みなさんこんにちは! わたかわです。
今回は最長片道切符の旅26日目の前半の様子をお届けします。
2021年8月31日(火)26日目①
宿泊していた「ウィークリー翔 岐阜駅南」を出発し、26日目のスタートは岐阜駅から。昨日の晩はランドリーの順番待ちでなかなか夜遅くまで休めなかったこともあり、睡眠不足気味です。
本日まずは高山本線で一気に富山へと抜けていきます。乗車するのは岐阜9:03発の特急〔ひだ3号〕富山行です。金沢以東の北陸本線に特急なき今、富山駅を発着する貴重な在来線特急となっています。
ホームで待っていると、名古屋方面からゆっくりとキハ85系が入線してきました。ここ岐阜駅では方向転換をするため逆向きに出発しますが、停車時間はわずかなので到着次第直ちに乗り込みます。
列車は定刻通りに岐阜駅を発車。ふかふかの自由席へと腰掛けます。
列車は7両編成で、このうち前寄り10~8号車の3両のみ富山行。後寄り4~1号車は途中の高山までの編成となっています。「東海と北陸を結ぶ」とは言っても高山本線は山間部を縫って走るルートのため、かつて名古屋~富山駅間を福井経由で結んでいた時代の特急しらさぎ号とはやや異なり、都市間連絡というよりは沿線の観光客需要がメインとなっています。例えるなら東京~仙台間をメインルートである東北本線ではなく常磐線で行くようなものです。
しばらくは車窓右手に木曽川を望みながら走っていきます。川幅も広く、穏やかな流れです。
車窓右手には犬山城が見えてきました。以前に高山本線の鵜沼駅から歩いて行ったことがありますが、かなりの距離があったのでみなさんは名鉄の犬山駅から行かれることをオススメします。
美濃太田駅で多治見方面へ向かう太多線に別れを告げ、ひだ号は北向きに進路を変えて山間部へと入っていきます。ちょうど美濃太田を過ぎたあたりから列車は飛騨川に沿って走るようになり、先ほどの木曽川と比べても川幅が狭く、地形の険しい土地へと進んでいることを実感します。
10:13に列車は下呂駅へと到着。その直後には飛騨川を渡り、車窓右手には温泉ホテル群を見渡すことができます。今回時間があれば下呂か高山あたりで途中下車して温泉に浸かったりしたかったのですが、どうしても厳しそうだったので諦めました。
そして10:56に高山駅へと到着。名古屋を出発するひだ号の実に半分以上はこの高山駅までの運行となっており、先ほども述べた通りこの富山行のひだ3号でも両数が7両から3両へと減ります。ここでの停車時間は5分ほどあり、切り離し作業を終えて11:01に発車していきます。
ちなみにひだ3号のグリーン車は富山行の先頭10号車のみとなっていて、高山どまりの編成の方には連結されていません。10~8号車は綺麗にグリーン車・自由席・指定席が1両ずつ組み込まれており、わずか3両編成ながら様々なニーズに応えられる編成になっています。
JR東海区間は猪谷駅でおしまいとなり、この先は改めて長いJR西日本区間へと入っていきます。駅名標が青いデザインとなり、いよいよ北陸が近づいてきたのを実感します。
気づけば山間部の区間も終わり、車窓はかなり開けてきました。JR西日本区間でもあの特徴的な「ワイドビューチャイム」が流れるので何だか違和感を覚えます。
そして12:30に終点の富山駅へと到着! 岐阜駅からは何と約3時間半を要しました。
ひだ3号は富山駅在来線ホームの中でも端っこにある、切り欠き式の高山本線ホームに入ります。
富山駅に降り立つのは昨年秋以来約10ヵ月ぶりとなります。最長片道切符では各地方を何度も出たり入ったりすることが多いですが、この北陸地方に関しては一度東から西まで走破して終わりなので、限られた時間ではありますが満喫していきたいと思います!
ここ富山駅でいただく「日本の食」記念すべき100品目は、名物駅弁「ますのすし」です! 円形の器にぴったり敷き詰められた寿司飯と鱒は見た目もとても美しく、とろける美味しさで100品目にふさわしい一品となりました。なお今回は通常サイズ(1,500円)より一回り小さい「小丸(1,000円)」を買いましたが、それでもかなりのボリュームがありました。
小休止を挟んだところで、早くも富山を離れることになります。続いて乗車するのは富山13:16発の北陸新幹線〔はくたか559号〕金沢行。文明の利器を活用して、サクッと臨県まで移動していきます。
ホームで待っていると、すぐに列車が入線してきました。最長片道切符の旅の前半に上越妙高や長野周辺で何回も利用してきた北陸新幹線と、久しぶりの再会(?)です。
列車は定刻通りに富山駅を発車。自由席車両へと乗り込みます。
この先はくたか号は新高岡に停車して終点の金沢へと至ります。富山~金沢駅間は約20分程度で、かつての在来線特急でも40分程度かかっていたことを思えば新幹線の速さを実感せずにはいられません。
この区間の並行在来線は現在「あいの風とやま鉄道」「IRいしかわ鉄道」に経営分離されています。在来線特急が廃止となってしまうことは一見すると鉄道ファンにとって残念なことにも思えますが、これも仕方のないことでしょう。むしろ地元密着型の鉄道事業者となることによって、地域の実情に合わせた柔軟なダイヤでの運行が叶ったり、新駅の設置が進んだり等のメリットもあります。やはり遠方からの来訪者以上に、地元の人にとって使いやすい鉄道になっていってもらいたいと願うばかりです。
そして13:38に終点の金沢駅へと到着! 駅名標の青い部分には東側の「しんたかおか」のみ書かれていますが、数年後には西側に「こまつ」という文字が入ることでしょう。
金沢駅といえば鼓門。鼓門といえば金沢駅。今や立派な金沢観光の目玉となっているこの門ですが、私はいつも逆にこれしか見ることができず、金沢をまともに観光したことがありません。今回も御多分に洩れず、金沢観光はお預けです。
そんな金沢でもしっかりご当地グルメを回収していきます。「日本の食」101品目はゴーゴーカレー(金沢カレー)です。
今や全国各地にチェーン展開するこのゴーゴーカレー。実を言えば私の地元横浜でも食べることができるのですが、やはりここは金沢に来た証として今回の旅のテーマにもあっているので食べておきたいところ。ロースカツカレーの小サイズ(750円)をいただきました。
とろみのある濃厚なルウがロースカツとよくマッチし、めちゃくちゃ美味しいです! キャベツもたっぷりのっているので罪悪感が薄れます。上の画像だと見えないですが、実はカツの下に埋もれているのはスプーンではなくフォークなのです。カレーをフォークで食べるのは恐らく人生初でしたが、ルウはとろみがある上、細切りのロースカツは圧倒的にこの方が食べやすいので理に適っているなと感じました。
金沢駅から先は再び在来線での移動となります。金沢駅の在来線改札口は2015年の新幹線開業以前まで自動改札機ではなく有人のラッチが並んでいたのですが、そんな光景も今は昔。すっかり現代的な雰囲気になりました。
乗車するのは金沢14:20発の特急〔サンダーバード28号〕大阪行。発車標の「京都方面大阪」という表現にJR西日本らしさを感じます。
北陸地方を走る特急の車両形式はまだあまりよく理解していないのですが、これはおそらく683系…というやつであってますかね? 間違ってたらすみません。
時間が迫っていたのですぐに乗り込み、列車は定刻通りに発車。9両編成で、このう5~7号車の3両が自由席です。
サンダーバードの自由席特急券は北陸新幹線と同時購入したため、金沢駅で乗継割引が適用になり自由席特急料金は福井まで半額の600円となりました。ちなみに富山駅で特急と新幹線を乗り継ぐ場合には乗継割引が適用されないので、岐阜~富山駅間の自由席特急券は定価で購入しています。
車窓からは、ほぼ完成していると見られる北陸新幹線の高架橋を断続的に見ることができます。新幹線開業後はこの区間で特急が運行されることはほぼないでしょうから、特急車両の車内から新幹線の高架を眺めることができるのも今のうちです。
金沢~福井駅間で設置される新幹線の途中駅は小松、加賀温泉、芦原温泉の3駅。いずれも現行の在来線駅に併設される形のため、この3駅の駅前ではせっせと工事が進められていました。新幹線駅のホーム等はかなり完成に近いのだろうと思いますが、駅前の整備はまだこれからというところも多そうです。
金沢駅から約45分、15:06に列車は福井駅へと到着! ここで途中下車します。
実は今回のこの福井駅到着をもって、47都道府県(接地)制覇となりました! 福井県が最後になるとは…という感じですが、確かに現状では金沢回りでも名古屋回りでもどちらでも遠いですから、最後の接地となったのも頷けます。
福井駅のメインとなる出口は西口で、恐竜のイラストが描かれた立派な駅舎がそびえています。路面電車の福井鉄道福武線もこの福井駅西口側を発着しています。
一方で、どちらかといえばマイナーだった福井駅の東口には真新しい駅舎が整備されています。こちらは新幹線側の出口になるようで、まさにこれが新幹線駅舎ということなのでしょう。福井駅の新幹線ホームは1面2線の島式になる予定とのことで、これまでにあまりないスタイルですのでどのような賑わいを見せるのかも楽しみです。
富山と金沢でかなりガッツリ食べたので、福井では軽めに「羽二重餅」(はぶたえもち)をいただきます(「日本の食」102品目)。とってもやわらかいお餅で、一瞬で溶けてなくなります。「羽二重」というのは織物の種類だそうで、福井県でこの織物がよく生産されていたことにちなみこう名付けられたそうです。
また、福井駅では名物駅弁「越前かにめし」(1,300円/「日本の食」103品目)を購入しました。さすがにこのタイミングで食べるには胃袋が限界を迎えそうなので、この日の夜に到着した京都の宿にていただきました。かにのほぐし身が惜しげもなくたっぷりのっていてとても美味しかったです!
というわけで北陸の美味しいものをたくさんいただきながらルートを進めてきました。
福井より先の行程については、また改めて次回お届けしたいと思います。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。