渡せる構造となっています。各舎房は廊下を挟んで向かい合わせになっていますが、斜め格子により向かいの舎房の中は見えないようになっており、工夫が施されていることが分かります。

ゲートの外に出ると、レストラン「監獄食堂」があります。ここで是非食べておきたいのが看板メニュー「監獄食」で、現在の網走刑務所の昼食を忠実に再現したメニューとなっています。ご飯は白米7割:麦3割の麦飯となっており、焼き魚はサンマ(A)またはホッケ(B)から選ぶことができます。訪問時の価格は900円でしたが、その後950円へと値上げされたようです。

ホッケは脂がのっており、ご飯がよく進みます。総じて薄めの味ではあるものの、普段の私の食生活と比べると圧倒的に栄養バランスも良さそうで、ほんの少しだけ羨ましくも思えました。

監獄食込みで計2時間ほど滞在した網走監獄を後にし、続いて向かうのは「オホーツク流氷館」。網走監獄からの距離は2.2kmで、地図上で見るとそれほど離れていないよう見えるかもしれません。

しかしこれが大変急な上り坂で、電動アシスト付き自転車でも足がパンパンになるレベル。幸い大きな荷物は道の駅で預かっていただいていますが、それでも一気に上り切ることはできず、途中何度か休憩を挟みながら上っていきます。

1日1,200円で借りられるシティサイクル(電動アシストなし)の2倍以上の金額を払ってアシスト付き自転車にしたのも、この「天都山」の上り坂を上らなければいけなかったため。自動車が後方から凄まじいスピードで上ってきますので、そこへも注意を払いながら進みます。

15分ほど上り、ようやく「オホーツク流氷館」に到着。ここはちょうど天都山の頂上付近に位置し、白く綺麗な建物が目印です。

入館料は990円で、順路は地下へと繋がっています。館内では流氷のできる仕組みが詳しく解説されているほか、オホーツク海の美しく自然豊かな映像の上映等が行われています。網走の地において流氷観光は人気が高く、また改めて冬に網走へ来て本物の流氷を生で見てみたいと感じました。

残念ながら今の時期は自転車をこぐと汗だくになるくらい暑い(気温15℃)季節なので流氷は見られませんが、その代わりにオホーツク流氷館名物の「流氷ソフトクリーム」(400円)をいただきます。青い粒はオホーツク海の塩が使われており、甘じょっぱい塩キャラメル風味の美味しいソフトクリームです。

また、建物の屋上からは網走の市街地とその先に広がる雄大オホーツク海の眺めを一望できる展望台があります。この旅はここまでずっと内陸移動ばかりでしたが、4日目にして初めてオーシャンビューを楽しむことができました。

3ヵ所目に向かうのは「北方民族博物館」です。こちらはオホーツク流氷館から1kmにも満たないほど近く、また道のりは下り坂に転じるためしんどさはありません。

遠くの方にはオホーツク海も見え、自分の足で漕いでこの高さまで上ってきていたと考えると改めてその過酷さを実感します。

オホーツク流氷館から数分で到着。こちらの入場料は550円とリーズナブルです。

この北方民族博物館では、北海道をはじめ北方地域に居住する民族の衣食住や精神世界にまつわる資料が多数展示されています。北海道やその周辺諸島では「アイヌ」が有名ですが、これ以外にも北米地域の「インディアン」「イヌイト」や現在のロシア・ヨーロッパ地域に広がるシベリア諸民族など扱う地域は幅広く、それぞれ厳しい冬の寒さをどのようにして乗り越え生活していたかを垣間見ることができます。

網走監獄やオホーツク流氷館と比べ館内があまり混雑している様子はありませんでしたが、その分一つ一つの展示物をじっくりと見学することができました。

さて、ここからは市街地中心部へと戻ります。

北方民族博物館からは、道道683号線を道なりに進むと一気に市街地へ戻ることができそうなので一気に駆け抜けます!

網走監獄の付近で経験した急な上り坂とは対照的に、こちらは市街地までひたすらに下り坂が続きます。電動アシスト機能はほぼ使わずとも、自然なブレーキ操作で風を浴びながら走り抜ける爽快感がたまりません!

30分ほど走り、やってきたのは網走川を渡った対岸にある「モヨロ貝塚」。その名の通り、網走の市街地にある古代オホーツクの史跡「モヨロ貝塚」跡地に隣接して建てられている博物館です。入場料は300円です。

かつてこの地に暮らした「モヨロ人」は、オホーツク文化と呼ばれる独特な暮らしを営んでいました。彼らの暮らしは海とともにあったことが明らかとなっており、実際にこのモヨロ貝塚も海のすぐそばに広がる史跡となっています。

博物館の中では、復元された住居や墓が展示・紹介されており、屋外では住居跡群も見ることができます。

北方民族博物館を訪れた際にこの貝塚の存在を知り、時間に少し余裕があったので行ってみましたが、こちらもまた人が少なくゆっくりと見学できました。

最後は自転車を1kmほど漕ぎ、返却場所である道の駅へと戻ります。対岸すぐのところに見えておりそれほど離れているわけではありませんが、モヨロ貝塚から直線的に移動できる橋はないので少しだけ回り道となります。

5時間ほどのレンタルを終え、無事に自転車を返却。料金は返却時の支払いとなります。今回の網走観光はここで切り上げますが、午後もめいっぱい観光に使えるのであれば、これに加えて網走湖や能取岬なども行けるかもしれません。またの楽しみにとっておこうと思います。

 

この後は釧網本線に乗車し釧路方面へ向かいますが、その様子は次回。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。