わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

【同一フロアでラクラク】羽田から稚内まで「新千歳乗り継ぎ」で行ってみた!

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みなさんこんにちは! わたかわです。

さて8月に入り、いよいよ本日「最長片道切符の旅2021」が稚内駅よりスタートしましたが、本日の記事ではその稚内に至るまでの移動についてご紹介していきます。

 

2021年8月3日(火)

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かつての「国内線ターミナル駅

いよいよ「最長片道切符の旅2021」スタート当日を迎えました。まず稚内を13:01に発車する特急に乗車することになりますが、その前にまずは東京から稚内へと向かわなければなりません。多くの人にとって旅の「目的地」であろう日本最北端の稚内という街は、今回の私にとってあくまでも「出発地」でしかないのです。

東京から稚内へは、JRで行くことも理論上可能です。ただし特に宗谷本線の列車本数は極めて少なく、新幹線と複数の特急を乗り継いでも果てしない時間とお金がかかります。

そのため羽田空港から稚内空港へはANAの直行便が就航しているのですが、何とまさかの1日1往復のみ稚内行は羽田空港10:35発→稚内空港12:25着で、その先市内へと向かうバスへ乗り継ぐと稚内駅の到着は13時過ぎとなります。繁忙期にはこの後に1往復増便され1日2往復体制となることもあるようですが、今回は稚内13:01発の特急列車より旅をスタートしたいため、どちらにしても間に合いません。

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羽田第2ターミナルはホーム前方

しかし実は「乗継便」を利用すれば、時間はかかるもののそれでも鉄道よりはだいぶ早く羽田から稚内へと移動できるのです。飛行機の乗り継ぎというと、個人的には国内線と国際線を乗り継ぐイメージが強いのですが、実は国内の移動においても乗り継ぎをうまく活用することでちょうど良い時間に移動できることがあるのです。

京急空港線の終点「羽田空港第1・第2ターミナル駅」で下車し、ホーム前方へと進みます。今回はANA・AIRDOを利用するためこちらの第2ターミナルへと向かいます。

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第2ターミナル

羽田空港国内線の出発ロビーは早朝から大賑わいで、家族連れやグループでの行楽客の姿が目立ちました。これでも一昨年までの夏休みと比べれば人の量は少ないのかもしれませんが、やはり大人しく自粛しているだけでは埒が明かないと感じている人は少なくないのだと思います。むろん私も今日ここに来ている以上、その一人です。

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欠航もかなり多い

さて、まずこの羽田空港から搭乗する便は、8:15発の札幌(新千歳)行です。今回はその後に新千歳で乗り継ぐ稚内行の便とセットで「バリュートランジット28」というお得なプランを利用し、羽田から稚内までのトータルが24,830円となっています。これを安いと見るか高いと見るかですが、夏休み期間中の羽田~稚内直行便だと準備よく購入したとしても3~4万円はかかってしまうことを考えればだいぶお得と言えるのではないでしょうか。

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56番搭乗口へと向かう

チェックインを済ませ、手荷物を預け、保安検査場を通って56番搭乗口へと向かいます。ちなみに今回この便は当初メールで送られてきていた情報では「55番搭乗口」となっていたのですが、その後変更が生じたようです。しかも恐るべしはこの時間帯、隣り合う55・56・57番の3つの搭乗口全てから異なる時間の新千歳行の便が離陸するというややこしさ。しっかり時間を見て正しい搭乗口へ向かわないと、いざ搭乗開始となってもゲートを通れないということになってしまいます。

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搭乗券はそれぞれ発券される

ここで、今回の搭乗券を見てみます。乗り継ぎ便ということで一度に買ったものではありますが、二次元コードがそれぞれ割り振られているということで実際に搭乗する便の数だけ搭乗券が発券されます。近鉄特急券だと一度に買えば一枚の券面に集約されますが、搭乗券はそうはいきません。

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コードシェア便

そして1本目に乗る羽田→新千歳の便についてはANAとAIRDOのコードシェア便となっており、AIRDOの機材を用いてAIRDOにより運航されるようです。

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2+3+2の配列

まもなく搭乗が開始され、機体前方窓側の席を予約していた私はGroup4での案内でした。機内は何と2+3+2という配列で、こんなにもたくさんの席が並ぶ光景は鉄道ではまず目にすることはありません。通路が2本ある機体というと何となく国際線に多いような印象でしたが、久しぶりにこんな大きな機体へと乗り込みました。B767-300という機材のようで、鉄道ファンからすると一瞬「767系300番台」などと読んでしまいそうです。

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滑走路からスカイツリーを望む

まもなくすると定刻よりやや遅れてドアが閉まり、機体が動き出します。遠くの方に目をやると、埠頭のコンテナ群の向こうにそびえたつスカイツリーの姿もありました。しばらく東京に戻ってくることはないと思うと何だかさみしい気もします。

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いざテイクオフ

そんなさみしさをよそに、機体は一気に東京の空へとテイクオフ! 新千歳までの約1時間半の空の旅のスタートです。

機体はまずアクアラインを眼下に望みながら東京湾を旋回し、その後船橋や柏の上空を通過して栃木県方面へと進んでいきます。

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船橋の市街地を見下ろす

座席の下の方には充電用USBポートも完備し、各座席のアームレストにはオーディオも備わっています。もちろん背面テーブルもしっかり完備しており、最近LCCに乗ることの多かった私としてはこれだけの設備でも本当に至れり尽くせりであると感じてしまいます。

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北見たまねぎのオニオンスープ

さらにこの便ですが、AIRDOによる運航ということでしっかりと飲み物のサービスもあります。いつもだいたいアップルジュースを飲むことが多いのですが、せっかくなので今日はAIRDOらしく(?)「北見たまねぎのオニオンスープ」をいただきました。玉ねぎの甘みを存分に味わえるめちゃうまな一杯です!

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宮城県太平洋沿岸の景色

私が上空1万メートルで優雅にオニオンスープを飲む間にも飛行機はどんどん進み、離陸から20分程度で宮城県山形県の県境付近に来ていました。右側には宮城県太平洋沿岸部の景色や松島などがうっすらと見え、早くも東北地方を縦断し始めていることに驚きを隠せません。

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下北半島へと進む

その後奥羽山脈に沿って東北地方を北上した後、青森県下北半島へと入っていきます。眼下には下北半島の付け根にある「小川原湖」という湖がはっきりと確認できます。

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まもなく着陸!

そして本州を抜けて北海道に入り、気がつくともう一面には北海道の自然が広がっています。JRの線路を跨いで9:40頃に着陸し、それから5分ほど滑走路の中を動きながら無事ほぼ定刻通りに新千歳空港ターミナルビルの前へと到着しました。

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新千歳空港

さて、機内の多くの人はこの新千歳空港、すなわち札幌都市圏が目的地でこの便を利用していると推測されますが、私は違います。機体を降りる際にCAさんから「この先稚内行へお乗り継ぎのお客様は係員へお声かけください」とのアナウンスがあり、まさにこれは自分のことだとすぐに気づきました。

飛行機を降りてボーディングブリッジを渡り、ターミナルビルに入って少し歩いたところに「お乗り継ぎのお客様はこちらにお願いします~」と声かけをしている係員の方がいらっしゃったので、その方の元へ駆け寄り「乗り継ぎで稚内まで行きます」と申し出て、そのすぐそばにある機械に2便目の搭乗券の二次元コードをかざします。そして既に羽田で保安検査が済んでいる旨の証明書が発行され、それを手に稚内行の便が出る「2番搭乗口へ」と案内していただきました。2番搭乗口まではそれほど遠くもなく、100~200メートル程度だったと思います。

1便目のANA4715便を降機した後、手荷物受取場のあるフロアまで階段を降りる必要はなく、全て同じフロアで完結したので思っていたよりもスムーズでした。もっとも今回は乗り継ぎ時間が35分間と短めで、たまたま同じフロアで乗り継ぎができる便どうしの接続だったというだけのことかもしれませんが、それにしても時間に余裕をもって稚内行のANA4841便が出発する2番搭乗口へと向かうことができました。

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乗り継ぎはいたってスムーズ

というわけで、今度はANA4841便(新千歳空港10:20発の稚内空港行)に搭乗していくことになります。札幌~稚内駅間は高速バスやJRの特急でも移動できますが、いずれも5~6時間はかかり、決して効率の良い移動手段とはいえません。

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小型プロペラ機

これに対しANAで1日2往復就航している札幌(新千歳)~稚内の便は所要時間何と1時間弱で結んでいます。もちろんそれぞれ空港アクセスや搭乗手続きの時間を加味すれば札幌駅から稚内駅までは合計2時間以上かかりますが、それでも鉄道やバスより断然早いことは明らかでしょう。

新千歳空港のロビーではほとんど息つく間もなく搭乗開始となり、今度は機体後方の窓側座席ということでGroup1で案内されていきます。

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MSEっぽさのある座席?

こちら2便目は先ほどとはうって変わって2+2列に座席が配置されたコンパクトなプロペラ機にて運航されます。またコードシェア等ではなくANAのみでの運航となっていて、客室乗務員の方も全てANAの方が担当されます。

このDHC8-Q400というプロペラ機、一見座席のデザインが小田急ロマンスカーMSEに似ているなと思ってしまったのですが、座り心地としてはMSEよりも快適でした(笑)。

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ビジネス利用が多め

そして興味深かったのは、先ほどの羽田→新千歳の便との客層の違いです。羽田→新千歳の便には季節柄もあって行楽客が大部分を占めていましたが、今回の新千歳→稚内の便はほとんどのお客さんがビジネス利用のようでした。もとより座席数が圧倒的に少ないことは言うまでもありませんが、ほとんどのお客さんが襟付きのシャツを着ており、私服で搭乗している私は何だか場違い感すら感じてしまうほどでした(笑)。

座席数が少ないこともあり、あっという間に搭乗完了。CAさんが相席の通路側に座る人向けに「後方の座席に余裕がありますから宜しければどうぞ~」という案内をしていたのですが、私は搭乗券に書かれた座席以外に座ることは禁止されていると思っていたのでかなりびっくりしました。

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タイヤが格納されていくううう

何はともあれ、機体は定刻より少し早く動き出し、いざテイクオフ。ちょうど窓からプロペラやタイヤが見える位置の座席だったのですが、離陸直後にタイヤが格納される様子を間近で見れたのはなかなか面白かったです。

新千歳から稚内まで1時間弱ということで、この便の特徴は先ほどと比べベルト着用サインが消えている時間が極めて短いという点にあります。着陸してしばらく、離陸する少し前から、そして今日の場合は途中にも気流の乱れにより一時的にベルト着用サインが再点灯する場面もありました。

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アップルジュースの御相伴に預かります

こうした状況下のため、一般的な他のANAの便や先ほど搭乗した羽田→新千歳の便と異なり、飲み物は「希望者のみ」になり、またホットドリンクの提供が中止されてアップルジュースかアイスコーヒーのどちらか1つのみとなっていました。

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不自然に途切れた川がいくつも

そんなバタバタとした機内ではありますが、ふと外に目をやると何だか不自然に短くちぎれた川がたくさんあります。これはかつて大きく蛇行するように流れていた川を直線的な流れ方に修正したためで、不要になった短い川は「三日月湖」と呼ばれます。地上からはなかなか分かりにくいですが、上空からであればかつてどのように川が流れていたのかを容易に想像できるくらいはっきりと三日月湖が確認できます。

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タイヤが再び登場

そして離陸後わずか30分程度で着陸態勢に入り、ベルト着用サインが再び点灯します。ちょうど豊富町上空あたりだったかと思います。

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旋回イメージ(Googleマップを元に作成)

ちょっとややこしいのですが、この便は稚内市上空で一度大きく反時計回りに旋回してから稚内空港の滑走路に入るようです。飛行機は鉄道と同じく急には曲がれない乗り物だと思いますから、それこそ鉄道で言うところの「ループ線」を通るかのごとく大きく迂回して目的地へ辿り着くといったところでしょうか。稚内市街地はおろか、その反対側の西稚内付近まで大きく旋回していました。

そしてようやく着陸。プロペラ機といえど天下のANAですから、簡易的なボーディングブリッジも設置されます。稚内は小雨が降っていましたが、全く濡れることなくターミナルビルへと入ることができました。

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手荷物受取所

階段を降りるとすぐ目の前に手荷物受取所があります。今回私の荷物は羽田で預け、新千歳では受け取ることなく乗り継ぎ先の稚内にて受け取ることができました。旅客が自分でいったん乗り継ぎの空港にて受け取らずとも勝手に積み替えてくれるというわけで、これも本当に助かりました。

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市街地方面行路線バス

ちなみに稚内空港から稚内市街地へは、到着便に接続する形で路線バスが運行しています。ANA4841便に接続する路線バスは稚内空港11:20発ということで所定ダイヤだと着陸から5分しかなく、預けた手荷物を受け取る必要がある場合にはかなり慌ただしいように思えます。今回は5分早着したことで、着陸からバスの発車まで約10分間ありましたが、それでもかなり短いような気がします。ターミナルビルにて「市街地行のバスがまもなく発車します~」的な呼びかけがあったかは分かりませんが、ANA4841便に搭乗していた人のほとんどがこのバスに乗るかと思いきや実際は乗らなかった(乗れなかった?)人の方が圧倒的に多かったので、少し気になったまでです。

 

というわけで、今回は羽田から稚内まで飛行機を2便乗り継いで行く方法についてご紹介してまいりました。

次回より本格的な最長片道切符の旅の様子のご紹介をしていきますのでご期待ください!

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。