わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

今はなき「JR富山港線」の廃線跡を歩いてみた! 跡地はどのように活用されている?【2020-10立山黒部アルペンきっぷ5】

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みなさんこんにちは! わたかわです。

先日の東北での大地震、皆様大丈夫でしたか…?

特に揺れの強かった地域では今も不安な日々が続いていると思います。どうぞお体にお気をつけてお過ごしください。

▼前回の記事は以下のリンクからご覧いただけます。

watakawa.hatenablog.com

 

3日目 2020年10月30日(金)③

さて、宇奈月温泉を1泊2日で楽しんだ後は、いよいよ富山市内へと向かっていきます!

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14:17発に乗車予定

乗車するのは、宇奈月温泉14:17発の電鉄富山。この列車で終点の電鉄富山まで、富山地方鉄道本線を全区間走破することになります。

有人改札の駅なので発車時刻が近づくと改札が開始されます。

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普通列車でも元京阪3000系

ホームに降り、2番線に停車中の2両編成に乗り込みます。使用車両は富山地鉄10030形という車両で、かつて京阪3000系として関西の大量輸送を支えていました。前日に立山から宇奈月温泉まで特急〔アルペン1号〕という有料特急に乗車した時もこの形式の車両で、有料特急も鈍行列車もごちゃまぜで車両運用を行うというのが何ともパンチが効いていてよいものです(笑)。

定刻通り宇奈月温泉を発車し、しばらくは山間部を下っていきます。途中かなり雨が降ってきましたが、新幹線と接続する新黒部駅に着くころにはやんでいました。山の天気は変わりやすいのでしょうか。

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立山連峰を眺めながら西へ進む

スーツケースを抱えたお客さんはみんな一様に新黒部で下車し、列車はいよいよあいの風とやま鉄道と並走する区間に入ります。車窓左手には立山連峰の山並みが見えてきました。前日にちょうどこの山を越えてきたわけですが、改めてちょっと信じられないなと思ってしまいます。

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反対側の車両も気になる

上市駅ではスイッチバックとなるため、お客さんが一斉に立ち上がって座席を転換します。ちょうど反対側のホームには、電鉄富山方面からやってきたと思われる上市どまりの列車が入線してきました。あちらの車両もこれまた古そうで、いつか乗ってみたいなと思います。

立山線が分岐する寺田駅を過ぎ、いよいよ立山黒部アルペンきっぷのフリールートへと戻ってきました。平日夕方の時間帯に差し掛かり、高校生の帰宅時間帯とも重なったようでかなり車内は混雑した状態で、15:53に終点の電鉄富山駅へと到着です!

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これは貴重!

電鉄富山駅のホームの壁には、かつて富山地方鉄道で使われていたと思われるヘッドマークが多数展示されています! フォントのレトロ感や黒ずみ方から、ものによってはかなり古そうです。

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3方向に分岐するターミナル

富山地方鉄道ターミナル駅となっている電鉄富山駅からは、本線・立山線・不二越上滝線の3方向へ線路が伸びています。ちなみに立山線と不二越上滝線は、電鉄富山の一つ隣にある稲荷町で分岐した後、岩峅寺で再び合流します。

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新幹線も開業した富山

電鉄富山駅が隣接するJR・あいの風とやま鉄道の富山駅に出てきました。現在はあいの風とやま鉄道・JR高山本線北陸新幹線が乗り入れる駅となっています。

2015年の北陸新幹線開業前までは、あいの風とやま鉄道が「JR北陸本線」であったことは言うまでもありませんが、実はこの他にもう一つ、かつてこの富山駅に乗り入れるJRの路線がありました。それが「JR富山港線」です。

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富山港線路線図(Wikipediaより引用)

JR富山港線は、かつて富山~岩瀬浜駅間を結んでいたJR西日本鉄道路線です。富山駅を出ると程なくして北陸本線と分かれ、左にカーブを描きながら岩瀬浜方面へと向かっていく路線でした。

富山駅では、新幹線開業に際して既存の在来線ホームも高架化させることとなりましたが、その際に経営状態が著しく悪かった富山港線については高架化における費用対効果が見込めず、路線存続の危機に立たされます。しかし一方で朝夕の通勤通学需要を支えていたという意味で完全なバス転換を行うこともできず、結果的にほぼ同じルートで「LRT」として姿を変えて存続することになりました。

JR富山港線は2006年3月1日付で廃止され、その2か月後の2006年4月29日に「富山ライトレール」として富山駅北~岩瀬浜駅間が開業。奥田中学校前~岩瀬浜駅間は基本的にJR時代と同じ場所にLRTの線路が敷かれ、新たな都市交通のモデルを創り上げました。

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緑が「JR富山港線」、青が「富山ライトレール」(鉄道コムより引用)

一方で富山駅付近ではルートの変更がなされることになりました。JRは先ほども述べた通り北陸本線からだんだん分岐していくような形ですが、一方でLRT富山駅北からまっすぐ道沿いに出発し、より市内中心部を通るようなルートになっています。この富山駅~奥田中学校前駅間が、現在では廃線跡になっているということなので、今回はその廃線探訪をしてみたいと思います!

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富山駅北口

まずは富山駅の南口から北口へと移動します。富山駅は圧倒的に南口の方が栄えており、北口には近年ようやく高層ビルが増えてきたかなという様子です。まだまだ駅前も再開発の途中といった様子ですね。かつてはこの駅前に富山ライトレールの「富山駅北」停留場がありましたが、現在は駅の南側を走る富山地方鉄道市内電車に吸収合併され、相互直通運転が行われ駅直下の「富山駅」停留場に集約されています。

ではここから、あいの風とやま鉄道の高架線を伝って東に歩いていきたいと思います。

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高架橋の下は若干の余裕がある?

高架橋の真下は工事用の資材等が置かれていますが、橋の幅と比べるとやや余裕があるようにも見えます。もしかするとこの余っている幅の分がJR富山港線の線路の分ということなのかもしれません。

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旧富山口駅跡地付近

こちらの写真は、画面奥が富山駅方面となります。川を跨いでだんだんと本線の線路から分岐する辺りには、不自然な更地があります。まさにJR富山港線の線路が敷かれていたと思われるのがここで、しかもこの地点には旧「山口駅」がありました。富山駅からもかなり近い位置ですが周辺にはマンションや民家もあり、駅自体は簡素な造りであったものの地元民を中心に利用者はいたようです。

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右側の駐車場が線路跡

さらに歩くと、ちょうど写真の右側の駐車場がかつての線路跡地ではないかということがわかります。本線から綺麗に分岐するように弧を描いた形の道が何とも違和感です。

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線路がまだ残っている!

そして反対側、岩瀬浜方面に目を向けると、駐車場と駐車場の間に線路が残っていました! 貴金属店の目の前を横切るように道があり、線路との交差地点に踏切があったのでしょうが、その踏切部分の線路が残っているものと思われます。残されている線路の長さは約10メートル程度ですが、JR富山港線が確かにここを走っていた証拠です。

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不自然に細長い駐車場

その線路の先は再び不自然に細長い駐車場となっており、左に緩やかなカーブを描き続けています。廃線跡が駐車場として活用されるのはよくあることですが、特にここはかなり広大な駐車場になっていますね。

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ここには踏切の跡形もない

そこからさらに進み、こちらも踏切になっていたと思われる場所ですがこちらには線路の痕跡など一切ありません。写真の左側が岩瀬浜方面、右側が富山方面で、緑色のフェンスで囲われた雑草エリアから道路を横断して左側の白いアパートのある辺りに線路が敷かれていたものと思われます。白いアパートは明らかに周囲の建物よりも新しいのがわかります。

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月極駐車場から遊歩道に変わる

そしてアパートから続く駐車場としての区画が終わると、どうやらその先は廃線跡が遊歩道になっているようです。隣の道路からクイっとカーブを描き、この遊歩道に入れるようになっています。

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どう見ても単線

遊歩道自体には、かつてここに鉄道が走っていた痕跡は見受けられませんが、おそらくこの遊歩道や川に架かる橋の幅を考えるに、おそらくJR富山港線は単線だったのだろうと思います。鉄道設備の跡もなければ、「ここはかつてJR富山港線でした」的な記念碑やプレート等も特にありません。

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遊歩道からLRTの線路に直結!

そこそこ長い遊歩道を歩くと、遊歩道が終わり、大きな道路にぶつかりました。廃線跡はここまでで、道路の向こうにはLRTの線路と「奥田中学校前」停留場が見えます。JR富山港線時代はここも踏切になっていたのでしょう。

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専用軌道が整備されている

道の反対側に渡ってみると、しっかりとLRTの専用軌道が整備されているのが確認できます。岩瀬浜方面へまっすぐ線路が伸びており、このルートはJR時代の線路と基本的に同じ場所かと思います。

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奥田中学校前停留場

LRTの奥田中学校前停留場は2面2線の対向式ホームとなっており、基本的には”路面電車”なので改札口や駅舎はありません。均一運賃210円となっており、ICカードは現地のもののみ使えます(SuicaPASMOは不可)。

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あっという間に富山駅

そしてあっという間に富山駅へと戻ってきました。ICカードが使えないのはなかなかに面倒なので、元が取れるかどうかに関わらず観光客は一日乗車券を購入するのがいいかもしれません。

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今夜のお宿

そろそろすっかり暗くなってきたので、ホテルへ向かいます。今夜は富山駅から少し歩いた所にある「ホテルリブマックス富山」。全国にチェーン展開する格安ビジネスホテルです。

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安定と信頼のリブマックス

お部屋は決してめちゃくちゃ広いというわけではありませんが、金曜の夜にも関わらずGoToトラベル適用で1泊2,470円。さらに1,000円分の地域共通クーポンが付与されたので、これで今夜の夕食を食べに行くこととします。

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西町 大喜で夕ご飯

やってきたのは、富山駅に併設された「とやマルシェ」内にあるラーメン屋さん「西町 大喜」。ここで、富山のご当地グルメ「ブラックラーメン」をいただきます!

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中華そば(並)+ライス

今回は「中華そば(並)+ライス」(1,000円)を注文。おしながきには「ブラックラーメン」とは書いていませんがブラックラーメン専門店なので「中華そば」がこのブラックラーメンを指します。

「炭水化物に炭水化物を合わせるのかよ!」と思ったかもしれませんが、実はどうやらブラックラーメンはご飯と一緒に食べるのが正しい食べ方のようで。ブラックラーメンというのはめちゃくちゃしょっぱく作ってあるので、このブラックラーメンをいわば”おかず”として、ご飯を食べるのだそうです。スーツさんが以前動画でおっしゃっていたので、その通りに注文しました。

一口食べてみると、ラーメンはやはり非常にしょっぱく、濃い味でご飯が進みます。食べているうちに口の中に味が染みついてくるので、白ご飯がもはや”焼け石に水”状態となるのですが、やみつきになるしょっぱさが何とも美味しく、無事完食いたしました。

ちなみに中華そば単品もありますが、850円ということで地域共通クーポンの額を下回るので、その意味でもライスとのセットがオススメです。ただし炭水化物+炭水化物であることは事実なので、かなりお腹に溜まります。中華そばとライスのセットは「並」と「大」がありますが、よほど大食いでなければ「並」をオススメします。

 

というわけで、今回は2006年に廃線となったJR富山港線廃線跡を歩いてみました。

特に地方等では、今もこのように廃止された路線の跡が残っている場合がありますので、今後も各地の廃線探訪をしていけたらと思います!

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました!

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