わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの現役男子大学生が全国を巡る!

かつては旅客営業も!? 相鉄とJRを繋ぐ貨物線「相鉄厚木線」を見に行ってみた

f:id:watakawa:20210706114651j:plain

みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は「相鉄厚木線」という路線についてご紹介していきます。

f:id:watakawa:20210706001232j:plain

相鉄のフリーパスで横浜から海老名へ

この日は、相鉄全線が1日乗り放題になる740円の「相鉄・鉄道全線一日乗車券」を利用して海老名行の下り快速列車に乗車中。”快速”とは言うものの、通過駅がある区間は横浜~西谷駅間のみで、西谷~海老名駅間は各駅に停車していきます。

列車は車両基地があることで知られるかしわ台駅を発車。次が終点の海老名となります。

f:id:watakawa:20210706002210j:plain

線路が分かれていくぅぅぅ

ぼんやりと窓の外を眺めていると、何やら突如進行方向右側に謎の分岐が見えてきました。

「あれぇ、かしわ台から分岐する相鉄の支線なんてあったっけ…?」と思いつつ、そのさらに向こうに目をやってみると、何やら石造りのホームのようなものまであるのが確認できます。

「これは何か面白い発見があるに違いない!」ということで、海老名駅から歩いてこの線路の分岐点へ向かってみることにしました。

f:id:watakawa:20210706003203j:plain

海老名駅は改修中

というわけで終点の海老名駅でひとまず下車。相鉄本線のほかに小田急小田原線、JR相模線も乗り入れる県央の一大ターミナル駅ですが、その中でも相鉄の海老名駅は現在改修工事中のようで、駅の入口が簡素な造りになっていました。何か海老名って来るたびにいつもどこかしらが工事していて動線が変わっている気がしますが気のせいでしょうか。

f:id:watakawa:20210706004732p:plain

「謎の分岐点」までは駅から約1km

海老名駅の東口から「謎の分岐点があった場所」までは約1kmほど。ずっと相鉄本線の線路沿いに歩いて少しだけかしわ台方面へ進むということになります。1kmというとかなりの距離にも思えますが、かしわ台~海老名駅間の営業キロは2.8kmあり、この謎の分岐点までは海老名駅から歩いた方が近いということになります。

f:id:watakawa:20210706005129j:plain

目的地となる踏切に到着

炎天下の中を歩くこと約15分、県道407号線と相鉄本線が交わる踏切へと到着しました。ここが先ほどの謎の分岐点があった場所の近くとなります。列車が通り過ぎるのを待って、周りの安全に気を配りながら踏切内へ入って見てみることにします。

f:id:watakawa:20210706094821j:plain

海老名方を望む

上の画像の奥が海老名方面、手前側がかしわ台方面となり、本線の線路は大きく左にカーブしていきますが、その右側に1本の線路が分かれていくのが確認できます。

実はこれ「相鉄厚木線」という貨物線で、相鉄の海老名駅を通ることなくJR相模線の厚木駅へと繋がる線路なのです。貨物線なので旅客案内上の路線図に描かれることはなく、現在定期的な旅客列車の運行はなされていませんが、決して廃線などではなく、今でもJR線から相鉄線内へ新型車両を甲種輸送を行う際等で使われています。

f:id:watakawa:20210706100753p:plain

大部分の区間でJR相模線と並走する

謎の分岐点があるこの踏切の場所は現在「相模国分信号所」という名称で呼ばれており、ここから本線と分かれてJR相模線の厚木駅までを結ぶ2.2kmの区間が相鉄厚木線となっています。この路線の歴史は古く、1926年に相鉄の前身となる「神中鉄道」の厚木~二俣川駅間が開業した際は、いわば”本線”ルートの一部分でした。この5年前の1921年までにJR相模線の厚木駅以南が開業しており、厚木駅を境界駅としてこの2路線は旅客列車の直通運転まで実現することとなります(ちなみにややこしい話ですが、JR相模線はこの当時まだ国有化されておらず、民間の”相模鉄道”という路線でした)。

2019年に相鉄新横浜線が開業し、本線の西谷駅から分岐するルートでJR線と線路が繋がったことは記憶に新しいですが、それより90年以上も前に既に相鉄とJRは線路が繋がっていたのですね(正しくは”神中鉄道”と”相模鉄道”ですが)。

この当時、相模国分信号所は「相模国分駅」として旅客の取扱いを行っていましたが、1941年に相模国分海老名駅間(現在の”相鉄本線”)が開業すると相鉄厚木線は旅客営業を廃止し、相模国分駅は信号所へと格下げされることになったのです。

f:id:watakawa:20210706102859p:plain

ホームの名残?

先ほど列車内から見た際、奥にはっきりと石造りのホームのようなものが見えていましたが、もしやこれが1941年まで存在した「相模国分駅」のホームなのでしょうか。いやしかし80年も前に廃止された駅のホームが今でもこんなに綺麗な状態で残っているというのは俄かには信じがたい話です。その手前の部分は資材等が置かれているようですが、かつてはここにも線路があったのではないかと思います。

それではこの相模国分信号所から、なるべく線路に沿う様にして相鉄厚木線沿線を歩いていきたいと思います。とは言っても、相鉄厚木線の線路の右側(北側)には道路がないので、ひとまず少し線路から離れた左側(南側)の道路を歩いていきます。

f:id:watakawa:20210706103615j:plain

工事中の並木橋

程なくして「並木橋」に到着。この橋は、相鉄本線小田急小田原線の線路を跨ぎ、そして相鉄厚木線の線路と平面で交差する橋となっています。狭いながらも交通量は大変多いようです。

f:id:watakawa:20210706105105j:plain

左側が厚木方面、右側が相模国分方面

相鉄厚木線は単線で、列車の通過頻度はもはやゼロに等しいと言っても過言ではないわけですが、海老名市街地にあり交通量が多いこともあってかしっかりと遮断棒まで設置された立派な踏切となっています。上部には架線も張ってあり、しっかり電化されていることも確認できます。

f:id:watakawa:20210706105520j:plain

小田急小田原線と交差

木橋の上から振り返って相模国分方面を見てみます。上部に架かる青い橋が相鉄厚木線、その下で交差する線路が小田急小田原線となります。先ほど相鉄本線と分岐した相模国分信号所からは300mほどしか離れていませんが、その先相鉄本線の線路は海老名駅に向かって急な下り坂になっているのに対して、相鉄厚木線の線路にはほとんど勾配がないようです。

f:id:watakawa:20210706105926j:plain

左側の白い壁の上が相鉄厚木線の線路

木橋を渡り、相鉄厚木線の線路の右側(北側)に回り込んだところで、さらに歩き進めていきます。近年急速に再開発が進む海老名駅周辺ですが、この辺りにも多数のマンションが建設されていることがわかります。

f:id:watakawa:20210706110403j:plain

「尼寺」の交差点

下り坂を進むと「尼寺」交差点に到着。画像に映る緑色の鉄橋がまさに相鉄厚木線の線路です。ここをくぐり再び線路の左側へ回り込めるようなので、そちらへ進んでいきたいと思います。

f:id:watakawa:20210706110627j:plain

閑静なエリア

海老名駅は至近にありながら、人通りも少なく閑静な通りです。ちょうど相鉄・小田急海老名駅とJRの海老名駅の間を歩いているところで、左手には小田急の広大な留置線が広がっています。

f:id:watakawa:20210706110933j:plain

JRの海老名駅

そしてようやく海老名駅へと到着し、JR相模線と合流しました! ホームには、引退が噂されるJR相模線205系が停車しています。

相鉄・小田急海老名駅とJR海老名駅を繋ぐペデストリアンデッキの上から辺りを見渡せそうなので、上がってみることにします。

f:id:watakawa:20210706111647p:plain

正確にはまだ合流していない

デッキの上から、ここまで歩いてきた方向を見てみました。ちょうど画像の右端に映っている道路がまさにここまで歩いてきた道です。急カーブを描くJR相模線とは海老名駅の直前で合流しているように見えますが、厳密にはまだ線路が直接繋がっているわけではなく、合流というよりは並走といった方が正しいかと思います。営業運転が行われているJR相模線の線路と比べ、相鉄厚木線の方は使用頻度が極めて低いこともあってか緑が生い茂っているのも確認できます。

f:id:watakawa:20210706112232j:plain

並走状態で厚木方面へ

そしてデッキの反対側へと回り、今度は厚木駅方向を見てみます。一番左側の線路が相鉄厚木線の線路ということで、やはり見渡してみても海老名駅周辺でJRの線路と合流している様子はありません。というのも、実はJR相模線の海老名駅ができたのは1987年3月と比較的最近のことで、それまでJR相模線は長らく「海老名駅のすぐ近くを通るけど海老名駅には停車しない路線」でした。相鉄・小田急海老名駅とJRの海老名駅が離れているのもこうした理由からということですが、恐らく相鉄厚木線が旅客営業を行っていた時代にもこの合流地点の辺りには駅はなかったものと思われます。

この先、相鉄厚木線の線路はJR相模線と引き続き並走しながら、最終的には厚木駅付近で線路として合流するようです。が、海老名駅から厚木駅まではかなりの距離があり、炎天下にこれ以上の徒歩は危険と判断したため、今回はここまでとします。今度また機会があれば、厚木駅周辺の様子も見てみたいと思います。

 

というわけで、今回は「相鉄厚木線」についてのご紹介でしたがいかがだったでしょうか。

今でこそ相鉄とJRは羽沢横浜国大駅を介して直通運転を行っていますが、歴史を遡ると両社は異なる場所で直通していた(JR相模線は当時国鉄ですらありませんが)というのは何だか面白いですよね。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。