みなさんこんにちは! わたかわです。
今回は、札幌から稚内まで北都交通の高速バス「はまなす号」に乗車して日本最北端の宗谷岬に行ってきたので、その様子をご紹介していきます!
2020年10月14日(水)
おはようございます。現在、北海道札幌市にやってきています。
これより、札幌から稚内まで高速バスにて移動していきます。まずは高速バスの乗車地となる「大通バスセンター」へとやってきました。時刻はまだ朝7時過ぎということで、辺りにあまり人もおらず、静かな朝を迎えています。
大通バスセンターは、大通公園の東側にある高速バスのターミナルなのですが、外から見てもただのオフィスビルにしか見えず、近づかないと「大通バスセンター」という文字が見えません。初見ではなかなかわかりづらいかもしれません。
バスセンターの中に入ると、乗車券うりばがあります。私は既にインターネットで予約済みですが、予約完了メールを見せて乗車券と引き換える必要があるため窓口に向かいます。
乗車券を片手に、乗車口へと向かいます。運賃は6,200円で、JRの特急が11,000円程度であるのと比べると5000円ほど安いようです。乗車日時は指定されていますが座席は指定されないので、早い者勝ちとなります。
そして待っていると、バスがやってきました。この大通バスセンターが始発地点で、10分以上前もって入線してきます。大きな荷物は運転士さんにお願いして、下の荷物棚に入れることができます。
それでは早速乗り込みます!
座席は独立3列シートで左右にはゆとりがありますが、前後の間隔はまずまずといったところ。地上波が放送される大きなテレビのモニターもあり、これにはなかなか驚きました。トイレも完備しています。また座席にはレッグレスト・リクライニングも完備しているほか、ヘッドホンも無料で備わっています。JRの特急にもリクライニングやトイレはありますが、高速バスの方が設備の面では少し豪華かもしれません。
そうこうしているうちに発車時刻となり、バスは定刻通り7:40に大通バスセンターを出発。現在自分がいるのは紛れもなく札幌の市街地なわけですが、ここからこのバスに乗り続けて本当に稚内へ行けるのかというのが俄かには信じられない気持ちでいます。
乗車率は7割ほどで、言うほど空気輸送でもありませんでした。もしかしたらコロナの影響で減便されているからというのもあるかもしれません。
バスはまず札幌の市街地をしばらく走った後、札幌ICより道央自動車道に入ります。JR函館本線の白石駅よりも少し北側にあり、札幌市内で見るとだいぶ郊外といった様子です。
道央自動車道は概ねJR函館本線と並行するように伸びているので、このバスもその通りに進んでいきます。
江別、岩見沢の辺りを北東方向に進んでいきますが、基本的に車窓は何もない風景が続いています。札幌からそう遠くない場所でもこれほどまでに北海道らしい景色を感じられるのが驚きです。まさに函館本線で札幌~旭川駅間を移動する際に見える景色と似ていると思います。
札幌を出てから1時間余り、8:51に砂川SAへと到着。少し早い気もしますが、ここで1回目の休憩となります。
この砂川SA、何と日本最北端のSAだそうなんです。「何でこんな道央エリアにあるSAが日本最北端なの!?」と思うかもしれませんが、実はこの先進む道北エリアには有料道路もほとんどなく、SAがないということでこのようになっているようなんです。すなわち高速バスといえばほとんどの区間で高速道路を利用するものだと思っていましたが、この先は一般道が多くなる…という現実を知って今から恐れおののいています(笑)。
ささっとトイレ休憩を済ませ、バスへと戻ります。駐車場には他に車はあまりなく、朝早いということもあってかがらんとしていました。
9:03、砂川SAを出発。引き続き道央自動車道を進んでいきます。
9:16頃、バスは深川JCTで道央自動車道から深川留萌自動車道へと入りました。この先はちょうどJR留萌本線と似たようなルートで留萌方面へと進んでいきます。ここも一応高速道路のようなのですが、途中にSA・PAはなく、またそこまで高規格な道路という感じもしません。
広大な畑とぽつりぽつりと建つ民家。東京ではまず見られない雄大な景色の中を進んでいきます。
留萌ICにて深川留萌道を降りた後は、いよいよ長い一般道の区間となります。これより先、留萌~稚内は旧国鉄羽幌線と似たようなルートを通り、左に海を望みながら国道239号線を進んでいくことになります。留萌を過ぎると海が見えてきますが、時を同じくして雨が降り始めました。
留萌より先は、小平、鬼鹿、苫前…と、ところどころで文明の発達した市街地(失礼)が広がりますが、国道とはいえ基本的には田舎の村の海岸沿いの一本道です。集落以外は単調な風景が続きます。
バスの車内のテレビは、ここまでほぼ順調に視聴できていたのですが、国道239号線に入るとうまく電波が届かなくなるのか、映らない時間が多くなりました。
札幌を出てから3時間10分、10:50に羽幌町の「サンセットプラザはぼろ」に到着。ここで2度目にして最後の休憩となります。
こちらは温泉ホテルに道の駅を併設した施設で、羽幌町の市街地中心部にあります。かつての国鉄羽幌駅が近ければ見に行ってみようかとも思ったのですが、少し離れているようだったのでやめておきました(頑張れば行けたのかもしれませんが)。
サンセットプラザはぼろの館内に入ると、フロントの脇に少しばかりのお土産コーナーがありました。高速バスの休憩地点として利用する上ではトイレをお借りするのみですが、併設された温泉に日帰り入浴もできるみたいなので、時間がある時は是非は行ってみたいですね!
お手洗いを済ませてバスに戻ろうとすると…ここで要注意。何と同じようなバスが2台、縦列駐車しています。これは前方に停車するのが「稚内発札幌行」、そして後方に停車するのが私の乗ってきた「札幌発稚内行」であり、両者がこの羽幌でちょうど同じ時間帯に停車するようなダイヤになっています。乗り間違えるとせっかく3時間かけてやってきた道のりがなかったことになり、自動的に振り出しに戻るためよく行先を確認して乗り込みましょう。
そして15分間の休憩を経て、11:05に羽幌を出発。ここからは稚内市内までノンストップとなります。
羽幌の停車中は何とか持ちこたえていた天候ですが、羽幌を出発するやいなや急に横殴りの大雨が降ってきました。バスに乗っているだけの私としては正直雨が降ろうとも乗り心地に違いはないのですが、いかんせん運転士さんは大変でしょう。羽幌はかなり大きな市街地ですが、そこを出ればまたすぐに何もない海岸沿いの国道をひたすら道なりに走り続けるのみですから、今回のように雨風の影響ももろに受けることになります。このような横殴りの大雨であれば極寒の宗谷岬へ行くことはかなり厳しい状況となりそうな気がしますが、果たしてどうでしょうか…。
初山別や遠別といった日本海側の小さな市街地を抜けていきます。窓の外を見ているとちょっと建物が増えてきて、また一つ町に着いたのかと思ってGoogleマップを見てみると、どこかの小さな町や村の市街地であるといった様子です。
そして天塩の市街地に入るころには、気づけば雨がやんでいました! 空にはまだ雲が多い状態ではありますが、何とか稚内の手前でやんでくれたのが何よりの安心です。
天塩より先も沿岸部を走る道はありますが、ここで内陸へ入りバスは幌延方面へと向かいます。幌延から豊富にかけては、わずかではありますが高規格の道路「幌延バイパス」がありますので、そちらを経由した方が早いということのようです。幌延IC~豊富北IC間の全区間を利用しましたが、走行時間はわずか20分程度でした。
いよいよここまでくれば、稚内はあとわずか、車窓に目をやると、牛が放し飼いにされています。何だかヨーロッパにでも来たような異国の雰囲気で、まるで同じ日本とは思えません(良い意味で)。先ほどからずっとですが、初めて見るような景色の連続です。
そして札幌を出てから5時間20分、13:00頃についに稚内の市街地へと突入しました! これより先は市内の国道沿いのバス停で降車可能となっており、「潮見が丘中学校前」を皮切りに「朝日2丁目」「萩見5丁目」…と、路線バスと同じ感覚で降車可能となります。各座席には降車ボタンが取り付けられているので、途中のバス停で降りたい場合は路線バスと同じように降車ボタンを押して知らせると停車してくれます。
13:06、途中のバス停である「潮見5丁目」に到着。この先稚内駅までは乗車せず、私はここで下車します。というのも、日本最北端の地である宗谷岬はここからさらに路線バスに乗り換える必要があり、稚内駅前~潮見5丁目間は路線バスと高速バスが重複するルートを通るのですが、稚内駅前まで乗車してしまうと宗谷岬方面へと向かう路線バスに間に合わないためです。
潮見5丁目はどうやらこの辺りではやや大きめのバス停のようで、広いロータリーの傍らには乗車券発売所を併設した待合所まで設けられています。
この後この潮見5丁目バス停からは、13:31に発車する路線バスに乗車することになるのですが、それまでの25分間ここで暇していても仕方ないので、ここから歩いてすぐの場所に向かいお昼ご飯を食べることにしました。
それがこちら、マクドナルドです。
何だお前、はるばる北海道、それも稚内までやってきてマックかよ!? 海鮮とか食えよ!
…という声が聞こえてきそうなのですが、実はこのマック、ただのマックじゃないんです。
そう、何とこちらは「日本最北端のマック」なのです!
潮見5丁目バス停からも程近い「マクドナルド 40号稚内店」は、正真正銘日本最北端に位置するマクドナルド店舗。稚内駅などはこれよりも少し北側にありますが、そちらの方に行ってもマックはないそうです。駐車場には「日本最北端店舗」のモニュメントまで設置されています。
いつも地元のマックで注文するのと何ら変わらないチキチーのセット(500円)を注文。やはり味は変わりません。こんな日本の果てみたいな場所でも、近所と同じハンバーガーを味わえるというのはある意味とても感動ですよ。
食後は急いでバス停へと戻り、潮見5丁目13:31発の宗谷バス 中頓別行に乗車。乗客は10人程度で、遠方からの旅行客が大半を占めるようでした。
稚内の市街地と宗谷岬というのは実はかなり離れていて、潮見5丁目バス停からだと約40分程度かかります。ひたすらに宗谷湾を左手に見ながら進んでいきます。途中にもたくさんのバス停がありますがどこも乗降はほとんどなく、富磯では時間調整で少し長めに停車していました。
そして車内のモニターには「宗谷岬」が表示されます。観光客に向けて、「日本最北端の地~」という案内放送もなされるほか、運転士さんからは稚内駅方面への帰りのバスの発車時刻もありました。
14:10 宗谷岬へと到着。ほとんどの人がここでバスを降りました。
札幌の大通バスセンターを出てから6時間半、ついにようやく「日本最北端の地」北海道・宗谷岬へとたどり着きました! 紛れもなく「日本の果て」と呼ぶにふさわしい場所でしょう。
とにかく風が強く、体感温度が非常に低いです。足元相当踏ん張って立っていないと体がもってかれるような感覚で、土産物店に設置された温度計では10℃を示していますが体感としては気温1桁くらいかと思います。明らかに東京よりも、そして札幌よりも寒いです。まだ10月だというのに…。正直完全に宗谷岬を舐めてました(笑)。
かなり雲の多いどんよりとした天候ではありますが、幸い雨は降らず何とか持ちこたえてくれました。宗谷岬まで来るともう樺太がかなり近い位置にあるようで、曇り空でも対岸に確かに陸地があるのが確認できました。まさか人生のうちで樺太を見ることができる日が来るとは…!
高台へ上ってきました。平日とはいえちらほら観光客はいて、人の気配がないわけではないという意味では”最果て感”がやや薄れるところではありますが、しかし大半の人は岬や土産物店周辺をうろうろするだけで、この高台に上って来ればほぼ人はいません。
宗谷岬周辺を一通りぶらついたところで、帰りのバスを待ちたいと思います。時刻表を見てみると何と1日わずか4便。これから乗る14:55発が終バスとなるようです。外で待っていると凍えそうになるので、待合室の中で待ちます。
そしてようやくバスがやってきました。一気に10人くらいが乗り込みます。実はこのバスはどうやら音威子府から国鉄天北線と似たルートではるばるやってきているようで、最後の最後にこの宗谷岬からかなりのお客さんが乗り込むということになりました。
約1時間走り、15:53に稚内駅前へと到着! 宗谷本線の終点となる駅で、札幌からの特急〔宗谷〕1日1往復と旭川からの特急〔サロベツ〕1日2往復が乗り入れます。言わずもがなですが、ここが日本最北端の駅となります。
時刻表を見てみると、この稚内から発車していく列車は特急と鈍行を合わせても1日わずか7本のみ。稚内という地名こそそれなりに全国的にも知名度が高いかもしれませんが、実はその中心である稚内駅は超ローカル駅なんですよね。
稚内駅には商業施設「キタカラ」があります。お土産物屋さんやオシャレなカフェに加え、何と映画館「T-JOY」まであるんです。横浜駅ですら2020年にやっとできた映画館ですが、既にこの稚内駅にはできていたようです。1日7本しか列車が来ない駅なのに、これほどまでに立派な駅ビルがあるのもなかなか珍しいかもしれません。
ホームは1面1線で、到着した列車がそのまま折り返していくのみのワンパターンの運用を取ります。おそらくかつては今ある線路の両側にもさらに線路があり、より柔軟な運用ができていたのでしょうね。柵の向こう側の駐車場が元鉄道用地であったことは想像に難くありません。
この日は稚内に泊まるのですが、まだ少し時間があるので稚内駅周辺を散策してみます。
駅からさらに北へ少し歩いたところには、「北防波堤ドーム」というのがあります。海岸沿いに防波堤がトンネルのように歩道を覆っています。
戦前は稚内駅よりもさらに先、この稚内港まで線路が繋がっており、「稚内桟橋駅」という乗降場が設けられてロシア方面の航路と接続を取っていたようですが、現在では記念碑が残るのみとなっています。
現在ではこの稚内桟橋駅跡地よりも少し南側に稚内のフェリーターミナルがあります。定期航路としては利尻島・礼文島方面へのフェリーがありますが、現在ロシア方面への定期航路は休止中とのこと。2019年まで運航されていたコルサコフへの航路が休止しているようです。コロナの影響もあり国外との往来需要が以前にも増してさらに低迷する昨今ですが、この航路が復活する日は来るのでしょうか…?
まだ外は明るいですが、もう寒さに耐えきれなくなったので早めに宿へチェックインします。
稚内駅周辺にはホテルや旅館が点在していますが、この日はたまたまどこも満室のようで、稚内駅の目の前にあるゲストハウス「THE STAY WAKKANAI」に宿泊。1泊4,290円で、GoToトラベル事業対象外の施設でしたが個人的に保有していたじゃらんのポイントを1,300ポイント使って2,990円で宿泊しました。
ゲストハウスということで、部屋はドミトリーの大部屋となります。まぁ1泊するだけなのでこの設備があれば十分といったところではないでしょうか。16時台のチェックインだったのでまだ誰もいませんでしたが、後にかなり混んできました。
館内にはフリースペースもあり、飲食や会話・電話は基本的にここで行うことになります。しっかりとWi-Fiが入り、コンセントもあるので作業スペースとしてももってこいでした!
というわけで、いろいろと話が逸れましたが、今回は札幌から稚内まで高速バスで移動し、その先路線バスで宗谷岬へ立ち寄る様子をご紹介しました。現在この「はまなす号」はコロナの影響で1日4往復まで減便されていますが、それでもJRの特急が乗り継ぎ便含め1日3往復であるのと比べれば本数が多く使いやすいのかもしれません。鉄道では2007年で廃止となった札幌~稚内間の夜行運転も、バスならまだ設定されています(現在は夜行バス便もコロナで運休中)。詳しくは以下のリンクをご覧ください。
一方でバスは走行中、席を立つことができないのである意味で窮屈な感じもするかもしれませんが、鉄道なら自由に歩いたりすることもできるわけです。一長一短かと思いますから、是非用途に合わせた手段を利用してみてください。
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