みなさんこんにちは! わたかわです。
今回は、2020年10月28日(水)~11月1日(日)の4泊5日で出かけた「立山黒部アルペンきっぷの旅」の第3弾記事となります。
前回ようやく長野県側から富山県側へ「立山黒部アルペンルート」を走破し、富山県の立山駅に到着しました。その様子は是非以下のリンクからご覧ください!
2日目 2020年10月29日(木)②
立山駅は、電鉄富山駅から続く「富山地方鉄道」立山線の終着駅でもあります。山小屋風の駅舎が何とも特徴的で、ちょうど10月末は駅周辺も紅葉がとても綺麗でした。
さてこの立山駅から乗車するのは、14:26発の特急〔アルペン1号〕宇奈月温泉行です。一言で言うならば「観光地と観光地をつなぐ特急」なのです!
富山地方鉄道は、電鉄富山駅を起点に3方向へ路線がのびる地方民鉄です。本線の終点である宇奈月温泉と立山線の終点である立山が沿線の2大観光地ともいえるわけで、それぞれ電鉄富山駅から有料特急が運行されています。
しかし今回乗車する特急は「立山→宇奈月温泉」ということで、最大のターミナル駅である電鉄富山駅を通りません。通常どこの鉄道会社であっても「都市部のターミナル駅と観光地を結ぶ特急」というのはよくありますが、このように「観光地と観光地を結ぶ特急」というのは非常に珍しい気がします。
立山駅の改札口は昔ながらの有人改札ですが、見上げてみるとアルペンルートと同様に新しい発車標モニターが設置されています。宇奈月温泉行の特急〔アルペン1号〕が発車した30分後には、電鉄富山行の特急〔たてやま〕が続行するようですね。どちらも有料特急です。
それでは改札の中に入っていきます。
改札を入り目の前に停車していたのは、2両編成の「10030形」という車両。これがアルペン1号としての運用に入ります。関西にお住まいの方ならご存じの方も多いかもしれませんが、この車両は元々京阪電車で「3000系」として1971年に運用が開始された通称「テレビカー」が1990年以降にここ富山地方鉄道へ譲渡され、第二の人生を送っているのです!
列車は2両編成。車内に入ると、懐かしい色の転換クロスシートが並びます。「これが有料特急…!?」と驚きましたが、何と富山地方鉄道の特急は一部を除き全車自由席で、車両は普通列車も特急列車も共通運用となっているのです。
立山駅からそこそこの数のお客さんが乗り込み、列車は定刻通り14:26に立山駅を出発。まずは立山線で寺田まで進んでいくことになります。そこそこの数のお客さんといっても混雑とは程遠く、2両編成では十分すぎるくらいの輸送力といえそうです。
立山駅を出発すると車窓のすぐ右側には常願寺川が流れます。特急といってもこの辺りは線形が非常に悪いこともあって、特急とは程遠いゆったりとしたスピードで進んでいきます。
アルペン1号は立山を出ると、寺田まではノンストップで運行します。その先は本線に入り、上市、中滑川、電鉄魚津、新魚津、電鉄黒部、新黒部と停車して終点の宇奈月温泉に至ります。
今回の旅で使用している「立山黒部アルペンきっぷ」では富山地方鉄道の立山~電鉄富山駅間もフリーエリアに含まれていますが、寺田~宇奈月温泉駅間の本線部分は含まれていないため、この区間のみの往復乗車券(特急料金込み)を特殊補充券で作っていただきました。立山黒部アルペンきっぷを提示することで、寺田~宇奈月温泉駅間の往復乗車券は何と2割引になります。また富山地鉄の旅客営業規則に基づき、往復乗車券の有効日数は2日間になるため、今回は宇奈月温泉で1泊して復路は翌日利用したいと思います。私はきっぷマニアというほどでもないので今回初めて補充券を使った旅をしましたが、特別感があってこれもよいものですね~!
次第に列車は山岳地帯から平坦な場所へと抜け、不二越上滝線が分岐する岩峅寺(いわくらじ)を通過します。その先は比較的線形のよい田園地帯となり、列車のスピードが一気に上がりました。ただそうはいってもデビューから50年になる車両ですからかなり凄まじい揺れです。こんなローカル線、ローカルな車両が途中の各駅をビュンビュン通過していく光景は何ともギャップがあり楽しいです!
そして立山を出て最初の停車駅である寺田に到着。しかしドアはすぐには開きません。寺田駅は本線のホームと立山線のホームがV字に分かれており、駅の西側で線路が合流しています。すなわち立山線のホームから宇奈月温泉方面へ出発することはできないため、一度寺田駅をスルーして電鉄富山方面に少しだけ走り、その後スイッチバックをして本線に入り客扱いを行う必要があるのです。駅の構造は鶴見線の浅野駅と似ています。
図にするとこのようになります。何というかもう、情報過多でカオスなんですが、ともかくも駅停車中ではなく何もない線路上でスイッチバックを行うという荒業を成し遂げます。②のタイミングで運転士さんが列車内を移動し、反対側の運転台へと入って列車を動かすことになります。
①と②はそれぞれ数秒程度でこなし、改めて本線のホームに入線します。
そしてようやく寺田駅に到着。立山からここまで30分以上客扱い停車を行いませんでしたが、ここでは約10分間の停車時間がありました。地鉄線内でも有数の主要駅のようで、そこそこの乗車がありました。
そして寺田を15:09に出発。宇奈月温泉まではあと約1時間の乗車となります。
寺田の次の停車駅は上市です。何とここでもスイッチバックとなるのですが、ここは特に分岐駅とかではなく単に線形の都合上スイッチバックが必要ということのようなので、折り返し運転のような感じで入線してきた方向にまた出発していきます。小田急江ノ島線の藤沢駅や富士急行線の富士山駅と同じです。
上市駅を出発すると列車は日本海の近くへと進み、中滑川付近からはあいの風とやま鉄道と並走するようになります。どちらも地方のローカル鉄道…ではありますが、あいの風とやま鉄道は2015年までJR西日本の北陸本線だったため非常に線形が良く、かつては寝台特急日本海やトワイライトエクスプレスといった数々の長距離列車も運転されていた本線ですので流石に富山地方鉄道のローカル感が際立ちます(笑)。
新魚津駅はあいの風とやま鉄道の魚津駅に隣接する主要駅ですが、魚津駅はJR時代に関西からの特急〔サンダーバード〕の一部列車の終着駅であったということもありホームがとても長いですね。両ホームの間にも多数の線路が並びます。
新魚津を出ると再びあいの風とやま鉄道と分かれ、次の停車駅は新黒部駅となります。こちらは2015年の北陸新幹線開業に伴い設置された比較的新しい駅で、新幹線の黒部宇奈月温泉駅と接続しています。ここからは新幹線からの乗り換え客と思われる方々が多数乗車してきました。
新黒部駅を出発すると、次がいよいよ終点の宇奈月温泉となります。いったんは滑川市内や魚津市内などかなり人口の多い都市圏も走りましたが、ここで再び山間部へと入っていくことになります。終盤は勾配がきついのか、かなりゆっくりとした走行になりました。
そして16:09、ついに終点の宇奈月温泉駅へと到着しました! 立山を出てから1時間43分、その距離は67.7km。計算すると表定速度は40km/hほどですから、JRの特急と比べればかなりゆっくりであったことがよくわかります。
富山県内有数の温泉地でもある宇奈月温泉は、駅を出るとすぐに温泉街が広がります。まだ明るい時間帯ですが、本日の移動はここまでとして宇奈月で一泊していきます!
今回宿泊したのは、駅から歩いてすぐのところにあるホテル「フィール宇奈月」。外観はやや古く、レトロな雰囲気が漂います。
今回は和室を予約。1泊2食付で通常税込9,656円となかなかいいお値段ですが、GoToトラベル適用により35%OFFとなり6,277円で宿泊することができました(別途入湯税150円加算)。さらにここに地域共通クーポン1,000円分がつくのでかなりお得です!
そしてこのホテル最大の魅力といえば、部屋からトレインビューが楽しめるということです! 先ほどまで乗車していた富山地鉄本線の宇奈月温泉駅、そして黒部峡谷鉄道の宇奈月駅が部屋の窓から一望できます。すべての客室からトレインビューを楽しめるというわけではないようなので、是非トレインビューのプランでのご予約をオススメします!
そして夕食ですが、今回のプランでは何とオリジナルの弁当をお部屋でいただきます! お弁当はチェックイン時に受け取るので、好きな時間に食べればOK。これなら自分の部屋で誰とも接触せずに食べれるのでコロナ禍でも安心です。中身はハンバーグやエビフライ、煮物に炊き込みご飯等かなり品数も多く豪華なメニューとなっております。全て美味しくいただきました。
食事の後は、ゆっくりと温泉を楽しみます! 写真撮影ができないので画像は公式HPのものを拝借しておりますが、この大浴場からも最高の眺めを楽しむことができます。サラサラとした泉質ですがほんのりといい香りがして、アルペンルートの旅の疲れを癒すことができました。
入浴後は部屋に戻り、YouTubeでライブ配信も行いました! 夜の宇奈月温泉駅の様子も少し映っておりますので、気になる方は是非ご覧になってみてください。
3日目 2021年10月30日(金)①
さて、旅はいよいよ3日目に突入です。朝から温泉でたまたま会ったおじさんとしばらくおしゃべりを楽しんだ後、朝食会場へと向かいます。
朝食は豪華なバイキング形式で、混雑を避けるため時間指定となっておりました。ただそもそも平日ということもあり宿泊者が多くなかったようで、私が行った際もお客さんは他に数名程度という感じで安心してお腹いっぱい朝食を味わうことができました。
メニューは多種多様で、お刺身や茶わん蒸しなど朝からとっても豪華! どれも本当に美味しく、大満足でした。
この後はいよいよホテルをチェックアウトし、3日目の旅がスタートしていきますが、その様子はまた次回ご紹介していきます。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました!
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