わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

【かつては地上駅だった】相鉄本線大和駅周辺の廃線跡を歩く!

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は相鉄の大和駅にやってきました。

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全列車が停車する駅

神奈川県民ならおなじみの相模鉄道、通称”相鉄”は主に横浜~海老名・湘南台駅間を結ぶ大手私鉄の一つで、2019年には相鉄・JR直通線の開業によりJR埼京線へ直通して新宿方面へも向かうようになりました。

そんな相鉄本線の途中にある「大和駅」は、相鉄屈指の主要駅の一つ。最速達種別である「特急」を含め全ての種別が終日停車する重要な駅となっています。

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広いホーム

ホームは島式1面2線で地下にあり、2021年3月にはホームドアの稼働も始まりました。かなり広いように見えるかもしれませんが、たったこれだけのホームで朝晩の横浜・新宿方面への通勤通学輸送を支えているというのはある意味恐ろしいことかもしれません。中にはこの大和を始発・終着とする列車も設定されており、キャパシティが限られる中でよく設定されているなと感じます。

しかし! 今回注目したいのはそこではないんです。

相鉄の大和駅が開業したのは今から何と95年前、1926年のこと。当時はもちろん今のような地下ホームではありません。

では、いつ地下化されたのか。

何と今から28年前、1993年のことなのです。意外にも最近だなぁと思いませんか?

まぁ最近とはいっても私はまだ生まれていませんが。

ということで、今回は大和駅周辺を歩きながら、地上駅時代の名残を探し歩いてみたいと思います!

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北口(相鉄改札)

というわけで、ひとまず北口改札を出ます。大和駅には相鉄本線の他に小田急江ノ島線も乗り入れており、北口改札が相鉄、南口改札が小田急の管轄となっていますが、しかしどちらの改札から入ってもどちらの鉄道会社も利用できるという特徴的な駅です。そのため、相鉄が管理するこの北口改札は煉瓦造りの外観等がいかにも相鉄らしさを感じさせますが、実際には小田急大和駅に有効な乗車券類でもこの改札口を通ることができるのです。

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ドカンと鎮座するプロス

北口改札を出て右に曲がり、まずは駅から東側の地上廃線跡を見ていきましょう。かつて相鉄のホームがあったと思われる場所には大きな駅ビル「大和プロス」が建設されており、線路が敷かれていた跡など見る影もありません。

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不自然な細長い土地

しかしそこから180度回転し、東の方角を向いてみると、何と駅があったと思われる場所からまっすぐ延びる細長い土地があるではありませんか!

そう、まさにここは、1993年まで相鉄線が走っていた地上線路の跡地なのであります。現在は広場および遊歩道として整備されており、車両の通行はできない不思議な空間となっています。

そして上の画像を見ると、それぞれの建物の正面玄関が外側を向いているのがわかります。この遊歩道に面してスーパーマーケットや飲食店等が軒を連ねているのですが、いずれもこの遊歩道に面する出入口は後から造ったようなこじんまりとした裏口のようになっていて、メインの出入り口はこの遊歩道の両外側にある昔からの道路に面していると思われます。考えてみれば当然のことで、線路沿いに立っている建物が線路側に出入口を作るわけはありませんから、この遊歩道に不自然というか無機質な光景が廃線後の今も残っているのは当然かもしれません。

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踏切の跡…?

しばらく歩いていくと、遊歩道と道路が交差するポイントへと到着します。実は相鉄大和駅は、1926年から1944年までの18年間だけこの辺りにあったようで、上空からの航空写真で見るとその様子が何となくわかります。

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大和駅東側の航空写真(Googleマップより引用)

見てみると、「コメダ和喫茶おかげ庵」付近から「大和市文化創造拠点シリウス」の辺りにかけて土地が特に広くなっており、遊歩道になっていない部分は駐車場として使われています。これは完全なる憶測にすぎませんが、この辺りに1944年まで旧・大和駅があったと考えてもおかしくはないでしょう。

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大和市文化創造拠点「シリウス

そして今ご紹介した「シリウス」とはこちらの建物で、図書館や生涯学習センター等を併設した複合公共施設となっています。周辺の建物と比べてもかなり新しいなぁと思ったら、どうやらこの建物は2016年にできたようで、当然ながら相鉄の地上線路廃線跡にできたということになりますので、正面玄関も遊歩道に面しています。

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国道467号線と交差

そしてさらに東へ歩いていくと、もう1本主要な幹線道路と交差します。こちらは国道467号と呼ばれ、イオンモール大和も近い大和市深見付近から小田急江ノ島線に沿う様に藤沢市の片瀬海岸付近までつながっていて、神奈川県を南北に貫いています。こんな立派な国道の歴史が浅いわけはありませんので、そうするとこの場所は28年前まで踏切だったということになるのでしょうか。現在ではほとんどその名残もなく、急にここへ友達を呼んできて「ここには前まで踏切があったんだよ」と話しても100人中100人に信じてもらえなさそうな気がしますが。

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この辺りは公園のような雰囲気

その先に進むとやや横幅は狭くなり、両側には木が植えられた公園のような空間へと進んでいきます。ここまで来ると駅前からはかなり離れ、閑静な住宅街といった雰囲気です。晴れた日にはここでお昼ご飯を食べたりするのもいいですね。

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線路が見えたら終わり

そして突如としてこの遊歩道は終わりを迎え、足元から線路が地上へと上がってきます。ここまで大和駅から約500メートル程度です。

それでは来た道を戻って再び大和駅へ、その先今度は駅の西側の遊歩道も同じように歩いてみることにしましょう。

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海老名方を望む

さて、大和駅の西側を見てみると、こちらも同じように駅の跡地が広場になっています。東側と比べると心なしか人はまばらに見えます。

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特にめぼしいものはない

正直言うと、こちら西側には特にめぼしいものはなく、東側と同様にまっすぐと線路の跡地が遊歩道として整備されているにすぎません。かつてここに線路が通っていたことを示す記念碑や看板等もないため、ここが平成初期まで相鉄線の線路だったというのは言われないとわからないと思います。

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泉の森へと続く

 

そしてやはり駅から500メートルほどで遊歩道は終わりを迎え、下から線路が見えてきます。ちなみにこの先へ歩いていくと「泉の森」と呼ばれる大きな公園や、厚木基地等があるようです。大和駅の近くにもいろいろあるんですね。

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南口は小田急管轄

ということで再び大和駅まで戻ってきました。今度は小田急が管轄する南口改札ですが、しっかりと相鉄のロゴも書かれています。廃線探訪は正直めぼしい鉄道遺構のようなものもなく、このままでは締まりが悪いので最後にこの駅構内の構造について軽く触れておきたいと思います。

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2018年に誕生した乗り換え改札

かつて相鉄と小田急は駅構内を共用しており、豊橋駅北千住駅のように異なる会社が同じ改札内エリアを共有するような構造でしたが、2018年に中間改札が設けられました。相鉄・JR直通線に向けて、主に都心方面からこの大和までやってきたお客さんが相鉄・小田急どちらの経路で来たかを判別するためです。ただし先ほど述べた通り北口・南口どちらも相鉄・小田急の両方に入場することができるため、例えば相鉄が管轄する北口改札から入って小田急のホームに向かいたいという人は改札を2回通ることになります。

 

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木々の向こうに見えるプロス

というわけで、今回は大和駅周辺の廃線探訪をしてきました。

相鉄大和駅が28年前まで地上にあったというのは意外に知られていない気がしますが、現地に行ってみると確かに不自然な広場や遊歩道がありますので、是非足を運んでみてください!

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。