わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

24年の歴史に幕。E4系ラストラン「Maxたにがわ416号」に乗車してきた!

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は、昨晩の「Maxラストラン」の様子をお届けしていきます。

越後湯沢から東京までE4系定期運行ラストランとなる〔Maxたにがわ416号〕に乗車してきました。

 

2021年10月1日(金)

さて、今回やってきたのは新潟県越後湯沢駅です。最長片道切符の旅で訪れて以来、約1ヵ月半ぶりとなります。

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雨模様の越後湯沢駅

 

すっかり日も暮れて気温は20℃を下回り肌寒い中ではありますが、台風16号はピークを越え、現地では少々雨模様程度で何とか荒天とはならず、無事ラストランを迎えることができそうです。

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ほぼ満席

上越新幹線で長年活躍してきた2階建て新幹線E4系。その最後となる列車は、越後湯沢21:41発の〔Maxたにがわ416号〕東京行です。座席数が限られているグリーン車はもちろん満席、そして普通車は全車自由席となっております。ちなみにこの約30分前に越後湯沢駅を発車する〔Maxとき348号〕は「Maxとき号」としてのラストランになり、こちらも大盛況であることは間違いありませんが、私が確認した際は大宮までならわずかに空席があるようでした。もちろんほんの一瞬のことだと思いますので、この座席もこの後すぐに埋まったことでしょう。

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ホーム上はかなりの人

改札をくぐり、ホームへ上がると入線前にも関わらず大変多くの人が集まっています。仕事終わり、学校終わりにこの越後湯沢まで駆けつけてラストランに乗車するという方も多いことでしょう。かく言う私も昨日は内定式があり、それが終わってすぐに越後湯沢まで駆けつけました。

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いよいよ入線!

そして21:05頃、8両編成のE4系がゆっくりと新潟方から入線。相変わらずの見慣れた大きな車体ですが、これがついにE4系ラストランとなります。越後湯沢駅にはホームドアやホーム柵のようなものがありませんが、みなさんマナーを守って安全に撮影されていました。

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Maxときラストラン

その直後、隣の13番線には21:10発の〔Maxとき348号〕東京行が入線。先ほども述べた通り、こちらはMaxとき号としてのラストランというわけで、新潟駅を発車する最後のMaxとなった列車です。越後湯沢の時点ではまだ8両編成ですが、この先の高崎でMaxたにがわ348号を連結し高崎~東京駅間は16両編成での最後の走りを見られる列車ということで、こちらもかなり注目が集まっていたように思います。

たくさんの人々に見送られながら、Maxとき348号は定刻通りに越後湯沢を発車していきました。

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横断幕も用意

さて再びMaxたにがわ416号の話へと戻ります。ホーム上では駅員さんが特製の横断幕を掲げているのが見えました。E4系のデビューは今から24年前の1997年ですが、上越新幹線での運用は2001年にスタート。今年でちょうど20年となる節目の年での引退は華々しくも名残惜しいような複雑な感情に包まれます。

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リレーメッセージも目が離せない

駅構内の発車標に「Max」の文字が現れるのもこれで最後。また「新潟県内新幹線駅からのリレーメッセージ」と題し、越後湯沢駅だけでなく新潟駅長岡駅など各駅駅員さんからのメッセージが次々に表示されていたのも感動的でした。

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自由席の列に並ぶ

 

ドアが開くまで、自由席の列に並んで待ちます。入線からしばらくすると、各乗車口とも10人以上は並んでいる様子で、さながらお盆の帰省ラッシュのような光景を目の当たりにすることができました。

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最後はやっぱりここ

 

発車の15分ほど前になり、ようやく車内へ。今回は自由席の2階へと入ります。中でも今回は、3+3列の窮屈な車両を選択。もちろん同じ自由席でももっと快適な座席はたくさんありますが、最後は敢えて最も思い出深いこの窮屈な客室内で過ごすと前から決めていました。

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いよいよ最後の旅路へ…!

そして21:41、定刻通りに列車は越後湯沢駅14番線を出発。本当にたくさんの方に見送られながら、一路東京を目指します。

列車はこの先上毛高原、高崎、本庄早稲田、熊谷、大宮、上野と各駅に停車していきます。越後湯沢を出た時点でもちろん車内はかなり多くの人が乗っているのですが、見たところ窓側は概ね埋まっているものの、通路側にはまだそれなりの余裕があるように見えました。聞くところによると号車や階によってはさらに空いていたらしく、ラストランでありながらまだこれほどの着席の余裕があるというのは珍しいことのような気がします。しかしこれは決してE4系の人気がないというわけではなく、むしろそれほどの大きな輸送力を有していることの表れといえるでしょう。また、この日はE4系最終日でありながらも朝からずっと1日を通じたくさんの定期運用がありましたので、鉄道ファンがある程度分散したというのもあるかもしれません。

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駅員さん&マスコットキャラクターによるお見送り

上越国境を越え、群馬県に入り最初の停車駅は上毛高原。ここでは駅員さんらによるお見送りがありました。2階からこのような景色を見られるのも、今回が最後です。

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ホッとする街並み

上毛高原を出てしばらくすると、前橋や高崎の街の明かりが見えてきます。画像からは分かりにくいですが、遮るものが少ない2階席からの眺めを楽しめるのも今回が最後です。

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高崎では盛大なお出迎え

22:10には高崎へと到着。ホーム上では横断幕を掲げる駅員さんを始め、大変多くの鉄道ファンの姿がありました。この約30分前にはちょうど同じホーム上で〔Maxとき348号〕と〔Maxたにがわ348号〕が最後の連結作業を行っていたのもあり、これほどの賑わいも納得です。

高崎からはかなりの乗車があり、だんだんと相席も増えてきた印象です。しかしいかんせん窮屈な3人がけのシートですから、よほどのことがない限り真ん中のB・E席は埋まらないようで、周りを見ていると概ね一区画当たり1~2人程度での利用がやはり多いようです。

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ここでも盛大なお見送りが!

そしてあっという間に、列車は次の本庄早稲田へと到着。ここでも特製の横断幕を掲げ、盛大なお見送りをしていただきました。

ホーム上の方と車内の乗客が互いに手を振りながら、本庄早稲田を発車。一つの時代を築いた新幹線の最後の雄姿をこれほど多くの方が見送ってくださると思うと、胸にこみあげてくるものがあります。

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熊谷を発車

続いて熊谷に到着。停車時間はわずかですが、本当にたくさんの方がその最後の雄姿をカメラに収めようとしていました。

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まもなく大宮

大宮が近づくにつれ、街の明かりがさらに増えてきます。2階席から眺める夜景は本当に美しく、そしていよいよ大宮まで戻ってきたという安心感に包まれます。

思えば今から約12年前、私が人生で初めて乗った新幹線こそ、この上越新幹線E4系でした。2010年1月に家族で上越国際スキー場へと出かける際、東京から越後湯沢まで利用したのを今でも覚えています。

それからというもの、E4系には本当に何度もお世話になりました。家族だけでなく友人とスキーへ出かける際、また数多の鉄道旅行はもちろんのこと、最近では就職活動でも利用しました。沿線住民ではありませんが何故かMaxとは深い縁があり、その一つひとつの乗車がとても思い出に残っています。グリーン車に乗ることはついに叶いませんでしたが、窮屈な自由席の2階から眺める景色は他のどの新幹線の車内からの眺めよりも本当に美しく見えます。

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大宮

 

22:42に列車は大宮へと到着。ここからは予想通り相当な数の乗車があり、いよいよ私のいる区画も3人での相席となりかなり混雑が増してきました。しかし驚くべきことにこれほど次々乗車してくる鉄道ファンを積み残すことはなく、Maxの輸送力の大きさがいよいよ本領発揮される区間へと入ってきました。

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E7系「あとは任せた」

埼京線と並走し、荒川を渡りいよいよ東京都へと入ります。広大な新幹線の車両基地にはこれからの上越新幹線の主役となるE7系も眠っており、これをE4系の2階席から見下ろした時には時代の転換点に立ち会えたような気がしました。

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未来はいつも…

未来はいつも、思ったよりも優しくて、風景がふいに滲んでくる――。

実は当初の予定では、このE4系Maxは2016年をもって引退するはずでした。しかし2011年に発生した東日本大震災の影響でE5系の増備が遅れ、E2系を東北から上越に転用する計画に遅れが生じたことで、E4系はつかの間の”命拾い”を遂げることになります。

さらに2019年の台風19号により長野車両センターに留置されていたE7系W7系が水没したことで北陸新幹線内でも車両不足が発生し、上越新幹線に投入される予定だったE7系北陸新幹線で優先的に投入されることになったために、E4系はさらに延命。

数々の災害に見舞われながら何度も命拾いをしてきたE4系ですが、ついにその役目を終える時がやってきました。

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上野に到着

23:02に上野と到着。いよいよ残すところあと1駅となりました。これまで幾度となく見てきた「2階建て8両編成」の文字が見られる本当に最後の瞬間です。

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最後までMaxらしい景色

再び地上へと出て、23:08にいよいよ終点の東京駅へと到着。窓の外には東海道新幹線N700系の上部が見え、最後の瞬間までE4系らしい車窓を楽しませていただきました。

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役目を果たしたE4系

東京駅のホーム上には大変な人だかりで、深夜にもかかわらずかなりの賑わいです。行先表示器はすぐに「回送」表示へと変わり、もうこの部分に再び「Max」の文字が現れることはないと思うと残念な気持ちになります。

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Maxと最後の別れ

Maxたにがわ416号は、通常東京駅へは21番線の到着となるようですが、最終日は番線変更があり23番線へと到着しました。ホーム上では、駅員さんにより黄色い線の内側で撮影するよう促す声や、車内に再び立ち入って撮影することのないよう注意喚起する声が繰り返し響きます。これもまたラストランならではの光景と言えそうです。

 

これをもって、1985年の「100系」デビューから続いてきた日本国内での2階建て新幹線の歴史は36年で幕を下ろすこととなりました。

大量輸送を第一に考えた新幹線が引退し、今後はさらなるスピードアップやより快適な車内設備が重視されるようになることを思うと、時代の転換点に立ち会えたような気がします。

今後はE7系が越後路の新たな顔として活躍することを期待しつつ、今回はここまでとします。

最後までお読みいただきありがとうございました。