わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

(42)たくさんの人に出迎えられながら大阪へ【最長片道切符の旅2021】[和歌山→大阪]

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は最長片道切符の旅24日目の様子をお届けします。

 

2021年8月29日(日)24日目

前日までに四国最長片道切符を完遂し、宿泊していた南海和歌山市駅併設の快活CLUBをチェックアウト。和歌山駅までは別途運賃を支払い、ここから最長片道切符のルートを再開していきます。24日目の目的地は大阪です。

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四国に渡る前の8月25日(水)以来、4日ぶりに和歌山駅へと戻ってきました。とっても濃い四国の旅でしたが、こうしてみるとあっという間だったなと思います。

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和歌山駅には阪和線紀勢本線和歌山線が乗り入れます。特急くろしお号であれば新大阪まで1本であっという間ですが、最長片道切符のルートには阪和線は含まれていません。それはもちろん、大阪まで大きく迂回する方が距離を稼ぐことができるからです。目の前に停車している新大阪行のくろしお号を泣く泣く見送ります。

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その代わりに乗車するのはこちら。和歌山8:20発の和歌山線 奈良行です。この列車に全区間乗車、つまり和歌山から大阪へ行くのに奈良を経由していくことになります。こんなことする人は関西の方でもなかなかいらっしゃらないでしょう。

和歌山線では2019年に営業運転を開始したばかりのピカピカの227系が2両編成で運用に入ります。

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和歌山駅和歌山線のホームへ入るためには、中間改札を通る必要があります。これは和歌山線の途中駅の多くが無人駅となっているためで、不正乗車を防ぐ目的で設置されています。この中間改札自体は無人なので、大半の方はICOCA等のICカードで通るため問題ないと思いますが、最長片道切符をはじめとする「自動改札機で通せない乗車券類」の場合はインターホンで音声をつなぎ、遠隔で券面の表示を確認してもらう必要があります。時間には余裕をもってホームへ向かいましょう。

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列車は定刻通りに和歌山駅を発車。これより終点の奈良駅までは3時間弱、距離にして105.4kmというなかなかのロングラン運用です。

関西といえば転換クロスシートのイメージが強いですが、227系はオールロングシートになっています。長時間乗車するのには不向きな感がありますが、朝晩のラッシュ時等はこちらの方がより多くの乗客を運べて便利なのでしょう。

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列車は和歌山の市街地を抜け、山間部へと入っていきます。基本的に単線ですが、ローカル線の割には比較的駅間距離が短いように感じました。

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一方で開けた地形を走る区間もあり、列車は概ね紀の川に沿って進んでいきます。土地勘のない私は今どの辺りにいるのかいまいちよく分かりませんがとりあえず天気が良いのでOKです!(?)

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橋本駅には9:24に到着。ここでは約6分間の停車があります。橋本駅と聞くと横浜線等が通る相模原市の橋本をイメージしてしまう生粋の神奈川県民ですが、こちら和歌山県橋本駅もJR和歌山線の他に南海高野線が乗り入れる主要駅となっています。

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列車はまもなくすると奈良県に入り、9:56に吉野口駅へと到着。こちらは近鉄吉野線との乗換駅です。名前の通り吉野への玄関口のような場所にあります。吉野もまだ行ったことがないので、いつか行ってみたいものです。

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10:15に高田駅へと到着。和歌山線はこの先王寺へと続きますが、この列車は奈良方面へと向かうためこの先は万葉まほろば線へと直通します。時間調整のため高田駅では13分間の停車があります。

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ここまで来ると山間部の雰囲気は一掃され、周辺には市街地が広がります。

列車は王寺方面からやってくる和歌山線の列車の接続を取り、定刻通りに高田駅を発車。

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万葉まほろば線」というのは愛称で、正式な路線名としては「桜井線」です。桜井駅を通るから桜井線であって、別に何も分かりにくくはないと思うのですが、現地では「万葉まほろば線」という路線名の方が案内等でも積極的に用いられていました。

高田駅を出て一つ隣の金橋駅のすぐ近くには「イオンモール橿原」があり、週末ということでここで降りていく人がかなり多かったです。イオンモールの最寄り駅で一気に乗降がある、というのは地方都市あるあるかもしれません。

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そして桜井・天理を通り、11:08にようやく終点の奈良駅に到着です!

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奈良駅大和路線奈良線万葉まほろば線が乗り入れるJRのターミナル駅。とはいっても実際は「近鉄奈良駅」の方が利用者は多く、JRの駅の方は奈良公園東大寺といった観光地からも離れています。JR駅よりも私鉄駅の方が栄えている典型的なパターンのようです。

ここ奈良駅では、かっつんさん@Rv7Dk8pdumVTJw0)にお出迎えいただきました! 補充券での旅の思い出や奈良の交通事情など様々お話しいただき、大変楽しませていただきました。ありがとうございました!

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奈良に来たらやっぱりこれを食べないわけにはいきません。柿の葉ずし(さば3個入421円/「日本の食」92食目)をいただきます。個人的に一番好きなのが「さば」で、酢飯ともよく合っていてとても美味しいです!

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さて、奈良駅からはいよいよ天下の台所・大阪方面へと向かう列車に乗車していきます。阪奈間を結ぶJRの路線と言えば大和路線で、15分間隔で大和路快速が運行されているので分かりやすくてとても便利です。今回は奈良12:15発の大和路快速 西九条・大阪方面行へと乗車していきます。

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なぜ行先が「方面」という何とも曖昧な表現で案内されているのかというと、実はこの列車は天王寺駅から大阪環状線をぐるっと一周して再び天王寺駅で終着となる列車のためです。なので「天王寺行」と表示しても間違いではないのですが、こうすると1回目に天王寺駅に到着した時点で、終点だと思い込んで下車してしまう人が出てしまうおそれがありこれではあまり親切とは言えません。実際には2回目に天王寺駅へ到着した時点で終着となるわけですから、「天王寺行」と案内されるのは1回目の天王寺駅を過ぎてからのことになるのでしょう。

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列車は定刻通りに奈良駅を発車。途中には和歌山線との結節点である王寺も通ります。

大和路快速の停車駅は、奈良を出ると王寺までの各駅と久宝寺天王寺新今宮、大正、弁天町、西九条、福島、大阪…と続きます。途中法隆寺、王寺、久宝寺天王寺と「寺」のつく駅名が4駅連続になるのがこの地域らしさを感じさせます。

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王寺を過ぎると、列車内の混雑もかなり増してきました。大都市が近づいていることを実感します。

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12:48に天王寺駅へと到着。このまま乗っていればこの日の目的地である大阪駅へそのまま行けるのですが、せっかくなら大阪市内では大阪環状線の列車に乗りたいと思い、後続の列車を利用していくことにします。

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天王寺駅大阪環状線で見た時に大阪駅の対極の位置にある巨大ターミナル駅で、駅のすぐ隣にはあべのハルカスがそびえています。近鉄大阪阿部野橋駅も至近にあり、久々に大都市の賑わいを感じることができました。また、ここ天王寺ではharuさんにもお出迎えいただきました。ありがとうございました!

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さて、天王寺駅からはいよいよお待ちかねの大阪環状線に乗車していきます。名前からも分かる通り大阪市内をぐるぐる回る環状路線で、今回は西側を通って大阪駅へと向かっていきます。

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天王寺13:42発の大阪環状線外回り 西九条・大阪方面行へと乗車していきます。すっかり環状線の新たな顔として定着した323系です。

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列車は定刻で天王寺駅を発車。しばらく進むと、車窓右手には通天閣も見えてきます。「なんば」「ミナミ」「今宮」「新世界」などこの辺りにはいろんな地名や呼び名があって位置関係がよくわからないのですが、とにかくここら辺はもう全部ひっくるめて賑やかな繁華街です(笑)。

この区間では、蒼い翼さん@md87tetsu)にご同行いただきました。本当にありがとうございました!

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そして次がいよいよ大阪駅です。一つ手前が福島駅なので、一瞬3週間くらい前に通った位置まで戻ってしまったのではないかと錯覚してしまいます(そんなことはない)。

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そしてようやく!! 大阪駅に到着です!

時刻は14:02、まだまだ先へ進める明るい時間帯ですが、この日は調整日のつもりでブログ記事の執筆等を進めるとして、この日の移動はここまでとします。

大阪駅では、とらすずさん@travelhpinf)、コスパトラベラーさん@Cospa_Travel)とそれぞれお会いすることができました! お一人ずつ別々の場所にて待ち合わせさせていただく関係上、とても短い時間でのご挨拶となってしまった点をお詫び申し上げます。励ましの言葉をいただくことができ、とても力になりました。本当にありがとうございました!

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そしてここ大阪駅では、何と旅人よっちゃんさん@tabibgtoyocchan)にもお出迎えいただき、大阪名物の串カツ(「日本の食」96品目)をごちそうしていただくことができました!

大阪に来る機会はそれなりにありますが、なかなか食べる機会がない串カツ。またこの最長片道切符の旅ではお金が限られていることもあり、何でもかんでもお腹いっぱい食べられるわけではありません。そんな中で私のわがままを聞いてくださり、次から次へと私の食べたいものを注文してくださったよっちゃんさんには感謝してもしきれません! その節は本当にありがとうございました。

(「日本の食」カウントが記事内での紹介順序と少し前後していますが後ほど全てご紹介します)

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この日の宿はホテルリブマックス梅田堂山大阪駅から徒歩圏内にあるとても便利なホテルです。1泊2.500円にて泊まることができました。

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早めにチェックインできたので、ここまでに皆様からいただいた差し入れをいただきつつ部屋で記事の執筆を進めていきます。奈良三笠焼(「日本の食」92品目)はかっつんさんから、いか焼き(同93品目)と天狗おこし(同94品目)はとらすずさんからいただきました。改めて本当にありがとうございます!

「三笠焼」と聞いただけでは一瞬どんな食べ物か想像もつきませんが、実はこれ「どら焼き」なんです。奈良の方はどら焼きのことを「三笠」等と呼ぶ機会があるそうで、とても上品な味わいで美味しかったです!

また「いか焼き」と聞くと縁日にあるようないかの姿焼きをイメージしますが、ここ大阪では小麦粉の生地にいかの切り身を入れて焼いた”粉もん”メニューなのだそう。これが想像を超える美味しさでびっくりしました!

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そしてすっかり日の沈んだ、夜の大阪駅。ここで何と、思いがけない展開が待っていました…!

何と、誰もが知るあの鉄道系YouTuberの西園寺さん@SAIONJI_com)に直接お会いすることができたのです!!!!

お昼にお会いした旅人よっちゃんさんが連絡を繋いでくださり、お忙しい撮影の合間を縫って急遽大阪駅まで駆けつけてくださいました。

今さらご紹介するまでもないと思いますが、西園寺さんは2019年の夏に最(西)長片道切符の旅を完遂されており、(後追いではありますが)私も全話視聴させていただいておりました。「最長片道切符の旅」というものを西園寺さんの動画で知るとともに、自分もやってみたいと思った一番最初のきっかけでもあります。いわば自分にとっての憧れの方にお会いでき、感無量です。緊張して終始足がガクガクでした(笑)。

また同じくYouTubeをされている毎日大阪駅チャンネルさん@mainichi_Osaka1)も時間を合わせて駆けつけてくださいました。

短い時間ではありましたが、みなさんとお会いできて夢のような時間を過ごせたことはその後の旅の道中において大きな原動力となりました。

お疲れのところ本当にありがとうございました!!

 

次回は25日目の様子をお届けします。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

【衝撃】誰も乗れない指定席車両の連結された新幹線がありました…

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は北陸新幹線に連結されている、不思議な車両についてご紹介します。

 

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というわけで、やってきたのは金沢駅北陸新幹線の終点駅として、首都圏でもよく見かける地名になりました。かつては寝台特急〔北陸〕や急行〔能登〕等といった夜行列車の終着駅であった過去ももちます。

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これから乗車するのは、金沢9:49発の北陸新幹線〔つるぎ704号〕富山行です。「つるぎ」とは首都圏で見かけない列車の名前ですが、それもそのはず、つるぎ号に関しては金沢~富山駅間という短い区間でのみシャトル運行されている新幹線だからです。

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北陸地方へは、大阪方面から特急〔サンダーバード〕、名古屋方面から特急〔しらさぎ〕がそれぞれ運行されています。2015年の北陸新幹線金沢開業前まではこれらの特急の多くが富山駅まで乗り入れていたのですが、2015年に金沢まで新幹線が開業したことで特急がいずれも金沢発着へ変更となったのです。

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そこで、金沢駅でこれら在来線特急からの接続を取り、主にサンダーバード号・しらさぎ号の代替を目的として設定されたのがシャトル新幹線「つるぎ号」というわけです。金沢~富山駅間はわずか58.6kmしかありませんので、しっかりと途中の新高岡駅にも停車します。今回はちょうどその新高岡駅まで、1駅だけ乗車していきたいと思います。

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北陸新幹線で使用されるE7・W系は12両編成。金沢寄りの12号車がグランクラス、11号車がグリーン車で、その他は普通車となっています。

つるぎ704号をホームから見てみると、8号車は「指定席」の表示となっています。ドアが開き、普通に考えればこの号車は「8号車車内の指定席特急券を所持した人が乗車する」と考えるでしょう。

しかし、実際にはこの「指定席」と示されたつるぎ号8号車には乗車できないのです

「は…???どういう意味???」と思いますよね。

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実はこれ、8号車だけではありません。つるぎ号においては、8~10号車ならびにグランクラスの12号車が、同様に乗車できない車両となっているのです。

とりあえず4号車(自由席)に乗り込みます。発車後、車内アナウンスに耳を澄ましてみると、「1~4号車が自由席、5~7号車が指定席、11号車がグリーン車」と案内されていました。号車番号が飛んでいて明らかに違和感ですよね。

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先ほども述べた通り、北陸新幹線は全列車が12両編成での運行です。ただし、つるぎ号においては8~10・12号車が「締切」扱いとなっているのです。すなわち、この号車に関しては指定席が発売されることはありません。例えば「つるぎ号のグランクラス」はこの世に存在しないのです。

新幹線は在来線特急と比べ、列車1編成あたりの輸送力がとても大きいのが特徴です。しかしつるぎ号には、12両分の輸送力は過剰であると判断されているものと思われます。このため、普通車の乗客は全て1~7号車のみに固め、車内の巡回等の際にかかる時間や手間を最小限にしているということです。

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では「乗車できない号車に関しては物理的に入れないようにすればいい」と思うかもしれません。しかし一部の号車でのみドアカットを行うこと、乗車口にロープをかけること、ホームドアを開けないようにすること、などいずれも煩雑であると言わざるを得ません。つるぎ号は全区間乗車してもわずか20分程度であり、そうした手間のかかる作業は見合わないということなのでしょう。その代わりに「指定席」と表示することで、自由席利用者が誤って乗り込むことのないようになっているのです。

なお、車内のアナウンスにて「8~10・12号車は見学等を含め立ち入りはできません」との案内もありました。11号車のグリーン車だけが他の乗客のいる号車からかなり離れている何とも不思議な編成ですが、これほどの短区間でありながらグリーン車に乗車する乗客がいるのかというのも疑問ではあります。

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10:03に列車は新高岡駅へと到着。高岡駅とは異なる位置に設置された新駅ですが、それほど大きくは離れておらず降車客もそれなりにいた印象です。

 

ということで、今回は「乗車できない指定席車両が連結された」新幹線つるぎ号についてご紹介しました。みなさんもつるぎ号にご乗車の際はご注意ください。

なお、一部のつるぎ号では9・10・12号車のみを締切扱いとし、8号車については乗車可能な指定席車両として運用している場合もあります。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

(41)思いがけない出会いとともに…四国ルート完遂、再び本州へ【最長片道切符の旅2021】[高松→佐古]

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は最長片道切符の旅23日目の後半の様子をお届けします。

いよいよ四国を完結させて本州へと戻ります!

 

2021年8月28日(土)23日目②

特急いしづち12号にて、高松駅には11:54に到着。讃岐うどんをすすり、午後からは高徳線方面へと進んでいきます。「四国最長片道切符」としてはいよいよラストスパートです。

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高松駅から乗車するのは、13:10発の特急〔うずしお15号〕徳島行です。四国内ゴールの佐古駅まではあと70キロ程度ですので普通列車でもさほど大変ではない距離ですが、特急の方が本数が多く便利なので少し手前の池谷駅まで乗車していきます。

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特急うずしお号には2700系が充当されています。両数は時間帯により異なりますが、今回乗車する便は2両編成でした。首都圏ではこんな短編成の特急はまず見ないですが、四国にはこうした2~3両程度の特急も多いので、四国滞在3日目ともなるとだいぶ見慣れてきます。

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列車は定刻通りに高松駅を発車。途中栗林、屋島志度、三本松、板野、池谷と停車して徳島へ至ります。うずしお号は便によってかなり停車駅が異なるため、途中駅までの利用の際は停車駅に注意しておきましょう。

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途中の屋島駅まではICカードの使えるエリアとなっており、その旨も丁寧にアナウンスがありました。

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車内での午後のおやつには、名物の「瓦せんべい」(「日本の食」90品目)をいただきます。その名の通り瓦のように硬く、割るとパキッと大きな音がします。

数枚食べた後、外の景色を眺めながらのんびりと過ごしていると…思いがけない出来事がありました。

検札があったので車掌さんに四国最長片道切符と特急券を提示したところ、車掌さんの方から「昨日の生放送見てました!一昨日牟岐線乗られてましたよね?」と声をかけられたのです。

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話を聞けば、何とその方は2日前に私が乗車した牟岐線普通列車に乗務されていたのと同じ方で、阿南駅での検札の際に私が四国最長片道切符を提示したことを覚えていてくださっていたようなんです。思えば私の四国最長片道切符は新宿駅みどりの窓口で発券したもので、検札の際に車掌さんが「新宿駅ですか…初めて見ました!」とご興味を持たれていたのをはっきりと覚えています。

あの2日後、まさかこの特急うずしお15号の車内で偶然にも再びお会いできるとは思ってもいませんでした。しかも私のことを覚えてくださっていたようで、私が前の日の晩に松山市内のホテルから行ったYouTubeライブ配信を覗いてくださっていたのです。

そして検札と同時に、何と温かみのある手書きのメッセージカードまでいただいてしまいました! これが本当に飛び上がるくらい嬉しかったです。最長片道切符のルートを進めていく中で、ここまでにも様々な方から応援の言葉をいただいたり励ましてくださったりなどありますが、まさか現業の方からこのような熱い思いの込められたメッセージをいただけるとは思ってもいませんでした。

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あの時の車掌さんがこの記事を見てくださっているかどうかは分かりませんが、この場を借りて心からの感謝を申し上げたいと思います。本当に本当にありがとうございました!!

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列車は高松駅を出て約1時間、14:06に池谷駅へと到着。普通列車に乗り換えるため、ここで下車します。

池谷駅無人駅なので、列車から降りた際に車掌さんが特急券を回収するのが原則になっているようですが、鉄道趣味にとても理解のある車掌さんだったこともあり「持ち帰ります?」と仰ってくださったので持ち帰ることができました。

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池谷駅高徳線から鳴門線が分岐する駅となっており、両路線のホームの間に駅舎がある何とも不思議な構造をしています。ここから徳島方面に向かう際、列車が高徳線のホームから出るのか鳴門線のホームから出るのかしっかり確認してから乗るようにしましょう。

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池谷駅は約半数の特急が停車するそれなりの主要駅ですが、先ほども述べた通り無人駅で、駅前にはひたすら住宅街が広がっています。昼間とはいえ人の姿もほとんどなく、先ほどのうずしお号を池谷駅で降りたのは私一人だけのようでした。

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誰もいないベンチに座り30分ほど待ち、最後に乗車するのは鳴門線からやってきた池谷14:36発の普通列車 徳島行です。終点一つ手前の佐古駅まで向かっていきます。

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池谷駅の一つ隣には勝瑞(しょうずい)駅があります。うずしお号は池谷駅とこの勝瑞駅で千鳥停車を行っており、列車交換設備も持っていてそれなりの主要駅に見えます。

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そして14:48に、ようやく佐古駅へと到着。

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これにて、3日間に渡る「四国最長片道切符の旅」完遂を果たしました!

距離にして756.5km、今回この企画はあくまでも北海道から九州までの「最長片道切符の旅2021」の一部として行っているので、なんにしてもこの先まだまだ旅は続くのですが、一つ小さな目的を果たせたという成功体験は今後の糧になります。

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まだ明るい時間帯ですので、これから本州へと戻っていきます。3日前に和歌山駅で経路を中断していましたので、再び和歌山へと戻ります。佐古駅から徳島駅まではあまり離れていないので、歩いて戻りました。

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徳島駅前からは、南海フェリー乗り場へと向かうバスに乗り込みます。シャトルバスではなくあくまでも路線バスなので、フェリー客以外にも多数のお客さんが利用されており、バスの車内はそれなりに混んでいました。

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バスは20分ほどで徳島港へと到着。3日前の夜に、真っ暗なこの徳島港フェリーターミナルに降り立った時のことを思い出します。

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今回は徳島港16:30発の便に乗船します。3日前に和歌山港で往復乗船券を購入していたこともあり、スムーズに乗船できました。

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定刻通りに徳島港を出港していきます。3日間ありがとう!!!!また四国来ます!

来る時は1人でデスクのある席で過ごしていましたが、帰りはここまで四国の行程に同行していた大学の友人とともにのんびり桟敷席で過ごしました。

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船は太陽が傾き始めた夕刻の和歌山湾を進んでいきます。向こうに見えているのは淡路島でしょうか。これだけ日本中を移動しまくっていても、今までに一度も行ったことのない場所はまだまだたくさんあるものです。

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2時間ほどの乗船にて、18:35に和歌山港へと到着。すぐに和歌山港駅へと移動し、南海で一つ隣の和歌山市駅へ向かいます。

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乗車するのは18:45発の普通列車 和歌山市行。ホーム上にはパタパタが設置されているものの、なぜか発車時刻までは分からないようになっていました。

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わずか2両編成の列車にフェリーからの乗り換え客が一斉に乗り込み、列車は和歌山港を定刻で発車。形式とかはよく分かりませんが、かなり古そうに見えました。

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18:50に和歌山市駅へと到着。立派な夜の南海和歌山市駅に、約70時間ぶりに戻ってきました。

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夕食は、3日前の四国出発前に食べ損ねた「和歌山ラーメン」(「日本の食」91品目)をいただきます。豚骨醤油のスープはとてもコクがあり、まろやかな後味でとても美味しかったです! 週末の夜でしたが店内はそれほど混んでおらず、ゆっくり過ごせました。

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ラーメン屋さんの近くの道からはちょうど和歌山城も見え、これで和歌山観光はバッチリです(???)

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23日目の宿は「快活CLUB 南海和歌山市駅」です。駅ビル「キーノ和歌山」に併設されており、駅近どころか列車を降りてから雨に濡れることなくたどり着けます。

 

というわけで今回はここまで。

24日目は和歌山線で奈良方面へと向かっていくところからルートを再開していきます。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

(40)直通するはずの特急が直通していないので強制的に乗り換えて高松へ【最長片道切符の旅2021】[松山→高松]

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は最長片道切符の旅23日目の前半の模様をお届けします。

 

2021年8月28日(土)23日目①

全国各地のご当地グルメを食べながらルートを進める「最長片道切符の旅2021」。23日目は愛媛県松山駅よりスタートです。

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松山は愛媛県の県庁所在地ですが、改札口に自動改札機はありません。対照的に頭上に取り付けられた発車標がフルカラーでとても新しく、ギャップを感じます。地上駅としてのこうした光景も今のうちかもしれません。

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乗車するのは、松山9:15発の特急〔しおかぜ12号〕岡山行です。特急車両8600系を使用して運行されます。2014年に営業運転を開始した、比較的新しい特急車両です。

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しかしよく考えてみると、我々がこれから進みたい方向は高松方面であって岡山方面ではありません。高松~松山駅間では特急〔いしづち〕が運行されており、岡山~松山駅間を走るこの〔しおかぜ〕と併結して運行されているはずですからそちらに乗れば良いのでは…? と思うかもしれませんが、発車標に表示されているのは「しおかぜ」「岡山行」のみ。高松方面へはこの先の宇多津駅で乗り換えるよう案内がなされています

なぜこのようなことが起こっているのでしょうか。

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通常ダイヤ時は上図のパターン【A】の通りです。しおかぜ12号が5両編成、いしづち12号が2両編成のため松山~宇多津駅間は併結して7両編成にて運行されます。

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しかし、年末年始やお盆等の繁忙期には、松山~岡山駅間の需要が高まるため、しおかぜ12号は2両増結され松山~岡山駅間の全区間で7両編成にて運行されます。これがパターン【B】です。この時、さらにいしづち12号を2両連結して9両編成にすることができないため、いしづち12号については大幅に区間を短縮して宇多津~高松駅間のみでの運行となり、松山~高松方面へ移動したい人は宇多津駅での乗り換えが必要になります。

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しかし今回の場合は、それとも異なるパターン【C】が採られています。すなわち、しおかぜ12号は通常通り5両編成での運行であるにも関わらず、いしづち12号の運行区間が短縮され宇多津駅での乗り換えが必要になっているのです。

これは新型コロナウイルス感染拡大に伴う需要の減少によるもので、要は松山~宇多津駅間の両数を7両→5両へと減らすことでコロナ禍の需要に見合った運行がなされているということになります。しおかぜ号は瀬戸大橋を渡った先の岡山駅で新幹線に接続するため本州方面との往来で一定の需要が見込める一方、いしづち号は四国島内で完結する列車ということもありローカル特急感は否めないため、それが両数にも反映されている形です。

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また、余談ですがこの松山駅では〔しおかぜ〕〔いしづち〕と〔宇和海〕が同一ホームに縦列停車して列車の接続を図るという神プレーがなされており、その様子を見ることもできました。この光景こそ松山駅の高架化後は見れなくなってしまう光景ですので、貴重なシーンと言えると思います。

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それでは、しおかぜ12号の自由席に乗り込みます。列車は定刻通りに松山駅を発車しました。

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進行方向の左側には、既に完成してきている高架橋が見えます。一瞬まるで新幹線が開業するかのように勘違いしてしまいますが、これが新たな在来線の線路になると思うとわくわくしてきます。

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松山駅を発車した列車は、まっすぐ東へ進むのではなく、まず今治方面へと大きく北側に回り込みます。さっそく海の見える区間も連続し、ちょうど天気が良いので瀬戸内海に浮かぶ島々もよく見えます。

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車内では朝食代わりに、愛媛名物の「一六タルト」(129円/「日本の食」88品目)をいただきます。タルトとはいってもフォークで食べるのではなく、ロールケーキのようなイメージで片手で手軽に食べられます。渦巻き状にあんこが詰まっており、柚子の香りが上品な味わいです。松山駅構内の土産物屋さんで1個から販売しており、お値段もリーズナブルなのが嬉しいところです。

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宇多津までの途中停車駅は伊予北条今治、壬生川、伊予西条新居浜伊予三島川之江、観音寺、多度津、丸亀となっています。オレンジフェリーが発着する東予港からも比較的近い伊予西条駅には「四国鉄道文化館」という鉄道施設が併設されており、0系新幹線が展示されているということで見に行きたかったのですが、この後の予定に大きな変更が生じたため途中下車する時間が取れず、今回はあえなくスルーします。

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列車はその先、何カ所か海にかなり近い区間を走行していきます。列車の車窓から眺めるオーシャンビューというのは、往々にして曇り空であることが多いような気がしますが、8月最後の土曜日にこんなにもスッキリと晴れて絶好の行楽日和になりました。まぁ晴れだろうが雨だろうが最長片道切符の旅は続くんですけどね。

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列車はやがて、土讃線との分岐駅でもある多度津駅へと到着。ややこしいことを言うと、下り(松山方面行)のいしづち号の運行区間が短縮される場合は高松~多度津駅間での運行になり、上り(岡山・高松方面)とは異なり宇多津駅ではなくここ多度津駅でしおかぜ号に乗り換える形となっています。

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松山駅を出てから2時間15分、11:30に宇多津駅へと到着。しおかぜ12号はここ宇多津駅が四国内最後の停車駅となり、次は瀬戸大橋を渡った先の児島駅までノンストップとなります。

向かいのホームにはちょうど2両編成のいしづち12号が停車していますので、すぐにこちらへ乗り換えていきます。車両は同じく8600系です。

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乗り換え時間は3分間で、いしづち号が先に発車するようです。通常であればこの3分間の間に切り離し作業が行われ、前寄りに連結されていたいしづち号が先に発車するということになるので同じホームからの発車になりますが、乗り換えが発生する場合にはいしづち号としおかぜ号が異なる番線に入線していることになります。

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私も遅れないようにいしづち12号へと乗り込み、しおかぜ12号よりも先行する形で定刻通りに宇多津駅を発車。自由席に入ってみましたが車内はガラガラで、松山~高松駅間の需要が少ないのも納得できる気がします。

列車は前から8号車、6号車となっており、7号車はありません。なかなか初見殺しポイントの高い号車番号の振り方ですが、細かな需要の変化に応じ増解結が可能になっているのだと思います。

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車窓左手には瀬戸大橋が見えてきました。実は私まだ一度しか瀬戸大橋を渡ったことがなく、今回も立派な橋を横目に見ながら華麗にスルーしていきます。

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宇多津駅を出発してしばらくすると、線路が分岐し岡山方面と分かれていきます。ここは三方向に線路がのびるデルタ線になっており、列車内から眺めているとまるで高速道路のインターチェンジのような風景が広がります。

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実際は全て宇多津駅の構内扱いとなっているため、宇多津駅に停車せずホームすらも通過しないマリンライナー号やうずしお号も宇多津駅を「通過」したことになっています。某鬼ごっこ企画ではこれを巧みに利用したトリックで非鉄チームの追跡をかわした神プレーが印象的ですね。

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デルタ線が終わると列車はすぐに次の坂出駅へ到着。東京方面へ直通する寝台特急サンライズ瀬戸号も停車する主要な駅です。

そしてこの坂出駅を出ると、次が早くも終点の高松駅となります。

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JRにおいて、特急券は原則一列車ごとに必要ですが、この松山~高松駅間においてはJR側の都合により乗り換えが必要になっているため、2本の列車を乗り継いでも改札口を出ない限りは通しの特急券で移動できます。

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11:54に定刻通り終点の高松駅へと到着。始発駅からわずか20分程度走っただけで終わりという特急はかなり珍しい気がします。また、2両編成ということで長い高松駅のホームを大幅に余らせて停車しました。

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かつては宇高連絡船により本州の宇野と結ばれ、四国の玄関口として栄えた高松。もちろん今も県庁所在地ですから廃れた様子など見せませんが、先ほどご紹介したしおかぜ号といしづち号の両数の差からも分かる通り、今ではかつてほど高松が玄関口の役割を果たしているわけではないというのが正直なところです。四国の各都市へと向かうあらゆる特急・急行列車等は高松駅を起点に運行されていましたから、その頃と比べれば今では「四国の主要都市の一つ」にすぎないのかもしれません。

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そして高松にやってきたら、やはり讃岐うどんを食べないわけにはいきません(「日本の食」89品目)。今回は駅前の「めりけんや」でざるうどんと天ぷらをいただきました。本当は天ぷらをつけずにうどんをそのまま味わって、高松駅周辺のうどん屋さんを何軒か食べ比べしようかと思っていたのですが、天ぷらを見た瞬間に猛烈に食べたくなったのでうどんの食べ比べは今回はしないことにしました(笑)。

麺はとてもコシがあり、流石は本場の讃岐うどんです。7年前に初めて香川県に来た時に本場のコシのあるうどんを食べて衝撃を受けたことを鮮明に思い出します。

 

この後は高徳線に乗り換え、いよいよ四国最長片道切符のゴールである佐古駅を目指していきます。その様子はまた次回お届けしていきます。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

【終電を逃しても大丈夫】駅では案内されない「隠された真の最終列車」がありました…!

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は夜遅くに岡山から鳥取へ移動する時に役立つ「真の最終列車」についてご紹介していきます。

 

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さて、今回は岡山駅へとやってきました。時刻は19時を過ぎ、辺りはもう真っ暗です。

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こんな遅い時間からですが、翌日朝早くには鳥取に居なければならないので、今夜のうちに鳥取まで移動していきたいと思います。
岡山~鳥取駅間では特急スーパーいなばが1日6往復運行されています。津山線経由ではなく智頭急行線経由で運行することで所要時間の短縮が図られており、岡山~鳥取駅間を概ね1時間50分程度で結んでいます。

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その最終便となるのが、岡山19:46発の特急〔スーパーいなば11号〕鳥取です。これより後に岡山駅を出発して鳥取駅へと向かう列車はありませんので、ホーム上でもしっかり「この列車は特急鳥取行の最終列車です」と案内されています。

スーパーいなば11号が発車する岡山駅3番線ホームには、直前まで別の列車が入線していたため、スーパーいなばは岡山始発ですがかなりギリギリの入線となりました。

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それにしてもこの車両、カッコいいですよね。一部では「特急らしくない顔」なんて言われてるみたいですが、首都圏民の私にとっては西日本に来ると目に映る何もかもが新鮮です。今回が初乗車になるので、パシャリ、パシャリとたくさん写真を撮っておきます。

しかし、次の瞬間とんでもないことが起こりました…。

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何と私が撮影に夢中になっている間に特急スーパーいなば11号鳥取行は発車時刻となり、ドアを閉めて発車していってしまったではありませんか。

私は今日中に鳥取まで行かなければならないのです。これが鳥取行の最終列車であることは、先ほどホームでも確かにアナウンスされていました。しかし初めての乗車ということで、写真撮影に夢中になり過ぎて、すっかり乗り遅れてしまったようです。

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気づいた時には既に遅し。わずか2両編成の列車はあっという間に発車していき、私には赤く照らされた尾灯をただ眺めることしかできませんでした。

はぁ…やってしまった。鳥取で宿も押さえていたのに、カード決済で満額支払っておきながらキャンセルしなければならないのでしょうか。

まだ山陰方面に向かう列車としては「特急やくも号」があります。しかしこれは鳥取方面ではなく米子・松江・出雲市方面へ向かう特急で、この直後に岡山20:05発の特急やくも27号に飛び乗っても米子駅に到着する頃には鳥取方面へ向かう山陰本線の列車は終了しており、どのみち鳥取駅へと向かうことはできない…かに思われました。

しかし乗り換え検索で調べてみると、何と最終列車であるはずのスーパーいなば11号を逃しても当日中に鳥取駅までたどり着く方法が表示されましたf:id:watakawa:20211207195420p:plain

それが上の画像の通り(Yahoo!乗換案内から)。新幹線で岡山駅から姫路駅まで移動し、そこで特急〔スーパーはくと13号〕へと乗り換えるルートです。移動距離は1.5倍ほどになる上、鳥取駅への到着時刻は予定よりも1時間以上遅くなりますが、ともかく当日中に鳥取駅までたどり着くにはこれしか手がなさそうなので新幹線ホームへと移動します。

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ということであれから約40分後、岡山駅の新幹線上りホームへとやってきました。

(念のためお伝えしておきますが、今回はこの「隠された最終列車」をご紹介すべく敢えてスーパーいなば11号には乗らず見送っています。茶番はこのくらいにして、ここからは真面目にお話していきます(笑)。)

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乗車するのは岡山20:32発の〔さくら568号〕新大阪行です。先ほど在来線ホームで「最終列車」とアナウンスされていたスーパーいなば11号よりも46分遅く岡山駅を発車します。

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23番線ホームで待っていると、列車が入線してきました。首都圏では見ることのできない、青みがかったN700系8両編成です。

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側面の帯の色も首都圏で見るN700系とは異なっており、西日本や九州に来てこれに乗る度いつもわくわくします。乗車時間は短いですので、自由席を利用していきます。

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列車は定刻通りに岡山駅を発車。自由席の車内は東海道と同じく2+3列のシートが並びます。モケットの色が東海道とは異なっており、またところどころに木が使われていて温かみのあるデザインです。

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車内では岡山駅の駅ビル内で購入したネギマヨ唐揚げ弁当をいただきます。子どもが喜びそうなこういうおかずには目がない、まだまだ舌がお子ちゃまな大学4年生です(笑)。

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20:52に姫路駅へと到着。岡山駅からわずか20分、本当にあっという間でした。

ここ姫路駅では、岡山駅を4分後に発車した後続の〔のぞみ64号〕東京行を先に通します。のぞみ号の中には姫路駅に停車する便もありますが、64号に関しては岡山駅を出ると次は新神戸駅までとまらないので、くれぐれも某鬼ごっこのように「ちょまてまてまて、おーい!!!」とならないように注意しましょう(笑)。

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姫路駅にて、新幹線ホームから在来線ホームへと移動していきます。

姫路駅から乗車するのは21:08発の特急〔スーパーはくと13号〕鳥取岡山駅で逃したはずの「鳥取行」ですが、約1時間半ぶりに目にすることになりました。

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まもなくすると、奥の方からゆっくりと列車が入線してきました。5両編成のHOT7000系気動車へと乗り込んでいきます。私と入れ替わりにここ姫路駅で降りていかれる方の姿も多く、京阪神地区から姫路方面への帰宅需要にも応えているようでした。

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列車は定刻通り21:08に姫路駅を発車。自由席車両へと乗り込みます。

スーパーはくと号は前寄り1・2号車が自由席、後寄り3~5号車が指定席となっています。1号車の先頭部分からは前面展望が楽しめる構造になっているのですが、夜間はただ車内の様子が窓に反射するだけですのであまり先頭にこだわることもないかもしれません。

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1994年に運行が開始されたこのHOT7000系。決して真新しい車両とは言えませんが、近年リニューアルが加えられたことで、客室内には停車駅を表示するモニターやフリーWi-Fi、コンセントまで整備されています。

姫路を出ると、次の停車駅は上郡。ここでJRをいったん離れ、智頭急行線へと入ります。

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改めて、今回の両ルートを地図で比較してみます。赤ルートが岡山駅でアナウンスされていた「見かけの終電」、青ルートが今回実際に乗車している「隠された真の終電」です。青ルートの方が明らかに遠回りであることが分かりますが、スーパーいなば号よりもスーパーはくと号の方が夜遅くまで運行されているため、こうした”終電のバグ”が発生するのです。

ちなみに今回乗車している青ルートでは、途中に相生駅を2回通ります。さくら568号とスーパーはくと13号の両者とも通過しているため相生での乗り換えはできないのですが、同じ駅を2度通っていることになるため青ルートでは岡山~鳥取駅間で運賃を通算できず、姫路駅等で一度区切る必要があります。姫路駅で乗継割引が有効になるためスーパーはくと号の特急料金は半額になりますが、それでもトータルでは赤ルートよりもかなり多く運賃・料金がかかってしまいますので、費用を抑えたい場合はさくら568号よりも4分早く岡山駅を発車する山陽本線の上り普通列車(姫路行)に乗車することをオススメします。普通列車岡山駅発車時刻は20:28でこれでも「見かけの終電」より42分遅い上、この普通列車上郡駅でちょうど同じく京都方面からやってきたスーパーはくと13号へと乗り継げるため、運賃が通算可能なだけでなく特急の乗車区間が短いためにむしろ「見かけの終電」よりも安く移動することができます。

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智頭急行線内は比較的線形が良いものの、辺りに特に明かりも少ないのでこの時間の移動は少々退屈に感じるかもしれません。いくつもの直線的なトンネルで、地形をものともせずぐんぐん進んでいきます。東日本で言うところの北越急行ほくほく線とよく似ています。

智頭駅からは再びJRへと入り、鳥取駅までラストスパートです。ちょうど運転席と客室を隔てる窓ガラスから乗務員交代の様子も見え、交代の際にはこちらに向かってお辞儀をする姿が印象的でした。

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列車はJR因美線内を順調に走り、定刻通り22:43に終点の鳥取へと到着。見かけの終電であるスーパーいなば11号からは1時間以上の遅れを許したものの、無事に「終電よりも遅い列車」で鳥取駅へとたどり着くことができました。

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鳥取駅では向かいのホームに、スーパーはくと13号からの接続を取る形で22:47発の普通列車 倉吉行が停車していました。実は下りのスーパーはくと号は、今回乗車した13号以外の全ての列車が鳥取どまりではなくさらに先の倉吉まで運行されているため、むしろ「スーパーはくと号の鳥取行」というのは意外にレアだったりします。右側の赤い普通列車に乗り継げば当日中に倉吉までは辿り着けるようになっています。

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この22:47発の倉吉行をもって、この日鳥取駅から発車する列車は全て終了となります。東京都心ならまだ23時前というと駅前にもかなり人がいますが、鳥取駅周辺では人影が全くありません。

かなり遅い時間の到着にはなりますが、もし万が一岡山からのスーパーいなば号最終列車に乗り遅れてしまった場合には是非試してみてください!

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

(39)伊予灘を望む旧線経由で愛媛県の中心へ【最長片道切符の旅2021】[宇和島→松山]

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は最長片道切符の旅22日目の後半の様子をお届けします。

 

2021年8月27日(金)22日目②

予土線にて、宇和島駅には13:29に到着。名物の鯛めしを食べ、道の駅を物色して再び改札口へと戻ってきました。

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続いて乗車するのは、宇和島16:02発の特急〔宇和海22号〕松山行です。松山~宇和島駅間では概ね1時間に1本程度の本数でこの特急宇和海号が運行されており、普通列車よりも本数が多く速達性に優れているため、途中までですが課金していくことにします。

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使用される車両はJR四国2000系気動車アンパンマンラッピングが施され、前日の特急剣山号に引き続き四国らしい編成です。2000系はかつて本州と四国の主要都市を結ぶ需要の高い区間の特急でも充当されていましたが、現在は「宇和海」や「あしずり」といった四国末端線区での特急としてのみ運用されています。

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車体の側面にもアンパンマンのイラストがカラフルに描かれていますが、よく見てみると後寄り1号車のドアには「故障中」の貼り紙が。平成初期にデビューした車両ですので、もうそろそろ年季が入ってきているように見えます。

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特急宇和海号は列車によって両数が細かく異なりますが、この22号は毎日固定でアンパンマンラッピングの車両が運用に入る2両編成での運行です。列車によっては最大4~5両での運行もあるようですが、いずれにしても四国らしく自由席主体となっており、指定席は前寄り2号車の半分程度のみとなっています。グリーン車はありません。

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列車は定刻通りに宇和島駅を発車。途中の伊予大洲駅まで乗車していきます。自由席の特急料金はわずか530円となっており、短区間でも利用しやすい料金設定です。

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また、これは以前の記事でも書きましたが、北宇和島宇和島駅間は四国最長片道切符の経路に含まれていないため、宇和島駅で隣の北宇和島までの170円の近距離切符を購入して乗車しています。途中の伊予大洲までの停車駅は伊予吉田卯之町八幡浜となっており、北宇和島に特急は停車しないため予讃線予土線を乗り継ぐ場合は北宇和島駅よりも宇和島駅での乗り換えが現実的となることの方が多そうです。

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40分ほど乗車し、16:45に伊予大洲へと到着。途中区間の車窓の画像が全然残っていなかったのでご紹介できないのが残念ですが、険しい山間部の区間をいくつものトンネルによって貫いているのが乗っていて分かりました。

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この日の目的地は松山ですので、特急宇和海号に乗車していればそのまま松山まで至ることができます。しかしわざわざ伊予大洲で下車したのには理由があります。f:id:watakawa:20211205190159p:plain

それは、この先のルートを「内子線経由」ではなく「伊予長浜経由」で進めるためです。

ここ伊予大洲より先、松山方面へと向かう線路は上図のように二手に分かれています。昔からある予讃線伊予長浜を経由する海側のルートなのに対し、後からできた内子線経由のバイパスルートの方が距離も所要時間も短いため、現在特急〔宇和海〕は全て内子線経由で運行されています。

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しかし今回の旅は「四国最長片道切符」。より長いルートを辿らなければ完遂とはいきませんので、特急の通らない伊予長浜経由のルートへわざわざ進まなければなりません。この海側ルートには「愛ある伊予灘線」という愛称がつけられているようです。

実は当初、この日は八幡浜駅から松山駅までを伊予長浜経由で運行する観光列車「伊予灘ものがたり」へと乗車する予定でした。10時打ちにてしっかり指定券を友人の分含め2枚押さえていたのですが、何と新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、運行1ヵ月前を切ってから運休が決定してしまったのです。

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ということで、この区間普通列車で移動していくことになります。伊予大洲17:07発の予讃線 松山行(伊予長浜経由)は夕方の帰宅時間帯にも関わらず何とわずか1両での運行。発車時刻が近づくにつれ、車内は次第に多くの高校生が乗り込みます。

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列車は定刻通りに伊予大洲駅を発車。まもなくすると内子方面と枝分かれしていきます。

車両は北海道でもおなじみのキハ54系ということで、道東で乗車して以来約3週間ぶりの再会となりました。しかし内装は北海道のそれとはかなり異なっており、北海道が転換クロスシートなのに対し四国のキハ54系はちょっと贅沢な感じのロングシートになっています。地域に合わせリニューアルが施されているということのようで、これはこれで快適な座り心地です。

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伊予大洲駅を出る際はたくさん乗っていた高校生も、伊予長浜駅あたりまでの間に大多数が降りていき車内はかなり空いていきました。そして伊予長浜駅を出ると…車窓左にいよいよお待ちかねの瀬戸内海(伊予灘が見えてきます!

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そして行く手に待ち構える駅のホームには、大変な人だかりができているのが分かります。そう、ここは近年絶景スポットの一つに数えられる灘駅です。

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おそらくこのホームにいる人の多くは、下灘駅まで車でやってきて、列車に乗るわけでもなく写真だけ撮影して帰っていく人かと思われます。下灘駅無人駅なので都市部の駅と異なり入場料金を徴収することもできず、このように実質無法地帯(?)と化しているわけで、その様子は度々SNSでも話題になっているようです。

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個人的に私がこの件に深く首を突っ込むのはやめておきますが、この辺りはちょうど国道378号線と愛ある伊予灘線が並走しており、車窓からの海の眺めもとっても綺麗です。是非下灘駅へお越しの際は、愛ある伊予灘線をご利用ください!

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そして向井原駅の手前で線路が再び合流。後面展望を覗いているとその様子がよく分かりました。

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伊予市駅には18:11に到着。ここでは16分間も停車し、内子線経由の特急〔宇和海24号〕松山行を先に通します。特急に乗り換えれば松山駅へは15分ほど早く着けるのですが、そこまで急ぐ理由もないので今回我々は乗り換えずにそのまま普通列車で行きたいと思います。

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そして18:50に終点の松山駅へと到着! 22日目の移動はここまでとします。

伊予灘ものがたりに乗れなかったのは残念ですが、それでも無事にここまでルートを進めることができたので今後の予定に大きく響くことはなさそうで良かったです。

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松山駅は立派な地上駅舎が構える愛媛県の中心駅。とは言っても実際はJRの松山駅よりも伊予鉄松山「市」駅の方が利用者数も多く、JR駅の方は街の中心というよりは他県からの玄関口といった印象です。

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松山駅構内にある立ち食いうどん屋さんでささっと夕食にします。「日本の食」86品目は名物のじゃこ天が入った「冷やしじゃこ天うどん」(580円)です。

「天」というからには天ぷらを連想してしまいますが、こちらはそうではなく「練り物」を指すのだそうです。これが見た目以上に食べ応えがあり、正直「たかが練り物だろうな」と高をくくっていたのですが見事に裏切られました(良い意味で)。とにかく厚みとボリュームがあり、大満足の一杯です。

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松山駅から宿の近くまでは、伊予鉄の市内線(路面電車)を利用していきます。「電車のりば」という表現は、JR松山駅が非電化だった頃の名残なのでしょう。

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15分ほど揺られ、勝山町停留所で下車。今夜は「ネストホテル松山」に泊まります。

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昨晩に引き続き今夜も同行する友人がおりましたので、ツインルームを予約。2名1室利用で1人あたり2,450円とかなりお安く泊まることができました。

実は今回、せっかく松山に来たので道後温泉にも立ち寄りたいと思っていたのですが、残念ながら新型コロナウイルス感染症拡大防止のため臨時休館となっており、こちらも泣く泣く諦めざるを得ませんでした。まぁリスケもあり当初の予定より松山到着が遅くなってしまったので、ここにさらに道後温泉を付け加えるのは時間的にちょっと厳しかったかもしれませんが、今後機会があれば是非行きたいなと思っております。

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ほっと一息ついたところで、宇和島の道の駅で買ってきたみかんジュースをいただきます(「日本の食」87品目)。

愛媛県は全国有数の柑橘類の生産地ということで、今回は宇和島みかん」「愛媛きよみ」「愛媛不知火」「愛媛河内晩柑」の4種類をそれぞれコップに注いで飲み比べしてみることに。紙パックなので注いでみると分かりますが、それぞれ少しずつ色も違います。まず晩柑は他の3種類と明らかに異なり、グレープフルーツのような甘酸っぱさがありました。不知火は酸味強めで、少し大人向けの味かもしれません。宇和島みかんと愛媛きよみはどちらも甘さ強めで、見た目も味もかなり似ている気がしました。目隠しして飲んでも多分区別付かないです(味覚音痴なだけかも)。

 

そんなわけで最長片道切符の旅22日目はこれにて終了です。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

(38)”四国新幹線”で行く夏の四万十が素晴らしすぎた! 予土線で宇和島へ【最長片道切符の旅2021】[高知→宇和島]

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は最長片道切符の旅22日目の前半の模様をお届けしていきます。

 

2021年8月27日(金)22日目①

46都道府県のご当地グルメを食べながらルートを進める「最長片道切符の旅2021」は22日目に突入。この日のスタートは高知駅からです。

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まず乗車するのは高知8:20発の特急〔しまんと1号〕中村行です。香川県高松駅から高知県西部にある土佐くろしお鉄道中村駅までを4時間かけて結ぶ四国横断ロングラン特急で、今回は途中の窪川まで乗車していきます。

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ホームで待っていると、さっそく列車が入線してきました。ここ高知駅は始発駅ではなく途中停車駅に過ぎず、停車時間はわずかですので急いで乗り込みます。今では高知駅を跨いで運行される特急は希少種となってしまったのでこれも貴重な経験です。

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列車は定刻通りに高知駅を発車。この特急、何とわずか2両編成での運行となっており、そのうち1号車の一部座席のみが指定席でその他は自由席となっています。四国の特急らしく自由席主体なのは良いのですが、車内は旅行客と思しき人々でかなり混雑していました。途中駅の高知駅からでも着席できたのはある意味奇跡かもしれません。

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列車は高知の市街地を抜け、いくつものトンネルをくぐりながら南西方向へと進んでいきます。途中わずかですが海が見える区間もありました。

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高知駅から1時間少々、9:26に窪川へと到着。ここで乗り換えとなるため下車します。

土讃線はここで終点となりますが、列車はこの先土佐くろしお鉄道へと直通していきます。

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実はJRの線路はここ窪川駅でいったん途切れており、この先へと続く線路は宿毛方面えへと続く「土佐くろしお鉄道」の管轄になります。しかし一つ隣の「若井駅」まで行くとその先は線路が分岐しており、JR四国予土線宇和島方面へと旅を続けることができるのです。

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ということで、今回の「四国最長片道切符」では通過連絡運輸の規定に則り、乗車券を作成していただいております。旅の序盤で経由した「IGRいわて銀河鉄道」の盛岡~好摩駅間と同じ要領です。

ただし実際には予土線の列車が窪川駅まで乗り入れるため、あまり他社線を経由したという実感はわきにくいかもしれません。

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予土線は本数が少ないため窪川駅では1時間以上の待ち時間があったのですが、予土線のホームへ向かうと早くも列車が入線していました。窪川駅から宇和島駅まで乗車するのはこちら、「鉄道ホビートレイン」(通称”四国新幹線”)です。

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外装は0系新幹線を再現(?)したデザインが特徴的ですが、車内の座席配置はあくまでもロングシート主体です。観光列車ですがあくまでも普通列車として運行されるため普通乗車券のみで乗ることができ、市販の時刻表に運用が掲載されています。

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車端部には4席だけ転換クロスシートがあるのですが、これは何と実際に0系新幹線で使われていたものなのだそう。今でこそ特急や新幹線は快適なリクライニングシートですが、かつてはこのような転換クロスシートであったことを思うと時代の流れを感じます。我々は一番乗りで乗り込むことができたため、無事にこの特等席を確保できました。

小さなインアームテーブルもしっかりと取り出すことができますが、老朽化が激しいため不安定で、蓋のできない飲み物等を置いてしまうと大惨事を招きそうです(笑)。

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鉄道ホビートレイン」という名前の通り、車内には鉄道模型や鉄道グッズが多数展示されています。また予土線ワンマン運転のため車内には運賃表が設置されているのですが、下の方を見てみると「東京」「新横浜」「小田原」等…四国とはかけ離れた駅名ばかりが示されています。実はこれは1964年10月の開業当時の東海道新幹線の停車駅となっており、実際にはここに運賃が表示されることはありません。上半分の予土線各駅からの運賃のみが正しく表示されます。

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前置きが長くなりましたが、10:43に列車は定刻通り窪川駅を発車。ちょうど転換クロスシートからは後面展望を楽しむことができます。

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若井駅までの数分は土佐くろしお鉄道を走り、これより先は再びJR四国区間となります。険しい山の中に設けられた信号場を通り、列車は土佐くろしお鉄道と分かれさらに山奥へと進んでいきます。

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11:10に列車は途中の土佐大正へと到着します。ここでは列車の行き違いや時間調整のため何と24分間もの停車がありました。

土佐大正駅では、何と反対側のホームに「しまんトロッコ」塗装の黄色い普通列車もやってきました! この日はあいにくトロッコの運行日ではなかったのですが、トロッコ車両を連結せずに普通列車として運行されていたようで、ラッピング列車が2本並ぶ予土線らしい瞬間を楽しむことができました。

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土佐大正駅を発車し、さらに列車は進んでいきます。予土線には「しまんとグリーンライン」という愛称がつけられており、その名の通り途中何度も四万十川と交差したり並んだりする場面がありました。

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「日本最後の清流」とも呼ばれる四万十川。夏のギラギラとした太陽に照らされて、のどかな景色の中に溶け込んでいます。なかなかそういつでも乗りに来ることができるわけではない予土線ですが、こんな晴れた日に乗り通すことができて本当によかったなと実感しました。

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12:00に途中の江川崎駅へと到着です。ここでは行き違い等はありませんが、11分間の停車時間があります。

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近年は「日本一暑いまち」の一つとしても知られる高知県四万十市土佐くろしお鉄道中村駅周辺が市の中心ではありますが、この「江川崎」という地名も夏になるとテレビやネットのニュースでよく見聞きするようになりました。

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江川崎駅出発後は旅の疲れもあり心地よい日射しでうたた寝してしまいましたが、気づくと列車は近永駅に到着。ホームの向かい側にはウルトラマンのラッピングがされた真っ赤な列車が停車していました。

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まもなくすると列車は北宇和島駅へと入っていきます。ここで高松・松山方面からやってきた予讃線の線路と合流。四国最長片道切符のルートとしてはこの北宇和島予讃線に乗り換え松山方面を目指すことになっているのですが、北宇和島に停車する予讃線の列車の本数が少ないため今回は北宇和島宇和島駅間の往復運賃を別途支払い、宇和島まで行くことにします。

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窪川を出てから約3時間、13:29に終点の宇和島へと到着です!

予讃線予土線の両方ともがこの宇和島駅を終点としており、これより先に続く線路はありません。

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駅前には南国風のヤシの木的なのが生えており、駅舎のデザインもあいまって異国のリゾート地にでも来たかのような雰囲気です。

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ここで少し遅めですが、ようやくゆっくりする時間が確保できたので昼食とします。「日本の食」85品目は宇和島名物の鯛めしです! 宇和島駅前の「かどや 駅前本店」でいただきました。

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鯛めしというと愛媛県内でもいくつか種類があるようですが、宇和島の鯛めしはイラストの通り、卵の入っただし汁に鯛の身やその他の具材を入れて混ぜ、ご飯にかけていただきます。

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これが美味しくないはずがありません! だし汁の染みこんだ新鮮な鯛の身がご飯にとてもよく合い、至福のひと時です。日本一、いや世界一贅沢なTKGに違いありません。

お値段は1,881円ということで今回の旅の中の食事ではかなり奮発した方だと思いますが、間違いなく価格以上の価値があります。次にいつ宇和島を訪れるかは分かりませんが、宇和島に来たら是非ともまた味わいたい究極の逸品です。

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というわけで、22日目の前半は高知から宇和島までの旅の様子をお届けしてきました。

次回はこの後の宇和島から松山までの様子をお届けします。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。