わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

(40)直通するはずの特急が直通していないので強制的に乗り換えて高松へ【最長片道切符の旅2021】[松山→高松]

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みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は最長片道切符の旅23日目の前半の模様をお届けします。

 

2021年8月28日(土)23日目①

全国各地のご当地グルメを食べながらルートを進める「最長片道切符の旅2021」。23日目は愛媛県松山駅よりスタートです。

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松山は愛媛県の県庁所在地ですが、改札口に自動改札機はありません。対照的に頭上に取り付けられた発車標がフルカラーでとても新しく、ギャップを感じます。地上駅としてのこうした光景も今のうちかもしれません。

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乗車するのは、松山9:15発の特急〔しおかぜ12号〕岡山行です。特急車両8600系を使用して運行されます。2014年に営業運転を開始した、比較的新しい特急車両です。

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しかしよく考えてみると、我々がこれから進みたい方向は高松方面であって岡山方面ではありません。高松~松山駅間では特急〔いしづち〕が運行されており、岡山~松山駅間を走るこの〔しおかぜ〕と併結して運行されているはずですからそちらに乗れば良いのでは…? と思うかもしれませんが、発車標に表示されているのは「しおかぜ」「岡山行」のみ。高松方面へはこの先の宇多津駅で乗り換えるよう案内がなされています

なぜこのようなことが起こっているのでしょうか。

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通常ダイヤ時は上図のパターン【A】の通りです。しおかぜ12号が5両編成、いしづち12号が2両編成のため松山~宇多津駅間は併結して7両編成にて運行されます。

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しかし、年末年始やお盆等の繁忙期には、松山~岡山駅間の需要が高まるため、しおかぜ12号は2両増結され松山~岡山駅間の全区間で7両編成にて運行されます。これがパターン【B】です。この時、さらにいしづち12号を2両連結して9両編成にすることができないため、いしづち12号については大幅に区間を短縮して宇多津~高松駅間のみでの運行となり、松山~高松方面へ移動したい人は宇多津駅での乗り換えが必要になります。

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しかし今回の場合は、それとも異なるパターン【C】が採られています。すなわち、しおかぜ12号は通常通り5両編成での運行であるにも関わらず、いしづち12号の運行区間が短縮され宇多津駅での乗り換えが必要になっているのです。

これは新型コロナウイルス感染拡大に伴う需要の減少によるもので、要は松山~宇多津駅間の両数を7両→5両へと減らすことでコロナ禍の需要に見合った運行がなされているということになります。しおかぜ号は瀬戸大橋を渡った先の岡山駅で新幹線に接続するため本州方面との往来で一定の需要が見込める一方、いしづち号は四国島内で完結する列車ということもありローカル特急感は否めないため、それが両数にも反映されている形です。

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また、余談ですがこの松山駅では〔しおかぜ〕〔いしづち〕と〔宇和海〕が同一ホームに縦列停車して列車の接続を図るという神プレーがなされており、その様子を見ることもできました。この光景こそ松山駅の高架化後は見れなくなってしまう光景ですので、貴重なシーンと言えると思います。

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それでは、しおかぜ12号の自由席に乗り込みます。列車は定刻通りに松山駅を発車しました。

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進行方向の左側には、既に完成してきている高架橋が見えます。一瞬まるで新幹線が開業するかのように勘違いしてしまいますが、これが新たな在来線の線路になると思うとわくわくしてきます。

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松山駅を発車した列車は、まっすぐ東へ進むのではなく、まず今治方面へと大きく北側に回り込みます。さっそく海の見える区間も連続し、ちょうど天気が良いので瀬戸内海に浮かぶ島々もよく見えます。

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車内では朝食代わりに、愛媛名物の「一六タルト」(129円/「日本の食」88品目)をいただきます。タルトとはいってもフォークで食べるのではなく、ロールケーキのようなイメージで片手で手軽に食べられます。渦巻き状にあんこが詰まっており、柚子の香りが上品な味わいです。松山駅構内の土産物屋さんで1個から販売しており、お値段もリーズナブルなのが嬉しいところです。

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宇多津までの途中停車駅は伊予北条今治、壬生川、伊予西条新居浜伊予三島川之江、観音寺、多度津、丸亀となっています。オレンジフェリーが発着する東予港からも比較的近い伊予西条駅には「四国鉄道文化館」という鉄道施設が併設されており、0系新幹線が展示されているということで見に行きたかったのですが、この後の予定に大きな変更が生じたため途中下車する時間が取れず、今回はあえなくスルーします。

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列車はその先、何カ所か海にかなり近い区間を走行していきます。列車の車窓から眺めるオーシャンビューというのは、往々にして曇り空であることが多いような気がしますが、8月最後の土曜日にこんなにもスッキリと晴れて絶好の行楽日和になりました。まぁ晴れだろうが雨だろうが最長片道切符の旅は続くんですけどね。

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列車はやがて、土讃線との分岐駅でもある多度津駅へと到着。ややこしいことを言うと、下り(松山方面行)のいしづち号の運行区間が短縮される場合は高松~多度津駅間での運行になり、上り(岡山・高松方面)とは異なり宇多津駅ではなくここ多度津駅でしおかぜ号に乗り換える形となっています。

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松山駅を出てから2時間15分、11:30に宇多津駅へと到着。しおかぜ12号はここ宇多津駅が四国内最後の停車駅となり、次は瀬戸大橋を渡った先の児島駅までノンストップとなります。

向かいのホームにはちょうど2両編成のいしづち12号が停車していますので、すぐにこちらへ乗り換えていきます。車両は同じく8600系です。

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乗り換え時間は3分間で、いしづち号が先に発車するようです。通常であればこの3分間の間に切り離し作業が行われ、前寄りに連結されていたいしづち号が先に発車するということになるので同じホームからの発車になりますが、乗り換えが発生する場合にはいしづち号としおかぜ号が異なる番線に入線していることになります。

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私も遅れないようにいしづち12号へと乗り込み、しおかぜ12号よりも先行する形で定刻通りに宇多津駅を発車。自由席に入ってみましたが車内はガラガラで、松山~高松駅間の需要が少ないのも納得できる気がします。

列車は前から8号車、6号車となっており、7号車はありません。なかなか初見殺しポイントの高い号車番号の振り方ですが、細かな需要の変化に応じ増解結が可能になっているのだと思います。

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車窓左手には瀬戸大橋が見えてきました。実は私まだ一度しか瀬戸大橋を渡ったことがなく、今回も立派な橋を横目に見ながら華麗にスルーしていきます。

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宇多津駅を出発してしばらくすると、線路が分岐し岡山方面と分かれていきます。ここは三方向に線路がのびるデルタ線になっており、列車内から眺めているとまるで高速道路のインターチェンジのような風景が広がります。

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実際は全て宇多津駅の構内扱いとなっているため、宇多津駅に停車せずホームすらも通過しないマリンライナー号やうずしお号も宇多津駅を「通過」したことになっています。某鬼ごっこ企画ではこれを巧みに利用したトリックで非鉄チームの追跡をかわした神プレーが印象的ですね。

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デルタ線が終わると列車はすぐに次の坂出駅へ到着。東京方面へ直通する寝台特急サンライズ瀬戸号も停車する主要な駅です。

そしてこの坂出駅を出ると、次が早くも終点の高松駅となります。

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JRにおいて、特急券は原則一列車ごとに必要ですが、この松山~高松駅間においてはJR側の都合により乗り換えが必要になっているため、2本の列車を乗り継いでも改札口を出ない限りは通しの特急券で移動できます。

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11:54に定刻通り終点の高松駅へと到着。始発駅からわずか20分程度走っただけで終わりという特急はかなり珍しい気がします。また、2両編成ということで長い高松駅のホームを大幅に余らせて停車しました。

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かつては宇高連絡船により本州の宇野と結ばれ、四国の玄関口として栄えた高松。もちろん今も県庁所在地ですから廃れた様子など見せませんが、先ほどご紹介したしおかぜ号といしづち号の両数の差からも分かる通り、今ではかつてほど高松が玄関口の役割を果たしているわけではないというのが正直なところです。四国の各都市へと向かうあらゆる特急・急行列車等は高松駅を起点に運行されていましたから、その頃と比べれば今では「四国の主要都市の一つ」にすぎないのかもしれません。

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そして高松にやってきたら、やはり讃岐うどんを食べないわけにはいきません(「日本の食」89品目)。今回は駅前の「めりけんや」でざるうどんと天ぷらをいただきました。本当は天ぷらをつけずにうどんをそのまま味わって、高松駅周辺のうどん屋さんを何軒か食べ比べしようかと思っていたのですが、天ぷらを見た瞬間に猛烈に食べたくなったのでうどんの食べ比べは今回はしないことにしました(笑)。

麺はとてもコシがあり、流石は本場の讃岐うどんです。7年前に初めて香川県に来た時に本場のコシのあるうどんを食べて衝撃を受けたことを鮮明に思い出します。

 

この後は高徳線に乗り換え、いよいよ四国最長片道切符のゴールである佐古駅を目指していきます。その様子はまた次回お届けしていきます。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。