わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

【史上初】運行ルートは当日のお楽しみ! 「相鉄線ミステリートレイン」の旅

 

2022年5月8日(日)

今回やってきたのは、神奈川県にある相鉄本線かしわ台駅。終点・海老名駅の一つ手前にある駅です。

本日は相鉄史上初となる「ミステリートレイン」が運行されるということで、その模様をたっぷりとお届けしてまいります。

www.sotetsu.co.jp

今回企画された「相鉄線ミステリートレイン」は、運行ルートや使用車両といった一切の情報を当日まで明らかにしない、鉄道ファン向けのイベント列車です。本日(5月8日)限定で1日3便が設定され、それぞれ事前抽選制となっていました。

各回それぞれ決められた時刻に「かしわ台駅4番線集合・解散」となっており、相鉄が普段から発売している「相鉄・鉄道全線1日乗車券」(740円)を予め購入して集合する必要があります。そして驚くべきことに、この1日乗車券にかかる740円以外に参加費用等は一切かかりません。いや太っ腹過ぎでは…!?

今回私が参加させていただくのは2便目。「12時55分にかしわ台駅4番線へと集合し、14時20分頃に解散」とだけ発表されており、その道中のダイヤは事前に一切公開されていません。

かしわ台駅の4番線ホームへと降りてみると、さっそく今回のミステリートレイン2便目に使用される10000系が停車していました。個人的には最も相鉄らしさを感じる、好きな車両の一つです。

車体側面の行先表示器には、そうにゃんのイラストとともに「臨時」の表示がなされていました。普段相鉄線で臨時列車が運行されることはまずありませんので、これはかなり貴重な光景でしょう。

車内は特段珍しい装飾や演出もなく、いたって普段通りの10000系です。ただしドア上部の電光掲示板は稼働しておらず、ほとんどのドアは締切扱いとなっています。参加者としてはゴリゴリの鉄道ファンよりも小さい子がいる家族連れがかなりの割合を占めているように見受けられました。

受付を行うため乗車口の位置を数ヵ所に絞っており、中にはホームドアが閉まっているのに車両のドアは開いているという不思議な光景も見られました。

そして13時10分、発車時刻となりミステリートレインが動き出します。まずはかしわ台駅4番線から、ゆっくりと海老名方面に動き始めました。2面4線のかしわ台駅では、普段1・2番線が海老名方面(下り)3・4番線は横浜方面(上り)ですので、4番線から海老名方面に発車していく時点でまずかなり異様な光景です。

海老名方面へと発車したためそのまま本線上を走る…かと思いきや、ミステリートレインはそのすぐ隣にある留置線へと入っていきました。かしわ台駅の西方には2本の留置線があり、ここで進行方向を変えるようです。

そして今度は駅に隣接するかしわ台車両センターへゆっくりと入線。お客さんをのせた列車がこんなところへ入っていくなんてなかなかない光景です!

そして…洗車体験が始まりました!

普段はもちろん営業運転を終了した後、お客さんをのせずに行われるものですが、今回はその洗車の様子を中からたっぷり1往復眺めることができます。

ブシャー!!!!!!というものすごい水圧で車体が洗浄され、水分が乾いた後の窓は断然綺麗になりました!

洗車体験を終えたミステリートレインは、いったん先ほどの留置線に移動した後、再び進行方向を変えてかしわ台車両センターへ。今度は先ほど洗車体験を行ったのとは別の線路で、入出庫の様子を再現してくださいました。これも普段車内から見ることのできる光景ではありませんし、もし万が一そんな光景に立ち会ってしまったとしたらただちに乗務員さんに申し出なければいけないような事態でしょう(笑)。もちろん列車が終点に到着したら全ての乗客の降車を確認するため、そのような状態はまず起こりえませんが…。

車両センター内で進行方向を変えた後、改めて留置線に入り進行方向を変えます。そして今度は車両センターではなくかしわ台駅2番線へと入っていきました。普段は海老名方面(下り)として使われているホームです。

かしわ台駅2番線ではしばらく停車。洗車体験が先ほど終わったのでここで換気のために窓が開けられるようになったほか、参加者全員に乗車記念証が配布されました。今回ミステリートレインに使用されている10000系は2002年のデビューから今年でちょうど20周年ということで、硬券の券面に「20th Anniversary」としっかり刻まれています。

改めてかしわ台駅2番線を発車し、今度は留置線ではなく本線上を走行して海老名方面へと向かっていきます。臨時列車とはいえ、あまりゆっくり走ってしまうと前後を走る営業列車がつかえてしまう原因にもなりますので、ここでは本線らしくかなりぶっ飛ばしていきます。

…と思いきや、ミステリートレインは海老名駅よりもだいぶ手前で減速し、ポイントをガチャガチャと渡って本線上から外れてしまいました。そう、ここからは何とあの「相鉄厚木線」へと入線していくのです!!

watakawa.hatenablog.com

相鉄厚木線については、以前当ブログでもご紹介させていただいております。海老名駅手前の相模国分信号所で分岐し、海老名駅を通らずにJR相模線の線路へと合流していくものになっています。

相模国分信号所~厚木操車場間は距離にして2.2km。単線の路線で、約80年前までは旅客営業も行われていましたが、現在お客さんをのせた列車がここを走ることはなかなかありません。

厚木線へと入っていくと、列車はすぐに小田急小田原線の線路を跨ぎます。その先進行方向左手には広大な小田急海老名検車区が見えてきます。遠くに見えるのはまさに海老名駅周辺の商業施設群等で、80年前の車窓とは大きく異なっていることでしょう。

そして今度は車窓右手に目をやると、JR相模線の線路が合流してきた後、すぐにJRの海老名駅ホームが見えてきます。先ほど「海老名駅は通らない」と言いましたが、これはあくまでも「相鉄・小田急海老名駅を通らない」という意味でして、厚木線はそこから少し離れた位置にあるJRの海老名駅のすぐ横を通るルートになっています。普段お客さんをのせた列車がこの線路を通ることはありませんので、JRのホーム上で列車を待つお客さんも目を丸くしてこちらを見ていました。

そして踏切を渡り、ミステリートレインはJR相模線厚木駅のやや北側(厚木操車場)に到着。ここで5分ほど停車した後、再び来た道を戻るようです。当然乗降可能なホームもなく、車外に出ることはできません(このツアー中に乗客が車外へ出るタイミングは一度もありません)。

停車中には、すぐそばをJR相模線の営業列車が通過していくシーンもありました。今回ミステリートレインがJRの本線上へと乗り入れたわけではありませんので、特にJR側の運行ダイヤに支障をきたしているわけではなさそうです。

厚木操車場での停車中には、一時車内の明かりが消える瞬間がありました。何かサプライズの演出なのか、折り返し運転を行う上でいったん消える仕様になっているのか、それとも予期せぬハプニングだったのか…? 真偽のほどは定かではありませんが、お客さんをのせた状態で車内の電気が消えることもそうよくあることではないはずです。

5分間ほどの停車時間の後、来た道を戻るようにして発車。今度は進行方向左手にJR海老名駅を望みます。駅の反対側にも商業施設やマンション等が立ち並んでいるのがよく分かります。

相模国分信号所より本線の上り線へと入り、ミステリートレインは再び横浜方面へと向かっていきます。今度はかしわ台駅の3番線をかなりのスピードで通過していきました。

続けて次のさがみ野駅も通過した後、相模大塚駅のホームに入る手前で列車は進行方向左へと分岐。そう、最後に待ち受けているのは相模大塚駅11番線への入線です。

相模大塚駅は1面2線の島式ホームがあるだけ…と思われがちですが、実はその隣に広大な留置線が9本あり、線路ごとに3~11番線の番号が振られています。もちろんここにお客さんをのせた列車が入線することはまずありませんので「3~11番線」の呼称が旅客案内で用いられることもありません。

今回は土休日のためJR埼京線E233系が1本留置されているのみでしたが、平日日中ならばこれが何と3本に増えるそうです。もはやここがJRの駅なのか相鉄の駅なのか分からなくなってしまうほどですね(笑)。

相模大塚駅で10分間ほど停車した後、折り返して14時19分にかしわ台駅4番線へと到着。これにて今回のミステリートレイン2便目の全行程が終了となりました。

かしわ台駅到着後は参加者全員の降車を確認し、速やかに海老名方へと回送されていきました。

 

改めて振り返ってみますと、今回乗車したミステリートレイン2便目の見どころは下記の通り。

約1時間でこれほど多くの見どころがありながら、参加費用は1日乗車券の740円のみでよい…とは何と太っ腹なのでしょう。もちろん事前抽選制でしたので希望者全員が参加できたわけではありませんが、次回以降もこのようなイベントが開催された際には是非注目ですね!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。