わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

通勤ライナーなのに通勤に使えない!? 出社時刻よりも遅く東京に到着する「湘南ライナー12号」に乗ってみた!

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みなさんこんにちは! わたかわです。

来る2021年3月のダイヤ改正で、首都圏最後のライナー列車である東海道線の〔湘南ライナー〕が廃止されます。

廃止直前ということで今回は湘南ライナー乗車記をお届けしていきますが、ただ単純にご紹介しても面白くないので、今回は朝の上り最終便である〔湘南ライナー12号〕にスポットをあててみたいと思います!

 

2021年1月26日(火)

さて、今回は湘南ライナーの始発駅である神奈川県の小田原駅にやってきました。

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神奈川県西部のターミナル

小田原駅JR東海道線小田急小田原線箱根登山鉄道伊豆箱根鉄道大雄山線、そして東海道新幹線の5社5路線が乗り入れる神奈川県西部の一大ターミナル駅となっています。東京から80km以上も離れたこの小田原駅が、朝の上り〔湘南ライナー〕の始発駅となっています。

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台風被害から復活した大きな提灯がシンボル

現在東海道線では、東京~小田原駅間で〔湘南ライナー〕、新宿~小田原駅間で〔おはようライナー新宿〕〔ホームライナー小田原〕が運行されています。全て平日のみの運行で、朝の通勤時間帯は上り(東京・新宿行)が、そして夜の帰宅時間帯は下り(小田原行)が設定されています。湘南エリアから東京都心に通勤するビジネス客に向けて快適な移動を保証しており、乗車券の他に520円のライナー券が必要となります。なおグリーン車も連結されており、これは距離に応じた普通列車用グリーン券のみで乗車可能ですが、着席保証はありません。

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残席が一目でわかるライナー券売機

ライナー券は専用の券売機で購入することができます。朝の上り便に関しては基本的に前の日の夜からの発売となり、乗車駅でのみ購入可能となっています。指定券とは異なり、1ヵ月前からの購入や乗車駅以外の駅での購入はできません。

小田原駅に設置されたライナー券売機を見てみると、発車済みの列車に関しては「うりきれ」と表示されています。また発車前の列車で残席があるものについては残席数が表示され、これがゼロになると普通車への乗車はできません。

今回私は前夜のうちに〔湘南ライナー12号〕のライナー券を購入しておきました。

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続々ライナーが出発

さて、ホームに降りると5番線には立て続けにライナーの発車案内が表示されています。私が乗車するのは小田原8:09発ですからまだ1時間近くあるのですが、それまでの間に他のライナーも見物していきたいと思います。

この先の茅ヶ崎や藤沢ではライナー列車の専用ホームというのがありますが、小田原ではそういった使い分けはなく、他の普通列車に混じって発車していきます。列車によって使用番線が異なるので注意が必要です。

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湘南ライナー8号(小田原7:22発)

まず5番線に停車中の列車は、小田原7:22発の〔湘南ライナー8号〕東京行です。オール2階建て車両215系が充当されています。かつては東海道線快速アクティー等でも使われましたが、現在の定期運用はこの東海道線のライナーのみとなっており、春のダイヤ改正後は定期運用がなくなるためその動向も注目されています。私はかつて〔ホリデー快速ビューやまなし号〕で何度か乗車したことがあるのですが、普通車はすべてボックスシートになっているため1人で乗る時は高確率で相席となります。決して広くはなく快適ともいえない車両ですが、特徴的な内装も含めて味わっておきたいという方は是非残り1ヵ月のうちに乗車しておきましょう。

湘南ライナー8号が定刻通り5番線から発車するとすぐに、後続のライナー列車が入線してきます。

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おはようライナー新宿26号(小田原7:41発)

こちらは、小田原7:41発の〔おはようライナー新宿26号〕新宿行です。国鉄時代から活躍する185系特急車両が10両編成で充当されています。2020年3月までは、スーパービュー踊り子で使用されていた「251系」での運用となっていましたが、車両の引退に伴いさらに古い車両で置換されたということになります(笑)。ヘッドマークはシンプルですが、いかにも20世紀の趣があって悪くない気がします。

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この光景も3月で見納め

ホーム足元を見てみると、たくさんの乗車位置が示されています。主に特急〔踊り子〕に使用される185系は車両の編成が多種多様で、7・10・12・15両のそれぞれに合わせた乗車位置のステッカーが貼られているのがわかります。まもなく引退する185系、しかも踊り子から自由席の設定がなくなりますから、こうした光景も貴重なものとなりそうです。

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レアな「7両編成」

さて、続いてのライナーは何と下りホーム4番線からの発車となります。7:59発の〔湘南ライナー10号〕東京行、こちらは何と貴重な7両編成の185系が充当されているのです!

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パッと見てもよくわからないけど

この7両編成に組み込まれているグリーン車が何だか特別らしく、他のライナー以上に鉄道ファンからの熱い視線が注がれているのですが、ちょっと私は勉強不足なのでよくわかっていません…(笑)。この編成は3月のダイヤ改正後、臨時列車も含め運用に入ることはないようなので、乗り納める方はお早めに。

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これが最終の上りライナー

そしていよいよ、6番線の発車案内には8:09発の〔湘南ライナー12号〕東京行が表示されました。平日朝にこの小田原から発車していく9本のライナー列車、その最終便となります。午前8時を過ぎて小田原駅を出発する唯一のライナーということになります。

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熱海方からゆっくりと入線

もちろんこの小田原駅が始発駅ですが、入線は発車3分前の8:06頃とかなりギリギリです。15両編成の185系が、カモメのヘッドマークを掲げながらゆっくりと入線してきました。先頭から順に15号車、14号車…と続き、一番後ろが1号車となります。

発車時刻が迫っているので、さっそく乗車していきます。

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号車が指定されている

無事間に合い、定刻通り8:09に小田原を出発。ライナー券に書かれた通り「1号車」に乗車します。乗車時にライナー券を提示する必要があるので、手元に持っておきましょう。

湘南ライナーは便によって停車駅が異なりますが、この上り最終の12号についてはかなり停車駅が多めに設定されています。小田原を出ると乗車専用駅として平塚、茅ヶ崎、辻堂、藤沢、大船と停車していき、その後は降車専用駅として品川と東京に停車。終点の東京に到着するのは9:26ですから、多くの企業であれば勤務時間が既に始まってしまっていることでしょう。「通勤客向けの列車」でありながら、多くの企業の始業時刻に間に合わないということで、果たして利用者はどれくらいいるのか…?

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案の定ガラガラ

やはり案の定、1号車の乗客は私を含め3人程度でした。各乗車駅からの割り当てやセット券の取扱いがどうなっているのかまでは詳しくわかりませんが、15両というのはかなり過剰な輸送力に見えてしまいます。

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伊豆や群馬など各方面で活躍

何度も述べる通りライナー列車は「座席定員制」で、自由席とも指定席とも異なるのですが、座席の指定がされていないという意味では自由席なので、車端部には青い「自由席」のプレートが刺さっています。車内の広告はどれも伊豆のものばかりですが、かつては高崎線の特急〔スワローあかぎ〕〔あかぎ〕としても運用されていたため、それらに関連する案内も未だに残っています。現在高崎線の特急は全て651系での運行となっています。

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緑色のモケット

そして座席です。1980年代のものがずっと使われているわけではないと思いますが、リニューアルされたにしてもやや時代を感じる哀愁漂うモケットが特徴的です。リクライニング機能はありますが、そこまで深くはありません。また当然ながら車内にコンセントやWi-Fiはなく、ひと昔どころかかなり古い車両であることは明らかです。

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乗車専用駅の手前では到着案内が流れない

そして列車は鴨宮、国府津、二宮、大磯を通過して、最初の停車駅である平塚に到着。特徴的なのは、到着前に車内放送が一切流れないことです。湘南ライナーの上り列車は、湘南地区の各停車駅が乗車専用駅であるため、この区間では原則としてライナーから下車する人がいません。よって車内放送で「次は、平塚~平塚です」等と言った案内はなく、何も言わずに静かに入線し、静かに停車します(笑)。

平塚は始発の普通列車が数多く設定されているため、駅の規模の割に停車するライナーの本数はそこまで多くありません。ライナーでなくても、少し並べば普通列車に着席できますからね。

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茅ヶ崎はすべてのライナーが停車

平塚を出ると相模川を越え、続いては茅ヶ崎に停車。上下ともすべてのライナーが必ず停車するこの茅ヶ崎駅では、東海道貨物線上に「ライナー専用ホーム」が設置されていますが、今回乗車している湘南ライナー12号は旅客線経由のため普通列車と同じホームに入ります。乗車する人は全くいないというわけではないですが、本当に少ない印象です。

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大船が最後の乗車専用駅

そして辻堂、藤沢と停車して、大船が最後の乗車専用駅となります。平塚から大船までは各駅に停車してきましたが、見たところ藤沢からの乗車が特に多かったように思います。ただしそれでも藤沢出発時点で窓側が半分程度埋まるくらいという程度で、人のいない区画も多数あり、相席には程遠い状態でした。また、早い時間のライナーとは異なり、みんながみんなスーツ姿のビジネス客というわけではなく、かなり乗客の属性は多岐に渡るように見受けられました。

大船を出ると、次は品川まで停車しません。戸塚、横浜、川崎という乗降客数の非常に多い3駅を通過するのです。しかしこれこそが湘南ライナーの本来の意味であり、横浜市内・川崎市内~東京都心の利用客とは明確に列車を分ける「遠近分離」をわかりやすく取り入れているのです。

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横浜を颯爽と通過する!

そして、寝台特急さえも停車する横浜駅をあっさりと通過していきます。既に時刻は午前9時頃で、ホームに通勤客の姿はありません。

ちなみにライナー列車には、この横浜駅を通過する経路の他に「羽沢経由」の列車があります。羽沢経由の場合は湘南地区を走行している時点で既に旅客線ではなく貨物線へと入っており、藤沢のライナー専用ホームを発車し、東戸塚付近で旅客線と分かれ長いトンネルへと入ります。しばらくぶりに地上に出ると、相鉄・JR直通線の羽沢横浜国大駅付近を通過し、また再び長いトンネルへ。再び地上に顔を出すのは鶴見駅付近で、そこから横須賀線経由で都心へと向かいます。

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もちろん川崎も通過

かたや、今回乗車している列車は横浜通過便なので小田原~東京駅間の全区間が旅客線経由となっており、普通列車と同じ線路をひたすらに走り続けます。数年前に拡幅された川崎駅ホームも通過し、いよいよ東京都内へと入っていきます。

↑ 詳しい話については、こちらのツイートも是非ご参照ください。

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品川に到着

そして大船から30分間ノンストっプ状態が続き、9:17にようやく品川へと到着。ここは降車専用駅なので、乗換案内等も含め詳細に案内がなされます。降車客はわずかといった印象で、多くの人が東京まで乗り通すようです。もしかしたら通勤時間帯真っただ中の便であればもっと品川での降車の割合が高いかもしれません。

品川を出ると、次がいよいよ終点の東京となります。途中の新橋駅は東海道線もホームがあり、屈指のオフィス街ですが、ほとんどのライナーは通過します。上りの一部ライナーが品川~東京駅間を横須賀線経由で運転しますが、その場合だけ新橋駅の地下ホームにも停車するということになります。

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幕は「回送」に

9:26、終点の東京に到着。幕はすぐに「回送」となりました。

小田原から約1時間20分ということで、そもそも在来線で通勤するにはかなりしんどい距離かと思います。それでも天下の東海道線ですから、少ないながらも利用者は確実にいるということがわかりました。

もっともダイヤ改正直前ということで、私のような「乗車そのものが目的」という方も少なからずいらっしゃったことと思いますが、こうして少し遅い時間に設定されているということは、通勤とはまた異なる需要も取り込めるよう工夫して運行しているということなのかもしれませんね。

昨今は働き方改革が叫ばれる中で、フレックスタイム制により出社時間を柔軟に調整できる企業も増えつつあると思います。時間が合う方は是非、密を避けて快適な通勤のためにも利用してみてはいかがでしょうか!

 

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