わたかわ 鉄道&旅行ブログ

乗り鉄&旅好きの20代男子が全国を巡る!

2020年7月デビューの新幹線「N700S」で夜の東海道を駆け抜ける!【2020-09九州15】

f:id:watakawa:20201021154749j:plain

みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は、2020年9月に出かけた九州旅行の第15弾記事ということで、いよいよ最終回となりました!

博多から新横浜へ、新幹線で戻る途中の様子をご紹介しております。

今回は新大阪~新横浜駅間で、最新の新幹線「N700S」に乗車してきましたので、その様子をご紹介します!

前回の記事は以下のリンクから是非ご覧ください!

watakawa.hatenablog.com

 

4日目 2020年9月14日(月)④

新神戸から1駅だけ〔こだま858号〕に乗車し、終点新大阪には20:12に到着しました。

f:id:watakawa:20201021100633j:plain

今年はホント頻繁に新大阪駅を利用しています

前回のブログ記事が日中の新神戸駅到着で終わっているので、ここまでの数時間は何をしていたんだっていう話になると思うのですが、実は兵庫県に住む高校時代の友人と久しぶりに会い、神戸の街を散策していました。ただまぁその様子はプライベートな部分でもありますのでブログでは割愛させていただきますね(笑)。

f:id:watakawa:20201021102017j:plain

見やすい発車標

東海道新幹線の終点であると同時に、山陽新幹線の起点でもある新大阪駅は、平日の夜も多くのビジネス客や観光客で賑わいます。

4日間に渡る九州旅行、その締めくくりは、ここ新大阪駅から東海道新幹線の最新車両「N700S」に乗車していきたいと思います!

2020年7月にデビューした東海道新幹線「N700S」は、一見するところ従来のN700Aと似ておりながら、実は様々なポイントが新しくなっていて、東海道では2007年のN700系登場以来13年ぶりのフルモデルチェンジとなっています。

f:id:watakawa:20201021102850j:plain

今夜は貴重な(?)ひかり運用

まだまだ運用本数が少ないため、7月~8月にかけては公式Twitterで毎日運用を発表していくということが行われていましたが、9月に入りこのサービスは終了。電話で問い合わせるとその日の運用を教えてくれるということで、私も実際にこの日の早朝に博多から電話をかけ、運用を確認して乗ることにしたというわけです。

電話では、乗車区間とおおよその時間帯をオペレーターの方にお伝えし、その時間帯にN700Sで運用される列車を答えてくれるというもの。デビュー初日は山陽新幹線にも乗り入れ、東京~博多駅間の運用に入りましたが、最近ではなかなかそういったことはないようで、東京~新大阪駅間の運用に留まっているとのこと。オペレーターの方に「夜、新大阪から東京方面に向かいたい」と伝えると、新大阪20:45発の〔ひかり668号〕新大阪21:00発の〔のぞみ468号〕が立て続けにN700Sで運行されるとのことで、それに合わせて新大阪駅にやってきた形です。

どちらに乗ろうか迷いましたが、少しでも長い時間N700Sへの乗車を楽しみたいという理由から、先発のひかり号をチョイス。新大阪始発で、京都、名古屋、浜松、静岡、小田原に停車し、新横浜には23:09に到着します。

f:id:watakawa:20201021105806j:plain

うぉぉぉカッコいい!!

24番線で待っていると、ようやく入線してきました! こちらが「N700S」です。

それではここから、N700SがそれまでのN700Aと異なる11のポイントを一つずつ解説しながら進めていきたいと思います。

①デュアルスプリームウイング型

何といっても新幹線の顔、この先頭車両の形状が従来の新幹線とは異なります。「え、N700Aと一緒じゃん」と思われるかもしれませんが、いえいえそんなことはありません。

f:id:watakawa:20201021111243j:plain

N700Sの方が鼻が長いように見える

隣のホームにちょうどN700Aも停車したので、こうして見比べてみると違いがわかりやすいと思います。N700Aの方は運転台の窓から斜め前方にストンと落ちるようなイメージですが、N700Sの方はニュ~っとしなやかな伸びをするように湾曲して前に鼻が伸びています(語彙力)。この独特の形状を「デュアルスプリームウイング」というそうで、新幹線としてのカッコよさも増している気がします。

②車体前方に青の隈取がある

また、上の写真をよく見比べていただくとわかるのですが、N700Sの運転台の斜め下付近に青い隈取のような色が入っているのがわかるかと思います。車体側面の帯とはつながっておらず、N700Aにこのようなデザインにはなっていません。

③車体側面にオリジナルロゴマークがある

f:id:watakawa:20201021112152j:plain

ロゴがキラキラ!!

一番わかりやすいのはこれかもしれませんね。ドア付近に、金ピカの「N700S」のロゴがあしらわれています。このロゴからもわかる通り、N700Sの"S"は”Supreme”(最高)という意味だそうで、今最高の新幹線を出してしまったら今後開発する新幹線は何と名付けるのでしょうか(笑)。Sの字が崩しすぎてほとんどSに見えませんが、誰が何といおうとSです。

それではさっそく車内へと入っていきます! ひかり号の自由席は後寄り5~1号車ですので、今回は5号車に入っていきます。

④車内にフルカラーの大画面ディスプレイがある

f:id:watakawa:20201021112954j:plain

大画面!

ドア上部には、次の停車駅や広告等各種情報を流すスクロール型のディスプレイが設置されていますが、これまでのドット表示のものよりサイズが大きくなり、”モニター”という感じになりました。従来のものも明るくて見やすく、特に不便なものではありませんでしたが、これが時代の変化というものでしょうか。

f:id:watakawa:20201021120103j:plain

徐々にクリアな文字へと進化

このように比較してみると、それぞれの違いがよくお分かりいただけるでしょう。N700Sでは縦横ともにディスプレイがギリギリまで拡張され、二行表示も可能となっています。

そしてすぐに発車時刻となり。20:45に定刻通り新大阪駅を発車。ひかりということでのぞみよりも自由席が多めだからというのもあるのか、比較的座席には余裕があるようでした。平日夜の東海道はやはりビジネス客が多い印象です。

⑤シートモケットが富士山柄

f:id:watakawa:20201021120840j:plain

鮮やかな富士山模様のモケット

シートモケットは鮮やかな青色で、よく見ると小さく富士山がたくさん描かれています。車窓からも見えるニッポンの象徴「富士山」をあしらうというセンスはさすが日本を代表する高速鉄道だなぁ…と思います。また、N700Aのモケットの青よりもだいぶ鮮やかで明るい印象があります。

⑥窓の周りに楕円形のフレームがある

これもちょっと言葉で表現するのは難しいのですが、N700Sでは窓一つひとつに楕円形のフレームがあります。機能的な違いというよりはあくまでもデザインの違いにすぎないと思いますが、何となくより「未来の乗り物」感があります。

f:id:watakawa:20201021122011j:plain

窓の周りまでフォルムにこだわる

見比べてみると、N700Aの方はただ「壁に窓が取り付けられているだけ」といった印象ですが、N700Sの方は一つひとつの窓がドアのようなデザインをしていて、今にも開きそうです(もちろん開きませんが)。

⑦全席コンセント完備

f:id:watakawa:20201021132306j:plain

気兼ねなく使える

これは既に広く言われていることですが、N700Sは普通車も含めすべての座席にモバイルコンセントが設置されています。N700Aでは壁側にあるのみで、通路側の人や3人がけの中央の人はコンセントが使えない配置でしたが、N700Sでは壁に備え付けのコンセントは廃止され、すべての座席の肘掛けに1つずつコンセントがあるという配置です。当然ですがこれはとっても便利。高速バスとの競合においても重要なメリットになりそうです。

⑧座面が沈み込む

f:id:watakawa:20201021132759j:plain

想像以上の快適さ

これもN700Aにはなかった機構で、N700Sではリクライニングをするとお尻の辺りが連動して沈み込むようになっており、より深くもたれることができます。また背もたれの倒れる角度も非常に大きく、想像以上の快適さです。

f:id:watakawa:20201021133711j:plain

後ろの人と目が合うくらい深く倒れる

画像でお伝えできるかわからないのですが、本当に本当に深く倒れます。もう座席というより寝台に近いんじゃないかってくらい(それは言い過ぎですが)。真後ろに人がいなかったので限界まで倒してみましたが、頭の部分が20cmくらい後ろに倒れるので、ゆったり腰掛けて横を向くと1列後ろの座席の人と目が合います。混雑していると限界まで倒すのは憚られそうですから、空いている時間に乗れてよかったです。

⑨シェードを下ろしても窓の部分にモノを置ける

f:id:watakawa:20201021134101j:plain

ペットボトルやスマホも置ける

N700Sの窓は、シェードを下ろしてもその横にモノを置くだけの十分なスペースがあり、ペットボトルやスマホが置けるようになっています。インアームテーブルのないN700Sでは、「ちょっと何かを置きたいのだけど、背面テーブルを出すほどではない」という時にとっても役立ちます。

⑩各座席にフック完備

f:id:watakawa:20201021134745j:plain

フックも便利

各座席の背面には、1つずつフックが備え付けられています。これもN700Aにはなかった設備で、駅弁やおつまみ等を袋に入れて引っかけるのにちょうど便利です。東海道新幹線以外の日本全国の新幹線・特急ではこのフックが完備されている列車はもちろんたくさんありますが、東海道新幹線では初めてのようです。

というわけで、ここまで一気にいろんなポイントをご紹介してきましたが、少し疲れたのでここで夕食とします。新大阪駅で購入してきた駅弁とハイボールを取り出します!

f:id:watakawa:20201021135328j:plain

牛肉の弁当は間違いない

もう夜遅かったので、新大阪駅構内の駅弁屋さんではほとんど売り切れてしまっていたのですが、まだ残っていたこちらの「牛カルビ焼肉重」(920円)を選択。大阪のどこかのブランド牛などというわけではないようですが、まぁ牛肉系の駅弁は基本的にハズレが無いと思っておりますので。

f:id:watakawa:20201021140144j:plain

至福のひと時

ハイボールをプシュッと開け、ガ~ッと流し込んだ後、お肉とご飯を口いっぱいに頬張ります。う~ん幸せ! 最新型の新幹線の車内で至福のひと時です。

この4日間、なかなかのハードスケジュールではありましたが、最後にこんな快適な車内で優雅な時間を過ごすと、やっぱり鉄道旅って最高だなと思わせてくれます。

列車は静岡県に入り、少しずつこまめに停車していくようになります。ただ、あまり5分とか10分のような長時間の停車は行わないのでスムーズに進んでいきます。

ちょうど大物鉄道系YouTuberのひろきさんがライブ配信を行っていましたので、拝見しておりました。これはN700Sに限ったことではないですが、東海道新幹線ではWi-Fiがしっかり整備されているので、車内でのインターネット接続も問題なし。30分ごとに再接続する必要があることを除けば、フリーWi-Fiとしてはかなり優秀な方なんじゃないかと思います。

そんな風にのんびり過ごしていると、列車はあっという間に神奈川県へ突入。そしてまもなく新横浜が近づいてきました。

⑪駅到着時に荷物棚の光の色が変わる

f:id:watakawa:20201021141443j:plain

荷物棚のライトの色が…

最後のポイントは、駅到着時の車内の変化です。荷物棚の部分にある間接照明の色が変わり、忘れ物がないよう注意を促しています。

f:id:watakawa:20201021142313j:plain

白から暖色系に

見比べてみるとその差は一目瞭然で、白い光がオレンジ色っぽい暖色系の光へと変わっていることがよくわかります。乗客に対し、荷物棚に注意を向けてもらうという目的の他に、寝ている乗客が降り遅れないように目を覚まさせるという効果もありそうです。

そんなわけで、23:09に列車は定刻通り新横浜に到着。新大阪からひかりで2時間24分での到着となりました。

f:id:watakawa:20201021142700j:plain

今後の新たな東海道・山陽の主役に期待!

 

いやぁもう本当にあっという間の2時間余りで、本当に快適でした。今はまだN700Aの方が圧倒的に主力車両ですが、今後N700Sが普及して山陽方面でも活躍してくれるでしょうから、今後に期待したいと思います!

そしてこれにて、4日間に渡る九州旅行はついに完結しました!

リアルタイムでのTwitterのつぶやきや長崎からのライブ配信に参加してくださったり、このブログ記事のシリーズを最後まで読んでくださり本当にありがとうございました。

是非とも記事や旅行そのものへの感想・アドバイスを、コメント欄やTwitterでお寄せいただければ幸いです。また、ブログ更新ツイートは宜しければ是非拡散の方もお願いします!

最後に、今回の4日間の行程をまとめておきますので、是非みなさんも参考にしてみてください!

f:id:watakawa:20201021151022j:plain

Twitterのフォロー・YouTubeチャンネル登録もお待ちしております!

Twitterこちらから(鉄道系、旅行系の方は原則フォロバします!)

YouTubeこちらから(毎週金曜日にライブ配信を行っています!)

3時間で門司港レトロを全力観光! 九州鉄道記念館から関門海峡ミュージアムまで一気に堪能する【2020-09九州14】

f:id:watakawa:20201020134752j:plain

みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は、2020年9月に出かけた九州旅行の最終日(4日目)の旅の様子を前回の続きからご紹介していきます。

前回は国鉄415系普通列車門司港駅に到着し、レトロな門司港駅舎の内部をいろいろと探検して回りましたので、そちらの様子は以下のリンクから是非ご覧ください!

watakawa.hatenablog.com

 

4日目 2020年9月14日(月)③

門司港周辺に興味深い観光地は数多かれど、ここに立ち寄らないわけにはいきません。

f:id:watakawa:20201019145106j:plain

九州鉄道記念館

門司港駅に隣接する「九州鉄道記念館」です。2003年に開業した九州最大級の鉄道テーマパークで、実は私も2019年2月に一度訪れています。今回、九州を一周して各県をしっかり味わうというテーマの元で旅をしてきたわけで、その九州の鉄道の原点であるこの「九州鉄道記念館」に足を運ばないわけにはいかないと思い、1年半ぶり2度目の来訪となりました。

f:id:watakawa:20201019161339j:plain

九州鉄道記念館公式HP(http://www.k-rhm.jp/)より

入館料は大人300円とただでさえ激安ですが、何と「帰りのJR乗車券提示で入館料20%割引」という神ルールが存在します。細かく定義がどのようになっているかはわかりませんが、今回私が所持していた「福岡市内→横浜市内」の乗車券でも割引を受け、240円で入館することができました。単にSuica等の交通系ICカードを提示するだけでは割引は受けられないと思いますが、福岡県内のどこかが出発地になっていればよいということなのでしょうか。少なくとも、券面に「門司港」と書かれていなければいけないわけではないようです。

f:id:watakawa:20201019153425j:plain

車両展示場

ゲートをくぐると、まず目の前には、屋根のついた長い長いプラットホームに留置されているたくさんの車両が連なっている光景が広がります。機関車、客車、電車などなど、九州を拠点に活躍したバラエティ豊かな車両が勢ぞろいです。

この中でも個人的に特に激アツなのは、上段右の481系特急電車〔にちりん〕、下段左の581系電車寝台〔月光〕、下段右の14系寝台客車〔さくら〕ですかね。どれも現役当時に生でその列車が走る姿を見ることは叶いませんでしたが、だからこそ今この場所で見れることがとても感動的です。この3車両はいずれも製造から約半世紀が経過しており、その意味では内外装の劣化は進んでいますが、しかしこの展示スペースはしっかりと屋根がついていて雨風の影響をあまり受けることなく、保存状態はとても良いといえそうです。

f:id:watakawa:20201019155840j:plain

方向幕&サボもアツい!

また、各車両の側面には、列車名や行先を示す「方向幕」や「サボプレート」というものがありました。現在ではLEDの発車標が主流ですが、かつては手作業で行先を差し替えたり、いちいち幕をくるくる回して列車名を表示していたのです。現代のLED表示と比べると、イレギュラーへの対応が難しいというデメリットはありますが、一方でそこに使われる通称「国鉄フォント」とよばれる味のある独特の書体が、今でも多くの鉄道ファンを魅了しているのは間違いないでしょう。かく言う私もその一人です(笑)。

f:id:watakawa:20201019160349j:plain

一度でいいからここで寝てみたい

この九州鉄道記念館の車両展示場では、多くの列車で「実際に車内に入れる」としていたのが特徴の一つでもありましたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、三密防止や接触感染リスク軽減の観点から、いずれの車両も車内への立ち入りは禁止されていました。なので外からじっくり舐めまわすように車内を観察します(笑)。14系の開放寝台など、特に綺麗な状態で保存されており、動かなくてもいいから一度この車内で寝てみたいなぁ…という思いに駆り立てられます。

f:id:watakawa:20201019161113j:plain

続いて本館へ

続いて階段を上り、「本館」へと進んでいきます。レンガ造りの建物内で屋内展示が行われているわけですが、何とこの建物「旧九州鉄道本社屋」なのです! 「九州鉄道」とは、1888年に九州初の鉄道会社として設立され、翌1891年より博多の方で営業運転を開始した鉄道会社です。1891年には門司(現・門司港)~高瀬(現・玉名)駅間で営業運転が開始されたのに伴い本社がここに建てられたということで、この建物はもう約130年もの歴史をもっていることになります。もちろん数多の修繕がなされているはずですが、それにしても130年前の建物に今でも入れるというのが本当に驚きです。

f:id:watakawa:20201019163116j:plain

貴重な資料がたくさん

館内は2階建てになっており、まずエントランスをくぐると明治期の客車(復元)が置かれ、その手前には当時の鉄道風景を再現した人形も置かれています。この客車内にはコロナ禍の今も実際に入ることができ、中では座面に畳が使用された何とも硬くて窮屈そうなボックスシートが並んでいます。背もたれの概念はありません(笑)。

そこから2階へ上がると、まず目に飛び込んでくるのは長い長い年表。九州を中心とした100年以上にも及ぶ長い鉄道の歴史が1枚の年表にまとめられています。これだけでもしばらくじっくり見ていられるのですが、あまり時間を掛けすぎても後半が慌ただしくなるのでさくさく見ていきます。

年表の先にあるのは、時代を彩った名列車のヘッドマークの数々、そして中でも特に九州を代表する名門列車〔つばめ〕は大きな展示スペースが展開されています。今ではヘッドマークをつけた車両すら見ることはほとんどなくなってしまいましたが、ここで実際に見てみると本当に大きく、また当時のヘッドマークは中央部が盛り上がっている計上のため臨場感があります。かつては東京・関西~九州を結ぶ長距離列車が毎晩数多く運行されていたわけですが、そんな時代も今は昔。1975年には東京~博多駅間で新幹線が全通し、その後高速バスや航空機の発達により旅客はどんどん鉄道から離れていきました。2009年には東京~大分・熊本駅間を結んでいた寝台特急富士・はやぶさ〕が廃止されたことで本州~九州を結ぶ夜行列車は廃止され、今に至ります。

「つばめ」という列車名はとても歴史が古く、戦前から漢字表記の「燕」として運行されてきましたが、その運行区間や形態は時代を追うごとに変化していきました。現在は皆さんもご存じの通り、九州新幹線として今でも博多~鹿児島中央駅間で運行されています。

このほか、数々の硬券・記念乗車券類や駅弁の掛け紙等、展示品の数々はどれをとっても貴重なものばかり。すべてを細かく紹介するとネタバレになってしまいますから、是非みなさんも一度訪れてみてください!

今回は平日ということで、施設全体を通じてお客さんはほとんどおらず、三密状態になることもなく、コロナ感染リスクは限りなく低かったですが、しかしマスク着用や検温・アルコール消毒といったルールは守って、たっぷり楽しませていただきました。

f:id:watakawa:20201019170818j:plain

子ども向けスペースも

その他、屋外には子ども向けのミニ鉄道のスペースもありますが、こちらはスルーし、九州鉄道記念館を後にします。2度目の訪問でしたが全く飽きることなく楽しめました!

続いては、門司港駅周辺に広がる「門司港レトロ」を見て回ります。

その名の通り、門司港駅周辺には、タイムスリップしたかのようなレトロな建物が他の建物に混じって街中に残されており、それらを散策しながら見て回るのが門司港観光の楽しみ方となっています。

1年半前に門司港観光へ来た時は、鹿児島本線のダイヤ乱れの影響で門司港到着が予定よりも大幅に遅れ、門司港レトロを見て回る時間がほとんど取れなかったので、こちらは今回が初めてとなります。

f:id:watakawa:20201019171819j:plain

門司郵船ビル

まずは、駅前一等地にどかんと構えるこちらの真っ白なビル。こちらは「門司郵船ビル」と呼ばれ、今から100年ほど前に日本郵船門司支店のビルとして建設されました。何と驚くべきは、このビルが今でも現役のオフィスビルとして使われている点にあります。

f:id:watakawa:20201019172753j:plain

今も現役

エントランス部分から少し中へ入ってみると、壁には各フロアに入居する事業者名が何とも味のある書体で掲示されています。また、西洋風、というか、明治風、というか、何ともレトロで今とは時代離れした感のある内装がとても印象的です。

f:id:watakawa:20201019173121j:plain

旧門司三井倶楽部

続いてはこちら、「旧門司三井倶楽部」です。先ほどの門司郵船ビルとはうって変わってヨーロッパの田舎の大きな一軒家のような出で立ちですが、こちらはかつて社交場として使われた洋館のようです。なかなか安易には近寄りがたい雰囲気がありますが、現在館内には「アインシュタイン・メモリアルルーム」やレストラン「三井倶楽部」などがあるようで、館内を見て回ったり優雅なひと時を過ごすのもよさそうです。

f:id:watakawa:20201019173619j:plain

旧大阪商船

東京駅のようにも見えなくもない赤茶色のレンガが特徴的なこちらの建物は「旧大阪商船」。かつてここ門司港からアジア・ヨーロッパ各地へ多数の客船が運航されておりましたが、この建物はそれらの拠点として、中には待合室等があったそうです。こちらは今ではギャラリー・貸ホールとして使われているようで、館内に入ると当時の賑わいを感じられそうです。

f:id:watakawa:20201019174834j:plain

他にもいろいろ

その他にも、門司港周辺には実にいろいろな建築物が集結しているのですが、今回は割愛させていただきます! 私が見つけられなかったレトロな建物もまだまだあると思うので、みなさんも門司港に行かれた際は是非街をじっくり観察しながら歩いてみてください!

f:id:watakawa:20201019175128j:plain

海峡プラザ

門司港では複雑に埋め立てられた独特の海岸線も特徴的ですが、その入り江部分にある観光客向けのショッピングプラザ「海峡プラザ」には飲食店やお土産物屋さんが多数出店しています。門司港名物の焼きカレーを提供する店も多く、ここに来れば門司港観光は間違いない! といったところでしょうか。街歩きに疲れたらここでゆっくり休憩してみてください。カレーが大好きな私は、1年半前の来訪の際に門司港焼きカレーを食べ(海峡プラザではないですが)、それがとっても美味しかったので、今回も是非食べたかったのですが、今回は泣く泣く我慢。また門司港に来る機会はあるでしょうから、その時の楽しみにとっておきます。

f:id:watakawa:20201019175814j:plain

門司港レトロ展望室

また、門司港のほとりに立つ高層タワマンの31階には「門司港レトロ展望室」があり、門司港周辺の景色を一望できる展望台として一般人にも開放されています。観光先で展望台があったらまず間違いない! ということで行こうと思ったのですが、何故か休館日とのこと。HPを見てもそのような情報はなく、入口にも詳しい説明はありませんでしたので理由は不明ですが、営業していないものは仕方ないので諦めます。これは焼きカレーと併せて、是非とも次の機会の楽しみにとっておきたいと思います。

f:id:watakawa:20201019180200j:plain

関門海峡ミュージアム

幸か不幸か、展望台に行けなくなったため滞在時間が少し余りまして、急遽「関門海峡ミュージアム」を訪れることに。駅から若干離れているのですが、頑張って歩いて向かいます。

こちらは関門海峡における歴史や文化を紹介する博物館で、何といってもウリは大画面に映し出される魚の群れの迫力映像です。

f:id:watakawa:20201019180601j:plain

大迫力の映像

これは言葉で説明するのは何とも難しいので、是非一度足を運んでみていただきたいのですが、建物数階分もの高さがある大きなスクリーンに臨場感のある海のCG映像が映し出され、関門海峡の生態系を学ぶことができます。

f:id:watakawa:20201019181951j:plain

館内いろいろ

館内は無料ゾーンと有料ゾーンがありますが、有料でも500円なのでおねだん以上の満足感があります。各フロアにコンセプトがあり、一つひとつをじっくり見て回るとかなり長い時間過ごせそうです。今回は時間がかなり限られていたのであまりしっかりとは見れませんでしたが、お好きな方は半日ここにいても飽きないと思いますから是非門司港へ行った際は足を運んでみてください!

f:id:watakawa:20201019182328j:plain

門司港駅へ戻ってきました

そういうわけで、かなりいろいろバタバタとしながらではありましたが、門司港の観光を一通り楽しめたかなと思います。前回の記事でご紹介した「門司港駅舎探訪」と、今回の九州鉄道記念館門司港レトロ関門海峡ミュージアムをすべて含めて3時間滞在の間にこなすことができたので、なかなか効率が良かったかなと自負しております(笑)。関門海峡ミュージアムは駅から少し離れていると言いましたが、それでも十分徒歩圏内で、大概の観光地が門司港駅周辺に密集しているので、バスやレンタカー等も不要で気軽に見て回ることができる観光地です。

このほかにも、週末限定で運行される「門司港レトロ観光線」というトロッコ列車もあるようですから、またその辺りも次の機会に楽しみたいと思います!

f:id:watakawa:20201019182846j:plain

帰りは近代的な車両で

それでは、12:08発の区間快速 二日市行に乗車し、門司港を後にして小倉へと戻ります。小倉から門司港に来るときは国鉄415系でかなり古い車両でしたが、こちらは811系と呼ぶようで、かなり新しいスタイリッシュな車両です。車内はロングシートということで、旅情とかは感じませんが近代的な都会の通勤車両といった様子。10分ちょっと乗車し、小倉駅には12:21の到着です。

f:id:watakawa:20201019183338j:plain

かしわうどん(390円)

小倉駅では、新幹線が来るまでの時間でさっとお昼ご飯を食べちゃいます。今回、大好物の門司港焼きカレーを我慢してでも食べたかったのがこちらのかしわうどん」(390円)。在来線ホームに立ち食いうどんがあり、お昼時ということで多くの人で賑わっていました。鶏肉、かまぼこ、ネギだけというシンプルなトッピングですがこれが本当に美味しい! 立ち食いうどんというのもなかなか新鮮で、外は暑いですが温かいうどんでもするすると箸が進みます。だしの味がどうとか麺がどうというのはまだちょっと勉強不足なので、今後はより詳しく食レポできるように頑張ります(笑)。

f:id:watakawa:20201019183756j:plain

いよいよ九州を脱出!

それではいよいよ、4日間滞在した九州を出ることになります。何だかんだいろいろなトラブルもありましたが(笑)、今まで訪れたことのない場所ばかりで自分にとってとても新鮮で楽しい旅になりました。小倉12:55発の〔のぞみ30号〕東京行に乗車し、いざ九州を脱出します!

f:id:watakawa:20201019184013j:plain

16両の長大編成

博多方面からゆっくりと入線してくるN700系。これが本州へとつながっていると思うと、やっぱり新幹線の凄さを感じずにはいられません。

お金がないので今回は小倉から自由席を利用。のぞみなので後寄り3~1号車が自由席となります。

f:id:watakawa:20201019184525j:plain

見慣れた青いモケット

無事に乗り込み、列車は定刻通り小倉を発車。平日の日中ということで自由席はかなり余裕があり、どこでも好きな席に着席可能といった状態でした。

f:id:watakawa:20201019184721j:plain

向こうに見える山は本州かな

列車はあっという間にハイスピードで高架線を走り抜け、関門トンネルへと入っていきます。トンネルに入る直前、車窓左手にしっかりと本州が見えました! さらば九州!

あっという間に本州へ入り、山陽地方を駆け抜けていきます。

この列車でまっすぐ新横浜へ帰ることももちろんできるのですが、兵庫に住む高校時代の友人と会う約束をしていた(というか前日に急遽予定を取り付けた)ため、いったん新神戸駅で降りることにしました。

f:id:watakawa:20201020131054j:plain

新神戸駅は初めて下車

小倉からわずか2時間、本当にあっという間の到着です。続きは次回ご紹介していきます。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

是非ともSNS等での拡散・コメント・評価・読者登録をよろしくお願いします!

また、Twitterのフォロー・YouTubeチャンネル登録もお待ちしております!

Twitterこちらから(鉄道系、旅行系の方は原則フォロバします!)

YouTubeこちらから(毎週金曜日にライブ配信を行っています!)

 

国鉄415系で九州の真の玄関口・門司港へ! 重要文化財の駅舎内部を探検【2020-09九州13】

f:id:watakawa:20201017153326j:plain

みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は、2020年に出かけた九州旅行の第13弾記事ということで、最終日(4日目)の旅の様子を続きからご紹介していきます。

前回は博多から、1日1本限定の山陽新幹線直通の「つばめ」に乗車して小倉へとやってきました。その様子は以下のリンクから是非ご覧ください!

watakawa.hatenablog.com

 

4日目 2020年9月14日(月)②

博多から乗車した〔つばめ306号〕は小倉駅に8:25に到着。ここでいったん途中下車をし、別途運賃をSuicaにて支払い、門司港に立ち寄っていきたいと思います!

f:id:watakawa:20201014225055j:plain

鉄道ファンなら誰もが知る小倉の大きさ

小倉駅は、山陽新幹線および鹿児島本線山陽本線日豊本線日田彦山線、そして北九州モノレールが乗り入れる九州の主要駅の一つで、北九州市の代表駅でもあります。「博多駅-福岡市」のように、こちらも「小倉駅-北九州市」と、代表駅と都市名が異なることから、九州から遠く離れた地に住んでいて日本地理に疎い方はそもそも小倉駅の存在すら知らない、ここにこれほど大きな駅があることを知らないという方もいらっしゃるかもしれません。ただ鉄道ファンなら誰もが知る通り、この小倉駅は新幹線・在来線を問わずすべての列車が停車する一大ターミナル駅です。

f:id:watakawa:20201014225508j:plain

西洋の美術館みたい

小倉駅の在来線改札口付近には大きな広場のようなスペースがあり、天井には大きな円が描かれています。日本の駅というよりはヨーロッパの美術館のようなデザインで、とても印象的です。

f:id:watakawa:20201017111256j:plain

門司港行」に乗車します

小倉駅からは、8:54発の鹿児島本線 門司港に乗車していきます。本州へ渡る普通列車も数多く発着している小倉駅ですが、今回は普通列車で本州へは渡らず、鹿児島本線の起点駅へ向かおうというわけです。

f:id:watakawa:20201017111636j:plain

国鉄415系

使用されている車両は、415系4両編成。白地の車体に青い帯を纏った国鉄型の普通列車です。交流・直流の両方に対応した車両として下関~小倉駅間で運用されているイメージが強いですが、門司港方面にも乗り入れているんですねぇ~。

f:id:watakawa:20201017114733j:plain

方向幕、車体側面、ボックスシート

昔ながらの幕式ですが、フォントが比較的新しいように見えたのでJRになってから取り替えられたという感じでしょうか。車内はボックスシートが基本で、首都圏ではまず見ることのできなくなったとっても味のある国鉄ボックスです。

それでは定刻通り、小倉を出発! 列車は門司、小森江と停車していきます。

平日の午前中ということで、車内はかなり空いています。鹿児島「本線」ではありますが、門司駅から本州方面へのびる「山陽本線」があるため、現在ではどちらかといえばこの門司港方面が支線のような扱いになっています(もっとも、関門トンネルを通る長距離の在来線旅客列車も今では存在しないわけですが)。

15分ほど列車に揺られ、9:08に終点の門司港駅に到着です!

f:id:watakawa:20201017120048j:plain

広いホームが特徴的

門司港駅はたくさんの頭端式ホームが並ぶ列車の始発・終着駅で、これより先に続くJRの線路はありません。故にホームから改札口までがすべて同一平面上にあり、駅構内に全く階段がないのです。1,2,4,5番線があり、島式ホームが2本並ぶ2面4線の造りとなっています。

f:id:watakawa:20201017120615j:plain

415系が3本並んだ!

この門司港駅というのは、写真の通り昔ながらの趣を今にそのまま残す貴重な駅で、駅名標やホームの番線表示などかなり前からのもののように見えます。ちょうど、私が乗ってきた門司港行を含め3本の415系が並び、まさに「国鉄門司港駅」の言葉がぴったりな光景に。とてもじゃないけど2020年の景色には見えません。

f:id:watakawa:20201017121049j:plain

時代のギャップが凄い改札口

改札口は車止めの先に一カ所だけですが、しっかりとICカードに対応した自動改札機が並び、ここは最新設備といった様子。また頭上の発車標はフルカラー(?)で発色がよく、とっても見やすいです。しかし一方で、その自動改札機の横にはかつて使用されていたと思われる有人改札が並んでいます。よりスムーズに多くのお客さんを捌くためならこういう古い設備はあっさり撤去して少しでも自動改札機を多く設置できるように…と考えがちですが、きっとこれも貴重なものとして敢えて残しているのでしょう。今でもこの有人改札が実際に使われることは果たしてあるのでしょうか…? 中に人が入れば使えなくはない気もしますが。

f:id:watakawa:20201017121917j:plain

連絡船乗り換え通路も!

改札口を出てすぐ左に曲がると、「関門連絡船通路」の跡があります。現在は新幹線も在来線も、本州と九州をつなぐ「関門トンネル」がありますが、この関門トンネルができる前まではこの門司港駅下関駅の間が鉄道連絡船で結ばれていたのです。鉄道と船をスムーズに乗り換えられるようにするため、門司港駅では駅構内から連絡船の発着場所までを結ぶ地下通路が整備されており、本州へ渡る人はみなこの地下通路を通って関門連絡船に乗り継いでいたというわけなのです。1942年に関門トンネルが開通した後もしばらく関門連絡船の運航は続けられていましたが、時代の流れには逆らえず1964年についに航路が廃止となったのです。

この地下通路は、今では大きなパネルで封鎖されその先には進めないようになっていますが、中がどうなっているのかは非常に気になるところです。

かつてはこの関門連絡船の他にも、岡山県から香川県へと渡る「宇高連絡船」や青森と函館を結ぶ「青函連絡船」などさまざまな鉄道連絡船が島国のニッポンを支えていましたが、海底トンネルや橋が次々に完成して本州と各地が鉄路で繋がったことにより、今ではほぼ全滅となってしまいました。

f:id:watakawa:20201017123753j:plain

旧正面上家も綺麗に保存

またその隣には、何やら緑色の骨組みのようなものが。これはかつて、門司港駅まで自動車や人力車で来た人が利用する乗降場の屋根に使われていた骨組みなのだそうです。塗装などは当時のような鮮やかな緑色に塗り直したのでしょうが、これ自体はレプリカではなく本物だというから驚きです。

f:id:watakawa:20201017124453j:plain

エモすぎる駅舎内

駅舎内部には、券売機やみどりの窓口など基本的な設備が整っていますが、それにしても本当に格式高い造りをしています。券売機の左側にある、かつての乗車券販売窓口のようなものは今でも使えるのでしょうか? それとも昔使っていたものを取り壊さずに保存しているということなのか…どちらにしても凄すぎです。

f:id:watakawa:20201017132435j:plain

一・ニ等待合室が「みどりの窓口」に

目を見張るほど広く天井の高いこちらの部屋は、元々一等車・二等車を利用する乗客向けの待合室でした。現在はみどりの窓口として誰でも立ち入ることができますが、当時私のような人間がふらふら~っと立ち入ろうものなら全力で阻止されたことでしょう(笑)。

f:id:watakawa:20201017133619j:plain

三等待合室はスタバに大変身

そしてその向かいには三等待合室がありますが、こちらは何とスタバに大変身しておりました! まぁこのスタバでコーヒーを飲みながら列車を待つ人もいるでしょうから、ある意味では今も待合室なのかも…?

f:id:watakawa:20201017134513j:plain

重要文化財に指定されている門司港駅

そして駅舎の外に出てきてみました。2019年3月に修復工事が完了してからは初めて見ることができました。優等列車の発着もほとんどなく、ほぼ支線の終点のような位置づけになりつつある門司港駅ですが、こうした立派な駅舎を見るにやはり九州の鉄道はここから始まるといっても過言ではないと思います。昨年2月に来訪した際は修復工事が大詰めといったところでしたが、完成後の現在は駅前広場が綺麗に整備されました。

 

この後は時間をかけて門司港観光をしていきますが、その様子はまた次回ご紹介していきます!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

是非ともSNS等での拡散・コメント・評価・読者登録をよろしくお願いします!

また、Twitterのフォロー・YouTubeチャンネル登録もお待ちしております!

Twitterこちらから(鉄道系、旅行系の方は原則フォロバします!)

YouTubeこちらから(毎週金曜日にライブ配信を行っています!)

1日1本限定! 山陽新幹線直通の「つばめ」に乗って小倉へ【2020-09九州12】

f:id:watakawa:20201014232343j:plain

みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は、2020年9月に出かけた九州旅行の第12弾記事となっております。

9月11日(金)~14日(月)の3泊4日で出かけ、そのうち真ん中の土日は「みんなの九州きっぷ」で九州一周の旅をしておりました。

今回からは最終日、九州から帰京する過程を記事にしていきます。

前回は日本国内最長の昼行特急〔にちりんシーガイア24号〕に全区間乗車してきましたので、是非ご覧ください!

watakawa.hatenablog.com

 

4日目 2020年9月14日(月)①

最終日の朝、スタートは九州最大のターミナル駅「博多」から。

f:id:watakawa:20201013230754j:plain

平日朝はビジネスパーソンの街

私は大学生なのでまだ夏休みでしたが(というかオンライン授業なので夏休みも何もあんまり関係ないですが)、世間的には月曜日の朝ということで会社や学校があります。博多は九州最大級のビジネス街でもありますから、休日とはうってかわって駅前には朝から多くのサラリーマンが行き交います。福岡には「博多駅」と「天神駅」という2つの大きなターミナル駅がありますが、東京に置き換えると「東京駅」と「新宿駅」、大阪に置き換えると「大阪駅&梅田駅(キタ)」と「難波駅(ミナミ)」に近いかと思います。もちろんそれぞれどちらの駅にもオフィスも観光拠点もありますが。

f:id:watakawa:20201013231940j:plain

博多駅 新幹線改札口

最終日のこの日は、「福岡市内→横浜市内」の学割乗車券を購入し、博多から新横浜まで全区間新幹線経由で帰京(帰浜?)したいと思いますが、しかし博多から新横浜までまっすぐ帰っても面白くないので、途中ちょこちょこ寄り道をしていきます。

まずは、一つ隣の小倉で下車して在来線に乗り換え、門司港方面へと向かっていきたいと思います!(小倉~門司港は別途運賃)

f:id:watakawa:20201013232844j:plain

つ、つばめ…!?

小倉駅博多駅と同じくすべての新幹線が停車するので、基本的にどれに乗ってもよいのですが、上り(新大阪・東京方面)の発車標を見てみると、おなじみ「のぞみ」「こだま」に混じって、何と「つばめ」の文字があるではありませんか!

みなさんもご存じの通り、〔つばめ〕は基本的に九州新幹線区間の博多~鹿児島中央駅間を各駅に停車しながら運行する列車です。しかし、何と1日に1本だけ、博多を越えて山陽新幹線の小倉まで乗り入れる〔つばめ〕があり、それがまさにこの博多8:09発〔つばめ306号〕小倉行なのです。

f:id:watakawa:20201013233716j:plain

ホームに上がっても違和感

ちなみにこの〔つばめ306号〕は熊本始発で各駅に停車しながら博多駅にやってきて、ここ博多駅で約11分間も停車します。熊本方面からやってきて、小倉やその先へ急ぐ場合は対面ホームの14番線から8:01に発車する〔こだま844号〕岡山行に乗り継いだ方が各駅で早く到着します。〔つばめ306号〕に乗って終点の小倉まで乗ってもその先で〔こだま844号〕には追い付けないため、そうまでして1駅だけ「つばめ」が延長運転する理由はどこにあるのか…?と思い、今回は乗車していきます。

f:id:watakawa:20201013234332j:plain

つばめだけどN700系

そして7:58になり、煌々とライトを照らして13番線に入線してきました。こちらが〔つばめ306号〕小倉行です。「つばめなのにN700系なの!?」と驚く方もいらっしゃるかもしれませんが、実は九州新幹線では「みずほ・さくら→N700系」「つばめ→800系」と列車愛称によって明確に運用車両が区別されているわけではなく、N700系のつばめや800系のさくらも少ないながらあるようです。ただし800系の運用が博多以南に限定されるからということなのか、博多以北へ直通する九州新幹線は列車愛称を問わずN700系のようです。

f:id:watakawa:20201014172331j:plain

フルカラーだけど「つばめ」

方向幕にはしっかり「つばめ306 小倉」の文字がフルカラーで見やすく表示されています。そもそも新幹線で「小倉行」というのが珍しく、このつばめ306号の他はごく一部のこだまでしか見ることができません。

列車は8両編成で、先頭から8号車、7号車の順ですが、その半分以上の5両(5~1号車)が自由席車両になっています。

f:id:watakawa:20201014173314j:plain

豪華すぎる5号車

新幹線の普通車自由席といえば、2+3列の配列でおなじみですが、この山陽・九州新幹線仕様のN700系の5号車は、指定席での運用を想定して配置されたと思われる2+2列の豪華な座席になっています! 肘掛けや背もたれもデラックスな感じで、これが本当に自由席車両なのかと一瞬目を疑いました。

車内はかなり混雑しておりまして、平日の朝ということでやはりビジネスパーソンが大半を占めていました。入線後すぐに乗り込めばこの「乗り得」の5号車でも窓側を確保できると思いますが、発車間際の乗車だと人のいない区画に着席できるかは怪しいです。

8:09、定刻通り博多を出発。次の駅が終点の小倉となります。

前の日の夜には在来線特急で50分ほどの時間をかけて移動した小倉~博多駅間ですが、新幹線ならノンストップなのでだいたい15分ほど。これこそが、この1駅間だけでも新幹線利用のニーズがある理由なのではないかと思います。1駅区間の新幹線自由席特急券は990円とかなりリーズナブルですからね。

広々シートで、博多駅のコンビニで買った朝食を優雅に食べます…が、快適な時間もつかの間、気づけば終点の小倉は目の前というところに来ていました。いやもう本当にあっという間というか。博多~小倉って新幹線としてはわりかし駅間距離が長い方に当たるんですが、でもやっぱり時速200km以上で駆け抜ける新幹線だとあっという間です。

f:id:watakawa:20201014174432j:plain

小倉に到着!

8:25、列車は終点の小倉に到着。あと数km走れば本州ですが、やはりそこは「つばめ」としての矜持の表れか、関門トンネルをくぐることなく、ギリギリ九州内で完結する列車となっています。

f:id:watakawa:20201014224135j:plain

山陽九州仕様でのこだまは珍しい?

小倉駅到着後、この列車はどうなるのかなと思って見ていると、何と折り返し小倉発博多行の「こだま」運用に入るそうです! 山陽・九州仕様のN700系が「こだま」の運用に入るのもかなり珍しいような気もするのですが、これはそうでもないのでしょうか…? 山陽新幹線沿線に住んだことがないのでいまいちよくわかりませんが。

f:id:watakawa:20201014225055j:plain

駅デカすぎるしモノレールが刺さってるし

九州の玄関口ともいうべき場所に位置する「小倉駅」は、新幹線でも在来線でも古今東西基本的にすべての列車が停車してきた一大ターミナル駅です。私もこれまで何度か利用してきましたが、実は今まで駅構内で乗り換えるばかりで駅の外に出てきたことがありませんでしたが、こんな立派な駅だったんですね…。挙句の果てにはJRばかりでなくモノレールも乗り入れていて、立川北&立川南もびっくりの刺さり方をしています。

ここ小倉からは、在来線に乗り換え門司港を目指しますが、その様子はまた次回ご紹介します!

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

是非ともSNS等での拡散・コメント・評価・読者登録をよろしくお願いします!

また、Twitterのフォロー・YouTubeチャンネル登録もお待ちしております!

Twitterこちらから(鉄道系、旅行系の方は原則フォロバします!)

YouTubeこちらから(毎週金曜日にライブ配信を行っています!)

国内最長距離&最長時間の昼行特急「にちりんシーガイア24号」全区間乗車! みんなの九州きっぷグランドフィナーレ【2020-09九州11】

f:id:watakawa:20201012140512j:plain

みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は2020年9月の九州一周旅行第11弾記事ということで、タイトルにもある通り特急〔にちりんシーガイア24号〕の旅の様子をご紹介していきます。

前回は田吉駅で途中下車をしながら宮崎空港駅までやってきたので、その様子は以下のリンクから是非ご覧ください!

watakawa.hatenablog.com

 

3日目 2020年9月13日(日)④

地方空港にも関わらず鉄道が乗り入れる珍しい「宮崎空港駅」にやってきました。

f:id:watakawa:20201010142836j:plain

ターミナルビルと直結した高架駅

新型コロナ禍での旅行需要喚起を目的とした破格の企画乗車券「みんなの九州きっぷ」を使い、土日2日間で九州7県をすべて回り、JR九州の個性的な列車を乗り継いだり観光をしたりしながらここまでやってきました。

宮崎県に到着した段階で九州7県はすべて踏破済みとなり、そして宮崎空港駅までやってきたのであれば、ここから羽田まで飛行機で帰京すればいいではないか! と思うかもしれませんが…そんな単純なことはしませんよ。帰京する前に、とある列車に乗車してこの「みんなの九州きっぷ」での2日間を盛大に締めくくりたいと思います。

f:id:watakawa:20201011110952j:plain

「延岡」に混じって「博多」が溶け込む恐ろしさ

そう、宮崎空港17:19発の特急〔にちりんシーガイア24号〕博多行に全区間乗車して、終点の博多まで移動していきます。

f:id:watakawa:20201011113124j:plain

想像を絶する距離&時間

特急〔にちりんシーガイアとは、博多~宮崎空港駅間で1日1.5往復設定されている特急列車です。下り宮崎空港行が1日1本、上り博多行が1日2本のみで、特急〔ソニック〕と〔にちりん〕の運行区間をちょうど合わせた運行ルートとなっています。

その総距離は何と驚異の413.1km東海道本線なら東京~大垣駅間、東北本線なら東京~梅ヶ沢(岩手と宮城の県境付近)駅間の距離に匹敵します。これ何と、2020年現在日本国内で運行されている定期昼行特急列車としては最長運行距離を誇る特急なのです。

今では珍しくなった長距離特急ですが、新幹線のない区間ではまだ残っていたりします。有名なものとその距離を列挙してみると、以下の通りとなります。

1位 にちりんシーガイア(博多~宮崎空港)…413.1km
2位 宗谷(札幌~稚内)…396.2km
3位 スーパーおき鳥取新山口)…378.1km
4位 オホーツク(札幌~網走)…374.5km
5位 ひたち(品川~仙台)…373.9km

というわけで、北海道の大地を駆け抜ける長距離特急を凌いで堂々の第1位であることがはっきりとよくわかります。寝台特急も含めればもちろん〔サンライズ出雲〕が1位となりますが、昼行特急としては400km超の〔にちりんシーガイア〕が1位なのです。

f:id:watakawa:20201011115341j:plain

宮崎で見る「博多」の文字の違和感

また、今回乗車するこの〔にちりんシーガイア24号〕は、他のにちりんシーガイアと比べて最も運行時間が長く、何と6時間6分もかかります。これはにちりんシーガイアの中で1位なだけでなく、2020年現在日本国内で運行されている定期昼行特急列車の中で最長運行時間を誇ります。

上の運行距離ランキングに入っているそれぞれの列車の運行時間を見ると、以下のようになります。

〔宗谷〕…最長5時間11分(上り)
スーパーおき〕…最長5時間29分(5号)
〔オホーツク〕…最長5時間30分(3号)
〔ひたち〕…最長4時間51分(30号)

最長運行時間の便を比較してみても、6時間を超えるものはなく、運行距離&時間共に、この〔にちりんシーガイア24号〕が昼行特急としては最長であることがわかります。

f:id:watakawa:20201011121529j:plain

787系(6両編成)

使用される車両は、根強いファンも多い「787系」。前々回の記事でご紹介した「きりしま」は4両編成でしたが、こちらは6両編成での運行です。ダークグレーの車体と斬新な顔つき、車体前面上部のライトが印象的な特急車両です。

宮崎空港駅は1面2線の島式高架ホームで、列車の改札は発車10分前から行われます。ホームも狭く、終着駅なのであまりホームで長時間列車を待つという想定の造りではなさそうです。

さっそく車内に入り、各号車を見ていきます。列車は小倉方面から順に6号車、5号車…と続き、最後尾が1号車となります。

f:id:watakawa:20201011122138j:plain

自由席(6号車)

まず、前寄りから6~3号車が自由席です。6両中4両が自由席ということで、かなり旅客の流動が激しいことを想定した編成なのかもしれません。このうち6~4号車についてはほぼ同じ内装で、黒を基調としたモケットの座席が並びます。車両の中央部に荷物置き場が設置されているのも特徴的です。

f:id:watakawa:20201011122510j:plain

ドア上部の造りは少し違う

ただしドア上部の電光掲示等の仕様は少し異なるようで、6号車ではカバーをスライドさせて「自由席/指定席」を切り替えるアナログスタイルでしたが、5号車ではデジタルで「自」と表示する電光掲示方式でした。

f:id:watakawa:20201011122747j:plain

自由席(3号車)

3号車も6~4号車と同じく自由席ですが、室内の様子が大きく異なります。まず何より座席の形状が大きく異なり、6~4号車に比べてこちらの方がふかふかに見えます。というのも、この号車は元々「ビュッフェカー」として使用されており、座席ではなく大きなカウンターのある供食設備をもった車両として運用されていました。しかし、2004年の九州新幹線先行開業の際にこの787系が「リレーつばめ」での運用に入ることになり、その際に座席車両としたのです。天井には楕円形のオシャンティな照明が設置されており、今でもその名残を感じることができます。

f:id:watakawa:20201012103406j:plain

コンパートメントも自由席!

また、3号車には4人用のコンパートメント(半個室)もありますが、何とこれも自由席なのです! 大人数の乗車でもお構いなしの早い者勝ちですが、知らない人と相席になるとなかなかしんどそうですね(笑)。

f:id:watakawa:20201012103703j:plain

指定席(2号車)

普通車指定席は2号車のみで、ピンクやオレンジを基調としたモケットが印象的です。やや色褪せているようにも見えますがどうなんでしょうか。今回は博多まで6時間6分、この指定席で過ごしていきます。

列車の最後部、1号車はグリーン車になっています。この1号車には、一般的なグリーン席の他に「DXグリーン席」や「グリーン個室」といった多様な豪華設備があるようですが、「グリーン特急券を持っていないお客様は1号車への立ち入りをご遠慮ください」的な文章があったので、中へ入るのはやめておきました。今度是非ともグリーン個室など使ってみたいですね…!

f:id:watakawa:20201012104404j:plain

宮崎よさらば

それでは、17:17になりましたので、定刻通り〔にちりんシーガイア24号〕は博多へ向け出発。宮崎空港駅をゆっくりと出発し、車窓には空港周辺の道路やヤシの木を眺めながら進んでいきます。

この列車の途中停車駅は、南宮崎、宮崎、佐土原、高鍋、都農、日向市、門川、南延岡、延岡、佐伯、津久見臼杵鶴崎、大分、別府、杵築、宇佐、柳ヶ浦、中津、宇島、行橋、小倉、戸畑、黒崎、折尾、赤間、香椎、吉塚です。ご覧の通り、ものすごい数の停車駅で、同区間を走る他の特急よりもかなり多めに設定されています。長距離特急ではありますが、私のような長距離利用ばかりではなく、こまめに停車することで各地域での短区間の利用も積極的に促しているものと思われます。そう考えれば自由席車両が多いのも納得です(聞いたことのない駅が続出しているなんて口が裂けても言えない)。そういえば2020年3月まで存在していた千葉~南小谷駅間の通称「千葉あずさ」も停車駅が多かったですよね。

列車は南宮崎より日豊本線に入り、一大主要駅である宮崎駅に到着。ここからかなり多くの乗車がありました。しかし不思議なことに、指定席車両は私が乗車しているこの1両しかないのに満席とまではいかず、宮崎を出発する時点ではかなり余裕があるようでした。

f:id:watakawa:20201012105515j:plain

日向夏ジュース

ここで、413.1kmの長旅の安全を願い(?)、宮崎空港ターミナルビルのお土産物屋さんで買った「日向夏ジュース」(140円)をいただきます。240mLとペットボトルにしてはかなり小さいサイズですが、これが本当に甘くて美味しいのです! 柑橘系ジュースはどうしても酸味が強すぎるものがあったりしてあんまり自分は得意ではないのですが、そういう苦手な酸味がないのでとても飲みやすいです!

列車は都農~日向市駅間を走行中。だんだん日が落ちてきて、暗くなってきました。車窓には、昔使われていたリニア実験線の高架も見ることができます。都農や門川は、朝晩を中心に運行される特急〔ひゅうが〕なら停車しますが、にちりんで停車することはほとんどないみたいです。

f:id:watakawa:20201012112847j:plain

すっかり暗くなった夜の延岡

18:42、途中の延岡駅に到着。近年駅舎がリニューアルされたようですが、昔の姿も今の姿も見たことありません。

宮崎空港を出てからここ延岡まで、かなりこまめに停車してきましたが、この延岡の次は1時間後の佐伯まで客扱い停車をしません。6時間も走る列車とはいえ、1時間ドアが開かないのはかなり長い印象です。延岡を発車する際に「次は佐伯です、1時間停車しません」的なことを繰り返しアナウンスしていました。

なぜ延岡~佐伯駅間で客扱いの停車駅が設定されていないかというと、この区間は宮崎県と大分県に跨る「宗太郎越え」と呼ばれる鉄道の難所になっており、主要な都市が特にないためです。沿線人口も非常に少なく、この区間普通列車が1日に1.5往復しか設定されていません。特急列車は毎時1本程度とかなりの本数が設定されていますので、ほとんど特急専用の線路といった様子で、北海道の石勝線に近い感覚です。

f:id:watakawa:20201012113701j:plain

宗太郎越え(何も見えない)

延岡駅を発車ししばらくすると、街の明かりもなくなり車窓は真っ暗に。単線区間のようで、途中駅で対向列車との行き違いのための運転停車はありますが客扱いは行いません。登り坂ということでかなり列車の速度が落ちているのがわかります。

おそらくこの辺りの駅は無人駅ばかりでしょうから、きっと駅周辺でも明かりはほとんどなく、気づけば宗太郎駅重岡駅を通過していました。真っ暗闇の中をかなり長い間走行していましたが、再び街の明かりが見えてきたらまもなく佐伯です。

f:id:watakawa:20201012114203j:plain

ようやく佐伯に到着

19:49、列車はようやく佐伯に到着。1時間ぶりの客扱い停車ということで本当にホッとしました。在来線で1時間もドアが開かない列車ってそう多くはないですからね…。

そしてここ佐伯からは、長かった宮崎県を抜け、いよいよ大分県に突入です。宮崎空港を出てから2時間半、外は真っ暗なので車窓を楽しむということもできませんが、まだ折り返しにも来ていないのだと思うとぞっとします。

f:id:watakawa:20201012115944j:plain

臼杵駅とひと目でわかる駅名標(城壁?)

20:18、列車は臼杵駅を出発。時間的にはここが宮崎空港博多駅間のほぼ中間地点となります。ここまではまだ車窓が少しは楽しめたりしましたが、ここから先は疲労も溜まってきてなかなかにしんどい3時間となります。

f:id:watakawa:20201012120124j:plain

宮崎名物「椎茸めし」を味わう!

ここでいよいよお待ちかね、夕食タイムへと突入していきます! 今回は、宮崎駅で予め購入しておいた駅弁「椎茸めし」(800円)です。蓋を開けると、肉厚の椎茸と二色のそぼろが何とも美しい…! 椎茸は本当にジューシーで美味しいです! おかずも充実していながら、これで800円とはかなりリーズナブルだなと思いました。ほろよい片手に晩酌を楽しみながら、列車はいよいよ大分駅へと入っていきます。

f:id:watakawa:20201012120734j:plain

長かった…けどまだまだ先は長い

大分駅には20:53の到着です。基本的に〔にちりん〕の運行区間はここ大分までですが、この列車は特に大分でも長時間の停車などすることなく、単なる途中駅として設定されています。大分からはかなりの乗車があり、指定席もかなり混んできたなという印象です。それでも私の隣に人が来ることはありませんでした。

20:55に大分を発車し、列車はこれから〔ソニック〕の運行区間へと入っていきます。残りあと2時間半、果たしてどうなる…?

f:id:watakawa:20201012121137j:plain

USA…?

大分以北でも、引き続きかなりこまめに停車していくという印象です。この区間ではこれまでに2度、特急〔ソニック〕で乗車済みですが、杵築、宇佐、柳ヶ浦、宇島などの停車駅は今までの乗車だと通過してきました。柳ヶ浦といえばかつて「日本一朝早い始発列車」(午前4:17発)の始発駅として有名でしたが、今はもうその列車はないみたいですね。

f:id:watakawa:20201012121511j:plain

夜の行橋

22時を過ぎ、列車は行橋駅へと到着。そして大分県を脱出し、いよいよ福岡県へと突入していきます。

小倉駅へは22:29に到着。ここでもかなりの乗降がありました。この小倉より先、列車の進行方向が変わり、先ほどまで最後尾だった1号車(グリーン車)が先頭となります。久しぶりに座席から立ち上がり、座席を回転させますが、久しぶりに体を動かしたことで、案の定かなり疲労が溜まっていることに気づかされます。

小倉より先、列車は鹿児島本線へと入っていきます。この辺りだとかなり人口の多い主要都市が連続するため、車窓から明かりが絶え間なく入ってきますが、つまりそれだけ停車駅も多いということ。新幹線ならノンストップですが、にちりんシーガイア24号は戸畑、黒崎、折尾、赤間、香椎、吉塚に停車します。最後の方などほぼ各駅停車です。

もうこの辺りに入ってくると、あまり各駅のホームに人はおらず、乗り降りもありません。車内では仮眠を取る人も多く、真っ暗な鹿児島本線を疾走する座席夜行の風格すら感じられます。途中駅でホームの電光掲示板を見てみると、方面によっては最終列車の案内も表示されていたりします。

そして最後の途中停車駅である吉塚を発車したら、数分でいよいよ遂に終点の博多駅へと到着です!!!

f:id:watakawa:20201012131537j:plain

35時間ぶりくらいの博多

いやもう本当に長かった。このまま永遠にこの列車は終着駅に着かないんじゃないかと思うくらい、長い長い道のりでした。それでも見事413.1kmを走破し、23:25に終点の博多駅へと到着です。

f:id:watakawa:20201012131825j:plain

ホームにあまり人はいない

もう夜遅くということか、駅構内やホームにあまり人はおらず、にちりんシーガイア24号から降りたお客さんはみなそそくさと改札口へ向かっていきます。

決して楽な移動ではありませんでしたが、しかし「みんなの九州きっぷ」土日2日間の締めくくりにこの名物特急に乗れたことが本当に何より嬉しかったです! 次にもし乗る機会があれば、最低でもDXグリーンに乗りたいなぁと思いました(笑)。

f:id:watakawa:20201012132413j:plain

日曜夜の博多駅

日曜夜の博多駅。人がいないわけではありませんが、ただやっぱり既に夜遅くでお店も閉まっており、明日も学校や会社という人が多いでしょうから、博多にしては人はまばらな感じがします。

この時間からさらにどこかへ移動はできないので、この日の夜は博多駅から徒歩で行けるカプセルホテルを予約しておきました。

f:id:watakawa:20201012132711j:plain

キャビンホテル博多

それがこちらの「キャビンホテル博多」です。エントランスは和風な感じですが、中はいたってシンプルなカプセルホテルです。

f:id:watakawa:20201012132855j:plain

横から入るタイプ

カプセルは横から入るタイプで、施錠は不可能ですがカーテンがついています。GoToトラベル適用外ではありますが、宿独自の激安プランとして、1泊税込1,900円で宿泊することができました。一通りのアメニティもついていますから、この値段でしっかり横になれるのは本当にありがたいです。しかも博多駅まで徒歩数分の一等地ですからね。

しっかり寝て、翌日に備えたいと思います。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

是非ともSNS等での拡散・コメント・評価・読者登録をよろしくお願いします!

また、Twitterのフォロー・YouTubeチャンネル登録もお待ちしております!

Twitterこちらから(鉄道系、旅行系の方は原則フォロバします!)

YouTubeこちらから(毎週金曜日にライブ配信を行っています!)

波乱万丈の歴史を歩んできた無人駅「田吉」をご紹介【2020-09九州10】

f:id:watakawa:20201010150451j:plain

みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は、2020年9月に出かけた九州一周旅行の第10弾記事となっております。

九州に上陸して3日目(土日2日間で使用する「みんなの九州きっぷ」の行程としては2日目)、鹿児島中央から宮崎まで特急きりしま号で移動してきました。

前回の様子は以下のリンクからご覧ください!

watakawa.hatenablog.com

 

3日目 2020年9月13日(日)③

宮崎が誇る絶品「チキン南蛮」でお腹いっぱいになり、歩いて宮崎駅まで戻ってきました。

f:id:watakawa:20201010115451j:plain

建設中のアミュプラザ

宮崎駅前では現在「アミュプラザ」が建設中で、完成すれば宮崎の街もさらに賑わうことでしょう。

ここからは最後、博多方面へと帰るのですが、予定の列車までちょっと時間があるので、宮崎駅からも程近い「田吉」という駅をご紹介していきます。

f:id:watakawa:20201010115827j:plain

密です、密です

宮崎駅の改札口にある発車標を確認し、これから16:02発の宮崎空港に乗車していきます。3方向へと線路がのびる大きな駅ですが、その割に発車標のサイズがコンパクトなので文字がぎっしり詰まっております。例によってにちりん号は大分までですが、その先の接続も込みで「博多」の文字もあります。

f:id:watakawa:20201010120156j:plain

817系っていうのか

やってきた普通列車は、817系2両編成。延岡始発のため、ここ宮崎駅での停車時間はわずかです。2両編成とは度肝を抜かれる短さですが、この地域では常識的な編成のようですね。宮崎の方に「短い11両編成」と言っても理解してもらえなさそうです(笑)。

f:id:watakawa:20201010121139j:plain

革張りの転換クロスシート

宮崎駅で大きく人が入れ替わり、列車は定刻通り発車。車内は転換クロスシートで、木製の背もたれに革のクッションが取り付けられている何とも斬新なデザインです。

f:id:watakawa:20201010130902j:plain

宮崎周辺では線路がいくつも分かれる

今回向かう「田吉駅」というのは、日南線宮崎空港線の2つが乗り入れる駅です。宮崎駅からは「宮崎空港行」や日南線方面行の列車に乗車すれば向かうことができます。

私の乗車する列車は、宮崎から数分で隣の南宮崎駅に到着。ここもすべての特急が停車する主要駅で、この駅で日豊本線から分かれることになります。まだまだ宮崎の市街地といった様子で、ほとんどの人がここで降りていきます。

f:id:watakawa:20201010131318j:plain

色とりどりの国鉄普通列車が留置されている

私の列車はここで数分程度の停車時間がありました。というのもこの先は単線となるため、このように行き違いのできる大きな駅で時間調整を行っているようです。

程なくして列車は発車。一気に車内はガラガラになり、スーツケースを持った人の姿が見受けられます。さすがは空港に向かう列車といった様子。

南宮崎駅を出ると日南線に入り、次の駅はすぐ田吉駅となります。宮崎駅を出てから12分で、田吉駅に到着です。

f:id:watakawa:20201010132103j:plain

狭すぎるホーム

1面2線の狭すぎる島式ホームに、降り立ったのは自分一人だけ。ワンマン運転なので、降車時に運転士さんにみんなの九州きっぷを見せます。そして列車は宮崎空港の方へと走り抜けていきました。

f:id:watakawa:20201010132327j:plain

田吉駅舎(待合室?)

ホームから出て、構内踏切を渡り駅舎の方へ行ってみました。こちらが田吉駅舎です。もちろん無人駅で、乗車券類の発売等は行っていない様子。辛うじて雨風を凌げる待合室が設置されているといった様子ですが、この待合室から直接ホームに上がれるわけではありません。

駅前にはおびただしい数の自転車が並んでいました。これを見るとかなり多くの地元の方が使われているようにも見えます。

f:id:watakawa:20201010132707j:plain

運賃表と時刻表

駅舎の外側には運賃表と時刻表が掲示されています。南宮崎まで170円、宮崎まで210円というのはごく普通の価格ですが、何と1駅隣の宮崎空港までは300円。もはや田吉駅から見えるくらい近いのに、何とも高額な運賃です。また日南・志布志方面へ向かう途中駅でもありますので、志布志までの運賃も掲載されていますが、1,850円とかなり遠いことがわかります。

時刻表を見ると、上りは多くの列車が宮崎やその先の延岡方面へと乗り入れていますが、一部南宮崎どまりの列車も発着する様子。宮崎空港方面は1~2本/時、日南方面は1本/時あるかないかくらいのようです。ほとんどは普通列車ですが、指定日に運行される日南線の臨時観光特急「海幸山幸」は停車するようです。宮崎空港を発着する特急はすべて通過します。

f:id:watakawa:20201010133538j:plain

ICカードタッチ機がある!

無人駅でもちろん自動改札機もありませんが、何とICカードの簡易タッチ機は設置されていました! そもそも宮崎がICカードの利用可能エリアになっているというのがまず驚きです。

f:id:watakawa:20201010134413j:plain

ゼロキロポストならぬ2キロポスト?

改めてホームに上がってみました。本当に細くて狭い島式ホームで、線路脇にはゼロキロポストならぬ「2キロポスト」があります。田吉宮崎空港駅間のみが「宮崎空港線」となるためこの田吉駅宮崎空港線のゼロキロポストがあるのかと思いきや、実はないそうで、南宮崎を起点とする日南線の2キロポストのみが設置されているというわけです。

f:id:watakawa:20201010135325j:plain

宮崎空港が見える

田吉駅の東側は何も遮るものがないので、背の低いビニールハウス越しに宮崎空港のターミナルビルが見えます。写真に映っているのはソラシドエアでしょうか。いろんな航空会社の便が離着陸していく様子もはっきりと見ることができます。

f:id:watakawa:20201010140008j:plain

驚くべき歴史が

実はこの何の変哲もないように見える田吉駅ですが、驚くべき歴史を歩んできたのです。

田吉駅の歴史は古く、今から100年以上前の1913年に日南線の前身である宮崎交通線の駅として開業しました。その後戦後1962年に宮崎交通線は廃線となり、この駅もいったんは廃止されることになります。

その翌年、1963年に宮崎交通線の跡地を利用する形で国鉄日南線が開業し、わずか1年で田吉駅は復活することとなります。しかしその2代目田吉駅も、利用者の低迷に悩み、わずか8年後の1971年に廃止されることになります。

それから25年後、田吉駅は思わぬ形で再復活を遂げることになります。1996年、宮崎空港線の開業に伴い日南線との分岐駅として現在の3代目田吉駅が開業したというわけです。つまり、何とこの田吉駅は今までに2度も廃止された上、その後復活を遂げてきた奇跡の駅ということになります。

現在の1日の乗車人員はわずか37人ということで、これだけ聞くといつ廃止されてもおかしくない駅といえそうです。ただし現在は日南線宮崎空港線の分岐駅という役割がありますから、もし田吉駅がないと両路線とも南宮崎駅を起点とすることになり、路線の扱いが大きく変わってしまうため、宮崎空港線が存続する限り廃止になることは今後まずなさそうです。

f:id:watakawa:20201010141405j:plain

787系が通過

田吉駅に停車する列車はごくわずかですが、宮崎空港発着の特急が高速で通過したり行き違いのため運転停車をしたりするので、思いのほか高頻度で列車が走ります。通過列車の際はホームにいるのは危険かと思いますので、あまり長時間ホームで列車を待つよりは直前まで待合室にいるのが賢明かもしれません。

f:id:watakawa:20201010141648j:plain

真っ赤な普通列車がやってきた

それでは、後続の普通列車に乗車し終点の宮崎空港へと向かっていきます。真っ赤な車両がやってきましたが、顔を見ると国鉄型という感じでもうかなり長いこと使い古されていそうな編成です。

f:id:watakawa:20201010142336j:plain

空港行なのにワンマン

f:id:watakawa:20201010141903j:plain

豪華すぎでは?

そして乗車してから気づいたのですが、普通列車にも関わらず座席がめちゃくちゃ豪華でした! 特急の座席とほぼ同等で、もしかすると元々特急列車で使われていたものをこちらに設置しているのかもしれません。リクライニングもする快適すぎる座席で、田吉宮崎空港までわずか3分の旅(笑)。日豊本線18きっぷで長時間移動する際などにこの運用だったら大当たりでしょうね。乗り得度はAIZUマウントエクスプレスと肩を並べるレベルです。

f:id:watakawa:20201010142226j:plain

駅名標のクセがすごい

16:48に列車は終点の宮崎空港駅へと到着です。列車は素早い幕回しを行い、折り返し高鍋行の普通列車となるようです。

楕円形の駅名標が印象的なこの宮崎空港駅ですが、鉄道で行ける全国でも数少ない空港かなと思います。新千歳空港仙台空港、成田空港、羽田空港中部国際空港伊丹空港関西空港神戸空港福岡空港のように、ほとんどの空港アクセス鉄道は大都市圏でのみ発達しており、地方空港で鉄道アクセスができるのはここと米子空港くらいではないかと思われます。

f:id:watakawa:20201010143016j:plain

改札口はこの1ヵ所のみ

1面2線の島式高架ホームで、自動改札機はありませんがここでもICカードのタッチ機はあります。空港連絡駅にもかかわらず有人改札口でお客さんを捌けるのか…というのが驚きです。

f:id:watakawa:20201010142836j:plain

駅舎はターミナルビルに隣接

外から見るとかなりカッコいいフォルムをした駅舎ですが、空港連絡駅にありがちな地下ではないため、改札口を出ると階段・エスカレータを降りて地上に出て、そしてバスや車と同じ入口から空港のターミナルビル内に入っていくこととなります。

f:id:watakawa:20201010143425j:plain

3大都市圏を中心に路線展開

出発案内を見ると、ずらっと並ぶ「東京」「名古屋」「大阪」の文字…。かなり各方面へ豊富な便数が設定されているなという印象です。さすがは宮崎の空の玄関。まぁ東京、名古屋、大阪のいずれの都市からも宮崎へ行く際はほとんどの人が飛行機を選ぶでしょうからね…。かつては東京~宮崎駅間で寝台特急〔富士〕が運行されていたんだということをイマドキの人に話してもなかなか信じてもらえさなそうです。

f:id:watakawa:20201010143826j:plain

宮崎駅より100倍立派なターミナルビル

ターミナルビル内には、多数のお土産物屋さんが入っていて、宮崎駅とはうって変わって大賑わいといった様子です。本来ならば国際線も就航しているようですが、新型コロナの影響で現在は国内線のみが発着している様子。それでも宮崎駅はえらい違いです。いや、宮崎駅も賑わっていないわけではないんですが、宮崎空港の賑わいを見てしまうとな…という印象です(笑)。

さて、私も宮崎空港に来たからには、ここから羽田へ飛行機で帰るのか…と10人中10人が思うと思います。が、今回は飛行機には乗りません。続きは次回ご紹介していきますのでお楽しみに!

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

是非ともSNS等での拡散・コメント・評価・読者登録をよろしくお願いします!

また、Twitterのフォロー・YouTubeチャンネル登録もお待ちしております!

Twitterこちらから(鉄道系、旅行系の方は原則フォロバします!)

YouTubeこちらから(毎週金曜日にライブ配信を行っています!)

えぇっ!? 特急なのにワンマンなの? 特急きりしま号で宮崎へ行き念願のチキン南蛮を味わう至福の旅【2020-09九州9】

f:id:watakawa:20201008161718j:plain

みなさんこんにちは! わたかわです。

今回は、2020年9月の九州一周旅行第9弾記事ということで、3泊4日の旅行行程でいうと3日目の日曜日、「みんなの九州きっぷ」でいうと2日目のお昼の鹿児島中央駅からスタートです!

前回は九州新幹線に乗車し鹿児島中央へ、そして短い時間ではありますが鹿児島市内観光を楽しんできましたのでその様子は以下のリンクからご覧ください!

watakawa.hatenablog.com

 

3日目 2020年9月13日(日)②

天文館方面から鹿児島市電鹿児島中央駅に帰着し、いよいよ鹿児島県を離れて九州最後の都道府県・宮崎県へと向かっていきます。

f:id:watakawa:20201007150213j:plain

ターミナル駅らしい大きな発車標

鹿児島中央駅には、九州新幹線のほかに在来線では鹿児島本線日豊本線指宿枕崎線の3路線が乗り入れます。厳密には日豊本線は一つ隣の鹿児島駅がスタートで、この鹿児島駅の方が鹿児島本線日豊本線両方の終点ということになるのだと思いますが、実質的に日豊本線の列車はどれも鹿児島中央駅まで乗り入れていますから、実質的にはここ鹿児島中央駅から鹿児島本線日豊本線の両方に乗れるという感覚でいいと思います。ただ鹿児島中央駅の宮崎方面の発車標にはしっかり「鹿児島・日豊本線」と書いてありました。律儀だ…。

f:id:watakawa:20201007152734j:plain

いぶたまもいつか乗ってみたい

というわけで、ここ鹿児島中央駅を11:50に発車する特急〔きりしま10号〕に乗車し、一路宮崎を目指します。鹿児島中央駅の在来線ホームは、九州の都道府県代表駅としては珍しく今でも地上ホームなので、おそらく夜行列車が数多く発着していた西鹿児島時代からあまり雰囲気は大きくは変わっていないのかもしれません。しかし発着する列車は大きく変わりまして、反対側のホームには「指宿のたまて箱」通称”いぶたま”が停車中。これもいつか乗ってみたいものです。

f:id:watakawa:20201007153754j:plain

黒光りする787系

こちらが、特急〔きりしま10号〕の運用に入る787系です。黒というか灰色というか、かなりインパクトのある車体、そして前面は独特な目つきをしています。九州の個性派特急のボスみたいな感じすらありますが、一方で根強いファンも多いこの787系。私は人生で初めてお目にかかり、そして人生で初めて乗車していくことになります。

f:id:watakawa:20201007154224j:plain

わ、ワンマン…!?

角度的に見えづらくて申し訳ないのですが、何とこのきりしま号は特急にも関わらず「ワンマン運転」らしいのです…! これはかなり斬新ですよね。JR九州の経営合理化に伴ってこうしているということなのでしょうか。

列車は4両編成で、私は一番後方の1号車、普通車指定席に乗車していきます。

f:id:watakawa:20201007154551j:plain

飛行機みたいな荷物棚

列車は定刻通り鹿児島中央駅を発車。ワンマン運転なので車内放送はすべて自動放送です。

4両編成のうち、前から順に4~2号車は基本的に自由席となっており、最後尾の1号車はグリーン車&指定席となっています。日豊本線は、区間によってかなり普通列車の本数が少なく、そういう区間ではもしかすると日常的に地元の方が特急の自由席を短区間で利用されたりするのかもしれません(完全な推測ですが)。

そのためか、特急〔きりしま〕は停車駅も非常に多く、鹿児島中央を出ると途中鹿児島、加治木、隼人、国分、霧島神宮、西都城都城、清武、南宮崎に停車します。列車によっては鹿児島~加治木駅間や都城清武駅間でさらに多くの停車駅が設定されている場合もあり、特急というよりは一昔前の急行のような位置づけかと思われます。

f:id:watakawa:20201007161003j:plain

桜島が見える!

列車は一つ隣の鹿児島駅を発車し、いよいよ日豊本線に入ります。車窓右手側には桜島が見え、何と海岸線ギリギリを列車は走っていきます。あいにく雲の多い空模様ではありますが、桜島雄大さや錦江湾の景色の素晴らしさは十分に伝わってきます。

この〔きりしま〕で使われている787系は決して新しい車両ではなく、その昔は特急〔リレーつばめ〕等でも活躍していた車両のようですが、何と1号車には各座席にコンセントが備わっています。窓口で指定券を発券してもらう時に「コンセントのある席があったらお願いします」と注文しましたが、まさかこんな地方の特急で本当に完備されているとは思いませんでした。助かります。

f:id:watakawa:20201007161933j:plain

ド派手すぎるデッキ

ここでちょっと時間があるので、車内探検に。透明なドアをくぐりデッキへ出てみると、赤、青、緑で塗られたド派手すぎる配色に驚かされます。表面がピカピカしているので何となくバブル感すらありますが…。

f:id:watakawa:20201007162529j:plain

自販機もある

車内には、飲料の自動販売機も設置されています。価格も自販機としては概ね普通レベルで、そこまで割高ではありません。お茶、水のほかにジュースやコーヒーもあり、列車内の自販機としてはかなり充実している方なのではないでしょうか。

列車は基本的にほぼ全区間で単線での運行となります。「本線」と名がつき、特急が走り、電化されているにも関わらず単線というのは、横浜に住んでいるとなかなか感覚が湧きませんが、こういう路線はまだまだ日本にたくさんあるでしょう。改めて、普段なかなか来ないような遠くへやってきたことを実感しました。

f:id:watakawa:20201007163936j:plain

名もなき風景すら美しい

鹿児島付近では海を見たかと思えば、今度はかなり山深い区間に入ってきました。奥に見えている山が果たして何という山なのか、ここは何という街なのか、全くわかりませんが、こんな名もなき風景すら美しい田舎の風景だなと感じてしまうのが都会人の性です。

f:id:watakawa:20201007164325j:plain

大淀川を越えればもうすぐ宮崎

そんな景色を眺めたかと思えば、列車はあっという間に宮崎市街地へと入っていきます。宮崎の一つ手前、南宮崎駅からは乗車券のみで特急の自由席を利用できるという特例があります。

南宮崎駅を過ぎ、大淀川を越えて14:02、列車は終点の宮崎駅に到着です!

f:id:watakawa:20201007164558j:plain

宮崎に到着!

ついに九州最後の都道府県へ、人生で初めて上陸しました。宮崎駅も高架駅で、駅名標に描かれたヤシの木と海がいかにも南国感を醸し出しています。

f:id:watakawa:20201007183749j:plain

雰囲気マシマシな宮崎駅

宮崎駅には、日豊本線日南線宮崎空港線が乗り入れています。特急を含めもちろん全列車が停車する駅で、1日の乗車人員は約5,000人程度とのこと。大分方面へ向かう特急〔にちりん〕、鹿児島中央方面へ向かう特急〔きりしま〕のほか、熊本県新八代へ向かうJR九州の高速バス「B&Sみやざき号」が遠方からの主な交通手段となっています。

ホームが2面4線しかないのに対して駅前にはそれよりも遥かに発着スペースの広いロータリーが広がっており、車社会の象徴ともいうべき景色が広がります。

時刻は14時を過ぎておりますが、まだお昼ご飯を食べていなかったので、ここで宮崎のご当地グルメを味わいたいと思います!

宮崎が誇るご当地グルメといえば、「チキン南蛮」。宮崎にはその「チキン南蛮発祥の店」といわれる老舗の洋食店おぐら」さんがあります。宮崎駅西口を出てまっすぐ通りを進んだところにある本店がまさにその元祖というわけですが、今回はお昼の営業時間に間に合わなかったので、チェーン展開する駅南側の「瀬頭店」へと歩いて向かいました。

f:id:watakawa:20201008154639j:plain

おぐら 瀬頭店

宮崎駅西口を出て左に進み、1kmほど歩くと見えてくるのが「おぐら瀬頭店」です。こちらは大きな駐車場を構え、老舗の洋食店というよりはファミレスのような規模感の店舗なのですが、本店と同じく元祖チキン南蛮を味わうことができます。日曜日のお昼ということで、駐車場は満車で、店の前も多くの人でごった返していました。おそらく家族、親戚、友人といった大人数で来店している方が多いようで、1人で入店するのにはかなり勇気がいりました(笑)。

ただまぁ1人客ということでそれほど待つことなく案内してもらえ、数少ないカウンター席のような場所に着席。お昼のピーク時間は過ぎていましたが店内はかなり混雑していて、注文してから運ばれてくるまでには少し時間がかかりましたが、宮崎滞在には余裕を持たせていたので全然問題はありませんでした。

f:id:watakawa:20201008155231j:plain

チキン南蛮(1,050円、ライス付)

そしてこちらが、あの名物の「チキン南蛮」(1,050円)です!! やわらかく揚げた大きな鶏の一枚肉にたっぷりとタルタルソースがかかった贅沢な一品で、もちろんこのほかにライスも付きます。とにかくジューシーでやわらかくて、あまりにもお肉が大きすぎるのでナイフとフォークで食べるという贅沢な苦労を強いられます(笑)。大きく切って一口かぶりついた瞬間から、至福のひと時がスタート。ライスと一緒に味わうもよし、余ったタルタルは山盛りキャベツに絡めて食べるもよし。これほどのボリュームがあっても最後まで美味しく食べられました。私は特に鶏料理が大好物なので、こんなに幸せなランチはありません。宮崎にやってきた最大の目的が果たせたといっても過言ではありませんでした。

この後は再び徒歩で宮崎駅へと戻り、次なる列車へと乗車していきますが、その様子は次回ご紹介します。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

是非ともSNS等での拡散・コメント・評価・読者登録をよろしくお願いします!

また、Twitterのフォロー・YouTubeチャンネル登録もお待ちしております!

Twitterこちらから(鉄道系、旅行系の方は原則フォロバします!)

YouTubeこちらから(毎週金曜日にライブ配信を行っています!)