わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

【友部→小山】悲運の過去をもつ「JR水戸線」の旅

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は、小山~友部駅間を走るJR東日本の「水戸線」に乗車してきましたので、その様子をご紹介していきます。

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水戸市を通らないことで有名(Googleマップより引用)

小山~友部駅間50.2kmを結ぶJR水戸線は、水戸市を通らないことで知られています。実は水戸線の前身となる「水戸鉄道」が1889年に開業した際、その運行区間は小山~水戸駅間ということで嘘偽りなく水戸へ乗り入れていたのですが、その後現在の常磐線にあたる路線が開業し、1909年に改めて路線名称を定めるとなった際に友部~水戸駅間は現在の通り「常磐線」となってしまったことから、結果的に路線名称としては水戸市を走らない状態になってしまいました。

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悲運の過去をもつ水戸線

先に水戸鉄道として開業していたにも関わらず、その一部区間常磐線に横取りされる形となってしまった、いわば”悲運の過去をもつ路線”ともいうべき水戸線ですが、実は朝夕の一部列車が現在でも水戸・勝田・高萩方面の常磐線区間へと直通運転を行っています。水戸線水戸市を通りませんが、一部の水戸線の列車は水戸市を通るということになります。

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一部の特急も停車する

さて、それではそんな水戸線に、今回は友部駅から乗車していきます。水戸駅からは16kmほど離れた駅で、常磐線の特急列車も一部が停車する主要駅です。

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「始発」の文字もしっかり表示

乗車する列車は、友部15:18発の水戸線 小山行。日中の時間帯ということでこの友部が始発となります。ホームの発車標にもしっかり「始発」の文字が表示されていますが、ややスペースを余らせた細い文字であるのが何だか気になりました(どうでもいい)。

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E531系付属編成

3番線には既に今回乗車する列車が停車中。水戸線は全列車がE531系5両編成で運行されています。E531系というと未だに常磐線のイメージが強いですが、常磐線だけでなく水戸線東北本線の黒磯~新白河駅間でも運用されており、運行エリアが広いのも特徴です。

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水戸線ワンマン運転

側面の行先表示器には「ワンマン」の表示があります。沿線に無人駅の多い水戸線では2021年3月よりワンマン運転がスタートしましたが、しかし列車内に運賃表や運賃箱等の設備はありません。これはお客さんが「ちゃんとお金を払ってくれているだろう」という信用に基づく「信用乗車方式」で、運転士さんが車内で運賃の徴収を行うことはないのです。そのため果たして本当に全ての乗客が正しい運賃を支払って乗っているかどうかというのがしばしば議論されたりします。もちろん無賃乗車は不正乗車にあたりますので、きっぷは正しく買いましょう。

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常磐線と分かれる

そして定刻となり、15:18に列車は友部駅を発車。すぐに常磐線の線路と分かれていき小山方面へ向かうことになりますが、しかし「水戸線常磐線から離れていく」というよりは「常磐線水戸線から離れていく」という方が正確かもしれません。

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水戸線の方が直線的に発車

地図を見てみるとわかる通り、友部を出発すると水戸線が直線的に進むのに対し、常磐線が枝分かれしていくような構図になっています。現在では特急街道の常磐線の方が水戸線と比べ主要路線であることは言うまでもありませんが、そもそも水戸線の方が先に開業していることからこのような配線になっているものと思われます。水戸線(旧水戸鉄道)が古くから存在していることの証と言えるでしょう。

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笠間駅に停車

列車は宍戸、笠間、稲田…と各駅に停車しながら進んでいきます。各駅到着時、ドアは自動で開くようになっているためお客さんがドアボタンを操作する必要なく乗降ができるようになっていますが、これがコロナ前からなのか、それともコロナによる換気のためにそうしているのかは定かではありません。

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これでも「東京」近郊区間

車窓に目をやると、駅間ではひたすらにのどかな田園風景が広がります。曇り空ですが遮るものもないので遠くまで見渡すことができ、同じE531系が走る区間でも常磐線の東京近辺とはかなり沿線の様子が異なります。もっとも、この区間東京近郊区間に含まれているのですが…。

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ホームの跡?

途中の福原駅では、車窓左手にかつて使われていたであろうホームの跡のようなものが見えました。これは地方路線によくある話ですが、かつては広大な鉄道用地をもち長大なホームが多数並んでいたような駅でも、現在は短編成の列車が主体となったことでその用地を余らせているというのがあります。水戸線でもつい15年ほど前までは7両編成の列車が走っていたとのことで、御多分に洩れず現在各駅の設備には余裕があるということなのかもしれません。

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小田急線も相鉄線も来ない大和駅

しばらく進むと、列車は途中の大和駅に到着です。大和というとどうしても神奈川県民の私は小田急江ノ島線相鉄本線が十字にクロスする大和駅を思い浮かべてしまうのですが、こちらの大和駅も同一の表記で読み方まで同じ。何という偶然でしょうか。乗り換え検索する際は間違えないようにしましょう。

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筑波山(おそらく)

大和~新治駅間では、筑波山の姿もしっかりと見えました。今ではつくばへ向かう鉄道といえば真っ先につくばエクスプレスを思い浮かべますが、かつては上野から東北本線で小山へ、その先水戸線に直通する急行「つくばね」という列車も運行されていました。

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下館駅に到着

友部を出てから約40分、15:58に列車は下館駅へと到着です。この駅は水戸線の途中駅としては最大規模を誇り、JR水戸線の他に関東鉄道常総線と真岡鐡道も乗り入れています。真岡鐡道は1988年まで国鉄・JRの路線でしたが、現在ではJRから経営が分離されています。

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鬼怒川を渡る

川島駅を発車するとすぐに、列車は鬼怒川を渡ります。まだ列車は茨城県内ですが、この川を渡れば終点の小山はもうすぐです。

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短絡線が分岐していた名残

小田林を発車すると、いよいよ列車は茨城県を抜けて栃木県へと入ります。そして次が終点の小山というところまでやってきました。車窓の左手には何やら不自然な空き地がありますが、これはかつて水戸線東北本線小山駅の南方で短絡していた線路の名残です。先ほどご紹介した急行「つくばね」はこの短絡線を通って、小山駅を通ることなく上野~下館駅間を結んでいましたが、現在では線路も剥がされ更地となっているようです。

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小山駅に到着!

そして16:20に列車はようやく終点の小山駅へと到着です。友部から約1時間でたどり着くことができました。列車はこの後再び友部方面に向かう折り返し列車となるようです。

 

というわけで今回は水戸線のご紹介でした。

今回私は初めて水戸線を乗り通してみて、のどかな田園風景が広がりながらも、その車窓には様々な歴史を垣間見ることができる路線だということがわかりました。

是非機会があればみなさんも足を運んでみてください!

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。