みなさんこんにちは! わたかわです。
今回は「MaxときとMaxたにがわの連結」についてご紹介します。
というわけで、夜の高崎駅へとやってきました。群馬県最大のターミナル駅で、各方面へ向かう在来線が乗り入れるほか、上越新幹線から北陸新幹線が分岐する駅でもあります。
今回は日中に高崎で私用があり滞在しておりましたが、これから東京方面へ帰るということで、高崎から東京まで上越新幹線を利用していきたいと思います。
「高崎→東京」といえば新潟方面からの上越新幹線の列車に加えて長野方面からの北陸新幹線の列車もあり、その多くが高崎に停車するため、利用できる列車はたくさんあります。その中でも今回私が乗車していくのは、高崎21:39発の〔Maxとき・Maxたにがわ348号〕東京行です。その名の通り、何とMaxときとMaxたにがわが連結しているのです!
一般的に、新幹線の連結といえば「異なる方面を結ぶ」際に行われることが多い傾向にあります。例えば東京を起点に考えると、新函館北斗へ向かう「はやぶさ」と秋田へ向かう「こまち」が連結したり、仙台へ向かう「やまびこ」と山形へ向かう「つばさ」等がこれにあたります。逆に例えば盛岡駅では「〔はやぶさ・こまち○号〕東京行」というように2つの列車名が併記されながらどちらも行先は同じということはありますが、列車名が異なるのは異なる方面からやってきているため当然のことと言えます。
しかし「Maxとき」「Maxたにがわ」はどちらも同じ上越新幹線の列車名です。一般的にはMaxときが東京~新潟駅間、Maxたにがわが東京~高崎・越後湯沢駅間での運行となっており、方面としてはどちらも同じ。”東京からどこまで行くか”で列車名が分けられているのです。
ホームへと上がる階段の脇で、編成を確認します。列車は2階建て16両編成で、そのうち東京寄りの1~8号車が「Maxたにがわ」、新潟寄りの9~16号車が「Maxとき」となっています。他の列車が8両や12両…となっている中で、16両編成は何とも迫力がありますね。見ていただければわかる通り、1~4・9~12号車が自由席、5~8・13~16号車が指定席となっています。指定席号車のうち7・8・15・16号車の2階部分のみグリーン車ということで、全く同じ設備の編成が2本連なっているということになっています。
そしてホームに上がると、既にMaxたにがわ(1~8号車)が停車しておりました。この列車は高崎始発ということで、かなり早めに入線しているようです。こちらが前寄りの編成となります。
そしてMaxたにがわの後方(8号車付近)へと移動してみると、Maxときが連結するのを今か今かと待ち構えていることがわかります。新潟始発でやってくるMaxとき348号の高崎到着時刻は21:37ということで、こちらはMaxたにがわ348号と異なり停車時間はわずか。さくっと連結を済ませ、慌ただしく高崎を発車していくことになります。
連結の様子は動画で撮影しておりますので、上記のリンクから是非ご覧になってみてください! 連結の瞬間の「ガシャン」という音が何とも良い響きですよね。
連結を終えると早々に発車することになりますので、乗りそびれることのないように乗り込みます。今回はMaxたにがわの自由席車両へと入りました。「Thank you! Max!」と書かれたラストランのステッカーが印象的で、その横には今や東日本の新幹線で非常に貴重となったドット表示の行先表示器も取り付けられています。
列車は21:39に定刻通り高崎を出発。4号車の2階へと上がってみると、何と自由席にも関わらず2+3列のシートでリクライニングが可能なゆとりのある座席でした。Maxの自由席2階といえば3+3列の窮屈な座席でリクライニングも不可能、というイメージがありましたが、これはどうやら当たり車両のようです。おそらく列車によってはこの4号車が指定席として運用されることもあり、それを想定しての座席配列になっているということだと思います。
高崎を出ると、列車は大宮、上野、終点東京にのみ停車していきます。上越新幹線は列車名ごとに速達タイプと停車タイプのような停車パターン分けは行っていませんが、本庄早稲田と熊谷について「とき」は通過、「たにがわ」は停車するというおおよその傾向があるため、夜間にもかかわらずたにがわが高崎~大宮駅間をノンストップで走る光景はレアかもしれません。
車両のデッキ部分には、何やら売店のようなスペースがあります。しかし人はおらず、ひっそりとしていました。列車によってはこの売店が営業していることもあるのかもしれませんが、流石に夜の上り列車ということでガラガラの車内では、売店も全く営業していませんでした。
その売店のカウンター上には、何やら充電スペースが。そう、E4系新幹線のデビューは1997年と古く、各座席にはコンセントがないためここで自由にケーブル等を差して充電することができるようになっています。ただしここに充電中のスマホを放置して自席に戻ると盗難に遭いそうですから、充電中はデッキに留まるのがよさそうですね。
また、各号車にはデッキ部分に昇降機があります。誰でも自由に使えるというわけではなく、一般的には車内販売のワゴンのために使われるそうです。また、指定席車両の8号車には車いす用のエレベーターも設置されているようです。
そんなことをしているうちに、列車はあっという間に大宮へと到着です。高崎~大宮駅間は在来線普通列車だと約1時間20分程度かかりますが、新幹線はそれよりも何と1時間早い20分程度で着いてしまいます。これはもう四捨五入して「瞬間移動」と言って差し支えないでしょう。
実は上越新幹線の最高速度は240km/hということで他の新幹線と比べると遅いのですが、高崎~大宮駅間をわずか20分間で移動できてしまうと考えればそれ以上無理に時速を上げる必要がないのも何となくわかる気がします。
大宮を出ると、列車は埼京線と並走しながら都心方面へと向かっていきます。数十秒おきに埼京線の駅を通過していく光景を2階席から眺めることができ、これは2階建てグリーン車の運行がない埼京線においては貴重な体験と言えるかもしれません。これができるのも今年10月までです。
そして次第に街の明かりが増えてきた頃、眼下には新幹線の車両基地が見えるとまもなく列車は上野に到着します。時刻は22時を回り、これから東京を出発する新幹線はもうあまりないため、1日の仕事を終えた新幹線車両がたくさん並ぶ光景は圧巻です。
そして高崎を出発してから約50分、22:28に列車は終点の東京へと到着です! 22番線に到着し、お客さんを下ろした後は先ほど車内から見下ろした車両基地へと回送されていくものと思われます。
向かいの23番線からは、ちょうど入れ替わりで22:28発の越後湯沢行最終列車が発車していきました。こんな夜遅い時間からまだ上越国境を越える列車が東京を発車していくなんて…一昔前なら完全に夜行列車ですよあんなの。凄いですね。
東京駅のコンコースにあるモニターを見てみると、東日本の新幹線はあと2本発車がある模様です。原則として新幹線は深夜0時を過ぎての運行ができないため、もうこの時間になると東北や上越・北陸地方への最終列車は終わってしまっていますが、北関東へはまだまだ帰れるようで…いやはや新幹線の圧倒的なスピードにはいつも驚かされます。23:00発のたにがわ号は「Max」とついていないため平屋建て新幹線での運行のようで、何とこんな夜遅くにも関わらずグランクラスを連結したE7系での運行のようです(グランクラスはシートのみの営業)。
そんなわけで今回は「Maxとき」と「Maxたにがわ」が連結して走る貴重な運用をご紹介しました。
2021年3月のダイヤ改正後、こうした運用は下り1本・上り2本の計1.5往復のみとなっています。なお運用の都合上か、下りは越後湯沢で切り離しを行うのに対して、上りは2本とも高崎で連結作業を行います。
【下り】
●〔Maxとき・Maxたにがわ321号〕新潟・越後湯沢行
東京12:40発→越後湯沢13:59着・新潟14:48着
【上り】
●〔Maxとき・Maxたにがわ316号〕東京行
新潟10:18発・高崎11:36発→東京12:28着
●〔Maxとき・Maxたにがわ348号〕東京行
新潟20:21発・高崎21:39発→東京22:28着
E4系新幹線Maxの運用も残りわずかですから、レアな運用を体験してみたい方は是非お早めに!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。